『地球が燃えている』ナオミ・クライン(1)「トランプ・ストローの中身は?」 




ナオミ・クラインが新著『地球が燃えている~気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』の発売当日に、デモクラシー・ナウで語りました。日本でも先月(2020年11月)に翻訳版が出たので紹介します。 この放送の2019年9月の時点では、1年後の大統領選挙に向けて民主党では多彩な人々が立候補し、候補者討論会でしのぎを削っていましたが、オカシオ・コルテス議員ら進歩派が推すグリーン・ニューディール(GND)についての各候補の立場は、サンダースやウォーレンを除けばあいまいです。特に、党の中央執行部と彼らが一押しするジョー・バイデン候補はともにGNDに冷淡で、気候対策に的をしぼった候補者討論会の開催も拒んでいます。シングル・イシュー(単一の争点のみに的を絞る)の討論会は開けないというのが理由なのですが、気候危機は他の争点とは位相が違います。地球環境が安全に保たれていることは、すべての問題解決の前提なのですから。もはや、どんな個別の争点も、徹底した温暖化対策との組み合わせでしか成立しないのです。 そんな状況で急いで出版された本書は、政治家にもっと危機感を持ってもらうため、みんなで力を合わせようという気合が感じられます。長編インタビューのうち、パート(1)から(4)までに字幕を付けました。それぞれのパートで、新著で論じられているポイントが紹介されています。 パート1は、オンラインサイト「インターセプト」で公開された、新著のプロモーション・ビデオです。新著の大きなテーマのひとつは、「どうして私たちは気候危機をいつまでも直視できないのか?」 焼却処分できないプラスチック・ストローに代えて環境に優しい紙製のストローの使用が広まっていますが、そんなのは欺瞞だと反発するトランプ陣営はロゴ入りストローを発表して大当たりをとりました。このトランプ・ストローが示唆するのは、有効な温暖化対策に踏み出すことを阻んでいるアメリカ人特有のメンタリティです。気候対策はやるつもりだけれど、それは現在のライフスタイルを変えないという条件付き。リベラル派の大統領候補も、こぞってチーズバーガーは死守するぞと表明します。その裏にあるのは、経済成長と消費拡大に限界があることを頑として認めない、建国以来の無限の成長神話です。(中野真紀子)
再生時間: 
9分

ゲスト

ナオミ・クライン(Naomi Klein):オンラインサイト『インターセプト』の上級特派員。ラトガーズ大学のメディア、文化、フェミニスト研究のグロリア・スタイナム基金教授。新著は『地球が燃えている~気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提案』On Fire: The (Burning) Case for a Green New Deal

字幕翻訳:福田えみり (2019年学生字幕翻訳コンテスト 特別審査員賞受賞者 上智大学)  
監修:中野真紀子

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