アパルトヘイトへの挑戦 ポラロイドのBDS運動

2013/12/13(Fri)
Video No.: 
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16分

1970年代初め、マサチューセッツ州にあるポラロイド社の労働者は、南アフリカのアパルトヘイト体制に抗議する投資撤収(ダイベスト)運動を始めました。勤務先であるポラロイド社の技術がアパルトヘイトを支える身分証明書の作成に使われていることに気づいたキャロライン・ハンターとケン・ウィリアムズの2人は、会社に抗議して「ポラロイド労働者革命運動」を結成、会社に南アからの事業撤退などを要求しました。

会社は表向き検討委員会を組織して現地の実態調査を行い、事態の沈静化を図ろうとしますが、人種差別を国家の柱とする当時の南アにおいては意味を持つはずもなく、微温的な対応に終始します。運動はポラロイド社製品に対するボイコットを提唱し、やがてその対象はゼネラルモーターズやバークレイズ銀行などに及び、全米そして全世界に拡大し、1977年、ポラロイド社はついに南アから撤退しましたが、アパルトヘイトが廃止されるまでは実に1994年を待たねばなりませんでした。

番組では、全米公共放送で放映された8時間に及ぶ長編ドキュメンタリーHave You Heard from Johannesburg(『ヨハネスブルグからの便り』)からの映像を交え、アパルトヘイト廃絶への貢献によって後にローザ・パークス賞を受賞したキャロライン・ハンターに当時の経緯を聞きます。(斉木裕明)

*キャロライン・ハンター(Caroline Hunter):化学者としてポラロイド社に勤務していた1970年代、「ポラロイド労働者革命運動」を立ち上げ、南アフリカ共和国のアパルトヘイトに抗議するボイコット運動を推進。

Credits: 

字幕翻訳:玉川千絵子 / 校正:斉木裕明