CIA職員がイタリアで有罪に オバマ政権は拷問を免罪パート2

放送日: 
2012/9/21(金)
再生時間: 
16分

2001年9月11日にNYの世界貿易センタービルが崩壊してから10年余がたちました。ウィスコンシン大学マディソン校のアルフレッド・マッコイ教授は、「この10年は米国の政治史において、きわめて異例な10年でした」と驚きをもって語りました。

米国は、国際社会が禁止した拷問を、政府の正式な政策として採用したのです。もちろん拷問とはいいません。別の名前をつけたのです。「強化尋問テクニック」です。ブッシュ政権が打ち出したこの拷問政策を担ったのはCIAでした。米国の敵とされたアルカイーダ要員は世界中にいます。そのため、米国は、米国が容疑者とみなした人物を尋問するために、グアンタナモ収容所あるいは拷問をしてくれそうな第三国に移送する必要がありました。そのための移送にも特別な名前をつけました。「特例拘置引渡し」です。

マッコイ教授はくりかえし、ブッシュ政権の国際法を無視した政策がオバマ政権に受け継がれたと述べていますが、それは2期目をスタートさせたオバマ政権の人事で明らかになりました。テロ対策担当のジョン・ブレナンをCIA長官に指名したのです。ブレナンはCIA畑を歩いてきたいわば諜報活動の専門家です。無人機による爆撃や拷問、特例拘置引き渡しなどに深く関与していた人物です。

イタリア最高裁は2012年、普遍的管轄権を行使して、「特例拘置引渡し」に関与したとされるCIA職員23名を有罪としました。オバマ政権は23人の身柄引き渡しを拒否しました。司法手続きにのっとり訴追された被告の引渡しは拒否する一方で、司法手続きも何もとらず、勝手に容疑者とみなした者を拉致し、そのまま監獄に収容して拷問することはよしとする米国政府。あるいは無人機による爆撃で単に殺してしまう米国政府。オサマ・ビン・ラディン殺害はまさにそれでしたが、米国の安全保障のためという常套句を大手メディアは垂れ流しました。(桜井まり子)

ゲスト

*アルフレッド・マッコイ(Alfred McCoy):ウィスコンシン大学マディソン校で歴史を教える。著書にTorture and Impunity: The U.S. Doctrine of Coercive Interrogation(『拷問と刑事免責:米国の強制的尋問主義』)ほか。

字幕翻訳:川上奈緒子 校正・Web作成:桜井まり子

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