イラク石油法は「強盗行為」 石油労働者組合の創始者が語る

22分
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放送日: 
2007/7/6(金)

 イラクはサウジ・アラビア、ロシアについで世界3位の石油埋蔵国です。日に200万バレル生産される原油は、昨年310億ドル、国家予算の93パーセントを生み出しました。この豊富な国家資源をどのように活用するか、その議論が、イラクの戦後の安定を妨げる原因の一つになっているようです。

 2006年に発足したイラク新政権は、ここ1年ほど、この石油資源開発の方向を決める新法案を可決しようと画策していますが、民族間対立、産油地域と非産油地域の国内格差など、国内のさまざまなグループの思惑が交錯し、なかなか成立にこぎつくことが出来ません。

 このセグメントでは、この新法案に反対するイラクの労働者組合の2人のリーダーが、デモクラシー・ナウ!のスタジオで、この法案がイラク国民にとってどのような意味を持つのか、なぜそれに反対なのかについて話します。

 イラク新政府のマリキ首相はこの法案を「イラクにとって最も重要な法案」と呼んでいます。その背景には、イラク軍事費追加予算案通過に絡んで、この石油新法通過に米国が強い圧力をかけているという事情があります。

 サダム・フセインは1972年に欧米資本を追放してイラクの石油資源を国有化、収入をイラクの産業化と近代化に注ぎ込みました。以来、イラクでは石油とガスは国民の所有物であり、そのコントロールはイラク国民が有すると憲法で定められてきました。ところが今回の法案はその石油のコントロールを外国資本、特に米国の企業、に開放する内容になっています。この新法が成立すれば、外国企業が石油生産量の半分に所有権を持つことになるのです。ゲストの一人、イラク石油労働組合を創設したファラ・アブドゥ・ウマラ氏は、「この法案は米国が自分たちの利益のためにIMF(国際通貨基金)と作ったもので、イラク国民から石油を盗むことに他ならない」と言って、法案成立を遅らせようと石油労働者がストライキなどで対抗している様子を話します。

 「独裁者サダム。フセインの排除」は米国が唱えたイラク戦争の大儀の一部でしたが、フセイン後のイラク国民はより良い状況を享受しているのでしょうか。石油新法に反対するもう一人のゲスト、女性で始めて全国電力労働者組合のリーダーとなったハシミヤ・ムシン・フセイン氏は、少なくともフセイン時代は夜間だけでも安定した電気供給があったが、今では6時間ごとに1時間の通電がせいぜいだと語ります。ウマラ氏、フセイン氏が口をそろえて言うのは、イラクにとって最大の問題はアメリカ軍の存在だということです。

 ウマラ氏は言います。「アメリカ軍がいなくなっても、それで問題が大きくなるとは思わない。仮になったとしても、我々は最後には自分たちの問題は自分たちで解決できるんだ」(石川麻矢子)

ゲスト

*ファラ・アブドゥ・ウマラ(Faleh Abood Umara): イラク石油労働組合連合事務局長。同組合の創設者。フセイン政権下では石油労働者擁護運動が原因で拘束された経験を持つ。

*ハシミヤ・ムシン・フセイン(Hashmeya Muhsin Hussein): イラク全国電力労働者組合組合長。イラクではじめての全国労組女性組合長。

字幕翻訳:関 房江
全体監修:古山葉子

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