「貧困の終焉?」グローバル経済の収奪構造をえぐるドキュメンタリー

オバマ大統領は2009年秋の国連総会で「極貧の撲滅をめざす」と宣言しました。しかし国際通貨基金(IMF)や世界銀行の予測では、世界金融危機の影響で途上国では貧困に分類される人の数が5300万人も増加します。国連調査では人類の3分の1以上が1日2ドル未満で暮らしています。こんな状態で、どうやって貧困をなくせるのか?経済版「不都合な真実」と呼ばれる映画『貧困の終焉?』(The End of Povertty?)は、世界には十分な資源があるのに何十億人が飢えているのは、途上国から先進国に富が流れ続ける不正な収奪システムがあるためだと説明します(20分)

戦争の地獄を持ち帰る者たち イラク帰還兵による殺人、自殺、誘拐

イラクやアフガニスタンからの帰還兵の証言で、見えない敵を相手にテロとの戦争をする米軍が、疑心暗鬼にかられて非武装の民間人をいとも簡単に殺傷する状況が明らかになっていますが、こうした民間人への攻撃に習熟し、殺人の訓練を受けた兵士たちが復員した後、故郷の日常の生活に簡単に復帰できるものなのでしょうか?コロラド州の新聞が、殺人の訓練を受けた兵士が民間人に戻ることの難しさを検証する衝撃の記事を掲載しました。(24分)

ホワイトパワーUSA 増殖する右翼民兵組織

バラク・オバマの大統領就任から1年、米国では人種偏見にもとづくヘイトクライム(憎悪犯罪)や脅迫事件が急増しています。100年に一度の不況と高い失業率がマイノリティや移民への反感に油をそそぎ、いくつかの州で右翼民兵組織が勢力を広げています。彼らは、移民たちの流入によって自分たちがつくった国が乗っ取られる、このままでは白人は滅びる、白人の国を取り戻そうと訴える「白人ナショナリスト」たちです。白人至上主義グループの内部に入り込んだリック・ローリーとジャッキー・スーヘンによる映像ルポ「ホワイトパワーUSA」(米国の白人至上主義運動)のダイジェストをお送りします。(33分)

女性メディア基金 2009年の生涯功労賞をアミラ・ハスに

アミラ・ハスはイスラエルの日刊紙「ハアレツ」のコラムニストです。イスラエル人ジャーナリストでは唯一、ガザや西岸地区に住み込んで占領の実態を報道してきました。その功績をたたえて、国際女性メディア基金が2009年度の生涯功労賞を彼女に贈りました。ハスの受章スピーチを録画で聞いたあと、スタジオで話を聞きます。(27分)

「最初は悲劇、二度目は喜劇」ジジェク金融危機後の世界を語る

ナショナル・レビュー誌に「欧米でもっとも危険な政治哲学者」と呼ばれ、ニューヨーク・タイムズ紙が「文化評論のプレスリー」と評した、哲学者で知識人のスラヴォイ・ジジェクには、哲学、精神分析、神学、歴史、政治理論に関して50冊を超える著書があります。出版されたばかりの新著、First as Tragedy, Then as Farce(『最初は悲劇、二度目は喜劇』)でジジェクは、米国がどのようにして9.11同時多発テロの悲劇から、彼が茶番劇と呼ぶ金融破綻に至ったのかを分析しています。(19分)

タビス・スマイリーがオバマ大統領とキング牧師を徹底比較

黒人初の米国大統領バラク・オバマ政権が誕生してから1年あまり、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺された4月4日を目前にした2010年3月29日にオンエアされたこのセグメント。米国の公共放送PBSでオバマ大統領とキング牧師を徹底的に比較した番組を制作したテレビ司会者で作家のタビス・スマイリーがゲストです(26分)

コチャバンバ「水戦争」から10年 民営化阻止の民衆闘争をふり返る

ボリビアのコチャバンバでは10年前、最も大切な天然資源である水をめぐり、壮絶な「水戦争」が起こりました。その数カ月前にはシアトルで、WTOへの抗議行動で総会が中止になっており、時を同じくして米大陸の南北で企業中心のクローバリゼーションに対する民衆の抵抗を象徴する事件が置きました。コチャバンバ市では政府が米国企業ベクテルに水道管理権を売り渡したことに危機感を抱いた民衆が一斉に立ち上がり、契約取り消しをもとめて広場を占拠しました。政府は軍を投入し、戒厳令を発令して弾圧しましたが、「水の権利」を守ろうとする民衆の反乱には勝てず、結局は民衆の要求に屈しました。2月と4月の二度にわたる壮絶な街頭闘争の結果、ボリビアの民衆はベクテル社を追い出しました。水戦争の当時、住民側の組織で重要な役割を担当したはたしたマルセラ・オリベラに当時の話を聞きます。(20分)

人と環境に迫り来る大規模経営の養豚、酪農、養鶏の脅威

米国では8月に、サルモネラ菌感染の疑いで5億個の鶏卵が回収されました。空前の卵パニックの影にひそむ大規模な畜産経営の問題について、『動物工場:人間と環境に迫り来る大規模経営の養豚、酪農、養鶏の脅威』の著者デイヴィッド・カービーと話します。カービーは様々な具体例をあげながら工業生産方式の畜産が作り出す甚大な環境被害と、公衆衛生の危機を警告します。規制の導入と強制力を持った行政の監督の必要性を訴える一方で、大規模畜産への間接的な助成をやめて小規模な畜産農家が存続していける競争環境を整えることも重要だと指摘します。

国連報告草案 コンゴで大量虐殺をしたとしてルワンダ軍を非難

コンゴと並んでベルギーの植民地支配を経験したのがルワンダです。ここでは1994年に、数カ月の間に80~100万人ものツチ人が殺された「ルワンダ虐殺」が起こりましたが、そもそもフツ人とツチ人という反目する2民族をつくり出しジェノサイドの遠因を作ったのは欧州の宗主国です。聖書を背景にした独特の人種思想を植民地支配の道具として押し付けたのです。この大虐殺を収束させたのは、ツチ人保護を名目にルワンダ全土を制圧したルワンダ愛国戦線の指導者ポール・カガメです。彼は米国の陸軍学校で教育を受けた軍人で、米英の支持を受けて2003年にルワンダ大統領となり現在に至っています。ルワンダを見事に復興させたと米国では評価の高いカガメ大統領ですが、ここに来てまったく違う見方が出てきました。(11分)

イブ・エンスラー 「私の癌とコンゴの癌」

劇作家イブ・エンスラーは、1996年初演の『ヴァギナ・モノローグ』の成功をきっかけに、女性への暴力を阻止するための世界的なキャンペーン「Vデー」(V-Day)を立ち上げました。世界1200カ所以上で4千回以上の「Vデー」イベントが実施され6千万ドル以上の募金を集めたそうです。

もう1つの9/11:1973年9月11日 米支援のピノチェトがチリの実権を握った日

チリで9.11と言えば、1973年の軍事クーデターを指します。米国の支援を受けたピノチェト将軍が、民主的に選挙で選ばれたアジェンデ政権を倒した日です。それ以降、チリでは独裁政権が反対派の誘拐や虐殺を繰り返して国民を恐怖に陥れ、その一方でシカゴ学派の主張に沿った新自由主義経済政策が徹底的に推進されました。このショックドクトリンの最初の「実験」は、その後、IMFの手動でバブル崩壊後の中南米全体に広がり、大多数の国民を困窮させて、現在の中南米のアメリカ離れの種を撒くことになりました。今ではそれが全世界に拡大していますが、今日の私たちが直面する問題の先駆けとなった事件として、チリ・クーデターの意義は一段と大きくなっています。(17分)

オバマ大統領がインドに売りにいったもの

2010年11月、オバマ米大統領は3日間をかけてインド訪問。目的は、「セールス」。折しも中間選挙で民主党が歴史的な大敗を期した直後。次期大統領選での勝利をあやぶむ声も聞こえるなか、経済成長著しいインドに対して米製品の輸出契約をどっさり結び、米国内の雇用を大規模に創出する。オバマは起死回生のそんなシナリオをぜひとも実現したかったに違いない。10日間にわたるオバマのアジア4カ国歴訪の皮切りとなったインド訪問には、ゼネラル・エレクトリックやボーイングなど米企業幹部が250人ばかりも同行し、米業界のインドへの熱い期待を裏付けた。米印「民主主義国」同士で連携し、もうひとつの新興大国中国の脅威を牽制する、そんな計算ももちろんあり、オバマは両国の「共通の利害と価値観」を強調し、最大限の愛想をふりまいた。 (26分)

FRBの6000億ドルの追加金融緩和は通貨戦争の懸念を煽る

このところまた円高が進んでいます。円高のたびに国内産業の危機が叫ばれ、日本政府はバカの一つ覚えのように市場介入を行い、ため込むしか能のない米国債をますます増やしています。なんとも馬鹿らしいはなしですが、世界全体で見れば「通貨切り下げ競争」にふたたび火がついた格好です。かつては通貨切り下げ競争のような他国経済を犠牲にするやり方が第二次世界大戦につながったと言われています。ぶっそうな話ですが、マイケル・ハドソンによれば、いまや金融が戦争の新形態なのです。(18分)

WikiLeaks: ファイザー ナイジェリアで子供への実験薬投与による医療被害のもみ消しをはかる

巨大製薬会社ファイザーが調査員を雇ってナイジェリアの法務長官の汚職の証拠を見つけ出そうとしていたことが、ウィキリークスが公開した外交公電でわかりました。法務長官の弱みを握って、ナイジェリアの子供たちを死なせた不正な未承認薬投与試験をめぐる60億ドルの訴訟を取り下げるよう圧力をかけるためです。この実験で試験員たちは投与試験の署名同意書を得ず、また医療関係者によると、ファイザーは子供たちの親に実験薬を投与することを伝えていなかったといいます。(16分)

【Express】ムバラク後:民主化のゆくえは

ムバラク大統領辞任後、エジプトは軍部の暫定統治に入りました。エジプト軍は国民の要求に応える形で憲法の停止、議会の解散などを国営テレビで発表しました。ムバラク後の民主化運動をどう進めるべきなのか、デモ参加者の間でも意見が分かれています。 デモクラシー・ナウ!やアルジャジーラが放送しつづけたタハリール広場の人々は、独裁下でこれまでなかなか顔の見えてこなかった一般市民です。米国に支援されたアラブ諸国の独裁体制が崩れれば、中東和平にも大きく影響するでしょう。一般民衆の力でムバラク政権は崩壊しましたが、憲法がどう改正されるのか、民主的な選挙が行なわれるのか、軍部から国民へ本当に権力が移るのかが注目されます。

フランスはハイチの「独立債務」を返還せよ

奴隷 ハイチ
ハイチは2011年5月現在も、死傷者約22万人、被災者370万人といわれた2010年1月の地震からほとんど復興していません。地震から半年後の2010年8月、著名な知識人らが「フランスはハイチに課した賠償金400億ドルをハイチに返済すべし」という公開書簡をガーディアン紙に掲載しましたが、サルコジ大統領は取り合いませんでした。ハイチの窮状が続く背景は何なのでしょうか。

ナオミ・クライン:究極の危機「気候変動」を利用して軍国主義が台頭?

民主主義の否定に利用されかねない最大の危機としてクラインが恐れるのが気候変動です。ここ数年で気候変動を信じる人の割合は急激に減少しましたが、その現象は英語圏に偏っています。その理由は、気候変動を信じるかどうかはもはや科学ではなく政治信条の問題になっているからだと、クラインはオーストラリアの政治学者クリーブ・ハミルトンの論考(かつて相対性理論をめぐる論争が政治論争化したこととの興味深い比較)を紹介します。気候変動を信じないことは、いまや右派にとって右派であることの証明です。彼らが信じない理由は、気候変動論は「富の再分配を狙った社会主義者による陰謀」だからです。こんな言いがかりつけて忌み嫌うのは、気候変動に有効な対策をとろうとすると、ことごとく右派の主張を否定しなければならないからです。エネルギー効率を考えれば、輸送によるロスを抑える地産地消が必須になりますが、それは「自由貿易」の終わりを意味します。そして先進国は自分たちが引き起こした問題の被害者である途上国に、つけを支払わなければなりません。自由貿易とグローバル化という右派の2枚看板を下ろし、富の再分配によって南北格差を是正するように迫られます。(16分)

「潮目が変わる」組合つぶし法案の強行可決で高まる抗議のうねり

スコット・ウォーカー知事と共和党上院議員が反組合法案を不意打ちで採決したことに、大きな反発がおきています。ウィスコンシン州マディソン郡で労働問題専門のラジオ番組『ワーカーズ・インディペンデント・ニューズ』を放送している組合出身のベテラン記者フランク・エムズパック氏に、労働運動側の反応を聞きます。(8分)

人体実験の暗黒の歴史 ナチからタスキギー、プエルトリコまで

医療の発展のためには人体実験にも必要悪の面もありますが、それを行うときには厳格な規制と医療倫理が要求されます。とくに披験者に対して、危険についての十分な説明をしたうえでの同意をとることは絶対に必要です。第二次大戦中のナチスによる生体実験や日本軍の満州第731部隊の行った実験への反省から、1947年のニュールンベルグ綱領は披験者の同意のない人体実験を「人道に対する罪」であると規定しています。しかし米国は、これをナチや日本軍のような野蛮な連中の行為であるとみなしたため、自国の医療研究の現場にそのようなことが起きるとは思ってもみなかったようです。医学史家スーザン・レバビーが、米国の内外で行われた人体実験の歴史について語ります。(16分)

ルムンバ暗殺から50年 コンゴ独立の苦難

1960年、コンゴは春を迎えたはずでした。豊かな天然資源にめぐまれ「アフリカの宝石」と呼ばれながらも、19世紀末以来、まずはベルギーのレオポルド王個人の領地として、その後はベルギーの植民地として、象牙やゴム、ダイヤモンドなどの莫大な富を吸い上げられ、残虐な扱いを受けていた人々が、ついに独立を勝ち得たのです。独立運動の若き指導者、パトリス・ルムンバが民主的な選挙で首相に選ばれ、コンゴは理想主義と希望にわきあふれるかに見栄ました。だが、政権は10日も続かず、クーデターで追われたルムンバは逮捕され、翌1961年1月17日に惨殺されます。35歳の若さでした。
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