俳優シェイリーン・ウッドリー パイプライン融資銀行へのボイコットを呼びかける

放送日: 
2017/1/25(水)
再生時間: 
18分

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題3:「パイプライン出資者に抗議を」の受賞作です。

エナジー・トランスファー・パートナーズ(ETP)社が米国中西部に建設を進める原油輸送用の「ダコタ・アクセス・パイプライン」は、建設予定地が居留区を通過するノースダコタ州のスタンディングロック・スー族による激しい抵抗運動を引き起こしました。建設事業者を批判する世論の高まりを受けオバマ政権は環境影響評価を命じ、パイプライン計画の最終区間を所有する陸軍工兵司令部が地役権(easement)の承認を拒否したため、建設はいったん中断されました。しかし2017年1月にトランプ大統領が就任すると、さっそく建設再開を認める大統領令に署名しました(パイプラインは6月に完成し、現在は稼働を開始しています)。

トランプ大統領の署名の前日(1月23日)、サンダンス映画祭が開催中のユタ州のパークシティでは、ノースダコタ州でパイプライン建設への反対運動を続ける「水の保護者」たちがやって来て、映画祭の後援企業チェースマンハッタン銀行に抗議の声を上げていました。パイプライン計画に融資しているからです。スー族の伝統儀式「サンダンス」の名を冠して先住民支援も行っている映画祭のスポンサーとして企業イメージを高めながら、影では先住民社会を脅かす事業に巨額の資金を提供しているのです。抗議行動に参加していたシェイリーン・ウッドリーは、映画『スノーデン』でNSA内部告発者エドワード・スノーデンの恋人役を演じた若い女優ですが、昨年ノースダコタの抗議運動に参加して逮捕され、騒乱罪と不法侵入罪の容疑で起訴されています。ノースダコタの抵抗運動の現状や、この運動に深くかかわることになった理由を聞きます。

ウッドリーは先住民の代弁者としてではなく、一人の米国市民としてこの問題にどう向き合っているのかを語ります。スタンディングロックの抵抗運動は、もはや先住民だけの闘争ではありません。安全な飲み水という人間の根本的な権利を命がけで守ろうとする先住民の姿は全米に大きな共感を呼び、人種や宗教を超えた連帯感が高まっていると彼女は言います。米国人のあいだに長年はびこってきた他者への無関心、真実を知ろうとしない自己満足的な態度に絶望していたけれど、スタンディングロックの闘いへの共感が急速に広まるのを見て無力感が吹っ飛んだようです。実際、先住民の抵抗運動には学ぶことがたくさんあります。彼らの視点から見た米国政府の姿を知り、建国以来の歴史の再発見することは、その第一歩です。とりあえず現地にいかなくても実行できる効果的な個人の連帯アクションとして、ダコタ・アクセス・パイプラインへの融資銀行から預金を引き出すボイコット運動をウッドリーは呼びかけています。(中野真紀子)

ゲスト

シェイリーン・ウッドリー(Shailene Woodley):俳優、活動家。映画『ダイバージェント』、『スノーデン』などに出演。ノースダコタ州スタンディングロックの抗議行動に参加して逮捕された。

字幕翻訳: 山田協子 パリ第三大学通訳翻訳高等学院 ESIT 翻訳科2年(2017学生字幕翻訳コンテスト受賞時)
監修:中野真紀子

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