パラグアイ

2012年6月、「貧者の司教」として知られるパラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領が、土地をめぐる貧農と治安当局の間に起きた流血の衝突事件をきっかけとして、治安維持に失敗したことを理由に、議会の弾劾を受けて失職しました。ルゴ氏自身はこれを議会によるクーデターと呼び、南米諸国連合(UNASUR)加盟各国も、チリやコロンビアなどの保守政権も含め、パラグアイ国会の動きを一斉に非難していますが、米国のオバマ政権は模様眺めを決め込みました。『アメリカ帝国のワークショップ』の著者でニューヨーク大学のグレッグ・グランディン教授(中南米史)に伺います。(17分)
COP15(国連気候変動枠組条約第15回締約国会議)で、先進国に正当な気候問題補償を求める国々の急先鋒の1つがボリビアです。ボリビアの気候問題交渉代表アンへリカ・ナバロに話を聞きます。「世界人口の20%が世界の全排出量の2/3以上を排出している。それが気温上昇の原因の90%以上を占めている」とナバロは言います。「我々は援助を乞うているのではない。先進国が自らの義務を果たし、これまでの負債を返済するよう求めているのです」(16分)
2008年4月20日、中南米の中心部に位置するパラグアイで、フェルナンド・ルゴ元司教が大統領に選出されました。1946年以来一貫して政権を握り続けた保守派コロラド党は下野し、8月15日に新大統領の就任式典が執り行われました。パラグアイは人口650万人の大部分を先住民と欧州系の混血が占め、国民の9割が、スペイン語と並ぶ公用語であるグアラニー語を理解する異色の国です。他の中南米諸国とおなじようにパラグアイでも、コロラド党のアルフレド・ストロエスネル将軍の軍事独裁者 (1954年~1989年)が終った後も一貫して富裕層を優先する政策が採られた結果、軍を背景にした大土地所有者と多国籍企業によって農民が土地を奪われ、特に人口の2%未満を占める先住民は貧困に喘いできました。(19分)
2008年9月に開幕した第63回国際連合総会に参加した各国首脳のうちで、もっとも任期の浅いのは、前月に就任したばかりのパラグアイ大統領フェルナンド・ルゴ氏でした。60有余年にわたる保守コロラド党の永久政権に抗し、解放の神学を掲げて先住民と農民と貧民の戦いの先頭に立った「貧者の司教」ルゴ氏が大統領になったことは、ラテンアメリカの独立と統一を夢見つつ志半ばで倒れた英雄シモン・ボリバルの時代から2世紀を経て、ようやく米国の支配から逃れ、独立した主権国家として歩み始めた、今日のラテンアメリカを象徴する事件でもあります。(15分)