「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 1

 1973年のピノチェト将軍によるチリのクーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、イラク戦争、アジアの津波被害、ハリケーン・カトリーナ。これらの事件に一すじの糸を通し、従来にない視点から過去35年の歴史を語りなおすのが、カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインの話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)です。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがちですが、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張します。 (13分)

日本のショックドクトリン:原発事故から3年、国粋主義と軍国化にひた走る安倍内閣

1月に来日したエイミー・グッドマンと番組スタッフは東京からの3日間にわたる特別放送を行いました。その一部を字幕つきで紹介します。東京発の第1弾は、近隣諸国との関係を緊張させている安倍政権の右翼的政策について取り上げます。(11分)

ハイチの苦難の歴史 黒人奴隷革命から大統領拉致まで ランダル・ロビンソン 後編

 民主的に選ばれた大統領が、未明に官邸を襲った他国政府の要員によって拉致され、国外に追放される。こんな無法な事件が4年前ハイチで起こりましたが、その事実は大手メディアでは報道されていません。カリブ世界の最貧国、政情不安のつづく破綻国家で、またもや軍事クーデターが起こったと片付けられているようです。ハイチはフランス革命時代に黒人奴隷が蜂起しフランスから独立した世界最初の黒人共和国です。その輝かしい歴史のために、この国は大きな代償を支払わされてきました。独立以来たえまなく続く欧米の敵意と干渉について、2004年のクーデターの詳細と、その後の現地情勢を調査したランダル・ロビンソンが語ります。 (15分)

アメリカの急進派 I.F.ストーンの生涯とその時代-前半

「急進派ジャーナリスト」を自称したI.F.ストーンは、20世紀アメリカを代表する調査報道記者でした。学究的とさえいえる緻密で徹底した調査によって政治スキャンダルを暴く独特のスタイルで、報道界に大きな影響を与えました。60年にわたる活動を通じて取り上げた問題は、ニューディール政策、第二次世界大戦、マッカーシズム、冷戦世界大戦、イスラエル=パレスチナ問題、公民権運動、ベトナム戦争と多岐にわたります。前半です。(29分)

チョムスキー:キャラバンは米国がつくり出した悲惨と恐怖から逃れてくる人々

2019学生字幕翻訳コンテスト  課題4:「国境壁と移民」の受賞作です 中米から米国をめざして移動してくる難民集団(キャラバン)の数はどんどん膨れ上がっています。これに対しトランプ政権は彼らの入国を断固阻止すべく国境に兵士を派遣すると脅しています。トランプ大統領は、キャラバンには犯罪者や中東テロリストが潜んでいるなどと根拠なく言い放ちますが、難民たちの多くは女性や子供です。彼らが逃れて来たのは、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラといった国々で、いずれも長年にわたる米国の内政干渉の結果として社会の崩壊、テロと極度の貧困が蔓延しています。米国の外交政策の犠牲者といえる哀れな難民たちをテロリスト呼ばわりするなんて、なんとも下劣なふるまいです。(10分)

オリバー・ストーンの「語られざる米国史」前篇

アカデミー賞受賞監督オリバー・ストーンが、歴史家でアメリカン大学教授のピーター・カズニックと共同で、10回シリーズのテレビ番組Oliver Stone's Untold History of the United States(『オリバー・ストーンの 語られざる米国史』)を撮り、大部の書籍『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)を刊行しました。記録資料からの新発見や最近になって公開された公文書に依拠しながら、日本への原爆投下から冷戦、共産主義の凋落、そしてオバマ政権へとつながる米国史の全ての道程を批判的に検証しています。いわゆる「秘史」というよりも、顧みられず忘れられた米国政治の歴史を、政府や企業メディアが提示する公式見解とは違う視点で語り直すことに主眼を置いています。(23分)

オカシオコルテス議員 「グリーン・ニューディールはエリート主義じゃない」

2019学生字幕翻訳コンテスト  課題2:「グリーン・ニューディール」の受賞作です ニューヨーク州選出の民主党下院議員アレクサンドリア・オカシオコルテスは、ミレニアル世代を代弁する注目の新人です。彼女の目玉政策の一つが「グリーン・ニューディール」という、大規模な再エネ投資で雇用をつくり出し、温暖化対策と貧困問題を一挙に解決する大胆な提案です。(7分)

エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史  ―経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相 前編

 アメリカでは超ベストセラーなのに、なぜか日本では紹介されない本。どうみても日本人の興味を引きそうなのに、いまだに翻訳が出ないのが不思議なのが、ジョン・パーキンスのConfessions of an Economic Hit Man(『エコノミック・ヒットマンの告白』)です。グローバリゼーションの原動力となってきた、企業利益中心(コーポレートクラシー)の合衆国の世界支配戦略を、経済面で推進する勢力の深部で働いてきたと称する人物が、いかにこのシステムが第三世界の貧国を欺いて巨万の富をまきあげてきたかを内部告発。かつて英仏がしたような直接の軍事占領や植民地支配を伴わないアメリカ帝国の搾取構造が、ある意味、非常にわかりやすく説明されています。(30分)

TPPは貿易協定の衣を着た企業による世界支配の道具

日本では昨年から危険な秘密貿易協定として大騒ぎになっているTPP。環太平洋パートナーシップとか環太平洋戦略的経済連携協定とかいろいろに呼ばれていますが、中身が分からないのに一旦参加したら抜けられないと言われる馬鹿げた国際協定です。米国でも一般には知られておらず、通商代表部が企業側と連携しながら進めているので国会議員でさえ内容を知ることができないのです。交渉の草案がリークされて、ようやく議論に上るようになりました。2011年3月に「知財関連の条項」がリークされたのに加え、今回(2012年6月)には「投資条項」の草案がリークされました。リーク文書を掲載している市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラック氏は、「これは貿易協定ではない、企業による世界支配の道具です」「1%の富裕層が私たちの生存権を破壊する道具です」と断罪します。(19分)

オリバー・ストーンの「語られざる米国史」後篇

アカデミー賞受賞監督オリバー・ストーンが、歴史家でアメリカン大学教授のピーター・カズニックと共同で、10回シリーズのテレビ番組『オリバー・ストーンの 語られざる米国史』を撮り、大部の書籍『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)を刊行しました。記録資料からの新発見や最近になって公開された公文書に依拠しながら、日本への原爆投下から冷戦、共産主義の凋落、そしてオバマ政権へとつながる米国史の全ての道程を批判的に検証しています。いわゆる「秘史」というよりも、顧みられず忘れられた米国政治の歴史を、政府や企業メディアが提示する公式見解とは違う視点で語り直すことに主眼を置いています。(16分)

世界的な学校スト運動を触発した15歳の活動家グレタ・トゥーンベリに聞くー前半

2019学生字幕翻訳コンテスト  課題1:「気候アクション」の受賞作です 2018年に学生たちの気候ストライキに火をつけて世界の気候対策に大きな転換をもたらしたグレタ・トゥーンベリは、タイム誌で「2018年の最も影響力のあるティーン」に選ばれました。その後の活躍ぶりはよく知られるところですが、このインタビューは初めて国際的な舞台に登場したころの、15歳の少女の姿を伝えています。あどけなさの残る中で、自分の信念にかかわるところは実にきっぱりとした口調で、熟慮に満ちた真摯な返事を返しカリスマ性を発散させています。

スラヴォイ・ジジェク:欧州で勢いを増す反移民感情・極右発言

「寛容」を誇ってきた欧州で反移民的な言論が勢いを増し、一般市民の常識の歯止めを壊してひろがろうとしています。たとえば、2010年夏、フランスのサルコジ政権は少数民族ロマの国外「追放」政策を打ち出し、欧州連合(EU)諸国から激しい批判を浴びました。10月になると、1960年代以来、外国人労働者を受け入れてきたドイツのメルケル首相が、同国は多文化主義の社会構築に「完全に失敗した」とし、移民にドイツ社会への統合を迫りました。さらに2011年2月には英国のキャメロン首相が同国で育ったイスラム教徒の若者がテロの土壌となっているイスラム過激思想に走っているとし、英国の移民政策の基本となってきた多文化主義の政策、すなわち「異なる文化が互いに別々に、社会の主流から離れて存在することを勧めてきた」英国の政策は失敗だった、今後は「寛容さ」ではなく、西洋の価値観を守り国家アイデンティティーを強化する「より積極的で強力な自由主義」が必要だとする見解を表明しました。2010年10月、メルケル首相発言直後に行われたデモクラシー・ナウ!とのこのインタビューで、スラヴォイ・ジジェクは、極右の反移民的な言論を許容し発言権を与えてしまった欧州社会を厳しく批判しています。

フリーダム・ライダーズ 人種隔離バスへの抵抗

公民権運動の歴史には、秘められた宝物がいっぱい埋まっているようです。今からちょうど50年前、公共交通機関の人種差別を撤廃させた非暴力不服従運動「フリーダム・ライド(自由のための乗車運動)」もその一つです。 南部では人種分離法によって、学校もレストランもトイレや乗合バスの座席も、はては救急車までもが白人用と非白人用に分けられていました。これに抗議するボイコットや座り込みが広がり、1960年末に連邦最高裁判所は南部の人種隔離法は憲法違反とする判決を出しました。でも南部はこれに従わず、差別の実態はなにも変わりませんでした。 その半年後、10人あまりの黒人と白人が一緒に南部行きの長距離バスに乗り込み、人種別の座席指定を公然と破ってみせました。(45分)

「見過ごされた人々」 NYタイムズ紙の追悼欄にはダイアン・アーバスもアイダ・ウェルズもいない

2019学生字幕翻訳コンテスト  課題5:「女性のエンパワメント」の受賞作です 2019年2月28日の国際女性デーに、ニューヨーク・タイムズ紙が、これまで追悼記事が書かれなかった優れた女性たちの人生に光を当てる企画、「見過ごされた人々」を開始しました。驚くことに、以下のような重要かつ著名な女性たちさえ追悼記事が書かれることはなかったのです。反リンチ報道の草分けアイダ・B・ウェルズ、作家で詩人のシルビア・プラス、中国のジャンヌダルクとして知られる秋瑾(しゅうきん)、革新的な写真家のダイアン・アーバス、ブルックリン橋の技術に貢献したエミリー・ウォーレン・ローブリング、『ジェーン・エア』の著者シャーロット・ブロンテ、医学革命に導いた細胞の提供者ヘンリエッタ・ラックス、世界初のコンピュータープログラマーとされるエイダ・ラブレスなどです。ニューヨーク・タイムズ紙は自社の追悼記事の167年に及ぶ歴史で(白人)男性ばかりに注目したことを埋め合わせたいとしています。(9分)

チョムスキー「米国にも民主化デモが必要だ」

ウィスコンシン州の反労働組合法制定をめぐって大規模な抗議運動がおきるなか、デモクラシー・ナウ!のスタジオを訪れた反体制知識人ノーム・チョムスキーが、最近のできごとを長期的な視点から論じます。第二次大戦直後から始まった米国の労働組合つぶしの動きの現在に至るまでの流れ、最近の米国で起きている故ロナルド・レーガン大統領の神格化、反テロ法とFBIによる強制捜査を使った政治活動家の弾圧など、さまざまな話題が取り上げられます。ウェブExclusiveからも、一部採用しました。

「資本主義と気候の対決」ナオミ・クライン

ベストセラー『ショックドクトリン』から7年、ナオミ・クラインの待望の新著は気候変動の問題を支配イデオロギーの側面からとらえます。地球温暖化の真偽をめぐる論争は、純粋に科学的な関心に基づくものと思ってはいけません。少なくとも米国では、懐疑派は共和党、肯定派は民主党と支持政党によってきれいに分かれており、本質はきわめて政治的かつ思想的な対立です。

巨大種子企業に立ち向かうカナダの一農民 農民の権利と種子の未来とは?

ドイツのボンに集まった約80人のライトライブリフッド賞受賞者たち中に、カナダの農民パーシー・シュマイザーの姿がありました。受賞理由は、生物多様性と農民の権利を守るための勇気ある行動、すなわち巨大バイオ企業モンサントに対して戦いを挑んだダヴィデのような行動です。その発端は、隣家が育てていたモンサントの遺伝子組替えナタネの花粉が風で飛ばされシュマイザーの畑に混入し、50年かけて改良を重ねた自家開発の品種品種を汚染した事件でした。取り返しのつかない損失に打ちひしがれるシュマイザーに追い打ちをかけるように、モンサントは自社のGM種子を無断で栽培したとしてシュマイザーを特許侵害で訴え賠償金を要求したのです。あまりの理不尽と傲慢なやり方が彼を奮い立たせ、農民の権利のための戦いが始まりました。シュマイザー夫妻の戦いの記録を通じて、モンサント社と遺伝子組換え産業の危うさが浮き彫りになります。

「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 2

カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインが、話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)について語ります。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがちですが、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張します。 (17分)

伝説の労働活動家シーザー・チャベスの日

伝説的な労働活動家で公民権運動の指導者シーザー(セサル)・エストラーダ・チャベスは、米国の農場労働者たちの組合を初めて結成し、軌道に乗せた人物です。米国の農場労働者はメキシコをはじめとするラテンアメリカ諸国からの出稼ぎが多く、劣悪な労働条件で働く季節労働者です。米国で大きなグループを形成しているラテンアメリカ系移民(ラティーノ)にとって、農場労働者は米国における自分達の歴史を象徴するものであり、彼らの人間としての尊厳の回復は、ラティーノ全体の地位向上と結びついています。(18分)

「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 3

 カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインが話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)を語ります。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。第三部は、ショックドクトリンの社会的な適用例を見ます。最初の実権は1973年のチリのクーデター後に実施されたシカゴ大留学者たちによる新自由主義経済改革でした。その成果はやがて米国内にも導入されます。ブッシュ政権の国防長官に就任したドナルド・ラムズフェルドは、米軍を大リストラして民間軍事企業への委託をすすめます。(18分)
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