ポール・クルーグマン

金融大手JPモルガン・チェース銀行は、今年5月高リスクなデリバティブ取引で巨額の損失が発覚しました。その額は、5月の放送時で、20億―30億ドルと言われていましたが、今では40-60億ドルと言われています。ク ルーグマンは同行の最高経営責任ジェイミー・ダイモンを批判します。ダイモンは金融改革に対抗する知恵袋とされ、「我々のビジネスは我々が一番良く知っている。他の者が、私達にどうするか教える必要はない」と言って、どのような規制にも猛反対してきました。そ結果がこの巨額の損失です。米国政府機関によって預金が保証されている銀行が、このような高リスクの取引をすることは、彼らが納税者のお金で賭けをしているとのと同じです。「ボルカー・ルール」と呼ばれる規制が発効されれば (2012年7月から有効)、このような投機的な取引は出来ないはずですが、今年5月以前は、それがいつも通り行われていたことは明らかです。ひとつ間違えば国の経済をも破壊しかねない「大きすぎて潰せない銀行」は、甘い規制で銀行家に任せておくには重要すぎるとクルーグマンは言います。(20分)
大恐慌以来の不況と言われる現在の経済状況の中、米国やヨーロッパでは、財政赤字や政府債務の大きさばかりが大きく取り上げられ、財政赤字削減の大儀のもと、多くの国で緊縮政策が採られています。ノーベル賞受賞の経済学者ポール・クルーグマンは、新著『さっさと不況を終わらせろ』で、低迷する経済状況での、財政赤字に対する過剰な反応は経済回復を妨げると論じています。(17分)