武器輸出

11月13日金曜日に起きたパリの襲撃で、世界が一気にキナ臭くなってきました。フランスのムスリムたち1月のシャルリエブド襲撃事件に続いて再びイスラム憎悪の高まりに怯えています。各国で移民への反感も露骨になってきました。フランスでは非常事態が宣言され、デモも禁止されています。欧米諸国はここぞとばかりに防衛と監視の体制を強化し、イスラム国に空爆で報復していますが、そんなことではテロ根絶どころか民間人の犠牲がテロに拍車をかけるだけで、喜ぶのは軍需産業だけです。グレン・グリーンウォルドは、現在の異様に好戦的な空気は2003年にブッシュ政権がイラクに侵攻したとき以来のものだと懸念します。(27分)
オバマ政権の下で、米国の武器輸出が前代未聞の水準に達していたという驚くべき報告が発表されました。国際政策研究所の武器取引専門家ウィリアム・ハートゥングによれば、オバマ大統領が最初の5年間で認可した武器輸出の額は1690億ドル以上に達し、すでにブッシュ政権の8年間における総額を300億ドルも上回っているのです。その6割は中東に輸出され、最大の輸入国はサウジアラビアです。数年間で膨大な量の兵器を購入しました。そのサウジは3月に隣国イエメンへの爆撃を開始し、市民に多大な被害を与えながら攻撃をエスカレートさせています。HRWによれば、クラスター爆弾のような非人道的兵器も使用され、米国製の武器が市民の無差別攻撃に使われています。(12分)
元ソ連軍の技術者ミハイル・カラシニコフが設計したカラシニコフ自動小銃、別名AK-47は、世界で最も多く使用されている銃器の一つで、現在およそ1億丁が出回っているとみられます。人気の秘密は簡単な構造で、安価で信頼性が高く、手入れも簡単なことです。かつては反植民地、反帝国主義の解放闘争で大活躍した「革命」を象徴するような武器でした。冷戦時代にソ連が植民地の独立運動など西側に対抗する勢力に無償でどんどん配り、世界中に広まったためです。欧米のポップカルチャーでは今もゲリラ、というか「敵」を示すアイコンです。しかし、ソ連体制が崩壊した後は、状況が一変します。膨大なカラシニコフの在庫は国家の管理をはなれ、利益だけを求める闇商人の手に落ちて、紛争地で大量に売りさばかれるようになりました。特にアフリカの独裁者たちに銃を与えて天然資源を獲得する戦争ビジネスは、コンゴ シエラレオネ、アンゴラなどの紛争を長引かせ、子ども兵士が利用されるという問題も生み出しました。国際政策センターで武器と安全保障問題を担当するウィリアム・ハートゥングは、カラシニコフ銃こそが戦争を可能にしている20世紀最大の大量殺人兵器だと言い切ります。
米国の規制改革の一環として武器輸出の緩和が2013年10月から施行されました。この緩和の目玉は、国務省が許認可を管轄している武器品目を部分的に商務省に移し、輸出の推進を図ることと言われます。武器と汎用品の境界があいまいになるなか、米国の軍事技術がより多く売り出されることはどのような影響を及ぼすのでしょうか。(8分)