フランスはハイチの「独立債務」を返還せよ

奴隷 ハイチ
ハイチは2011年5月現在も、死傷者約22万人、被災者370万人といわれた2010年1月の地震からほとんど復興していません。地震から半年後の2010年8月、著名な知識人らが「フランスはハイチに課した賠償金400億ドルをハイチに返済すべし」という公開書簡をガーディアン紙に掲載しましたが、サルコジ大統領は取り合いませんでした。ハイチの窮状が続く背景は何なのでしょうか。

イザベル・ウィルカーソン:米国を作り変えた黒人の大移動

移民 黒人
1915年から1970年代半ばの約60年間に約6百万人の黒人が、米国の南部を離れて北部や西部に移住しました。20世紀はじめには、米国の黒人の約9割が南部で暮らしていたのに、大移住が終わる頃には南部に残っていた黒人は半数近くに減っていたといわれます。移住は公民権運動を生む土壌を作り、米国の政治と社会を変え、エキサイティングな都市の黒人文化を生み、世界的にも大きな影響が伝わっていきました。一国を変えた激動の大移動を3人の実在の人物を通してまるで大河ドラマのように生々しく描きつつ、社会と時代背景を際だたせる。イザベル・ウィルカーソンの新著『別の太陽のぬくもり("The Warmth of Other Suns”は水際だった筆力とダイナミックな構成力で大きな話題を呼び、2010年度全米批評家協会賞(ノンフィクション部門)を受賞。2010年の黒人関連ノンフィクションの最大の収穫のひとつと言われています。

ショック・ドクトリンにご用心!組合つぶし法案と米国の火事場泥棒

日本では未曾有の自然災害と原発事故という最大の国難のさなかに、無策を糾弾された総理が退陣を表明し、大連立が叫ばれています。党利党略を捨てて協力して国難にあたるそうですが、いったいなにをするのかは定かではありません。消費税引き上げ、TPP参加、コンピューター監視法案(共謀罪の一部切り離しです)など、およそ災害対策とは無関係な政策がごり押しされる気配もあります。社会的な危機の中では、強力なリーダーシップによる決然とした対応が必要です。しかし、ひとつ間違えば危機に乗じた権力の集中につながります。そんな時間はないといって民主的な幅広い議論を退け、これしか方法はないのだと騙して国民に犠牲を強いることを許しかねません。(21分)

ナオミ・クライン:究極の危機「気候変動」を利用して軍国主義が台頭?

民主主義の否定に利用されかねない最大の危機としてクラインが恐れるのが気候変動です。ここ数年で気候変動を信じる人の割合は急激に減少しましたが、その現象は英語圏に偏っています。その理由は、気候変動を信じるかどうかはもはや科学ではなく政治信条の問題になっているからだと、クラインはオーストラリアの政治学者クリーブ・ハミルトンの論考(かつて相対性理論をめぐる論争が政治論争化したこととの興味深い比較)を紹介します。気候変動を信じないことは、いまや右派にとって右派であることの証明です。彼らが信じない理由は、気候変動論は「富の再分配を狙った社会主義者による陰謀」だからです。こんな言いがかりつけて忌み嫌うのは、気候変動に有効な対策をとろうとすると、ことごとく右派の主張を否定しなければならないからです。エネルギー効率を考えれば、輸送によるロスを抑える地産地消が必須になりますが、それは「自由貿易」の終わりを意味します。そして先進国は自分たちが引き起こした問題の被害者である途上国に、つけを支払わなければなりません。自由貿易とグローバル化という右派の2枚看板を下ろし、富の再分配によって南北格差を是正するように迫られます。(16分)

マイケル・ムーア「米国は破産なんてしてない」 ウィスコンシン州労働デモで演説

 相次ぐ労働運動に対する攻撃に対抗して行われたウィスコンシン州のデモでの、マイケル・ムーア監督の応援演説を中継します。米国は破産などしておらず、数百人が人口の半分を合計した以上の富が、まともに税金も払わないわずか四百人の「ムバラク」の手中にある米国の社会構造そのものが問題だと明解に指摘し、「まともな仕事⇒まともな給与⇒生活のための消費⇒雇用」という実経済の循環を再建すること、「若い世代のための教育⇒新しい発想⇒起業・雇用促進⇒税収増」という財政の基本を取り戻すことこそが求められている、と力強く呼びかけます。(13分)

チョムスキー「米国にも民主化デモが必要だ」

ウィスコンシン州の反労働組合法制定をめぐって大規模な抗議運動がおきるなか、デモクラシー・ナウ!のスタジオを訪れた反体制知識人ノーム・チョムスキーが、最近のできごとを長期的な視点から論じます。第二次大戦直後から始まった米国の労働組合つぶしの動きの現在に至るまでの流れ、最近の米国で起きている故ロナルド・レーガン大統領の神格化、反テロ法とFBIによる強制捜査を使った政治活動家の弾圧など、さまざまな話題が取り上げられます。ウェブExclusiveからも、一部採用しました。

デジタルの闇:米英企業が通信遮断と反体制家の身元割り出しでエジプト政府を支援

 英国を拠点とするボーダフォンは、エジプト政府の命令に従い、エジプトの電話とインターネットのサービスを遮断しました。ボーイング社傘下の米国企業ナルス社は、反体制活動家の身元の割り出しを助ける監視技術をエジプトに売りました。フリー・プレスのティム・カーとニューヨーク市立大学教授C.W.アンダーソンに話を聞きます。カーは、エジプトで通信がどのように遮断されたかを説明し、“国家的脅威”の場合に米国で通信を遮断する根拠となりうる、上院に提出された法案「国家資産としてのサイバースペース防衛法」について論じます。アンダーソンは、2004年の共和党大会と民主党大会での抗議行動を起源とするツイッターの活動家的ルーツをたどります。(8分)

米国はイエメンで危険なゲームをしている 特殊部隊の秘密戦争

サーレハ政権を支えてきた米国がイエメンでとどのような活動をしてきたのか?先のイエメンの話題のフォローアップで、米国の秘密軍事活動がサレハ政権の弱体化を引き起こす引き金になったとスケイヒルが論じます。米国の情報機関によれば、イエメンのアルカイダ(AQAP)こそが米国本土の安全保障上の最大の脅威です。そこで米国はサレハ大統領の許可のもとイエメン国内で秘密戦争を行ない、アルカイダのキャンプを爆破したり暗殺を行ったりしていました。それは必然的に多数のイエメン住民の巻き添え被害を生み、怨念を買います。サーレハ大統領が国民を欺いて、ひそかに空爆の許可を与えていたばかりか、自国軍の誤爆であると発表して米軍をかばっていたことがウィキリークスが公開した外交公電でばれてしまったこともあり、サーレハは米国の手先だと見る人が、部族指導者や政権内部にさえ増えてきたとスケイヒルは指摘します。

マニング・マラブルが遺した マルコムXの実像・虚像

デモクラシー・ナウ!のゲストとしてもおなじみだったコロンビア大学教授で歴史家のマニング・マラブル氏が2011年4月4日、亡くなりました。20年をかけた待望の大著Malcolm X: A Life of Reinvention (『マルコムX:創られた人生』)の出版数日前の、急逝でした。追悼番組となったこのセグメントでは、2005年にデモクラシー・ナウ!が行ったマニング・マラブル氏のインタビューがあらためて紹介され、当時執筆中で遺作となった伝記について語っています。実はこの伝記、出版後、大きな波紋を呼び、マルコムXの実像と虚像、その生涯の今日的意味をめぐり、激論をまきおこしました。(12)

公共支出の大幅削減にロンドンで50万人が抗議デモ

3月26日ロンドンで50万人を超えるデモ行進が行われ、戦後最大となる公共支出の削減に抗議しました。英国では昨年5月に13年ぶりの政権交代で保守党と自由民主党の連立政権が成立しました。新政権がまっ先に掲げた重要課題は、GNP比で1割以上に達した財政赤字への取り組みでした。そのために政府が打ち出した大胆な緊縮政策は、医療も教育も社会福祉もあらゆる公共サービスを縮小し、30万に及ぶ公共部門の雇用をカットするというものでした。デモの引き金となったのは、このような計画を進める一方で、法人税の減税試算が示されたことでした。問題は緊縮財政だけではなく、負担の不公平と極端な富の集中です。中流階級から下の人々には社会福祉の削減と増税が重くのしかかりますが、企業や投資家は税負担を軽減されるのです。大金持ちは税金を払っておらず、金融危機を引き起こして財政危機の原因を作った人々がますます富を溜め込む仕組みになっています。

酷暑の地球 今後50年の生活

マーク・ハーツガードは1988年以降に生まれた世代を「酷暑の世代」(Generation Hot)と呼び、世界で20億人いるというこの世代が、灼熱の地球で生涯をすごさねばならない温暖化の被害者だといいます。1988年は、アメリカ航空宇宙局NASAのジェームス・ハンセン博士が、米議会で初めて地球温暖化が進行していると証言した年です。翌年エクソンなどの石油業界は地球気候連合(Global Climate Coalition)を設立、CO2排出規制に反対するロビー活動を開始し、地球温暖化を否定する論調が米国で増えていきました。1988年以来、20年以上がすぎ「異論を唱えるのは、FOXニュースか下院の共和党だけです」とハーツガードは言います。2011年4月にも、共和党が多数を占める米下院が、温室効果ガスを規制する権限は米環境保護庁にないとする法案を通過させたほか(上院で否決)、2012年度の気候変動予算をカットするなどオバマ大統領の環境政策の巻き戻しを図っています。

ウラン濃縮工場 安全性を求める組合員をスト破りを使って弾圧

問題は2007年に始まった。多国籍企業ハネウェル社のイリノイ州メトロポリスのウラン濃縮工場の裏地に高度な放射性の汚泥が入ったドラム缶7千本が野ざらしになっていた。近くを流れるオハイオ川に漏出する恐れがある。見かねた作業員が改善を求め社内対話集会でCEOと対決になった。これがその後に続く激しい組合たたきの一因になったと組合員たちはみている。(8分)

ルムンバ暗殺から50年 コンゴ独立の苦難

1960年、コンゴは春を迎えたはずでした。豊かな天然資源にめぐまれ「アフリカの宝石」と呼ばれながらも、19世紀末以来、まずはベルギーのレオポルド王個人の領地として、その後はベルギーの植民地として、象牙やゴム、ダイヤモンドなどの莫大な富を吸い上げられ、残虐な扱いを受けていた人々が、ついに独立を勝ち得たのです。独立運動の若き指導者、パトリス・ルムンバが民主的な選挙で首相に選ばれ、コンゴは理想主義と希望にわきあふれるかに見栄ました。だが、政権は10日も続かず、クーデターで追われたルムンバは逮捕され、翌1961年1月17日に惨殺されます。35歳の若さでした。

企業に無制限の選挙献金を許すシチズンズ・ユナイテッド判決に異議あり!

2010年の米中間選挙では、記録破りの選挙費用が使われました。その理由のひとつは、最高裁判所が1月に出したシチズンズ・ユナイテッド判決です。 この判決は、会社法人には、合衆国憲法修正第1条に基づく権利(信教、言論、出版、集会の自由、請願権)が保障されているとみなし、政府が企業の政治的な言論に制限をくわえることはできないとしています。この判決によって、企業や特殊利益団体が政治的な影響力を振るうために、公職選挙に特定候補を支持して無制限の金を使う道が開けました。 まさしく、金で買える民主主義の到来です。(17)

「食物テロリスト」の出現?公園の炊き出しを取り締まるオーランド市

フロリダ州のオーランド市は、ディズニーワールドのお膝元です。この町は最近、「食物テロリスト」が出没するそうで、数週間で20名以上が逮捕されました。お腹を空かせた人々に公園で無料の食事を配ったというのが逮捕の理由です。炊き出しを行った団体「フード・ノット・ボムズ」を、市長が「テロリスト」と呼んだことが広く報道されました。

「ウォール街を占拠」2週目に突入 非暴力デモで80人逮捕

とうとうウォール街にも「アラブの春」が飛び火。「ウォール街を占拠せよ」キャンペーンが始まって10日目の現場ルポです。9月17日以降、金融機関が集中するウォール街に数千人の若者が集まり、人間より利益を優先する拝金主義に抗議しています。24日土曜日には、デモ参加者80人以上が逮捕されました。現場にいた人々の証言では、非暴力のデモ参加者に対してNY市警がトウガラシスプレーを使ったり、髪をつかんで地面を引きずりまわしたりの暴行を働きました。「私たちを守るはずの警察が彼らを守っています。こんな不正に抗議しているのです」とデモ参加者の一人は言います。(6分)

化学業界の圧力をかわしホルムアルデヒドを発がん物質リストに追加

 ホルムアルデヒドがようやく、米国で既知の発がん物質リストに追加されました。この成果がいまとりわけ意義深いのは、保守系の大富豪であるコーク兄弟を初め、米保健社会福祉省に長年、圧力をかけてきた化学産業が、今回は敗れたからです。コーク兄弟は最近では、茶会党や、組合つぶしを行ったウィスコンシン州知事への資金援助なども含め、巨額な資金で政界に大きな影響力をふるっている人物で、コーク社の子会社であるジョージア・パシフィック社は、米国最大のホルムアルデヒド生産企業の一つです。兄弟は、ホルムアルデヒドが発がん性物質リスト入りするのを防ぐためのロビー活動を主導してきました。ホルムアルデヒドはプラスチックの中に含まれるほか、ベニヤ板やパーティクルボードなどで多く使われています。米保健社会福祉省がその圧力に屈しなかったのは、朗報です。政府はまた、船や浴槽、そして使い捨ての発砲プラチックのカップや皿に使われるスチレンも発がん性の恐れがあることも発表しました。

【EXPRESS】 特別番組:トロイ・デイビス処刑の夜──無実の訴え 世界各地で高まる支援の声も空しく ジョージア州が死刑を執行

42年の生涯のほぼ半分を死刑囚監房で過ごしたトロイ・デイビスさんが、2011年9月21日午後11時8分、亡くなりました。死亡診断書に記された死因は、「殺人」。手をくだしたのは、ジョージア州。薬物注射による死刑が執行されたのです。デモクラシー・ナウ!では、2007年以来、無実を訴えながら3度も処刑寸前に追い込まれたデイビスさんの支援活動を克明に追ってきました。9月21日には処刑予定時刻の午後7時をはさみ、ジョージア州ジャクソンの刑務所敷地内で午後6時から8時まで特別番組の放送を計画していました。7時をまわった頃、歓声があがり、連邦最高裁判所が処刑延期を命じたと信じた人々は、喜びでわきたちました。しかし、これは誤報とわかり支援者たちは一縷の希望にすがりながら最高裁の最終決定を待ち続けました。、結局、6時間連続の生実況放送になった特別番組。翌朝の22日の番組で放送された、処刑の夜のハイライト特別レポートをお届けします。(39分)

AP記事が暴露 米原子力規制委員会が業界と共謀して安全基準の緩和に動く

AP通信の連載企画記事“Aging Nukes”(老朽化する原子力発電所)(2011年6月20日から28日にかけて配信)は、業界となれ合い状態にある米国の原子力規制、放射性物質の漏出、漏出の実態調査の不備など、お寒い状況を明らかにしました。記事を執筆したジェフ・ドン記者が連載の渦中にデモクラシー・ナウ!に登場です。(14分)

ファタハとハマスの和睦で5年ぶりにパレスチナ統一?

2006年1月、パレスチナ立法評議会の選挙が行われ、イスラム主義政党ハマスが過半数の議席を獲得、パレスチナ解放機構(PLO)の中心勢力ファタハを下しました。しかしイスラエルの「生存権」を承認しない政党だとして、イスラエルはハマスとの交渉を拒否、ファタハのアッバース大統領は緊急事態を宣言してファイヤド内閣を西岸地区に発足させ、欧米主導の和平交渉からハマスは排除されました。カルフォルニア大学のサリー・マクディシ教授が、2011年4月に流れたハマスとファタハが和解したとのニュースについて話します。(13分)
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