新たな黒人隔離:カラーブラインド時代の大量投獄

2012/1/13(Fri)
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26分

人種差別が無くなったはずの米国。2人の活動家兼著述家、ランダル・ロビンソンとミシェル・アレグザンダーが、黒人のアメリカを語ります。

「トランスアフリカ・フォーラムの創設者としてカリブや中南米も含めたアフリカ系ディアスポラ社会ならびに米国のアフリカ政策の研究に力をいれてきたランダル・ロビンソンは新作小説Makeda(『マケダ』)を軸に奴隷として集団的記憶を根絶された黒人の体験をもとに記憶の力を語ります。一方、The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness(『新たな黒人隔離:カラーブラインド時代の大量投獄』)が大きな話題を呼んだミシェル・アレグザンダーは、麻薬撲滅を錦の御旗にした1980年代後半以降の麻薬戦争が、貧困地区の黒人を狙いうちにし大量に刑務所に送り込み、不公平な量刑で違反者を重罪犯にし、出所後も投票権の剥奪を初めとするさまざまな公民権の制限を行い二級市民に陥れている仕組みを明かにします。二人に共通するもの、それは制度によって見えなくされているものを探り当て、明らかにし、自分たちをしばっているものから自らを解放する力にしていくことです。(大竹秀子)

*ランダル・ロビンソン(Randall Robinson) 「トランスアフリカ・フォーラム(TransAfrica Forum)」の創設者で元代表。カリブや中南米も含めたアフリカ系ディアスポラ社会ならびに米国のアフリカ政策の研究に力をいれ、南アフリカのアパルトヘイトに 対する反対運動の急先鋒として活躍した。主書にハイチの歴史を扱った An Unbroken Agony: Haiti, From Revolution to the Kidnapping of a President (『終わらない試練 ハイチ 革命から大統領拉致まで』)他。最近著は、小説 Makeda(『マケダ』)。

*ミシェル・アレグザンダー(Michelle Alexander)公民権擁護弁護士。The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness(『新たな黒人隔離:カラーブラインド時代の大量投獄』)の著者。オハイオ州立大学のモリッツカレッジとキルワン人種民族研究所の両方に籍を置く。

Credits: 

字幕翻訳:川上奈緒子/校正:大竹秀子/全体監修: 中野真紀子