米国

世界的なファシズムの傾向に警鐘を鳴らすジェイソン・スタンリー教授の新著のインタビューの続きです(最後の10分は省略しました)。前半ではファシズムの政治手法の特徴として「10の柱」を列挙しましたが、後半ではそれぞれを具体的な事例に結びつけて説明し、それらが互いに補完しながらファシズムのイデオロギーを支えていることを示します。事例として挙がっているのは主にトランプ政権下の米国の出来事ですが、日本でも思い当たるふしはたくさんあります。(20分)
ファシズム的な傾向は世界各国で見られるユニバーサルな現象になっていますが、この傾向について米国人が見落としがちな視点を提供するタイムリーな書籍が出版されました。著者のイエール大学の哲学教授ジェイソン・スタンリーはホロコースト難民の子で、かつ母親が長年ニューヨークの刑事裁判所に勤めていたことから黒人の大量収監の実態についても子供の頃から認識していました。そんな彼には、トランプ政権下の米国がとくに従来の社会規範から大きく逸脱しているようには見えないのです。(8分)
今でこそアメリカの知と良識の府として尊敬を集めているアイビーリーグの名門大学ですが、創立期から19世紀半ばにいたるまで、アメリカの負の歴史にどっぷりと関わっていました。MITの米国史教授のクレイグ・スティーブン・ワイルダーの上梓までに10年をかけた労作、Ebony & Ivy: Race, Slavery, and the Troubled History of America’s Universities. (『エボニーとアイビー:人種、奴隷制、そしてアメリカの大学の問題ある歴史』)は、ハーバード、イェール、プリンストンを初めとする東部名門校が、奴隷貿易で財をなした実業家たちの富を財源とし、北米大陸はもちろん、西印度諸島のプランテーションで大もうけした人々の子供たちを学生としてリクルートし、大学としての基盤を築いていった歴史を跡づけます。
アカデミー賞受賞監督オリバー・ストーンが、歴史家でアメリカン大学教授のピーター・カズニックと共同で、10回シリーズのテレビ番組『オリバー・ストーンの 語られざる米国史』を撮り、大部の書籍『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)を刊行しました。記録資料からの新発見や最近になって公開された公文書に依拠しながら、日本への原爆投下から冷戦、共産主義の凋落、そしてオバマ政権へとつながる米国史の全ての道程を批判的に検証しています。いわゆる「秘史」というよりも、顧みられず忘れられた米国政治の歴史を、政府や企業メディアが提示する公式見解とは違う視点で語り直すことに主眼を置いています。(16分)
米国, 雇用不安, NY
多くの受賞歴を持つ映像作家コンビが、空き缶拾いで暮らす人々をカメラで追いました。長引く経済の低迷で、かつてはミドルクラスの収入を得ていた人たちが職を失い、空き缶回収で日々をしのぐ人がニューヨークで目立って増えてきたことがこの映画を作る背景だと言います。(8分)
ドナルド・バーレットとジェームズ・スティールは40年以上にわたりコンビを組んで調査報道を行い、ピュリッツァーはじめ数々の賞を受賞してきました。1991年に発表されたベストセラー『アメリカの没落』は邦訳も出ていますが、当時のアメリカの繁栄の陰でひっそり始まっていた異変、産業の空洞化と中流層の没落に警鐘を鳴らした名著です。20年後のいま、その続編にあたる、The Betrayal of the American Dream(『アメリカン・ドリームの裏切り』)が発表されました。