イラクは既に分裂した―「イスラム国」台頭の影響は?

イスラム国(旧ISIS)の台頭は、長年にわたる欧米の中東政策の矛盾を露呈させるものです。そもそもイラクやシリアという国の国境線や建国自体が英仏など戦勝国の利権分割のためですし、米国は最初サダム・フセインの独裁を支援していたのに彼がクウェートの石油利権に触手を伸ばし始めると急に手のひらを返して極悪人呼ばわりし、10年間後には9.11事件に便乗してサダムを排除し、ついでにイラクの国家機構も完全に破壊して宗派抗争の大混乱を引き起こしました。そのツケが巡り巡って鬼っ子のような過激組織、「イスラム国」がいまでは、シリア国内を含めて「英国の領土以上に大きい地域」を制圧し、クルド勢力が制圧する地域と合わせて、イラクは3分割状態です。(14分)

イスラム主義民兵団が各地で争うリビアの混沌 NATOの軍事介入はなにを招いたか?

リビアでは2011年にカダフィ政権が倒れて以来、暫定政府はできたものの国家再建は進まず、各地で民兵組織が乱立し再び内乱状態に戻っています。国の西部では首都トリポリの支配をめぐってジンタンやミスラタの民兵組織が闘い、議会を開くこともままなりません。また、ベンガジなど東部の諸都市ではイスラム主義の民兵組織が勢力を伸ばし、米国から帰国したハリーファ・ハフテル将軍の軍と激しく戦っています。トリニティ・カレッジで国際学を教えるヴィジャイ・プラシャド教授は、現在のリビアの混沌を招いたのは、2011年のNATOによる爆撃だと批判します(19分)

CIA 麻薬取引 中南米の反革命ゲリラのつながりを暴いて葬り去られた記者ゲイリー・ウェブ

新作劇映画<cite>Kill The Messenger</cite>(『使者を殺せ』)の主人公は、タブーを破ってCIAの犯罪を報道したために主流の企業メディアによって誹謗中傷されて職を失い、最後には自ら命を絶った報道記者ゲイリー・ウェブ氏です。1996年サンノゼ・マーキュリー・ニュース紙(San Jose Mercury News)に、Dark Alliance(「暗黒同盟」)と題する衝撃的な記事を発表し、1980年代に全米で大問題になったクラック・コカインの密売が、CIAによって組織されたニカラグアの反政府右翼武装組織コントラの資金源であることをスクープしました。(18分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル ~(4)既存メディアには現状を変えられない

グレン・グリーンウォルドへの長時間インタビューの締めくくりとして、ピュリツァー賞の受賞についての感想や米国の既成ジャーナリズムについての考えを聞きます。スノーデンの内部告発を徹底して報道したことに対しては、当時のNSA長官キース・アレグザンダーが「人命を危険にさらした」と厳しく非難しましたが、グレンにとっては権力者の怒りを買うことは「ジャーナリストとしての勲章」です。ところが暴露記事が続々と発表されるにつれ、同業者であるジャーナリストたちまで敵対的な態度を取るようになりました。「これはもはやジャーナリズムではない」と言うのです。彼らのジャーナリズムとは、どんなものなのでしょう?(11分)

変わりゆくキューバ (1)米国との関係正常化がもたらす大きな希望と課題

1961年に外交が断絶されてから50年以上たつ今、キューバ・米国間の関係が大きく動きつつあります。2015年5月29日にキューバが米国のテロ支援国家から指定解除されたことも非常に大きな出来事でした。この動画では、前半に作家で歴史家のジェイン・フランクリンを迎え、テロ支援国家からの指定解除の意味や、なぜ今なされたのかについて伺います。(18分)

黒人女性ブリー・ニューサムが南軍旗を自分の手で引きずり降ろした理由

2015年6月27日、晴れた空の下、サウスカロライナ州の州都コロンビアにある州議事堂に高々と掲げられていた南軍旗が黒人女性のブリー・ニューサムさんによって引き降ろされました。白人至上主義者である、ディラン・ルーフ(当時19歳)がサウスカロライナ州の黒人教会で銃を乱射し9名の尊い命が奪われるという残虐な事件が起きた10日後のことでした。彼女はなぜ、身の危険を冒してまで旗を引き降ろしたのか。(20分)

クライン&ルイスの映画「これがすべてを変える」 気候変動の最前線で闘う人々が切り開く未来

ベストセラー『ショック・ドクトリン』で知られるナオミ・クラインとアルジャジーラの番組フォールトラインの元司会者アビ・ルイスが気候変動の課題に取り組む新作ドキュメンタリー映画『これがすべてを変える』を制作しました。クラインの同名著作の執筆と同時進行で制作された本作品はルイスが監督し、4年の歳月を掛けて5大陸9カ国を巡り、世界中に広がる気候正義運動を伝えています。映画の中で、「気候変動は危機ではなく、よりよい世界を作るチャンスだとしたら?」と問いかけるクラインとルイスに話を聞きます。(30分)

我々が支払う代償:オフショア資産隠しが国内の人々の金を盗むことになる理由

ドキュメンタリー映画The Price We Pay(『我々が払う代償』)を基にタックスヘイブンの問題を取り上げます。監督のハロルド・クルックス氏と、映画にも登場するエコノミストでタックス・ジャスティス・ネットワーク上級顧問のジェイムズ・ヘンリー氏をゲストに迎え、映画制作の動機や経緯、またタックスヘイブンの歴史的背景、納税を回避する手口と隠れ資産の実態、そしてその弊害について映画のシーンを交えて検証していきます。(15分)

ケリー国務長官の広島訪問の陰で 米国は1兆ドルかけて保有核兵器をひっそりと刷新

オバマ大統領は5月26、27日に三重県で開催されるG7首脳会議(伊勢志摩サミット)に出席の後、被爆地の広島を現職の米国大統領として初めて訪問する予定です。今回の訪問は、日米が歴史問題を乗り越えて強固な同盟関係を築き、「核なき世界」の実現に向けた国際的機運を盛りあげる歴史的な一歩とうたわれています。しかし実際の政策を見ると、両国の首脳にそんなアピールをする資格があるのかどうかは疑問です。国民の反対をねじ伏せて原発を推進する日本政府には核兵器保有への下心が透けて見えますが、米国だって膨大な核兵器庫の刷新をひっそりと進めているのです。(9分)

近代オリンピック秘史と祭りをダシにする惨事便乗型資本主義

いよいよリオ五輪の開幕です。『悪魔と踊るブラジル』の著者デイブ・サイリンと『パワー・ゲーム オリンピックの政治史』の著者ジュールズ・ボイコフ氏をゲストに迎え、オリンピックの歴史にまつわる興味深い事実や変質について話します。近代オリンピックの父クーベルタンは「愛と平和と環境保護」という理念を掲げましたが、その一方で巧妙に仕組まれたショーであり、排除のゲームであるという側面も浮かび上がります。

パナマ文書公開で大躍進のアイスランド海賊党 次期政権を担う可能性も

10月29日に予定されるアイスランド総選挙で、第一党も夢ではない海賊党の躍進に注目が集まっています。今年4月、史上最大のリークともいわれるパナマ文書が公開され、世界各国の要人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用していた事実が明らかにされました。この直後、アイスランドでは首相が辞任に追い込まれる事態となりました。その一方で、支持を急拡大したのが海賊党です。現行の著作権法がインターネット社会の現実にそぐわないとして、法の改正を訴える人たちが、その呼称を逆手にとって自らをpirateと名乗り、政党を組織して活動するようになりました。2006年にスウェーデンで最初の海賊党が誕生して以来、主にヨーロッパ各国に結成されています。その主張は著作権法関連を超えて、直接民主主義、政府の透明性拡大、プライバシー保護といった政策を掲げるようになっています。アイスランド海賊党は2012年に結成され、結成翌年の国政選挙で3議席を獲得しました。ゲストのビルギッタ・ヨンスドッティルは、海賊党の結成メンバーで党の代表を務めています。急速な支持拡大の背景にあるものは何か、ビルギッタは海賊党の目指すものを、従来の政治や社会のあり方と対比して語ります。(25分)

コロラド州初の黒人女性大麻企業家が語る食用利用、投獄、大麻産業における白人支配

2016学生字幕翻訳コンテスト 課題2:「大麻合法化と黒人の大量投獄の関係」の受賞作です。 コロラド州では2012年の住民投票で、娯楽目的のマリファナ使用を合法化することが決まりました。現在、米国の23の州とコロンビア特別区で医療目的や娯楽目的のマリファナの使用が合法化されており、大麻産業は米国内で最も急成長している産業の一つです。しかし、大麻販売が生み出す何十億のお金を手にしようとする人々に対し、疑問の声もあがっています。ベストセラーThe New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness(『新たな黒人隔離:カラーブラインド時代の大量投獄』)の著者ミシェル・アレグザンダーは、麻薬政策連盟(the Drug Policy Alliance)との会話の中で、「白人男性が、大々的に大麻事業に乗り出し、大麻の販売で一攫千金をもくろんでいます。でも、これまで40年間にわたり、貧しい黒人の子どもがマリファナを売った罪で投獄され、家族も未来も破壊されてきたのです。それなのに今、白人男性が、まったく同じ行為をして、金持ちになろうとしているのです」と指摘します。(9分)

ハリケーン・マシューと気候変動の関係を報じないメディアに第一級の気候学者が声を上げる

空前の大型ハリケーンの接近で、米国は大騒ぎです。ハリケーン「マシュー」の直撃で、ハイチでは死者26名、ドミニカでは4名が報告されています。その後、勢力を強めて北上し、進路にあたるフロリダなど4つの州では非常事態が宣言され、200万人以上に避難勧告が出ました。メディアは終日ハリケーン速報を出して詳しく報道していますが、次々登場する専門家の解説に「気候変動」という言葉は出てきません。でも、第一級の気象学者マイケル・マン教授によれば、「マシュー」がこれほど猛威を振るうのは、地球温暖化の影響と関係があります。この動画の字幕は、神戸女学院大学とソルボンヌ大学の両通訳翻訳コースの皆さんが合同授業で取り組んでくださった作品です。(11分j)

俳優シェイリーン・ウッドリー パイプライン融資銀行へのボイコットを呼びかける

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題3:「パイプライン出資者に抗議を」の受賞作です。 トランプ大統領がパイプライン建設再開の許可を出す前日(1月23日)、サンダンス映画祭が開催中のユタ州のパークシティでは、ノースダコタ州でパイプライン建設への反対運動を続ける「水の保護者」たちがやって来て、映画祭の後援企業チェースマンハッタン銀行に抗議の声を上げていました。パイプライン計画に融資しているからです。スー族の伝統儀式「サンダンス」の名を冠して先住民支援も行っている映画祭のスポンサーとして企業イメージを高めながら、影では先住民社会を脅かす事業に巨額の資金を提供しているのです。抗議行動に参加していたシェイリーン・ウッドリーは、映画『スノーデン』でNSA内部告発者エドワード・スノーデンの恋人役を演じた若い女優ですが、昨年ノースダコタの抗議運動に参加して逮捕され、騒乱罪と不法侵入罪の容疑で起訴されています。ノースダコタの抵抗運動の現状や、この運動に深くかかわることになった理由を聞きます。(18分)

急拡大する巨大メディア企業シンクレア キャスターに画一台本の読み上げを強要して批判殺到

「シンクレア・ブロードキャスト・グループ」と聞いてピンとくる人はあまりいないかもしれませんが、米国で最も有力な放送事業者の1つで、173の地方テレビ局を所有しています。これには大手ネットワークの系列局も含まれます。同社は、更に放送大手のトリビューン・メディアを39億ドルで買収することを計画。この計画は、米連邦通信委員会(FCC)による審査の対象となっています。(20分)

スティーブン・キンザー(2)マーク・トウェインと反帝国主義連盟の忘れられた歴史

元NYタイムズ紙海外特派員スティーブン・キンザーへのインタビューのパート2は、反帝国主義連盟の忘れられた歴史の話です。20世紀への変わり目の時期に米国の領土拡張政策は岐路を迎えていました。北米大陸の制覇は完了し、カリブ海や太平洋のスペイン領に触手を伸ばし、米西戦争中にプエルトリコ、フィリピン、グアムなどを占領しました。このとき海外領土を持つ世界帝国へと発展するか、それとも拡大はここで打ち止めにして、北米大陸内部の支配を強固にすることに専念べきか、選択を迫られたのです。海外への領土拡張に反対する勢力の中心となったのが反帝国主義連盟でした。(13分)

「命のための行進」銃規制を求める生徒たちのスピーチ

2018学生字幕翻訳コンテスト 課題1:「立ち上がる高校生」の受賞作です。 フロリダ州パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で2018年2月14日、元生徒が校内に侵入してAR-15ライフル(軍用自動小銃の民間仕様版)を乱射し、生徒や教職員17名が死亡する事件がありました。それから約1カ月後の3月24日、事件を経験した生徒らが主体となり、銃規制強化を議会に求める抗議行動が全米800カ所以上で一斉に催されました。首都ワシントンのデモ行進March for Our Livesには主催者発表で80万人が参加し、他にもニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなどでも大規模なデモが行われ、近年まれにみる大規模な抗議行動の日となりました。ワシントンの行動では、高校生たちが次々と登壇し自らの体験に基づいた悲痛で力強い訴えを行いました。スピーチの中から、この日の行動を組織する中心となったマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒キャメロン・カスキーと、マイア・ミドルトンのスピーチを取り上げます。(8分)

本物のクライメットゲート:自然保護団体が最大汚染企業と結託

いくつかの主要環境保護団体が、身内から告発されています。地球を守るという使命を標榜しながら、その使命を裏切る不道徳な姿勢をとっているという非難です。ネイション誌の最新号で、英国人ジャーナリスト、ヨハン・ハリは次のように記しています。「我々が人類史上最大の環境危機に直面しているというのに、率先して危機回避に取り組むべき環境団体の多くが、世界一の環境汚染企業からせっせと金をかき集め、その見返りに科学的根拠に基づいた環境保護の主張を葬り去 ろうとしている。温暖化懐疑論者たちが大げさに吹聴するでっち上げの気候問題スキャンダルが渦巻いているが、こちらこそが本物のクライメットゲート (気候データ改竄疑惑)だ」。

反米すすむラテン・アメリカ 前編 チャベスからブッシュへ「アメリカ野郎 帰れ」

 今、中南米で異変が起きています。アメリカにNOを突きつける国が増え、しかも力をつけてきているのです。  アメリカは、1823年にモンロー主義をかかげて以来、ラテンアメリカを「アメリカの裏庭」として支配力を保持し、経済的にも政治的にも大きな影響力を持ち続けてきました。アメリカと親米政権の間で取り交わされてきた新自由主義経済の結果、激しい貧富の差が生まれ、深刻な問題となり続けてきました。そこに不満を募らせ、貧困層にも富を分配しようという勢力が出てくると、アメリカは「危ない共産主義国を民主化する」という謳い文句で反政府ゲリラを組織・支援し、経済封鎖も行なったりして、それらの勢力の抑制におおむね成功してきました。ところがここにきて、べネズエラが突きつけたNOを、アメリカが簡単には翻せない状況が起こっているのです。(15分)

「移民のいない日」アメリカ史上最大級のデモ 150万人が移民の権利を主張

一千万を超える人々がビザなしで滞在しているといわれる米国で、2006年5月1日、抑圧された移民の権利を擁護する人々が街頭に繰り出し、米国史上で最大級の抗議行動が全米各地でくりひろげられました。ブッシュ政権が推し進める就労の取締りや国境警備の強化にいたたまれず、これまで日陰に置かれてきた移民達が、ついに抗議の声をあげたのです。いっせいに職場や学校を放棄して、「移民のいない一日」を実現させ、その存在の大きさに目を向けさせた移民たち。この歴史的なメーデーの様子をぜひ映像で。(18分)
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