「ベルゲン=ベルゼンの日記 1944-45」 アミラ・ハスが問う母の沈黙

イスラエルの優良紙『ハアレツ』のコラムニストで、占領下のパレスチナに住み、パレスチナ住民がイスラエルから受ける迫害を伝え続けている数少ないユダヤ人記者アミラ・ハスは、両親ともにホロコーストの生存者です。母のハンナ・レヴィ=ハスは、北部ドイツのベルゲン=ベルゼン強制収容所に収容されていた当時、禁を犯して日記をつけるほど文章表現に長けた人でした。しかし収容所から解放され、イスラエルに移住した後は書かなくなってしまいます。むしろホロコースト後の世界に絶望したのだと娘のアミラは言います。(14分)

G20とNATOサミットに抗議するヨーロッパの人々

4月にヨーロッパで開かれたG20金融会議やNATOサミットでは、大規模な抗議行動が起こりました。従来の金融システムの復活に抗議し、NATOなんかいらないと叫ぶ人々。未曾有の経済危機に、英国やヨーロッパの人々は何を考えているのでしょう。(18分)

隣の奴隷 現代アメリカの人身売買と奴隷制

現代の奴隷制撲滅運動のリーダーケビン・ベイルズに話を聞きます。ベイルズの推計によれば、現在約2700万人が奴隷的労働に就いています。これは人類史上最多の数字です。ベイルズはまた米国での現代奴隷制の摘発に協力してきました。米国には毎年、1万4000人から1万7500人の人々が人身売買で送り込まれていると彼は見ています。現代の奴隷制の実態に目を向けてみましょう。(15分)

ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で

プリンストン大学で宗教哲学とアフリカ系アメリカ人研究を教える有名教授コーネル・ウエストが、待望のメモワールを発表しました。表題は『ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で』。そこには、小学校をドロップアウトし監獄行きも時間の問題だった不良少年の時代から、心気一転して優等生に変身し、陸上に、音楽に、勉学に、生徒会活動にと多彩な才能を発揮したウエストの魂の軌跡がつづられています。その生い立ち、コミュニティ、宗教との出会い、人生における音楽の役割、オバマ政権への期待と失望、公的医療保険制度について、じっくり語ってもらいました。(32分)

カーボン排出権取引は地球温暖化防止の効果なし

米環境保護庁(EPA)の二人のベテラン弁護士が、連邦議会で審議中の気候変動法案を批判するビデオをYouTubeに公開し、同調から削除ないし変更するように圧力をかけられました。このビデオは、排出権取引のCO2削減効果に疑問をはさみ、致命的な欠陥があると警告しています。特に、排出したガスの埋め合わせに別の場所での排出を削減する「オフセット」(相殺)の市場には、根本的な欠陥があると指摘します。(13分)

沖縄からグアム、ハワイへ 太平洋米軍基地の拡大に反対する国際的連帯の呼びかけ

普天間基地の移転先をめぐる騒動は、ついに鳩山首相の辞任へと発展しました。でも首相の辞任によって沖縄問題が解決したわけではなく、むしろ次期政権に引き継がれる大きな政治課題となります。なぜなら地元の合意がとりつけられないかぎり、新たな基地の建設は不可能だからです。「沖縄の痛み」に気がついたのなら、もはや一方的な負担の押しつけはできません。この問題に対する新たな視点が必要です。デモクラシー・ナウ!では、5月末の沖縄での大規模な反対行動にからめて、太平洋地域における米軍基地の展開と、それに対する民衆の反対運動をとりあげました。(27分)

マッセイ炭坑爆発事故 遺族が連邦裁判所に情報公開を求める

BPのディープウォーターホライゾン掘削施設爆発が起きたのは4月20日でした。その数週間前、ウエストバージニア州のマッセイ・エナジー社が所有するアッパービッグブランチ炭坑で爆発があり29人の労働者が死亡しました。鉱山安全保健管理局がこの災害の捜査を開始しましたが、公開調査でずさんな危機管理が明るみに出たBP原油流出事故とは異なり、マッセイ炭鉱の事故ではすべてが密室で勧められています。非公開の調査では事実が明かされないと、米鉱山労組と事故の遺族たちが捜査の公開を求めて連邦裁判所に提訴しました。アパラチア地方の鉱山事業の歴史に詳しいジャーナリストのジェフ・ビガーズに話を聞きます。そこから浮かび上がるのも、規制当局が企業を追求することを極端に恐れ、責任逃れに走る、米国の政治の構造的な問題です。(14分)

人と環境に迫り来る大規模経営の養豚、酪農、養鶏の脅威

米国では8月に、サルモネラ菌感染の疑いで5億個の鶏卵が回収されました。空前の卵パニックの影にひそむ大規模な畜産経営の問題について、『動物工場:人間と環境に迫り来る大規模経営の養豚、酪農、養鶏の脅威』の著者デイヴィッド・カービーと話します。カービーは様々な具体例をあげながら工業生産方式の畜産が作り出す甚大な環境被害と、公衆衛生の危機を警告します。規制の導入と強制力を持った行政の監督の必要性を訴える一方で、大規模畜産への間接的な助成をやめて小規模な畜産農家が存続していける競争環境を整えることも重要だと指摘します。

ティーパーティ運動と極右武装集団や人種差別団体のつながり

中間選挙の2週間前、NAACP(黒人地位向上協会)が保守派の市民運動ティーパーティに関する報告書「ティーパーティ・ナショナリズム」を発表し、全国各地の人種的な憎悪にもとづく団体とのかかわりを指摘しました。ティーパーティ運動の主張は「小さな政府」の実現であり、財政赤字の削減と減税が一番の目標のはずです。でも、実際に彼らが関心を注ぐのは人種や移民といった社会問題です。ティーパーティの集会には、排外主義や人種偏見に満ちたスローガンが目立ち、白人至上主義グループのオルガナイザーたちが跋扈し、新人勧誘にいそしんでいるといわれます。

国連宣言 水は基本的人権

国連総会は、水と公衆衛生は基本的人権であるという史上初の宣言を行いました。7月28日におこなわれた歴史的な投票で、122カ国の支持を得て決議が成立しました。米国とカナダ、一部のヨーロッパの国々、その他の先進工業国など40カ国以上は棄権しましたが、さすがに決議に反対した国はありませんでした。長年にわたる水の権利活動家、モード・バーロウに、この画期的な決議について聞きます。

グーグルがCIAと共にネット監視技術企業に出資

米中央情報局(CIA)とグーグルの投資部門が「レコーデッド・フューチャー(Recorded Future)」という企業を支援しています。この会社は、数限りないウェブサイトやブログ、ツィッターのアカウントをリアルタイムで監視し、そこから浮かび上がる特定のパターンやイベントや人間関係から将来を予測しようとしています。グーグルはこの他にも、いわゆる「Wi-Spy(ワイ-スパイ)」疑惑が持ち上がったばかり。グーグルのストリート・ビュー撮影車両が世界約30カ国で過去3年にわたって個人のWiFiネットワークをスパイしていたというスキャンダルです。(10分)

ダニエル・エルズバーグ:内部告発者のテロリスト扱いに抗議

デモクラシー・ナウ!の2010年6月のインタビュー(「米軍内部告発者の逮捕、ウィキリークスは地下に潜る」)で、ダニエル・エルズバーグが、ジュリアン・アサンジは「逮捕以上の危険」「誘拐、特例拘置引き渡し、拷問、暗殺の危険にさらされている」と語った時には、まさか暗殺までは(?)とも思われたのですが、2010年秋以降のスエーデン司法当局を前面に立ててのアサンジ追撃には米国の陰も見え隠れし、1971 年、ベトナム戦争に関する国防総省の機密文書をリークした米国一有名な内部告発者ダニエル・エルズバーグの体験から出た警告の重みがずっしり感じられるようになってきました。

DREAM法は数百万の若年不法滞在者の福音か、それとも新兵徴募装置か?

2001年に米上院に提出されてから10年、幾度となく審議されながら成立に至っていない通称ドリーム法案(The DREAM Act)について、2人の若者が討論します。ドリーム法とは、正規の書類をもたずに家族と共に米国に16歳未満で移民し、米国で教育を受けた若者に、条件を満たせば永住権を得ることを可能にする法案です。ドリーム法を推進する立場からはフロリダ州のギャビー・パチェコさん、ドリーム法が求める条件に異議を申し立てる立場からは、反戦イラク帰還兵の会元会長のカミロ・メヒアさんです。

もう1つの9/11:1973年9月11日 米支援のピノチェトがチリの実権を握った日

チリで9.11と言えば、1973年の軍事クーデターを指します。米国の支援を受けたピノチェト将軍が、民主的に選挙で選ばれたアジェンデ政権を倒した日です。それ以降、チリでは独裁政権が反対派の誘拐や虐殺を繰り返して国民を恐怖に陥れ、その一方でシカゴ学派の主張に沿った新自由主義経済政策が徹底的に推進されました。このショックドクトリンの最初の「実験」は、その後、IMFの手動でバブル崩壊後の中南米全体に広がり、大多数の国民を困窮させて、現在の中南米のアメリカ離れの種を撒くことになりました。今ではそれが全世界に拡大していますが、今日の私たちが直面する問題の先駆けとなった事件として、チリ・クーデターの意義は一段と大きくなっています。(17分)

スティグリッツ 1%による 1%のための

 米国では富の格差がますます拡大し、上位1%の金持ちが国民総所得の25%を懐に入れます。過去10年の経済成長は上位2%が独り占めにしています。有り余る資金で金融ギャンブルをやり世界経済を危機に陥れたのも彼らですが、失業者が街にあふれるなか金融業界は空前のボーナスを配っています。しかも税金は払いません。政界に効率のよい投資をして、税制も規制も自分たちに都合のよいものに変えていきました。しかし、そんなことを続けては国全体が傾いてしまいます。(21分)

1940年代グアテマラで米国人医師が梅毒感染実験

米国が1940年代のグアテマラで、ペニシリンの治療効果を調べる研究のために、現地人の兵士、囚人、売春婦、精神病患者ら約700人に対して故意に梅毒や淋病を感染させたことが、2010年秋に発覚しました。感染させられた人々が治癒したのか、あるいは少なくとも治療を受けることができたのかさえも、わかっていません。(18分)

マヌエル・セラヤ独占インタビュー 追放から2年、ホンジュラス前大統領の帰還(2)

拉致の1週間後、セラヤ大統領はニカラグアのミゲル・デスコト国連総会議長を伴ってテグシガルパ空港への着陸を試みましたが、ホンジュラス軍に妨害されニカラグアに戻っています。その2カ月後の2009年9月21日、今度は陸路で帰国。その時の苦労をこのインタビューで明かしています。セラヤ大統領はブラジル大使館で4カ月軟禁生活を送った後、2010年1月にドミニカ共和国に亡命し、2011年6月にようやく帰還を果たしました。(9分)

マフムード・マムダニが語るリビア アフリカ連合の「危機」 南スーダンの前途

政治学者マフムード・マムダニがリビア・南スーダン独立・米国のムスリムについて語ります。NATO軍がリビアに空爆を始めて約半年、首都トリポリが陥落した時のインタビューです。マムダニは、アフリカ連合に属する南アフリカとナイジェリアが国連安保理のリビア制裁決議で賛成票を投じていたことをあげ、「アフリカ連合そのものが危機に陥っている」と批判します。アフリカ連合はリビアへの干渉に消極的な態度をとっていたにもかかわらず、NATO軍の空爆を容認するという矛盾した行動を取っていたのです。「それぞれの国の権益に応じルールを変えるご都合主義のアフリカ連合はもう終わっています」とマムダニは厳しく批判します。(11分)

アノニマス参上:世界に広がるハクティビズム

アノニマスのように政治・社会的な主張を掲げてハッカー攻撃をしかけるオンラインのアクティビズムを「ハクティビズム」と呼びます。アノニマス関連の事件として有名なのは2010年12月、ウィキリークスの口座を凍結して支援金の送金を妨害したマスターカードとVISAにハッカー攻撃を仕掛け、サイトを一時的にダウンさせたことです。その他にも、ソニー、PayPal、アマゾン、バンク・オブ・アメリカ、サイエントロジー(宗教団体)、エジプト政府、チュニジア政府、シリア政府などが攻撃対象になりました。なんだかオソロシげな集団に聞こえますが、アノニマスの源流にあったのは日本の2チャンネル文化です。こんなふうに進化したのも、祭りのノリが嵩じたのかも。

デイビッド・グレイバー:貧困層の債務は帳消しに!

グレイバーは負債の観念そのものを問い直します。歴史を見ると、世界のどこでも大金持ちや政府が借りた金は常に融通が利き、減免が可能です。ところが貧乏人が金持ちに金を借りると、とたんに返済は神聖な義務となり、おいそれと免除はされません。それでも現在の米国のような社会的な危機になった場合には、歴史的に何らかの救済措置が取られてきました。新王の即位で商人への債務を帳消しにする「大赦」など、さまざまな形で制度化もされてきました。政治的な判断でいくらでも融通が効くのです。ウォール街の占拠に来た人たちは、金持ちの債務がチャラになるなら庶民の債務だって危機に際しては柔軟に対処するべきだといっています。(3.5分)
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