アラブの春

米政府は2013年10月9日、エジプトへの軍事援助の一部を一時停止すると発表しました。1979年のイスラエル・エジプトの平和条約以降、イスラエルに次いで多額の軍事援助をエジプトへ供与してきた米国が実際に援助停止を決定したことは大きなニュースとして報じられました。しかし、アルジャジーラ英語放送でエジプトを取材したアンジャリ・カマトは、援助停止は暫定措置で象徴的行為にすぎないと指摘します。(13分)
一年ほど前、米国で作られた映画がイスラムを冒涜しているとして、北アフリアや中東に反米デモが広がりました。各国の米大使館が襲撃され、リビアでは大使など4人が殺害されました。「アラブの春」を経て、公正な自由選挙が実施され、その結果誕生したのはエジプトでもチュニジアでもムスリム同胞団出身の大統領でした。穏健派のムスリム同胞団の政府の下で反米運動が激化するのはなぜなのか?欧州の代表的なイスラム知識人タリク・ラマダンは、「アラブの春」以降の流れはイスラム主義をめぐる内部の葛藤や、複雑な経済利権の絡み合いなど、様々な要素を斟酌する必要があるといいます。(26分)
エジプト初の民主選挙で選ばれたモルシ大統領は2013年7月3日、軍部によって大統領を解任されました。アラブの春と呼ばれた2011年の民主化運動でムバラク大統領が追放されて2年。解任される直前の6月30日には、モルシ大統領の出身団体ムスリム同胞団の本部が襲撃されるなどエジプト全土でモルシ氏解任を要求する大規模なデモが起きていました。モルシ大統領の在任中、主要産業である観光が低迷、失業率も2012年末に13%を超えていたのに加え、政権に批判的な活動家やジャーナリストを逮捕するなど強権的な政策への批判が高まっていました。形の上では民主的な選挙で選ばれたモルシ大統領に期待した国民の不満は高まる一方でした。(21分)
インターネットと民主主義の関係では心配な話題ばかりが続いていましたが、久びさにネットを民主化推進の手段として使おうという明るい話題です。ネットの監視や検閲への危惧が強まる中、今年のF2C(通信の自由)会議で、ユーザーの無線端末を直接つないだメッシュネットワークでプロバイダを介さずにネット接続を共有する”Commotion Wireless”が米国でリリースされるという報告がありました。エジプト革命の時にムバラク政権が反政府運動を弾圧するためネットを遮断するという暴挙に出ましたが、そのときに海外のネット活動家が迂回手段を提供して民主化運動を支援するという出来事がありました。ommotion Wirelessは、そのときの技術を受け継いでいます。(7分)
シリアの内外で民主化を要求して戦う人たちは、親子2代にわたるアサド政権の戒厳令に基づく独裁体制の下で、どのような人生を送ってきたのでしょうか。シリアの第一線の人権弁護士で投獄されていましたが今年になって釈放されたハイサム・マレフと、彼の息子で人権活動家のイヤス・マレフに話を聞きました。(16分)
5月25日シリア中部ホムス近郊のホウラで100人以上の住民が虐殺された事件を受け、米国や英国の11カ国がシリアから外交官を退去させました。被害者には子供も多く含まれ、国連・アラブ連盟合同特使としてシリアの停戦調停交渉にあたっているコフィ・アナン前国連事務総長は、「シリアは転換点を迎えた」と発言しました。この事件が報道されると、さらなる虐殺を防げと軍事介入を求める声に勢いがつきましたが、最近現地から戻った中東ジャーナリストのチャールズ・グラスは、現地の人々は大半が武力介入に反対していると、慎重な対応を求めています。(12分)
リビアの40年に及ぶカダフィ政権を打倒した蜂起から1年。解放の喜びもつかの間、リビアは今も地域と派閥によって深刻に分裂した状態です。国内には500以上の武装集団が存在し、拷問や人権侵害は今も後をたちません。そんな中、シリアで政権による反対派への弾圧が強まり、政府軍や民兵によるとされる残虐な殺戮行為が伝えられ、人道を口実とした武力介入を促す声が再び、欧米諸国で聞こえてきます。だが、外国勢の武力介入は、本当に救いになるのか?
「アラブの春」がシリアで本格化したのはエジプトの蜂起から2カ月ほどたった2011年3月です。この時以降、シリア政府が民主化デモを武力で弾圧したというニュースがひんぱんに登場するようになりました。早期にNATO軍が介入したリビアとは違い、シリアへの軍事介入に対して国際社会は慎重な態度を取りました。
ムバラク体制崩壊後、エジプトの民主化のハイライトとも言えるエジプト大統領選が2012年5月23,24日に行われ、全世界の注目を集めました。エジプト革命の報道でイジー賞を受賞したシャリフ・アブドゥル・クドゥースが第1回投票の結果への反応をレポートします。(12分)
エジプトで初めての民主選挙と言われた2012年5月の大統領選は、当初本命とされていた立候補者たちが次々と失格となりました。エジプトの報道でイジー賞を受賞したデモクラシー・ナウ特派員のシャリフ・アブドゥル・クドゥースが混迷するエジプト大統領選を語ります。(14分)