バーニー・サンダース上院議員 ギリシャからプエルトリコまで金融ルールは1%のための八百長
大統領選挙で民主党の指名を争うバーニー・サンダース議員はグラスルーツの強い支持を集めてヒラリー・クリントン候補を猛烈に追い上げています。サンダース候補の選挙集会には全国どこでも多数の支援者がつめかけ、他候補を大きく引き離しています。選挙資金は小口の個人献金ばかりですが、すでに230万ドルを超え、大統領候補としては史上最高額に達しています。組織票も70万人の組合員をかかえる米国通信事業労働組合(CWA)や郵便労働組合など組合系の支持を取り付けており、さらにデモクラシー・フォア・アメリカ(DFA)という27万人が参加する重要な革新系政治アクション団体もサンダース支持を表明しています。
でも、そんな快進撃ぶりはメディアに出てきません。最近の調査で、三大ネットワークの看板ニュースショーで、今年一年間で共和党のドナルド・トランプ候補についての放送時間は234分に達した一方、民主党のサンダース候補はたったの10分だったと判明しました。でも、これだけの露出度の差がありながら、世論調査の支持率はサンダース候補がトランプ候補を負かしています。アメリカの有権者はなかなか賢いようですね。
大手メディアの世界では、金融業界を中心に巨大企業の利益を代弁するヒラリーがあくまでも「本命」です。サンダース議員の人気ぶりは不都合なの隠しておきたいのでしょう。おまけに、民主党の全国委員会さえもサンダース議員の足を引っ張るようなことをしています。民主党の支持者データベースから排除してみたり、討論会の日程をわざと注目されない日に設定したりと、サンダース隠しに必死なご様子。
メディアがなぜサンダース候補を取り上げたがらないかは、彼の主張を聞けばわかります。金融業界の大幅な規制強化と、1%が独占する巨大な富の再分配を訴えるバーニー候補の面目躍如というようなスピーチをお届けします。今年7月にワシントンの上院議員会館に経済専門家を集めて行われたフォーラムのもので、主要なテーマはギリシャの債務危機です。ギリシャの話が中心ですが、問題はギリシャにとどまるものではなく、世界の多くの国々が共有するものです。重過ぎる債務と極端な格差に苦しむ国が、債権者の強要する緊縮政策のために所得も経済もますます低迷し、社会的弱者が追い詰められ、民主主義も人権も踏みにじられていきます。ギリシャで起きていることは、この現代の病の構造をこの上なく鮮明にみせてくれるのです。(中野真紀子)
ゲスト
バーニー・サンダース(Bernie Sanders):バーモント州選出の無所属の上院議員。民主党と院内会派を組み、2016年の大統領選挙に民主党から出馬した。
字幕翻訳:中野真紀子
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