国会事故調査委員会 福島原発事故は「人災」

2012/7/6(Fri)
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国会の福島原発事故調査委員会は最終報告書で今回の事故は「自然災害ではなく明らかに人災だった」そして「日本的文化が招いたものだった」と結論しました。原子力技術者アーニー・ガンダーセンさんは報告書に同意しつつも、他国がこれを口実に対策を怠るのは危険だと警告します。

事故調査委員会の報告書は、1号機が津波到達前に損傷していた可能性があるとしています。1号機は完全にアメリカ(GE)製で、耐震設計自体に問題があるかもしれないにも関わらず、アメリカでも23の同型機が現在も稼動中です。日本側は「20年以上前から、このような巨大津波の可能性を認識していた」そしてアメリカでも原子力規制委員の1人が同機の設計について「世界最悪の格納容器」と認めています。それにも関わらず対策が取られないのは、日米ともに原発産業と規制当局が馴れ合いの関係にあるため、とガンダーセンさんは説明します。業界の閉鎖的体質を変えるには「活発な議論が必要だとする報告書は正しいと思う」というのがガンダーセンさんの意見です。(Natsu)

*アーニー・ガンダーセン(Arnie Gundersen):エネルギー・コンサルティング会社フェアウィンズ・アソシエイツの主席技師。原子力産業で管理職を務め、米原子力規制委員会(NRC)などで専門家証言を行った。福島第一原発に関しては著書『福島第一原発 真相と展望』がある。

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字幕翻訳:Natsu/校正・サイト掲載:桜井まり子