『RBG 最強の85歳』ルース・ベーダー・ギンズバーグ最高裁判事の生涯を追う注目の記録映画

放送日: 
2018/12/27(木)
再生時間: 
24分

ルース・ベーダ―・ギンズバーグ最高裁判事はリベラル派のシンボルです。ラッパーの故ノートリアスB.I.G.(悪名高いビッグ)にちなんで、「ノートリアスR.B.G.」と呼ばれています。彼女が2018年末に入院したとき、過激な激励のツイートがあふれました。「RBGに私の肋骨をあげる。腎臓も肺もあげる。必要なら何でも。夫だって木曜なら貸すわ」。「私の肺をRBGにあげる。両方でもいいわ」。支持者がこんなに必死なのは、RGBが長生きすることが最高裁のバランス維持のため絶対に必要だと多くのリベラルが感じているからです。トランプ政権は就任当初から裁判所の右傾化をねらって、すごい勢いで保守派の裁判官を任命し続けています。総本山の最高裁の定数9人の判事のうち、すでに2人が保守派に置き換えられています。RBGの後任に保守派の判事が任命されれば、最高裁のバランスは決定的に変わってしまいます。

でもギンズバーグ判事に女性たちの熱烈な支持が集まるのは、彼女のこれまでの足跡が米国の女性の権利を法の下での平等(憲法修正第14条)にしっかり基礎づけた功績によるものです。その多くは、1993年にクリントン大統領によって最高裁判事に任命される前の弁護士時代、アメリカ自由人権協会(ACLU)に「女性の権利プロジェクト」を共同で立ち上げて、裁判で勝ち取ったものだと、ジュリー・コーエンは指摘します。1960年代の公民権運動に続き、女性の平等な権利も追求したRBGの地道な努力が、米国の女性にとっての世界を変えたのです。この重要な歴史が教科書からすっぽり抜け落ちていることが、彼女がベッツィ・ウエストと共同でドキュメンタリー映画『RBG 最強の85歳』を制作することにした動機なのだそうです。この2人の監督へのインタビューで、ギンズバーグ判事の人生や人柄、常にポジティブに物事を評価するアプローチなどが語られます。
女性たちの熱い思いもむなしく、ギンズバーグ判事は2020年9月18日すい臓がんのため帰らぬ人となりました。大統領選挙まで、あと2か月足らずでした。亡くなる直前に願ったことは、自分の後任者が選挙で選ばれた大統領によって指名されることでした。しかし、トランプ大統領ははやばやと保守派の女性判事を指名しています。司法が政治的な党派主義に乗っ取られるのを防ぐことはできるのでしょうか?(中野真紀子)

ゲスト

*ジュリー・コーエン(Julie Cohen):ドキュメンタリー映画『RBG 最強の85歳』の共同監督・プロデューサー。映画は2018年サンダンス映画祭で初上映され、内外のドキュメンタリー映画賞を受賞し、アカデミー賞のドキュメンタリー部門にもノミネートされた。
*ベッツィー・ウエスト(Betsy West ):同上

字幕翻訳デモクラシー防衛同盟(千野菜保子・仲山さくら・水谷香恵・山下仁美・山田奈津美)
全体監修:中野真紀子

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