債務上限論争の勝ち組は金融市場と国防総省

2011年夏、米国政府はあわやデフォルト(債務不履行)に陥る寸前に追い込まれました。「米国債のデフォルト危機」と日本でも一時あおられましたが、これはまったくの政治的な駆け引きの問題でした。そもそも債務上限の引き上げは1963年以降、毎年のようにほぼ定期的に引き上げられてきたものであり、いまさら政治問題にするようなものではなかったのです。でも終わってみれば、軍事予算だけが上積みされるペンタゴンの全面勝利だったようです。では敗者は誰だったのか、いったい、どうしてこんなことに?金融アナリスト出身の辛口経済批評家で『超帝国主義国家アメリカ』の著者マイケル・ハドソン教授と軍事経済専門家のウィリアム・ハートゥング氏に聞きます。(24分)

オークランドからニューヨークまで 警察による占拠抗議運動の取り締まりは 「新軍事都市」の前触れ

戦場にいるのかと見まがうばかりに武装した警察官が、非暴力のデモ参加者に襲いかかる光景が米国で続きました。特に2011年秋から2012年にかけて、カリフォルニア州ではオークランド占拠運動に対する警察の激しい弾圧が続き、大量の逮捕者や負傷者が出ました。カリフォルニア大学でも、腕を組んで座り込みをする学生たちに催涙スプレーを順番にかけていくなどの過剰な取り締まりが行われ、広く非難を呼びました。警察の軍備増強について英国ニューカッスル大学のスティーブン・グラハム教授に聞きます。(13分)

「大使館に押し入れば、前代未聞の外交特権侵害」アサンジ弁護士

エクアドル政府が政治亡命を認めたにもかかわらず、英政府はジュリアン・アサンジが「大使館から一歩でも出たら逮捕する」と宣言しています。大使館に踏み込んで逮捕するという脅しは実行が難しいようですが、このままずっと大使館に閉じ込めておくことは可能のようです。現状を打開するためには、どうすればよいのでしょうか?アサンジのロンドン在住の弁護士に、現在のアサンジの法的立場と今後の選択肢、自由を取り戻すための方策などについて聞きます。?(11分)

バングラデシュの工場火災跡からウォルマート・ブランドの服が

2012年11月24日、バングラデシュで起きた衣料品工場火災は112名の死者を出す大惨事となりました。労働者の逃亡を防ぐため出口にはあらかじめ鍵がかかっていたとみられ、死者のほとんどは工場内に閉じ込められて焼死、7階から飛び降りた人も多くいました。避難用の外階段はありませんでした。バングラデシュでは過去5年間、衣料品工場での火災による死者が700名を超えていると言われます。バ ングラデシュの縫製労働者の賃金は月4000円程 度で世界でも最低水準となっています。(31分)

借金をストライキ!「ローリング・ジュビリー」とは?

最初期から占拠運動を支援してきたデイビッド・グレーバーが著書『債務 最初の5000年』で語ったように、貧困層は債務を通じて富裕層に無限に縛りつけられてきた。ローリング・ジュビリーは、ウォール街占拠運動から派生したストライク・デット(「借金をストライキせよ」)と、占拠運動のなかで当初から提起されていた学生の負債問題にとりくむ占拠運動学生債務キャンペーンなどのグループが協力して立ち上げた、債務に対する新しいかたちの抵抗運動である。寄付などを通じて集められた資金を使って債券市場に出回る債権を買い上げ、廃棄するのである。債券市場では個々人の債権の特定は困難であるため、この運動は純粋な相互扶助として行われている。(

【EXPRESS】追悼 チャベス大統領 ~オバマは「地獄のにおい」

ベネズエラのウゴ・チャベス大統領が2013年3月5日カラカスの病院で亡くなりました。がんを患いキューバで4度目の手術を受けた後、予後が思わしくなく容体が懸念されていました。英語圏の報道ではさっそくネガティブ・キャンペーンが始まっており、BBCは「独裁者スターリンの死と比較」、WSJは「旧世代の独裁者カストロ氏と年下の弟子である専制主義者チャベス氏は経済的、政治的な関係を構築し、今日ではキューバ、ベネズエラ両国の運命を左右するまでになっている」などと書き、民主主義の敵というイメージを刷り込もうと懸命です。(6分)

カトリック教会に巣食うファシスト 信徒虐待と解放の神学弾圧の関係

近年のカトリック教会はスキャンダルまみれで、同性愛者や女性の司祭を認めない偽善性に加え、幼児性愛嗜好の神父たちによって多数の被害者が出ていることがドイツやアイルランドや米国で暴露されました。ベネディクト16世は早いうちから事態を知りながら、犯罪者をかばって組織的なもみ消しを図り、それが被害の拡大につながったようです。イタリア人のあいだでも教会不信は頂点に達し、教皇の退位を求めるデモも起きました。長い歴史を誇る組織が、ボルジア以来といわれる途方もない頽廃に陥ったことには、なにがしかの説明がほしいものです。元カトリック司教マシュー・フォックスによれば、今日の惨状の原因は、がちがちの教条主義者ベネディクト16世が、ラッツインガー枢機卿と呼ばれていた時代に異端審問を復活させ、教会内部の異論を摘発し、排除したことにあります。

資本主義がインターネットを民主主義の敵にする

イリノイ大学教授のロバート・マクチェズニーは、インターネットは権力をもたない人々が平等に発言権をもち、大企業や政治権力と戦える「商業主義から自由なオアシス」とみられていた、と過去形で言います。しかしインターネットは過去20年、特にこの5年間で大企業による商業資本が席巻し、根本的な変質が起きたとマクチェズニーはいいます。(17分)

ウィキリークスがTPP知財条項の草案を暴露

ウィキリークスが公開したTPP交渉の知財関連の章の草案をめぐるディベートです。TPP交渉の一番の問題は、なによりもまず秘密主義です。各国政府の交渉担当官の他には利権を持つ業界や企業の代表しか詳細を知ることができません。ウィキリークスによってようやく内容を知った、ということ自体が問題です。米国ではこれまでTPP交渉はほとんど注目されてこなかったのですが、これでようやくその危険性に対する関心が高まり そうです。ウィキリークスが取り上げたことで、その怪しさがいっそう強調されました。とくにアサンジの指摘によって、昨年春に大規模な市民運動の力で一気 に廃案に追い込まれたSOPA(オンライン海賊行為防止法案)やACTAからの継続性が強調されたので、ネット市民の警戒の目も一段と厳しくなるでしょ う。(21分)

NSA内部告発報道にジョージ・ポーク賞 1: 受賞スピーチ「真の受賞者はスノーデン」

4月11日、米国のジョージ・ポーク・ジャーナリズム賞の授賞式がニューヨークで行われ、国家安全保障局(NSA)の監視に関する一連の報道で中心的な役割を果たしてきたグレン・グリーンウォルドとローラ・ポイトラスが揃って出席しました。内部告発者エドワード・スノーデンにインタビューするため香港に飛んで以来、初めての帰国です。二人の受賞スピーチをお聞きください。(10分)

NSA内部告発報道にジョージ・ポーク賞 2: 記者会見

4月11日ニューヨークで行われたジョージ・ポーク賞の授賞式で、式典に行われた記者会見のダイジェストです。今回の受賞で初めて帰国したローラ・ポイトラスとグレン・グリーンウォルドの二人に、これまで帰国を控えてきた理由や、米当局によるジャーナリズムへの有形無形の圧力について記者たちから質問が飛び交いました。(10分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル~(2) 彼は超優秀なサイバー・スパイだった

特別長編インタビュー第一日目の後半部分では、これまで語られてこなかったエドワード・スノーデンの人物像が詳細に語られます。スノーデンが育った家庭環境や政治信念、そして米国の安全保障機構の中での急速な昇進と、そこで果たしていた役割など、従来のマスコミ報道とはまったく違った人物像が浮かび上がります。これらは内部告発に至った動機や、彼の告発の重大性を理解するのに決定的に重要な事実といえるでしょう。(22分)

グローバルな金融規制の撤廃を企むサービス貿易協定(TISA)の機密草稿をウィキリークスが公開

新サービス貿易協定(TISA)は、昨年からスイスのジュネーブで協議されているサービス貿易に関する多国間協定です。これまであまり知られていませんでしたが、6月19日にウィキリークスが金融関連部分(金融サービス付帯条項)の秘密の草案を公開>したことで関心が集まり、同月28日には日本の外務省も交渉の概要を公開しました。TPPは環太平洋の17カ国ですが、TISAにはEUの28カ国を含め約50カ国が参加し、世界貿易の7割を占める極めて重要な貿易協定です。でも例によって秘密主義で、参加国の国民は交渉の内容を何も知らされません。TISAの狙いはなんなのでしょうか?(8分)

『戦争の身体』~(1) イラク傷痍軍人トーマス・ヤングの反戦運動を描く映画 

トーマス・ヤングが、退役軍人の日の前日、妻に看取られてひっそりと亡くなりました。イラクで負傷し、半身付随になりながらも薬物中毒から立ち直り帰還兵の反戦運動に身を投じた活動家です。彼を描いた2008年のドキュメンタリー映画Body Of War (『戦争の身体』)は大きな話題になり、他の帰還兵たちよりも脚光を浴びましたが、背後には同じような悲劇が無数に存在します。日々の生活の格闘から遂に力尽きるまでの彼の人生の軌跡は、9.11事件後の世界で戦争に突き進んだ米国の悲劇をきれいになぞっています。(31分)

イスラム国に処刑された米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリーの本当の声

日本人2人が処刑されたことで「イスラム国」(ISIS,ISIL)に対する関心は一気に高まりましたが、人質解放に失敗した日本政府の対応についての検証はまだこれからです。トルコやフランスの人質は解放されているのに、中東への軍事干渉には直接関与していない日本の民間人が殺されてしまったことには、おおいに疑問が残ります。脅迫ビデオでイスラム国の処刑人ジハーディ・ジョンから「安倍晋三、お前の責任だ」と名指しで非難された日本の総理は、そんなことは知らんぷりで、ここぞとばかりにイスラム国と戦うことの必要性を熱弁し、「政府に協力しない者はテロリストの味方」というロジックで、大手メディアを使って政権批判の声を封じています。これはジョージ・W・ブッシュの対テロ戦争ドクトリンをそっくりいただいたものですが、オバマの民主党政権になっても米国は「テロには屈しない」という念仏を唱えて交渉を避ける「拒絶主義」に変わりはありません。最初に処刑された外国人ジャーナリストであるジェームズ・フォーリーへのオバマ政権の対応を見れば、日本政府の行動との共通点が読み取れます。(20分)

地球を貪る資本主義を非難し 世界のカトリックに気候変動への決起を促す 「急進的」教皇フランシスコ

フランシスコ教皇は、自然保護を訴え気候変動への行動を促す画期的な「回勅」(教皇書簡)を準備です。これは教皇による最高形式の教示で、司教や司祭に送付され、彼らを通じて全世界のカトリック教徒に重く受け止められます。今年末にパリで開かれる国連気候変動サミットが真に効果のある対策を打ち出すものになるよう、世界規模で決起を促すものですが、世界のカトリック人口は12億人に達しますから、教皇の呼びかけはどんな環境団体のキャンペーンよりも遠大な影響力を持つでしょう。バチカンの改革者として登場し何かと話題を呼んできる教皇ですが、今回の回勅はとりわけ論争を招くかもしれません。(13分)

「ナチスの医師たち」の著者ロバート・J・リフトンとの対話 (1) CIAの拷問に加担した心理学者の罪

米国の著名な精神医学者、ロバート・ジェイ・リフトンへのインタビューです。リフトンは、広島の被爆者に対するインタビュー調査とその精神的側面に光をあてた『ヒロシマを生き抜く─精神史的考察』の著者として知られています。長年にわたり、戦争をはじめとする極限的な状況における人間の心理について批判的分析を行ってきた研究者です。近著、Witness To Extreme Century : A Memoir (『極限の世紀の証言者 ~回想録』) では、これまでの自身の活動を、研究者としての学問的行為であると同時に、「証言者」としての行為であったと振り返っています。前半は、世界最大の心理学者の団体である米国心理学会(APA)がブッシュ政権の拷問採用に積極的に関与していたという最近発覚したスキャンダルをめぐり、専門家集団が非人道的な犯罪に加担する心理について語ります。(14分)

変わりゆくキューバ (1)米国との関係正常化がもたらす大きな希望と課題

1961年に外交が断絶されてから50年以上たつ今、キューバ・米国間の関係が大きく動きつつあります。2015年5月29日にキューバが米国のテロ支援国家から指定解除されたことも非常に大きな出来事でした。この動画では、前半に作家で歴史家のジェイン・フランクリンを迎え、テロ支援国家からの指定解除の意味や、なぜ今なされたのかについて伺います。(18分)

グレン・グリーンウォルド: パリ襲撃を口実に市民監視を正当化する政府、戦争を煽る「従順」なメディアとムスリムへの卑劣な責任転嫁

11月13日金曜日に起きたパリの襲撃で、世界が一気にキナ臭くなってきました。フランスのムスリムたち1月のシャルリエブド襲撃事件に続いて再びイスラム憎悪の高まりに怯えています。各国で移民への反感も露骨になってきました。フランスでは非常事態が宣言され、デモも禁止されています。欧米諸国はここぞとばかりに防衛と監視の体制を強化し、イスラム国に空爆で報復していますが、そんなことではテロ根絶どころか民間人の犠牲がテロに拍車をかけるだけで、喜ぶのは軍需産業だけです。グレン・グリーンウォルドは、現在の異様に好戦的な空気は2003年にブッシュ政権がイラクに侵攻したとき以来のものだと懸念します。(27分)

ベルタ・カセレス追悼 ホンジュラスで暗殺された先住民&環境運動の指導者

2016学生字幕翻訳コンテスト 課題4:「軍事独裁は資源開発企業の天国」の受賞作です。 ホンジュラスの環境保護活動家ベルタ・カセレスが2016年3月に自宅で暗殺されました。彼女はホンジュラス先住民の土地への権利の運動を組織した中心的な人物でした。1993年に「ホンジュラス民衆と先住民の国民協議会(COPINH)」を仲間と共に設立しました。COPINHは何年も前から弾圧や殺害予告で脅されてきました。自分たちの生活を破壊する資源採鉱やダム建設に抗議して立ち上がったためです。カセレスは前年に、ゴールドマン環境賞という、草の根活動家を称え、環境分野では世界で最も栄誉ある賞を受賞したばかりでした。(15分)
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