ラルフ・ネーダー

気候変動対策に前向きなオバマ政権が切り札の一つとして進めてきたのが、クリーンなエネルギーとしての原子力発電の再評価です。1979年のスリーマイル島の事故以来、米国では新規の原発の建設はほとんどありませんでしたが、オバマ政権のもとで「原発ルネサンス」と呼ばれる建設ラッシュが始まりました。日本の事故は、この「原発ルネサンス」も吹き飛ばしたようですが、米国の消費者運動の旗手ラルフ・ネーダーに言わせれば、ここからが私たちのがんばりどころです。原発利権はそう簡単には退散しません。確実に息の根をとめるように、黙ってみているのではなく行動せよと、ネイダーは呼びかけます。
オバマ大統領が内政上の最優先課題とする医療保険制度改革は、3月21日ついに下院で改革法案が可決されました。民主党は60年代の公民権運動以来の最大の社会改革と自賛しますが、他の先進国並みの公的医療保険制度を望んでいた米国民には、ひどい期待はずれでした。国民皆保険に近づいたとはいえ、政府が運営する公的保険はオプションとしてさえ導入されず、民間企業の提供する医療保険への加入を義務づけられるのです。映画『シッコ』で医療保険制度の欠陥を強烈に批判し、大統領選挙でオバマ候補を積極的に支持したマイケル・ムーア監督は、この結果をどう見るのでしょう?(30分)