アリス・ウォーカーの新作 ルワンダ、コンゴ、パレスチナで見た地獄

2010年のピュリッツァー賞が発表されました。ハリケーン・カトリーナ被災で孤立した病院で患者の生死の選択を迫られた医師たちの苦悩を描く記事で受賞した「プロプブリカ」のシェリ・フィンク氏は、非営利報道機関によるはじめての受賞という快挙でした。今日はアフリカ系アメリカ人女性として初めて同賞を受賞した作家、詩人、活動家のアリス・ウォーカー氏を招いて、新刊書について話を聞きます。タイトルは、『絶句を乗り越えて ルワンダ、コンゴ東部、パレスチナ=イスラエルで詩人が遭遇した恐怖』です。(17分)

見えない戦争 経済制裁措置によるイラクの破壊

7年以上に及ぶ米国の軍事占領は、イラクにさまざまな災禍をもたらしました。しかしイラクへの攻撃が始まったのは20年前、米国の主導で国連安全保障理事会がイラクに対する経済制裁措置を決議したときからです。1990年8月、サダム・フセイン大統領のクウェート侵攻に対して発動された厳格な経済制裁措置は2003年5月まで続きました。その後の軍事侵攻と占領の陰に隠れて見過ごされがちですが、この残酷な経済制裁措置はイラクの国民生活を徹底的に破壊した見えない戦争でした

WikiLeaks: モンサントの遺伝子組み換え作物を拒む欧州に米国が報復を検討

ウィキリークスがリリースした外交公電によると、フランスがモンサント社の遺伝子組み換えコーンを禁止したことを受けて、ステイプルトン元駐仏大使は2007年、EUへの報復を米政府に要請していました。ゲストのジェフリー・スミスによると、ブッシュ政権時代、フランスだけでなく駐スペイン米大使もモンサント社の幹部からヨーロッパの政治状況の説明を受け、GM普及策を一緒に練っていたのです。ウィキリークスの公表により、モンサント社の世界戦略とブッシュ政権のむすびつきが確認されたわけですが、このような強引な販売戦略によりモンサント社は米国産大豆のほぼ100%、トウモロコシは約70%を占めたといわれます。(13分)

【Express】広島、被災地にすばやい救援体制

東京電力の福島原子力発電所の壊滅的な事故に対し、広島市と広島市民は迅速にサポートに動きました。広島平和文化センターのスティーブン・リーパー氏が紹介します。リーパー氏は「原発ルネサンスの最期を目撃しているようだ」と語ります。

「ナイロビの蜂」原作者ジョン・ル・カレ特別インタビュー: グローバリゼーション、イラク戦争、情報操作

本日の番組では、世界的に著名な英国出身の小説家、ジョン・ル・カレ(本名:デビッド・コーンウェル)に長時間のインタビューを行いました。ル・カレの作家キャリアは50年に及び、スパイ小説の大家としての地位を築きました。今週刊行予定で、彼の22冊目の著作となる最新小説の題名は、Our Kind of Traitor(「こっちに寝返るやつ」)です。デビッド・コーンウェルは1950年代後半から60年代初頭まで英国の情報機関に勤めていました。冷戦のまっただ中の時代でした。3作目の小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は国際的なベストセラーとなりました。冷戦終結後もル・カレは意欲的に執筆活動を行い、さらにグローバリゼーションの不公平さや、歯止めの効かない多国籍企業の力、さらに企業の利益を保護するために国家のスパイ機関が果たす役割などに関心を向けるようになりました。「株主の名のもとに行われていることは、私にとっては、神の名のもとに行われる事と同じように恐ろしい」と、ル・カレは述べます。おそらく冷戦以後の時代の作品で最も知られているのは、何も知らされていないケニア人たちを危険で時には死に至る薬物試験に搾取する製薬会社を描いた「ナイロビの蜂」でしょう。米国で行われた貴重なインタビューの中で、ル・カレは、イラク戦争に対する英国のトニー・ブレア元首相の果たした役割、米政府の対イラン政策、国際的なマネーロンダリングについても語りました。

ナオミ・クライン:究極の危機「気候変動」を利用して軍国主義が台頭?

民主主義の否定に利用されかねない最大の危機としてクラインが恐れるのが気候変動です。ここ数年で気候変動を信じる人の割合は急激に減少しましたが、その現象は英語圏に偏っています。その理由は、気候変動を信じるかどうかはもはや科学ではなく政治信条の問題になっているからだと、クラインはオーストラリアの政治学者クリーブ・ハミルトンの論考(かつて相対性理論をめぐる論争が政治論争化したこととの興味深い比較)を紹介します。気候変動を信じないことは、いまや右派にとって右派であることの証明です。彼らが信じない理由は、気候変動論は「富の再分配を狙った社会主義者による陰謀」だからです。こんな言いがかりつけて忌み嫌うのは、気候変動に有効な対策をとろうとすると、ことごとく右派の主張を否定しなければならないからです。エネルギー効率を考えれば、輸送によるロスを抑える地産地消が必須になりますが、それは「自由貿易」の終わりを意味します。そして先進国は自分たちが引き起こした問題の被害者である途上国に、つけを支払わなければなりません。自由貿易とグローバル化という右派の2枚看板を下ろし、富の再分配によって南北格差を是正するように迫られます。(16分)

米国はイエメンで危険なゲームをしている 特殊部隊の秘密戦争

サーレハ政権を支えてきた米国がイエメンでとどのような活動をしてきたのか?先のイエメンの話題のフォローアップで、米国の秘密軍事活動がサレハ政権の弱体化を引き起こす引き金になったとスケイヒルが論じます。米国の情報機関によれば、イエメンのアルカイダ(AQAP)こそが米国本土の安全保障上の最大の脅威です。そこで米国はサレハ大統領の許可のもとイエメン国内で秘密戦争を行ない、アルカイダのキャンプを爆破したり暗殺を行ったりしていました。それは必然的に多数のイエメン住民の巻き添え被害を生み、怨念を買います。サーレハ大統領が国民を欺いて、ひそかに空爆の許可を与えていたばかりか、自国軍の誤爆であると発表して米軍をかばっていたことがウィキリークスが公開した外交公電でばれてしまったこともあり、サーレハは米国の手先だと見る人が、部族指導者や政権内部にさえ増えてきたとスケイヒルは指摘します。

バンダナ・シバとモード・バーロウ 母なる大地の権利を語る (アースデイ特番)

2011年4月22日、アースデーを記念する特別番組です。デモクラシー・ナウ!では、政治・経済のグローバル化とからんで深刻化する地球温暖化問題を熱心に追ってきました。2009年のコペンハーゲンでの国連気候変動サミット(COP15)、ボリビアで開かれた「気候変動と母なる大地のための世界民衆会議」、カンクン国連気候サミット(COP16)など節目の取材はもちろん、BPの石油流出、石油・天然ガス開発に関するタールサンドやフラッキングによる汚染、石炭の山頂除去採炭、ゾンビ原発の危険など。もちろん、日本の福島原発事故にからむ問題に熱心に追っています。バンダナ・シバとモード・バーロウという世界的に著名な2人の環境保護活動家が登場するこの「アースデイ特番」のセグメントも、まずはインド出身の活動家、シバさんへの、「日本の原発大事故はインドにどんな影響を与えるのか?」という質問から始まります。(33分)

ビンラディンを ジェロニモと呼び、いまも先住民の撲滅にいそしむ米国政府

米軍によるオサマ・ビンラディン殺害作戦は様々な論議や摩擦を引き起こしましたが、その一つが、アメリカ先住民社会からの激しい反発です。この殺害作戦に「ジェロニモ」というコードネームがついていたことが判明し、伝説的なアパッチ族の指導者ジェロニモの名を、テロリストを追い詰めて殺す作戦に使うとはなにごとかと先住民社会が激怒したのです。米軍がこうしたネーミングをしたことには民族迫害の長い歴史と直接つながっているからです。(9分)

企業に無制限の選挙献金を許すシチズンズ・ユナイテッド判決に異議あり!

2010年の米中間選挙では、記録破りの選挙費用が使われました。その理由のひとつは、最高裁判所が1月に出したシチズンズ・ユナイテッド判決です。 この判決は、会社法人には、合衆国憲法修正第1条に基づく権利(信教、言論、出版、集会の自由、請願権)が保障されているとみなし、政府が企業の政治的な言論に制限をくわえることはできないとしています。この判決によって、企業や特殊利益団体が政治的な影響力を振るうために、公職選挙に特定候補を支持して無制限の金を使う道が開けました。 まさしく、金で買える民主主義の到来です。(17)

イランの核兵器開発疑惑は米国の諜報機関によって否定されている セイモア・ハーシュ

IAEA(国際原子力機関)は11月8日、テヘランに核兵器の起爆装置を開発する施設が建設された有力な証拠があるとするイラン核問題報告書を発表しました。米国のマスコミは発表前からすでにリーク情報を流しており、イスラエルが単独でイランを攻撃することへの懸念を指摘しました。これを受けて米国、英国、カナダは共同でイランに対する制裁措置を決めました。いっぽうイラン側は、天野之弥IAEA事務局長を「米国の手先」と呼び強く反発しています。長年イランの核兵器開発疑惑を取材してきたセイモア・ハーシュ記者は、IAEAの主張は何の証拠もない妄想であり、イラク戦争を始めたときと同じ危険なものだと言います。(13分)

AP記事が暴露 米原子力規制委員会が業界と共謀して安全基準の緩和に動く

AP通信の連載企画記事“Aging Nukes”(老朽化する原子力発電所)(2011年6月20日から28日にかけて配信)は、業界となれ合い状態にある米国の原子力規制、放射性物質の漏出、漏出の実態調査の不備など、お寒い状況を明らかにしました。記事を執筆したジェフ・ドン記者が連載の渦中にデモクラシー・ナウ!に登場です。(14分)

インターネットがあなたに見せないもの

インターネットの世界は急速なアルゴリズムの進化によってどんどんカスタマイズ化されています。同じ言葉を検索しても、結果は人によって異なります。特に指示を出さなくても、あなたの居場所やデフォルトの言語、これまでの検索やクリックの履歴をもとに割り出した、あなたにぴったりの候補が示されるようになっているからです。見たい情報がすぐ探せて、とっても便利? でも、もしかしたら省かれてしまった情報の中に探していたものがあったかも。知らないうちに、情報が選別されているのは困ったところもあります。おまけに、あなたの好みの情報(と機械が判断した)ものばかりを並べられては、同じ傾向の情報ばかりに取り囲まれてしまいます。知らないうちに見たいものばっかりを見せられていると、どんどん視野が狭くなって、結果的に判断を誤るかもしれません。(23分)

映画『グラニート』が描くグアテマラ集団虐殺に裁きを求める闘い

オットー・ペレス・モリーナ大統領をはじめ現在のグアテマラ政界で表舞台に立つ人々と、この国の暗い過去を結びつける新作ドキュメンタリー映画が完成しました。Granito: How to Nail a Dictator(『グラニート 独裁者を追え』)は、グアテマラ軍が民兵組織を使って20万人以上の国民を拷問し殺害した1980年代の大量殺戮の責任を問うため、40年にわたって証拠を拾い集めている人々の姿を追います。集団虐殺に対する法の裁きを求めるマヤ先住民の運動を記録に収め、大統領選でペレス・モリーナの対抗馬だったグアテマラ先住民活動家でノーベル平和賞受賞者のリゴベルタ・メンチュウにスポットをあてています。(17分)

チャベスの遺産とベネズエラの未来 追悼座談会 後篇

ウゴ・チャベスは高騰する原油価格による潤沢な資金を武器に周辺諸国への経済協力を実施し、2000年代から中南米およびカリブ海域で躍進した様々な左派政権を代表する存在となり、地域の急進派を糾合した政治同盟である米州ボリバル同盟(ALBA)、欧米メジャーに対抗して地域に安価な石油を供給することを目指したPetrocaribeやPetrosur、地域共通のメディアとしてのTeleSURなどの創設の中心となった他、メルコスール(南米共同市場Mercosur)の活性化や米州機構(OAS)内での米加両国の影響力の抑制などに邁進しました。歯に衣着せぬが故に時に粗野にも映る発言と民衆に直接語りかける政治手法は、国内外の貧困層の喝采を浴びる一方で、多くの西側メディアや寡頭支配層に牛耳られる国内メディアからは激しい批難の的となりました。チャベス政権の期間を通して、国内の貧困は大幅に削減され、非識字の根絶や一般民衆の政治参加は大きな飛躍を遂げましたが、「彼ら」と「我々」を対比する政治的レトリックは国論を完全に二分しました。(13分)

世界を戦場にしていい理由 9.11から無人機攻撃まで

米国防総省の高官たちが、「アルカイダとその関連組織」との戦争は「少なくとも今後20年は続く」可能性があるとの見通しを述べました。この発言が出たのは2013年5月16日に開かれた上院公聴会であり、その目的は、9.11事件を受けて2001年に米国合同議会が可決した「テロリストに対する武力行使権限授与決議」(AUMF)の見直しでした。 この公聴会で国防総省の担当者は、 「軍が敵とみなす者がいるところが戦場」であり、武力行使権限決議(AUMF)は、シリアやイエメン、コンゴを含む世界のどこででも期限を切らない戦争を遂行できる権限を大統領に与えていると証言しました。これに対し、毅然と意義を唱えたのが、メイン州選出の無所属じアンガス・キング上院議員でした。「こんれほど不愉快で、呆れた公聴会ははじめてだ。あなたたちは今日いまこの場で憲法 を書き換えたと同じことをしたんですよ」。 (10分)

コーネル・ウェスト オバマの偽善を批判―トレイボン・マーティン射殺裁判への発言で

マーティン・ルーサー・キング師の有名な演説『私には夢がある』を生んだワシントン大行進から50年。人種差別はなくなったのでしょうか?そんな問いに大きな疑問符をつきつけたのが、トレイボン・マーティン射殺事件でした。ご近所を歩いていた見かけないティーンエイジャーに目をつけた「自警団」の男ジョージ・ジマーマンが後をつけ、もみあいの末、射殺し正当防衛を主張したこの事件。ジマーマンがトレイボンをターゲットにしたのは、黒人だったから?裁判で出された判決は、無罪でした。これが正義と言えるのか?全米各地で抗議のデモが繰り広げられました。(25分)

チリ・クーデターから40年 ビクトル・ハラの遺族が米国で容疑者を提訴

2013年9月11日はもうひとつの9.11の40年目の記念日です。40年前のこの日、米政府が支援を受けた軍事クーデターにより、民主的に選ばれたチリ人民戦線政権のサルバドール・アジェンデ大統領は命を落とし、首謀者のアウグスト・ピノチェト(本来の発音は「ピノシェ」または「ピノチェ」)将軍による17年間の恐怖政治が始まりました。ピノチェトは左翼や労働運動、人権運動の活動家を徹底的に弾圧する一方、特にサッチャー英首相とニクソン・レーガン両米大統領の忠実な同盟者として極端な新自由主義「改革」を行い冷戦体制にあった西側諸国では「優等生」として称賛を得ました。クーデター直後に暗殺されたチリの伝説的な歌手ビクトル・ハラの妻でゲストのジョアン・ハラは、40年前にハラを殺害したとされる元軍人ペドロ・パブロ・バリエントスを米国で訴えています。バリエントスは在米歴約20年で米国籍を持っているため、ハラの遺族は国外で起きた人権侵害を米国の裁判所で審理することを認める連邦法に基づいて提訴しました。(24分)

ワシントンポストを買ったベゾスのアマゾン・ドット・コムはグローバル企業の象徴

ワシントンポスト紙がアマゾン・ドット・コムCEOのジェフ・ベゾス氏に売却されたことは、凋落が続く米国の新聞産業の転換点となるのかもしれません。2億5千万ドルという買収金額も、大富豪のベゾス氏にとっては資産の1%にもとどきません。米国を代表する有力新聞がポケットマネーで買えちゃう時代、言論もお安 くなったものです。文化も畑もまったく異なる国際ネット通販の創業者が、ワシントンポスト紙なんか買って何をするつもりか、いろいろ憶測を呼んでいます。 新聞事業の赤字体質は解消できるのか、大胆なオンライン化が突破口となるのか、などと。でも、もしかしたらベゾスさんは赤字のままでぜんぜん平気なんじゃ ないかしら。なにせ、ご本尊のアマゾン・ドット・コムが利益を出さない企業なのですから。(33分)

新たな冷戦のまっただ中 ロシアとウクライナ危機

ウクライナ危機の打開をめざして4月17日ジュネーブで開かれた4者協議で、ウクライナ、ロシア、EU、米国は緊張緩和に向けた一致点をなんとか見出したようですが、合意の履行をめぐって紛糾が続いています。新たな冷戦の様相を呈してきたウクライナ危機をめぐる対立について、ふたたびコーエン教授の話を聞きます。前回の出演からわずか2カ月のうちに、コーエン教授が危惧したことの多くが現実となりました。わずかな期間に急展開した現在の状況は、キューバ危機以来の危険な状況です。(19分)
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