ベネズエラ

今月10日夜に開かれた米州首脳会議(SOA)では初めてキューバの参加が実現し、カストロ・オバマの首脳会談が脚光を浴びました。しかし、その影で不協和音を奏でていたのが米国とベネズエラの緊張です。昨年12月以来米・キューバ関係が正常化に向けて迅速に進んだのと同時進行で、米国とベネズエラとの関係は急速に悪化しています。3月にオバマ大統領はベネズエラを「国家安全保障と外交政策を脅かす重大な脅威」に分類し、人権侵害などを理由に7人の政府高官を制裁リストに追加する大統領令を発しました。これに対しマドゥロ大統領は議会に対し、「帝国主義から国を守る」ための権限拡大を要求しました。オバマ大統領が歴史的なキューバとの関係修復に踏み切ったのは、キューバの参加をみとめない米国の頑なな態度によって米州サミットが紛糾し、このままでは今年のサミット開催も危ぶまれる孤立状態に追い込まれたからです。しかし、キューバを孤立させようとして逆に自らを孤立させたと気づいたのなら、なぜ今またベネズエラに制裁措置をとり、中南米諸国の反発を招くような行動に出るのでしょうか。(19分)
ウゴ・チャベスは高騰する原油価格による潤沢な資金を武器に周辺諸国への経済協力を実施し、2000年代から中南米およびカリブ海域で躍進した様々な左派政権を代表する存在となり、地域の急進派を糾合した政治同盟である米州ボリバル同盟(ALBA)、欧米メジャーに対抗して地域に安価な石油を供給することを目指したPetrocaribeやPetrosur、地域共通のメディアとしてのTeleSURなどの創設の中心となった他、メルコスール(南米共同市場Mercosur)の活性化や米州機構(OAS)内での米加両国の影響力の抑制などに邁進しました。歯に衣着せぬが故に時に粗野にも映る発言と民衆に直接語りかける政治手法は、国内外の貧困層の喝采を浴びる一方で、多くの西側メディアや寡頭支配層に牛耳られる国内メディアからは激しい批難の的となりました。チャベス政権の期間を通して、国内の貧困は大幅に削減され、非識字の根絶や一般民衆の政治参加は大きな飛躍を遂げましたが、「彼ら」と「我々」を対比する政治的レトリックは国論を完全に二分しました。(13分)
14年間にわたってベネズエラ大統領を務め、「反米」左翼政権の代表として国際的な注目を浴びると同時に、国内世論を二分し続けたウゴ・ラファエル・チャベス・フリアス氏は、2年間の癌闘病の末、2013年3月5日に58年の短い生涯を終えました。地方の庶民家庭に生れたチャベス氏は、青年期からフィデル・カストロやシモン・ボリバルの中南米独立思想に強い影響を受け、長じては職業軍人として軍内に革命運動組織を創設。1992年には当時のカルロス・アンドレス・ペレス政権による国民抑圧に反抗し、クーデターを起して未遂に終るものの、投降時の記者会見では多くの国民の共感を呼び、若き政治指導者として急速に支持を得ました。(25分)
ベネズエラのウゴ・チャベス大統領が2013年3月5日カラカスの病院で亡くなりました。がんを患いキューバで4度目の手術を受けた後、予後が思わしくなく容体が懸念されていました。英語圏の報道ではさっそくネガティブ・キャンペーンが始まっており、BBCは「独裁者スターリンの死と比較」、WSJは「旧世代の独裁者カストロ氏と年下の弟子である専制主義者チャベス氏は経済的、政治的な関係を構築し、今日ではキューバ、ベネズエラ両国の運命を左右するまでになっている」などと書き、民主主義の敵というイメージを刷り込もうと懸命です。(6分)
アメリカのブッシュ大統領の圧力に負けず、中南米で左派勢力を広げる中心的役割を果たしてきたチャベス・ベネズエラ大統領。大統領の連続再選は1回までとしている現憲法に対し、任期の制限を撤廃する内容を含んだ改憲案を出していましたが、昨年12月の国民投票で、僅差で否決されました。チャベス大統領はこの敗北を受け、2012年に退陣すると発表しました。(13分)
ベネスエラのチャベス大統領は2002年、軍部によるクーデターで48時間監禁され、命を脅かされたことがありました。大統領を支持する圧倒的な民衆の力で政権を回復したチャベスは、クーデターを支持した民放を閉鎖することもなく、5年を経ました。ところが、昨年5月、民放局RCTV(ラジオ・カラカス・テレビ)の放送免許を更新しない方針を政府が決定し、賛成・反対両派による数千人規模のデモが、4日間に渡って繰り広げられました。このセグメントでは、今回の政府によるRCTV「閉鎖」の是非をめぐって、徹底的に討論します。(27分)
1998年の初当選以来、中南米の台風の目となってきたチャベス大統領は、従来の対米従属に代わる新しい世界観を打ち出し、キューバやボリビアを巻き込んで希望の枢軸を形成していると、タリク・アリは述べます。「イラクの状況は、あまりにも絶望的です。いま必要なのは、世界は変えられるという希望を与える本だと思いました。アラブ世界の絶えまない流血は心を暗くしますが、中南米に目をやれば、かつては米国の支援する独裁者が民衆の運動を力で抑えていたのに、いまやチャベスやモラレスが民主的に選出され、選挙で公約したとおりの政策を実行しています。新自由主義の深い眠りから、この世界をゆり起こすのは可能なのです」。 (17分)
 今、中南米で異変が起きています。アメリカにNOを突きつける国が増え、しかも力をつけてきているのです。  アメリカは、1823年にモンロー主義をかかげて以来、ラテンアメリカを「アメリカの裏庭」として支配力を保持し、経済的にも政治的にも大きな影響力を持ち続けてきました。アメリカと親米政権の間で取り交わされてきた新自由主義経済の結果、激しい貧富の差が生まれ、深刻な問題となり続けてきました。そこに不満を募らせ、貧困層にも富を分配しようという勢力が出てくると、アメリカは「危ない共産主義国を民主化する」という謳い文句で反政府ゲリラを組織・支援し、経済封鎖も行なったりして、それらの勢力の抑制におおむね成功してきました。ところがここにきて、べネズエラが突きつけたNOを、アメリカが簡単には翻せない状況が起こっているのです。(23分)
 今、中南米で異変が起きています。アメリカにNOを突きつける国が増え、しかも力をつけてきているのです。  アメリカは、1823年にモンロー主義をかかげて以来、ラテンアメリカを「アメリカの裏庭」として支配力を保持し、経済的にも政治的にも大きな影響力を持ち続けてきました。アメリカと親米政権の間で取り交わされてきた新自由主義経済の結果、激しい貧富の差が生まれ、深刻な問題となり続けてきました。そこに不満を募らせ、貧困層にも富を分配しようという勢力が出てくると、アメリカは「危ない共産主義国を民主化する」という謳い文句で反政府ゲリラを組織・支援し、経済封鎖も行なったりして、それらの勢力の抑制におおむね成功してきました。ところがここにきて、べネズエラが突きつけたNOを、アメリカが簡単には翻せない状況が起こっているのです。(15分)