メルトダウンの危機

福島第一原子力発電所の事故に関しては、被害の範囲をできるだけ小さく見せようとする報道がめだち、海外メディアの報道とは大きなずれを生じています。いちばん情報を持っているはずの政府と東京電力が発表することが信用されなくなれば、パニックがますます拡大します。責任問題は後日かならず追及されるべきですが、今はとにかく情報を隠さないでほしい。

ラルフ・ネーダー:日本の事故で「原発ルネサンス」は終わった

気候変動対策に前向きなオバマ政権が切り札の一つとして進めてきたのが、クリーンなエネルギーとしての原子力発電の再評価です。1979年のスリーマイル島の事故以来、米国では新規の原発の建設はほとんどありませんでしたが、オバマ政権のもとで「原発ルネサンス」と呼ばれる建設ラッシュが始まりました。日本の事故は、この「原発ルネサンス」も吹き飛ばしたようですが、米国の消費者運動の旗手ラルフ・ネーダーに言わせれば、ここからが私たちのがんばりどころです。原発利権はそう簡単には退散しません。確実に息の根をとめるように、黙ってみているのではなく行動せよと、ネイダーは呼びかけます。

「魔人はランプから解き放たれた」アルジャジーラが率いるアラブ民衆革命

バーレーン、リビア、イエメン、イランなど、中東から北アフリカにかけて大規模な民衆デモの波が広がっています。「アラブの春」とも呼ばれる現在の状況について、アルジャジーラ英語放送のマルワン・ビシャーラ氏とノーム・チョムスキー氏に聞きます。この動きは昨日今日にはじまったものではありません。アラブ世界では独裁体制に対する不満が長年鬱積しており、これまでは弾圧によって抗議運動を押さえつけてきました。それが押さえつけても止まらない勢いになったのは、2010年11月の西サハラの独立運動です。モロッコの占領支配に反対する抗議キャンプをモロッコ軍が武力鎮圧し、多くの死傷者が出ましたが抗議の動きは広まりました。でも米国のメディアには、まるでアラブの民衆が忽然と姿を現したように映るのです。こと中東に関しては、何ごともイスラエルの色つきめがねを通してしか見ることのできない米国の政府やメディアには、石油や独裁者やテロリストしか見えなくなっているからです。(18分)

ウィスコンシン州知事が「反組合法」に署名、18万人が抗議デモ

東日本大震災が起きた3月11日、米国のウィスコンシン州では10万人を超える人々が州都マディソンに集結し、前代未聞の大規模な抗議行動を繰り広げていました。州知事が提出した反組合法案をめぐる1カ月近い衝突のクライマックスです。

オフショア金融とタックスヘイブンはグローバル経済の心臓部

ウォール街を占拠した米国の99%の怒りは、金持ちが税金で救済されてさんざん国の世話になっておきながら、ちっともフェアな税負担をしていないことです。日本の総理大臣も増税にひた走っていますが、増税の前に抜け穴を塞いでもらわなくちゃ。租税回避の代名詞が「オフショア」ですが、英国ジャーナリストのニコラス・シャクソンによれば、オフショア金融制度は単に租税回避の手段というだけでなく、秘密の保持によって法規制の抜け道を提供し、不透明なハイリスク取引を可能にする魔法のトンネル、ウォール街の資金力にあかせた政治への介入を陰で支える聖域なのです。(25分)

チェルノブイリの大惨事:世界最悪の原発事故から25周年

今日4月26日はチェルノブイリ原子力発電所の事故が起きた日です。ちょうど一年前のチェルノブイリ事故25周年の検証番組をお届けします。当初ソ連当局は事故を隠蔽しようとしましたが、結局はチェルノブイリ周辺の5万人の住民を強制避難させることになりました。2004年にアカデミー賞最優秀短編映画賞を受賞したディレオ監督のドキュメンタリー映画「チェルノブイリ・ハート」が示すように近隣地区で生まれた子供にはいまも先天性の異常が多発しています。長期的にみたチェルノブイリ事故の影響による死者数には推計によって大きな開きがあり、IAEA推計では約4000人ですが、ニューヨーク科学アカデミーが2009年に掲載したアレクセイ・ヤブロコフらロシア人科学者の研究では100万人にのぼりますチェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト。(23分)

ルムンバ暗殺から50年 コンゴ独立の苦難

1960年、コンゴは春を迎えたはずでした。豊かな天然資源にめぐまれ「アフリカの宝石」と呼ばれながらも、19世紀末以来、まずはベルギーのレオポルド王個人の領地として、その後はベルギーの植民地として、象牙やゴム、ダイヤモンドなどの莫大な富を吸い上げられ、残虐な扱いを受けていた人々が、ついに独立を勝ち得たのです。独立運動の若き指導者、パトリス・ルムンバが民主的な選挙で首相に選ばれ、コンゴは理想主義と希望にわきあふれるかに見栄ました。だが、政権は10日も続かず、クーデターで追われたルムンバは逮捕され、翌1961年1月17日に惨殺されます。35歳の若さでした。

マイケル・ムーアとナオミ・クライン:怒りから希望へ 「すべての場所を占拠せよ」

「ウォール街を占拠」運動の功績のひとつは、ことばに力を与えたことです。自分や親しい人の暮らしを苦しめる経済的・社会的な不正への憤りを口にする事が愚痴で終わらず、より良い社会を作る力になると感じた人々は、公共の場で自分の体験や考えを述べ、ひとびとの声に熱心に耳を傾けるようになりました。2011年11月10日という同年における「占拠」運動の絶頂期とも言える時期にネイション誌の主催で開かれたパネルディスカッション「すべての場所を占拠せよ:新しい政治と企業権力に立ち向かう運動の可能性」は、ナオミ・クラインとマイケル・ムーアという、運動を早くから支持してきたとびきり人気者のオピニオン・リーダー2人をパネラーに加え、占拠運動の紆余曲折を記録する画期的なイベントになりました。(46分)

ナオミ・クライン 「ウォール街を占拠」に参加 パート1

昨年10月「ウォール街を占拠せよ」で素晴らしいスピーチをしたカナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン。その直前にデモクラシー・ナウ!のスタジオでグローバリゼーションに抵抗する運動の現状を語りました。「ウォール街占拠」はもちろん、折りしもチリで盛り上がる学生運動や、9月末にワシントンで行われたパイプライン敷設阻止の大規模な非暴力抗議行動などについても報告します。(21分)

アラブ世界の「民主化」を本当は望まない米国とNATO

米国のメディア監視団体FAIR(Fairness and Accuracy in Reporting)は大手メディアを25年にわたって監視し、少数者や反体制派の意見を排除しようとする報道に批判を加えてきました。ノーム・チョムスキーが25周年イベントに招かれ、アラブの春に対する欧米政府の反応、主要メディアの報道について話しました。

バーモント・ヤンキー原発が廃炉へ 老朽化する原発のゆくえ

2013年に入って以来、米国の原子力発電産業が急速に収縮しています。改良計画がキャンセルされた5基の原子力発電所を始め、6基の原発の新規構築計画が破棄されたほか、すでに既存の原発5基の廃炉が発表されました。これは、1年間に廃炉が決まった原発の数としては、過去最大です。8月に廃炉が発表されたバーモント州のバーモント・ヤンキー原発は、1972年に運転を開始した、全米で最も古い原発の1つです。放射性物質であるトリチウムの漏えい、周辺土壌からのセシウム137の検出など、安全性の問題がたびたび指摘されてきた同原発は、何十年もの間、原発反対派の抗議の対象でした。(7分)

アニマルライツ運動はテロリズム? 国家安全保障を隠れ蓑にする産業界

神戸女学院大学翻訳チームのみなさんが、デモクラシー・ナウ!の動画に字幕をつけてくださいました。彼女たちが取り上げてくれたのは、オバマ政権の秘密主義に敢然と立ち向かう情報公開法(FIOA)のスーパーヒーロー、ライアン・シャピロのインタビューです。MITで準備中のシャピロの学位論文は、国家安全保障関連の機構や表現技法が動物保護活動家を社会的に無力化するために利用されるというパターンが、19世紀末からずっと続いてきたことを追究しています。彼の研究手法は公文書を多様するもので、FBIに対し700件近い情報開示請求によりおよそ35万通の文書を請求して、司法省から「情報請求数ナンバーワン」のお墨付きをもらいました。FBIはシャピロが執筆中の博士論文の一部を国家安全保障上の脅威であるとみなしているそうです。(16分)

イラクは既に分裂した―「イスラム国」台頭の影響は?

イスラム国(旧ISIS)の台頭は、長年にわたる欧米の中東政策の矛盾を露呈させるものです。そもそもイラクやシリアという国の国境線や建国自体が英仏など戦勝国の利権分割のためですし、米国は最初サダム・フセインの独裁を支援していたのに彼がクウェートの石油利権に触手を伸ばし始めると急に手のひらを返して極悪人呼ばわりし、10年間後には9.11事件に便乗してサダムを排除し、ついでにイラクの国家機構も完全に破壊して宗派抗争の大混乱を引き起こしました。そのツケが巡り巡って鬼っ子のような過激組織、「イスラム国」がいまでは、シリア国内を含めて「英国の領土以上に大きい地域」を制圧し、クルド勢力が制圧する地域と合わせて、イラクは3分割状態です。(14分)

マッチョな男像が横行する米国のゲーム界 女性蔑視への批判は命がけ

グローバル市場で年間百億ドル近い収益をあげるビデオゲーム業界。ヒット商品として脚光を浴びるのはバイオレンスあふれるゲームの数々です。実際には米国でゲームを楽しむ人々の4割以上が女性であるにもかかわらず、ゲーム業界は男の世界と位置づけられ、女性のゲームデベロッパーは3割に達しません。メディア批評家アニタ・サーキージアンは、米国の人気ゲームに登場する女性像を分析し、その多くがゲームの本筋に無関係な端役というだけでなく、ゲーマーの興奮をあおるためにレイプや殺しの対象として使われているという実態を指摘しました。(10分)

地球を貪る資本主義を非難し 世界のカトリックに気候変動への決起を促す 「急進的」教皇フランシスコ

フランシスコ教皇は、自然保護を訴え気候変動への行動を促す画期的な「回勅」(教皇書簡)を準備です。これは教皇による最高形式の教示で、司教や司祭に送付され、彼らを通じて全世界のカトリック教徒に重く受け止められます。今年末にパリで開かれる国連気候変動サミットが真に効果のある対策を打ち出すものになるよう、世界規模で決起を促すものですが、世界のカトリック人口は12億人に達しますから、教皇の呼びかけはどんな環境団体のキャンペーンよりも遠大な影響力を持つでしょう。バチカンの改革者として登場し何かと話題を呼んできる教皇ですが、今回の回勅はとりわけ論争を招くかもしれません。(13分)

ベネズエラは本当に「深刻な脅威」か? 米国の新たな制裁措置で緊張が高まる

今月10日夜に開かれた米州首脳会議(SOA)では初めてキューバの参加が実現し、カストロ・オバマの首脳会談が脚光を浴びました。しかし、その影で不協和音を奏でていたのが米国とベネズエラの緊張です。昨年12月以来米・キューバ関係が正常化に向けて迅速に進んだのと同時進行で、米国とベネズエラとの関係は急速に悪化しています。3月にオバマ大統領はベネズエラを「国家安全保障と外交政策を脅かす重大な脅威」に分類し、人権侵害などを理由に7人の政府高官を制裁リストに追加する大統領令を発しました。これに対しマドゥロ大統領は議会に対し、「帝国主義から国を守る」ための権限拡大を要求しました。オバマ大統領が歴史的なキューバとの関係修復に踏み切ったのは、キューバの参加をみとめない米国の頑なな態度によって米州サミットが紛糾し、このままでは今年のサミット開催も危ぶまれる孤立状態に追い込まれたからです。しかし、キューバを孤立させようとして逆に自らを孤立させたと気づいたのなら、なぜ今またベネズエラに制裁措置をとり、中南米諸国の反発を招くような行動に出るのでしょうか。(19分)

大学は行く価値があるのか? 新作映画が描く高等教育機関の持続不能の支出と学生ローン

米国の大学の学位取得のための費用は過去30年で1120%も高騰し、食品や医療、住宅など他の生活必需品の物価上昇率をはるかに上回っています。学生ローンの貸付総額は1兆2000億ドルにも達し、第二の住宅バブルとまで呼ばれて経済を脅かす要因になっており、それだけでなく国の教育制度そのものも脅かしています。( 9分)

「民主主義への渇き」 緊縮行政が引き起こしたミシガン州フリント市の深刻な水道汚染を現地取材

米国より、先進国での出来事とは信じがたい水道水汚染の報告です。2014年4月、フリント市に供給される水道水の水源がフリント川に変更されました。フリント市は、かつては自動車関連の製造業で栄えた労働者の街でしたが、19世紀後半にその産業は衰退、市は多額の負債を抱えるに至り、2002年以降、市の財政はミシガン州の知事が独自に任命した非常事態管理者の管理下におかれていました。今回の水源の変更は、市の財政を立て直す一環として非常事態管理者が決定した、より安く水道水を提供する水道会社への切り替えを行うための一時的な措置でした。ところが、水源の変更直後から住民が水道水の質の著しい悪化を訴え始めます。最初に問題となったのは、細菌による汚染でした。この対策として、市は殺菌剤である塩素を投入しましたが、発がん性物質であるトリハロメタンの生成も同時に招く結果となりました。2015年11月までに、汚染された水道水が原因とみられるレジオネラの感染者は87名、そのうち10名が死亡しています。細菌汚染への対応を行う中で、新たな問題も明らかになりました。フリント川の水は、それまで使用していた水源の水に比べ腐食性が高く、水道管に含まれる鉛やその他重金属が溶け込みやすい状態でした。その結果、水道水から基準値を大幅に上回る鉛が検出され、住民の健康被害も数多く報告されています。鉛に暴露された結果起こる症状は、貧血、倦怠感や身体の痛み、消化器や神経系への異常など多岐に渡りますが、特に恐ろしいのは、成長過程にある子供への影響です。鉛は、脳や神経の発達に悪影響を及ぼし、治ることのない障害をもたらします。(20分)

スタンディングロック特集(1) DAPLの警備員 「水の保護者たち」に犬をけしかけ唐辛子スプレーで攻撃

ノースダコタ州スタンディング・ロックでのアメリカ先住民とその支持者による原油パイプライン建設への抗議活動を特集で取り上げます。ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)の建設計画は、総工費38億ドルを投じ、日に50万バレルもの原油をノースダコタ州バクケン油田からサウスダコタ州とアイオワ州を通り、イリノイ州の製油所に送ると言う巨大プロジェクト。この建設計画をめぐり、建設ルート近くのスー族は、古くからの聖地や埋葬地が脅かされるばかりでなく、パイプラインから原油が漏れ出た場合、居留地の水源に打撃を与え、飲料水として利用するミズーリ川が汚染されることを懸念し、建設の中止を訴えています。この土地の地役権は先住民にあり、先住民の居留地を侵害しないことを定めた条約に違反していると彼らは主張し、自らを「水の保護者」と名乗り建設計画を中止させるため阻止行動を続けてきました。デモクラシーナウ!は早い段階からこの動きを報道してきました。10月にオバマ大統領が建設差し止めを命じる直前までの、初期の動きの総集編です。(13分)

あれから40年 タリク・アリの「ストリート・ファイティング・イヤーズ」

英国で活躍する作家タリク・アリはベトナム戦争最盛期の1960年代に、ヘンリー・キッシンジャーや英外相(当時)マイケル・スチュワートと行った討論で、アメリカで一躍有名になりました。彼はベトナム反戦運動に身を投じ、1968年ロンドンの米国大使館前で反戦抗議デモで指導的役割を演じました。革命新聞Black Dwarfの編集を通じて、ストークリー・カーマイケル、マルコムX、ジョン・レノン、ヨーコ・オノなど大きな影響力を持つ人々と親交を結びました。40年後の今、アリは「ニューレフト・レビュー」誌の編集者を努め、作家として活躍するかたわら、米国の外交政策への批判を唱え続けています。世界的な広がりを見せた1968年の民主化運動を、ベトナム解放闘争への共鳴という視点から振り返るアリは、わすれられがちな第三世界での広がりにも目配りしたうえで、イラク反戦運動との比較により、40年後の現在の状況を考えます。
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