先進国は援助ではなく「気候債務」を返済せよ

16分
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放送日: 
2009/12/9(水)

COP15の第一週目から、先進国の非民主的なやり方が露呈しました。192カ国の代表団が合意を探って話し合っている間に、開催国デンマークが秘密裏に合意文書を準備していたことがリークされたのです。その内容は、先進国の排出削減目標と排出上限枠の設定を一緒くたにして、途上国にも削減義務を負わせるものです。

「電気もないボリビアの先住民が何を削減するというのでしょう?先進国の人が何台も車を持つためにですか?なぜ私たちの学校や病院の建設が、環境対策と天秤にかけられるのでしょう?」と、ボリビアの主席交渉代表アンヘリカ・ナバロは言います

COP15で、先進国に対し気候変動被害の正当な賠償を求める動きの先頭に立つのがボリビアです。2期目に入ったモラレス大統領は先進国は「気候債務」を負っていると批判し、汚染国に環境被害の賠償を求めました。人類の共有財である大気圏を先進国が過剰に消費したため、途上国では干ばつや洪水の被害が増え、国民総生産の大きな部分が消えて行きます。この損害に対する賠償が「気候債務」です。途上国は援助ではなく、先進国が義務を遂行し債務を返済するよう求めているのです。

具体的には2017年までに49%の排出削減が求められます。でも、それで十分なわけではありません。本来は排出量をゼロにして、不法占有している大気空間を返上し、途上国が発展する余地を与えるべきなのです。でもそれができないのなら、排出削減の未達分は、途上国への資金提供や技術移転によって補うべきだ、とボリビアは主張します。

一方、温室ガス排出削減の決め手とされる森林保護策(REDD)はCOP15で最終合意に達する見込みです。しかしパラグアイ代表のロベラ氏は、現行の提案に否定的です。アマゾンの熱帯雨林を単なる炭素貯蔵庫に変えるような制度だからです。森林には炭素貯蔵の他にも地球生態系の9割の種を養い、先住諸民族の生活を支え、淡水を供給する役割があります。こうしたシステム全体の保護をめざす現地の必要は、すべてを炭素に還元する先進国側の見方とは大きく隔たります。森林を「世界のもの」にして排出取引の材料にする考え方は、世界のごく少数の人々のぜいたくを正当化する仕組みに、私たちの森林を利用するものだとアマゾンの人々は考えます(中野)

ゲスト

*アンヘリカ・ナバロ(Angelica Navarro)
 ボリビアの気候会議交渉団代表
*ミゲル・ロベラ(Miguel Lovera)
 パラグアイの気候会議交渉団代表

字幕翻訳:斉木裕明
校正・全体監修:中野真紀子・付天斉

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