ハイチの苦難の歴史 黒人奴隷革命から大統領拉致まで ランダル・ロビンソン 後編

 民主的に選ばれた大統領が、未明に官邸を襲った他国政府の要員によって拉致され、国外に追放される。こんな無法な事件が4年前ハイチで起こりましたが、その事実は大手メディアでは報道されていません。カリブ世界の最貧国、政情不安のつづく破綻国家で、またもや軍事クーデターが起こったと片付けられているようです。ハイチはフランス革命時代に黒人奴隷が蜂起しフランスから独立した世界最初の黒人共和国です。その輝かしい歴史のために、この国は大きな代償を支払わされてきました。独立以来たえまなく続く欧米の敵意と干渉について、2004年のクーデターの詳細と、その後の現地情勢を調査したランダル・ロビンソンが語ります。 (15分)

日本のショックドクトリン:原発事故から3年、国粋主義と軍国化にひた走る安倍内閣

1月に来日したエイミー・グッドマンと番組スタッフは東京からの3日間にわたる特別放送を行いました。その一部を字幕つきで紹介します。東京発の第1弾は、近隣諸国との関係を緊張させている安倍政権の右翼的政策について取り上げます。(11分)

「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 1

 1973年のピノチェト将軍によるチリのクーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、イラク戦争、アジアの津波被害、ハリケーン・カトリーナ。これらの事件に一すじの糸を通し、従来にない視点から過去35年の歴史を語りなおすのが、カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインの話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)です。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがちですが、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張します。 (13分)

再教育キャンプ、潜入と監視:中国政府によるウイグル人ムスリムの迫害

中国政府によるウイグル弾圧の実態を告発したルシャン・アッバースへの単独インタビューです。それによれば、中国西端の新疆ウイグル自治区では、住民の半分近くを占めるウイグル人や他のイスラム教徒への迫害が激化しており、失踪者が相次ぎ、推定200万人ともいわれる人々が強制収容されています。中国政府は2018年になって施設の存在を認めましたが、これは収容所ではなく「過激主義者」を再教育するための職業訓練センターだとしています。しかし、過密状態で劣悪な環境におかれ拷問も行われているという証言もあるようです。また、収容者の子供たちも強制的に孤児院に入れ、非ウイグル化教育を施しているようです。(29分)

オピオイドまん延の起原:20年前の情報隠蔽と製薬会社幹部の大罪を見のがす司法省

米国でのオピオイドのまん延は深刻で、昨年トランプ大統領は「非常事態」を宣言し問題解決に数十億ドルの予算を投入するとしました。それから半年以上が経過し、オピオイド依存症患者の数は大きく減ったといつものトランプ節で自慢げに語りますが、最新の統計ではオピオイド過剰摂取による死亡者数は2017年10月でまでの1年間ではむしろ増加しているとのことです。このことは平均寿命にまで影響を与え、50年ぶりに米国の平均寿命が低下するという事態にまで及んでいます。 今回の動画では、オピオイド系鎮痛薬「オキシコンチン」について取り上げ、『鎮痛剤:詐欺の帝国と米国のオピオイドまん延の起源』のバリー・マイヤーさんに聞きます。(28分)  

コロンビア大学紛争から40年 当時の学生リーダー4人が振り返る

ジェームズ・クネン原作の映画『いちご白書』にも描かれ、一連の学園紛争の中でもとみに有名なコロンビア大学の学生ストを振り返ります。地元ニューヨークの大学であり、番組共同司会のフアン・ゴンザレスが当時の学生リーダーのひとりだったこともあって、同窓会的な雰囲気のなかで内輪の話がたっぷりと聞けます。(45分)

フリーダム・ライダーズ 人種隔離バスへの抵抗

公民権運動の歴史には、秘められた宝物がいっぱい埋まっているようです。今からちょうど50年前、公共交通機関の人種差別を撤廃させた非暴力不服従運動「フリーダム・ライド(自由のための乗車運動)」もその一つです。 南部では人種分離法によって、学校もレストランもトイレや乗合バスの座席も、はては救急車までもが白人用と非白人用に分けられていました。これに抗議するボイコットや座り込みが広がり、1960年末に連邦最高裁判所は南部の人種隔離法は憲法違反とする判決を出しました。でも南部はこれに従わず、差別の実態はなにも変わりませんでした。 その半年後、10人あまりの黒人と白人が一緒に南部行きの長距離バスに乗り込み、人種別の座席指定を公然と破ってみせました。(45分)

アメリカの急進派 I.F.ストーンの生涯とその時代-前半

「急進派ジャーナリスト」を自称したI.F.ストーンは、20世紀アメリカを代表する調査報道記者でした。学究的とさえいえる緻密で徹底した調査によって政治スキャンダルを暴く独特のスタイルで、報道界に大きな影響を与えました。60年にわたる活動を通じて取り上げた問題は、ニューディール政策、第二次世界大戦、マッカーシズム、冷戦世界大戦、イスラエル=パレスチナ問題、公民権運動、ベトナム戦争と多岐にわたります。前半です。(29分)

エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史  ―経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相 前編

 アメリカでは超ベストセラーなのに、なぜか日本では紹介されない本。どうみても日本人の興味を引きそうなのに、いまだに翻訳が出ないのが不思議なのが、ジョン・パーキンスのConfessions of an Economic Hit Man(『エコノミック・ヒットマンの告白』)です。グローバリゼーションの原動力となってきた、企業利益中心(コーポレートクラシー)の合衆国の世界支配戦略を、経済面で推進する勢力の深部で働いてきたと称する人物が、いかにこのシステムが第三世界の貧国を欺いて巨万の富をまきあげてきたかを内部告発。かつて英仏がしたような直接の軍事占領や植民地支配を伴わないアメリカ帝国の搾取構造が、ある意味、非常にわかりやすく説明されています。(30分)

米国の監視体制をあばいたNSA内部告発者エドワード・スノーデンが名乗り出る  インタビュー

米国政府が密かに行っている大規模な通信監視を暴露する内部資料が流出し、波紋を広げています。6月6日にはグーグル、マイクロソフト、アップルなど大手ネット企業9社の中央サーバーにNSAが直接アクセスして利用者の個人情報を入手する秘密プログラムPRISMの存在が明らかになりました。NSAの監視体制についてはこれまでも告発されてきましたが、動かぬ証拠となる内部資料がリークされたのは初めてです。マスコミも初めて大きく騒ぎ出し、ペンタゴン文書を超える破壊力を持つ米国史上最大のリーク事件です。6月9日、これらの内部資料を提供した人物が自ら名乗り出て、滞在先の香港のホテルでガーディアン紙のインタビューに応じました。エドワード・スノーデン氏は元CIA職員で現在はNSAのシステム管理者を務めるブーズアレン・ハミルトンの社員です。好条件の仕事と安楽な生活に恵まれた29歳の米国青年が、全てを投げ打って内部告発に踏み切った理由、そして名乗り出た理由をカメラの前で語りました。(15分)

スラヴォイ・ジジェク:欧州で勢いを増す反移民感情・極右発言

「寛容」を誇ってきた欧州で反移民的な言論が勢いを増し、一般市民の常識の歯止めを壊してひろがろうとしています。たとえば、2010年夏、フランスのサルコジ政権は少数民族ロマの国外「追放」政策を打ち出し、欧州連合(EU)諸国から激しい批判を浴びました。10月になると、1960年代以来、外国人労働者を受け入れてきたドイツのメルケル首相が、同国は多文化主義の社会構築に「完全に失敗した」とし、移民にドイツ社会への統合を迫りました。さらに2011年2月には英国のキャメロン首相が同国で育ったイスラム教徒の若者がテロの土壌となっているイスラム過激思想に走っているとし、英国の移民政策の基本となってきた多文化主義の政策、すなわち「異なる文化が互いに別々に、社会の主流から離れて存在することを勧めてきた」英国の政策は失敗だった、今後は「寛容さ」ではなく、西洋の価値観を守り国家アイデンティティーを強化する「より積極的で強力な自由主義」が必要だとする見解を表明しました。2010年10月、メルケル首相発言直後に行われたデモクラシー・ナウ!とのこのインタビューで、スラヴォイ・ジジェクは、極右の反移民的な言論を許容し発言権を与えてしまった欧州社会を厳しく批判しています。

WikiLeaks: モンサントの遺伝子組み換え作物を拒む欧州に米国が報復を検討

ウィキリークスがリリースした外交公電によると、フランスがモンサント社の遺伝子組み換えコーンを禁止したことを受けて、ステイプルトン元駐仏大使は2007年、EUへの報復を米政府に要請していました。ゲストのジェフリー・スミスによると、ブッシュ政権時代、フランスだけでなく駐スペイン米大使もモンサント社の幹部からヨーロッパの政治状況の説明を受け、GM普及策を一緒に練っていたのです。ウィキリークスの公表により、モンサント社の世界戦略とブッシュ政権のむすびつきが確認されたわけですが、このような強引な販売戦略によりモンサント社は米国産大豆のほぼ100%、トウモロコシは約70%を占めたといわれます。(13分)

「ファミリー」米国権力の中枢にひそむキリスト教原理主義

ムスリム撲滅の使命に燃えるエリック・プリンスのような狂信者とは異なり、米国のキリスト教右派の中にはもっと実利的で、力と支配を追求する勢力もいるようです。世間には知られない最強のキリスト教原理主義運動といわれるのが、「ファミリー」と呼ばれる政治秘密結社です。有力メンバーには、米国の連邦議員や財界人、軍幹部、また外国の国家元首などが名を連ね、共和党も、民主党もなく、すべての党派に勢力を分散させ、「聖書資本主義」と呼ばれる徹底した自由競争を追求します。まさに市場の「見えざる手」への信仰なのです。『ファミリー』の著者ジェフ・シャーレットが、この秘密集団について驚くべき発見を語ります(19分)

グリーン・ニューディール 上院で否決 広がる運動を阻止する悪あがき

民主党のオカシオコルテス下院委員とマーキー上院議員が提出したグリーン・ニューディール(GND)決議案が3月26日、上院で否決されました。グリーン・ニューディールはオバマ以来の民主党の目玉政策の一つで、政府が再生可能エネルギーに大胆な投資をすることで多数の緑の雇用(グリーン・ジョブ)を作り出し、米国経済を2030年までにCO2排出ゼロに変えることを目指します。しかし、共和党が強引に採決に持ち込んだ結果、民主党議員はほとんどが棄権(賛否を示さない「出席」投票)、4名は共和党議員と共に反対票を投じました。グリーン・ニューディールは挫折したのでしょうか?(14分)

TPPは貿易協定の衣を着た企業による世界支配の道具

日本では昨年から危険な秘密貿易協定として大騒ぎになっているTPP。環太平洋パートナーシップとか環太平洋戦略的経済連携協定とかいろいろに呼ばれていますが、中身が分からないのに一旦参加したら抜けられないと言われる馬鹿げた国際協定です。米国でも一般には知られておらず、通商代表部が企業側と連携しながら進めているので国会議員でさえ内容を知ることができないのです。交渉の草案がリークされて、ようやく議論に上るようになりました。2011年3月に「知財関連の条項」がリークされたのに加え、今回(2012年6月)には「投資条項」の草案がリークされました。リーク文書を掲載している市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラック氏は、「これは貿易協定ではない、企業による世界支配の道具です」「1%の富裕層が私たちの生存権を破壊する道具です」と断罪します。(19分)

ベトナム戦争の総指揮者ロバート・マクナマラ

2009年7月6日、ロバート・マクナマラが93歳で死去しました。1960年代にケネディとジョンソンの民主党政権で国防長官をつとめ、ベトナム戦争の遂行に中心的な役割を果たしました。フォード社の社長に就任したばかりのところを引き抜かれて政権入りしたマクナマラは、「ベスト&ブライテスト」と呼ばれたケネディ政権のエリート集団、超優秀で自信に満ちた高官の典型でした。後年に発表したメモワールの中で、ベトナム戦争を拡大し泥沼化させたことは誤りであったと述べ、自らの責任を率直に認めたとして話題になりました。しかし、それは本当に十分な反省だったと言えるのでしょうか?(23分)

WikiLeaks: ファイザー ナイジェリアで子供への実験薬投与による医療被害のもみ消しをはかる

巨大製薬会社ファイザーが調査員を雇ってナイジェリアの法務長官の汚職の証拠を見つけ出そうとしていたことが、ウィキリークスが公開した外交公電でわかりました。法務長官の弱みを握って、ナイジェリアの子供たちを死なせた不正な未承認薬投与試験をめぐる60億ドルの訴訟を取り下げるよう圧力をかけるためです。この実験で試験員たちは投与試験の署名同意書を得ず、また医療関係者によると、ファイザーは子供たちの親に実験薬を投与することを伝えていなかったといいます。(16分)

7万人の断種につながりナチ科学者の弁護にも引用された米国史上最悪の最高裁判決

今回は、米国史上最悪と言われる最高裁判決が下された「バック対ベル訴訟」を取り上げます。1927年、米国の連邦最高裁は、精神病または知的障害と言われている人々に対し、州が不妊手術を強制することを可能とするバージニア州の法律を支持する判決を下しました。この訴訟の原告は、何の障害も持っていないにもかかわらず州の隔離施設に収容されていた、キャリー・バックと言う若い女性でした。判決は、バージニア州はバックに不妊手術を施す権利があるとするもので、判決文を書いたオリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア判事は、「知的障害が3代も続いたなら、もう十分だろう」と締めくくっています。この判決により、子孫を残すには「不適格」とされた6~7万人の米国人に強制的に不妊手術が行われました。この裁判について本を書いたアダム・コーエンに話を聞きます。(20分)

米政府の経済封鎖による打撃がベネズエラのクーデターの試みを後押し

ベネズエラでは今年1月、マドゥロ大統領の二期目就任からほどなくしてクーデタの試みが起こりました。1月24日に野党指導者のフアン・グアイド国民議会議長が、マドゥロの就任は正統性がないとして自ら臨時大統領を名乗り、米国は即刻グアイドを承認し、親米諸国もそれに続きました。しかし、グアイド議長の呼びかけに応じる国民は少なく、軍もマドゥロ支持を表明し、クーデターの試みは失敗しました。それでも主要メディアの注目と米国を後ろ盾にグアイドはマドゥロ政権への揺さぶりを続けており、こう着状態が続いています。(31分)

「情勢が悪化すればするほど、戦争は美味しいビジネスになる」ナオミ・クライン、戦争の民営化について

 『ブランドなんか、いらない』で一躍有名になって以来、一貫して企業中心のグローバリゼーションに対する鋭い批判を提起してきたナオミ・クラインは、戦後のイラン復興ビジネスについても関心を持ちつづけ、ファルージャ事件直前のイラクを現地取材し、イラクという国家そのものをアメリカ企業に切り売りする占領当局の施策を目の当たりに見てきました。こうした背景を踏まえて、ジェレミー・スケイヒルの新著『ブラックウォーター 世界最強の傭兵軍の勃興』を題材に、戦争の民営化について語ります。戦争の民営化がもたらした最大の罪は、戦争を儲かるビジネスに変えてしまい、平和の推進から経済的なインセンティブを奪ってしまったことだと、クラインは主張します。(10分)
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