メディア改革全国会議 電波を民主化せよ

25分
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放送日: 
2008/6/6(金)

前半(12分):第4回メデイア改革全国会議 開幕

6月6日から3日間にわたってミネソタ州ミネアポリスで開かれた第4回メディア改革全国会議には、全米各地から3500人を超えるメディア関係者や活動家が集まりました。米国では商業メディアの資本集中が進み、報道の質の低下が顕著になっています。娯楽重視の巨大メディア複合企業の中でジャーナリズム部門はリストラ対象となり、ニュースという名のバラエディショーが横行し、非営利の独立報道の意義がますます大きくなっています。一方、高速インターネット接続の普及により、テレビとパソコンの区別がなくなりつつあるなか、インターネットにも商業資本の支配が拡大し、中立性が失われることが懸念されています。そうした現状に市民の危機感が高まり、独立メディアを中心とした下からのメディア改革の運動が始まったのです。その中心的イベントがメディア改革全国会議です。ジャーナリストのビル・モイヤーズや作家のナオミ・クライン、元トークショー司会者フィル・ドナヒュー、映像作家ディーディー・ハレック、サイバー法学者のローレンス・レッシグなど著名人をはじめ数十人が講演し、多数のパネルやワークショップを通じて、メディアの統合に対抗し、電波を民主化するための戦略が話し合われました。会議を主催する「フリープレス」の共同設立者二人に話を聞きます。

フリープレス事務局長ジョシュ・シルバーは、今年の大会はこれまでの守勢から一転して、攻めの方向を打ち出したと評価しています。「たいていの人は気づいていないが、これからはテレビもラジオも電話も映画も、ぜんぶ高速インターネットで配信されるのです。米国ではいま、事実上すべてのメディアの将来を決定する政策が、連邦政府主導で決められようとしています」。

ここ数十年、米国のメディア行政は、企業サイドの要望のみに耳を傾ける連邦通信委員会(FCC)の規制緩和ばかりが続きました。これに待ったをかけるため市民が声をあげ始めたのは、2001年にFCC委員長に就任したマイケル・パウエルが打ち出した大胆な規制緩和の方針への反対がきっかけでした。メディアという民主主義の根幹を支えるシステムが健全に機能するためには、市民が積極的に意思を表明していかなければならないと、多くの人々が立ち上がったのです。(くわしくは、こちらの動画を参照)。 米国メディア史の第一人者であるイリノイ大学教授ロバート・マクチェズニーは、 「またとない歴史の転換期にきています。技術革命がすべてのメディア業界の事業パターンを変える。そのための法制度や業界構造の整備はまだこれからです。この機に市民が立ち上がってメディア・システムを大幅に改善しなれば、デジタル化をビジネス拡大に結びつけたい産業界の思惑どおりに事が決まってしまう。ここが正念場です」という。

地上波デジタル放送への切り替えで、放送と通信の融合を前提に、政府が法制度の抜本改革を進めている日本も同じような状況です。2011年の施行に向けて検討が進められている「情報通信法」(仮称)は、この先何十年にもわたる日本の情報発信のあり方を決定付ける重要な法案です。政府と業界の話し合いだけですべてが決められてしまうことのないように、その内容に注意を向けていく姿勢が重要です。こことか、ここ(PDF)を見てね

「過去80年にわたって米国では、メディアに関する重要な決定が下される際、企業しか参画できませんでした。一般市民が意見を述べられるようになったのは、ここ数年のことです。私たちが勝利を得る唯一の方法は、何百万もの市民が関心を持ち続け、メディアを改善するために声を上げていくことしかありません。いまそれを怠れば、私たちは敗北し、インターネットとメディアの支配権は企業に握られ、末代までも禍根を残すことになります」(シルバー)(文責:中野)
★ DVD 2008年度 第3巻 「メディアの現在」に収録

 

後半:FCCに国防総省のプロパガンダの検証を要請

米議会は連邦通信委員会(FCC)に、国防総省の宣伝活動プログラムについての調査を求めています。イラク開戦前夜に主要テレビネットワークに登場した軍事専門家たちは、国防総省が雇った退役軍人たちであり、国防総称から機密情報と、テレビでなにを話すかの指示をうけとっていたとされます。メディア改革会議の会場で、FCCのマイケル・コップス委員に話を聞きます。放送と新聞の系列化を容認するクロスオーナーシップ解禁をめぐる市民の積極的な反対運動や、選挙報道の問題点など、最近のマスメディアのさまざまな話題がとりあげられています。

ゲスト

*ロバート・マクチェズニー(Robert McChesney)イリノイ大学教授。米国メディア史の第一人者で、メディア改革団体「フリープレス」の共同設立者。The Political Economy of Media: Enduring Issues, Emerging Dilemmas(『メディアの政治経済学』)始め著書多数。

*ジョッシュ・シルバー(Josh Silver) メディア改革団体「フリープレス」の共同設立者で事務局長

*マイケル・コップス(Michael Copps),FCC委員

字幕翻訳:小椋優子(前半)、田中泉(後半)
校正:永井愛弓(後半)
全体監修:中野真紀子

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