暴露 スノーデンが私に託したファイル~(2) 彼は超優秀なサイバー・スパイだった

2014/5/13(Tue)
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22分

世界24カ国同時出版で話題を呼んでいるグレン・グリーンウォルドの新著『暴露 スノーデンが私に託したファイル』。エドワード・スノーデンの勇気ある内部告発に協力し、最大限の効果を引き出すことに大きな役割を果たしたジャーナリストが、事件の当事者として証言している決定的な書籍です。事件の重要性を理解するには欠かせません。一時帰国した折にDNスタジオを訪れ、長時間におよぶインタビューで新著の内容を話しました。

特別長編インタビュー第一日目の後半部分では、これまで語られてこなかったエドワード・スノーデンの人物像が詳細に語られます。スノーデンが育った家庭環境や政治信念、そして米国の安全保障機構の中での急速な昇進と、そこで果たしていた役割など、従来のマスコミ報道とはまったく違った人物像が浮かび上がります。これらは内部告発に至った動機や、彼の告発の重大性を理解するのに決定的に重要な事実といえるでしょう。

特に重要な点は、初期の報道ではかなり歪めて伝えられていたエドワード・スノーデンの米国諜報機関における地位と役割です。高校をドロップアウトし、兵役も務まらなかった落ちこぼれとか、民間企業から派遣された下っ端のIT技術者だったとか、そういうイメージを抱いている人はぜひ、この動画をご覧ください。

サイバー工作員として高度な訓練を受け、最高水準の能力を持つ教官の立場にあり、米国の諜報システムの深部にまでアクセスできた優秀なスパイが、道義的な信念に基づいて内部告発したのです。その威力は計り知れません。マスコミのネガティブ・キャンペーンの裏で、米国諜報機関の上層部はさぞや青くなっていたことでしょう。こうして彼が決断に至った経緯をあらためて考えてみると、その捨て身の行動が世界中で多くの人々の共感を集めた理由がよくわかります。(中野真紀子)

☆ この後の二日目のインタビューでは、香港での会合と取材、米国捜査機関やマスコミによる追跡を逃れて間一髪でロシアに脱出という、スパイ小説さながらのスリリングな展開を語ります。こちらにも字幕をつけられるように、クラウドファンディングに、どうぞご協力ください(詳細は、後ほど掲載します)。

*グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald) ガーディアン紙の一員としてピュリツアー賞を受賞したジャーナリスト。新著『暴露 スノーデンが私に託したファイル』の発売当日に放送された。

Credits: 

字幕翻訳:川上奈緒子 / 校正:中野真紀子