米支援のエルサルバドル軍によるイエズス会司祭6人の殺害から20年

19分
Real動画の再生にはリアルプレーヤー(無料版)が必要です。こちらからインストールしてください(windows版mac版
放送日: 
2009/11/20(金)

米ジョージア州フォートベニング基地では、毎年恒例となった抗議集会に数千人の人々が集まり、基地内の軍事訓練施設WHISC(西半球安全保障協力研究所)の閉鎖を求めています。かつてはスクール・オブ・ジ・アメリカズ(SOA:陸軍米州学校)と呼ばれ、中南米の軍人に反政府運動の撲滅の手法を教えた「暗殺学校」です。修了生たちは帰国して、米国の支援する独裁政権を支えて中南米各地で最悪の人権侵害を引き起こしました。

米国が支援するエルサルバドル軍にイエズス会の司祭6人の司祭が殺されて20年になります。司祭たちは「解放の神学」を掲げ、貧者の側に立って政府の人権侵害を批判したため、1989年11月16日、中央アメリカ大学の敷地内で射殺されました。作戦を遂行したのは暗殺学校の修了生たちです。

中米一帯では1970年代後半から80年代にかけての内乱と弾圧で、拉致や不法処刑が猖獗をきわめました。エルサルバドルでは75000人もの市民が殺されたといわれます。マウリシオ・フネス大統領のもとで、エルサルバドル政府は初めてイエズス会士たちに謝罪し、最高の栄誉を与えました。国防相は資料を公開して捜査に協力すると約束しています。重要な象徴的行為とみられるこの動きの意味と、中南米の現状について、ボンペイン元神父に聞きます。

フネス大統領の率いるファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)は内戦当時の反政府ゲリラです。中南米全体の政治の著しい左傾化を反映し、2009年3月の選挙で長年の右派支配を初めて政権につきました。このような中で起こった、6月のホンジュラス政変とセラヤ大統領の追放は、一連の民主化の動きに対する巻き返しの試みだと、ボンベインは見ています。(中野)

ゲスト

ブレイズ・ボンペイン(Blasé Bonpane) 元メリノール修道会所属のカトリック神父で、現在はロスアンゼルスに拠点を置く非政府団体オフィス・オブ・ジ・アメリカス(Office of the Americas)の理事を務める。過去40年以上にわたり、中南米での人権状況の向上のために活動を続けている。パシフィカラジオで「ワールドフォーカス」(World Focus)と云う番組を毎週司会しており、Civilization Is Possible(文明は可能だ)など、多数の著書がある。中南米において反民主勢力を一貫して支える米国の干渉政策を厳しく批判、1992年には緑の党公認候補として下院選挙に立候補したことがある。

字幕翻訳:田中泉/校正:斉木裕明
全体監修:中野真紀子・高田絵里

Share this