「貧困の終焉?」グローバル経済の収奪構造をえぐるドキュメンタリー

20分
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放送日: 
2009/11/10(火)

オバマ大統領は2009年秋の国連総会で「極貧の撲滅をめざす」と宣言しました。しかし国際通貨基金(IMF)や世界銀行の予測では、世界金融危機の影響で途上国では貧困に分類される人の数が5300万人も増加します。国連調査では人類の3分の1以上が1日2ドル未満で暮らしています。こんな状態で、どうやって貧困をなくせるのか?経済版「不都合な真実」と呼ばれる映画『貧困の終焉?』(The End of Povertty?)は、世界には十分な資源があるのに何十億人が飢えているのは、途上国から先進国に富が流れ続ける不正な収奪システムがあるためだと説明します。

映画の中で政治学者スーザン・ジョージは、第3世界の債務返済と貧困の関係をこう説明します。世界一貧しいサハラ以南のアフリカは、毎分2万5千ドルもの金を北半球の債権者に支払っている。この返済のために、学校や病院も建たず、雇用創出の資金もない。毎年約2千億ドルもの資金が途上国から先進国に流れており、じつは「南」が「北」の資金をまかなっているのです。

ディアズ監督によれば、この関係は今に始まったものではなく、コロンブスの時代にさかのぼります。欧米諸国は世界に進出し植民地を広げて資源を根こそぎ奪いました。土地を奪って奴隷を作り出し、その次に水や森林や鉱物を奪い、アフリカからは奴隷を連れ出した。こうして奪った資源のおかげで、先進国は自国の自然の再生産能力を超える生活水準が可能になった。この構造が今も続いており、先進国のいまの生活水準は、途上国の貧困に依存しています。資源と労働力を二束三文で買い叩くためには、途上国を貧困にする必要があるからです。現在は第3世界の国々をだまして借金をさせ、債務地獄に陥れて民営化を押しつけ、経済的自立を奪うことによってそれが維持されています。

先進国の人々がいまの生活水準を保つために途上国の人々をどんどん貧困に追い込むのだと、監督は言います。この構造を変えるための提唱が、先進国の「脱成長」です。これはどんな考え方なのでしょうか。 (中野)

★ ニュースレター第32号(2010.9.10)

ゲスト

* フィリップ・ディアス (Philippe Diaz) フランスの映画作家 The End of Poverty?(『貧困の終焉?』)の監督
*スーザン・ジョージやジョン・パーキンスもドキュメンタリーの抜粋に登場します

字幕翻訳:川添峡子/校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子

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