「リスナーのための放送局」パシフィカ・ラジオの60年 前編

独立放送局の草分けパシフィカ・ラジオの60周年記念番組です。1949年4月15日午後3時、良心的兵役拒否者でカリスマ的な平和活動家ルイス・ヒルがマイクに向かって「こちらはKPFAバークレー放送局です」と第一声を発しました。米国で初めての、リスナーの寄付で支えられた非営利ラジオ局が誕生した瞬間でした。 60年後の今、米国の商業メディアは危機に瀕しています。ジャーナリストの大量解雇、100年の歴史をもつ新聞社の倒産が相次ぎ、放送局の刻々収入も激減しています。こうした中で、株主ではなく市民に奉仕する非営利のジャーナリズムに新しい報道のモデルを求める動きも起こっています。このようなとき、米国最古の非営利放送局の歴史をたどってみるのは、たいへん意義のあることです。(21分)

エクアドルのコレア大統領へのインタビュー

中南米の左傾化の一翼を担うエクアドルのラファエル・コレア大統領への単独インタビューをお届けします。2009年6月下旬、国連で行われた世界金融・経済危機と開発への影響に関する高官レベルの会合に出席するためニューヨークに滞在中のコレア大統領にお話を伺いました。 グローバル資本主義、マンタにある米軍基地協定の更新拒否、アマゾンに暮らす数千人の先住民が毒性の強い油井汚染に関して石油メジャーのシェブロン社に120億ドルの損害賠償を求めている訴訟、エクアドルとコロンビアの関係、そしてコレア氏のオバマ大統領に対するアドバイスを聞きました。(28分)

アルゼンチンの労働者自主管理工場から

アヴィ・ルイスとナオミ・クラインがアルゼンチンの工場自主管理運動を取材して、2004年に制作した記録映画『ザ・テイク』(工場奪取)をお届けします。アルゼンチンでは200カ所を超える工場が労働者の自主管理によって経営されています。その代表格となったサノン陶器工場は、2001年に閉鎖が宣告された後、それに抗して工場を占拠した労働者たちの手で操業が再開されました。労働者の自主管理による経営は、協同組合として十分な経済的成功を収めています。(13分)

ナオミ・クライン&アビ・ルイス 労働者自主管理という解決法

『ショック・ドクトリン』の著者ナオミ・クラインと、彼女の夫で英語版アルジャジーラの報道番組司会者アヴィ・ルイスに、、アルゼチンでの生産設備占拠運動のひろがりを追う記録映画『奪取』(The Take)を制作した二人が、世界的に拡大中の労働者自主管理運動について報告します。(22分)

ジョン・ピルジャー 「盗まれた島」ディエゴガルシア

イギリスが領有する静かで平和なサンゴ礁の島が、いったいどうして世界最大級の米軍基地になってしまったのでしょう? 40年前に起こったイギリスによる恥ずべき窃盗の歴史を、ドキュメンタリー作家のジョン・ピルジャーが掘り起こします。わずか数千万ドルと引き換えにアメリカに島を引き渡し、じゃまになった島民をひとり残らず連れ出し近くの島に捨てたイギリス。「あれは周辺から流れてきた人たちだ、島に土着の定住民はいなかった」と虚構を押し通し、何十年も彼らの存在をかき消してきました。(14分)

アメリカの急進派 ノーマン・フィンケルスタインの記録映画が登場

ヒラリー・クリントン国務長官は22日、ロビー団体、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(The American Israel Public Affairs Committee)の会合において出席者に、イスラエルへの米国の支持は「盤石」であると語りましたが、占領地東エルサレムにおける入植地建設の続行についてはイスラエルを批判しました。クリントン長官による声明の数時間後におこなわれたスピーチで、ネタニヤフ首相は挑戦的な態度で米国の批判をはねつけ、入植地建設を続けると言明しました。新刊This Time We Went Too Far: Truth and Consequences of the Gaza Invasion(『今回はやりすぎた:ガザ侵略の真実と結果』)の著者、ノーマン・フィンケルスタインに話してもらいます。

マイケル・ポーランの新提言「広告で見た食品は買うな」

ゲストのマイケル・ポーラン氏は食に関する著作の多いジャーナリスト。ついに世界流行宣言が出された新型インフルエンザの起源に、自然から完全に切り離された米国式の工業型畜産があることから語り始め、農薬大手企業モンサント社が振りまく遺伝子組換え作物が生産性を高めるという神話の嘘など、大手マスコミが沈黙して触れようとしない問題を掘り起します。ポーラン氏は最新の著書『食を守れ─食べる人宣言』で、食品産業に支配される偽科学「栄養学」の虚飾の仮面を剥ぎ取り、「健康に良い」とされる栄養素に着目するあまり、実は栄養価の低い加工食品を買い込まされている消費者に警鐘を鳴らしました。ところが、したたかな食品産業はポーラン氏の提言を逆手に取り、「5種類の原料でできたアイスクリーム」や「コーンシロップを使わない清涼飲料」など、さらに「健康に良い」商品をつぎつぎに開発しています。これに対するポーラン氏の回答は「広告で見た食品は買うな」。米国国内最大の問題とされる医療保険問題、世界共通の脅威である地球温暖化問題と云う、二つの重要課題の背景にあるのは現代の工業化された食のシステムそのものだと喝破します。そういえば「豚インフルエンザ」は「新型インフルエンザ」と言い換えられましたが、その背後にも批判を恐れる食品産業への配慮があったのではと思うのは、果して勘繰り過ぎでしょうか。(20分)

全米にはびこる「ゾンビ原発」

環境に有害と見られてきた原発が、気候変動対策の選択肢として脚光を浴びています。オバマ政権は原子力発電所新設の助成に185億ドルの予算を組んでおり、2010年2月には合衆国では約30年ぶりになる80億ドルの債務保証を発表しました。合衆国では1979年にペンシルベニア州のスリーマイル島原発で2号炉が炉心溶融の大事故を起こし、これをきっかけに安全性に不安を抱く世論が高まり新規発電所の建設はストップしていたのです。2009年11月21日、このスリーマイル島原発で放射能漏れの事故が起こり、150人以上が退避する騒ぎとなりました。1970年代始めに建設された1号炉が、いまも稼働しているのです。しかし70年代の古い原発は設計耐用年数が40年程度であり、すでに寿命が尽きていると、ネイション誌のクリスチャン・パレンティ記者は言います。「でもゾンビは死なない、規制当局の怠慢のせいだ」。(9分)

マイケル・ムーア 医療保険制度改革法案は「資本主義にとっての勝利」

オバマ大統領が内政上の最優先課題とする医療保険制度改革は、3月21日ついに下院で改革法案が可決されました。民主党は60年代の公民権運動以来の最大の社会改革と自賛しますが、他の先進国並みの公的医療保険制度を望んでいた米国民には、ひどい期待はずれでした。国民皆保険に近づいたとはいえ、政府が運営する公的保険はオプションとしてさえ導入されず、民間企業の提供する医療保険への加入を義務づけられるのです。映画『シッコ』で医療保険制度の欠陥を強烈に批判し、大統領選挙でオバマ候補を積極的に支持したマイケル・ムーア監督は、この結果をどう見るのでしょう?(30分)

「ナイロビの蜂」原作者ジョン・ル・カレ特別インタビュー: グローバリゼーション、イラク戦争、情報操作

本日の番組では、世界的に著名な英国出身の小説家、ジョン・ル・カレ(本名:デビッド・コーンウェル)に長時間のインタビューを行いました。ル・カレの作家キャリアは50年に及び、スパイ小説の大家としての地位を築きました。今週刊行予定で、彼の22冊目の著作となる最新小説の題名は、Our Kind of Traitor(「こっちに寝返るやつ」)です。デビッド・コーンウェルは1950年代後半から60年代初頭まで英国の情報機関に勤めていました。冷戦のまっただ中の時代でした。3作目の小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は国際的なベストセラーとなりました。冷戦終結後もル・カレは意欲的に執筆活動を行い、さらにグローバリゼーションの不公平さや、歯止めの効かない多国籍企業の力、さらに企業の利益を保護するために国家のスパイ機関が果たす役割などに関心を向けるようになりました。「株主の名のもとに行われていることは、私にとっては、神の名のもとに行われる事と同じように恐ろしい」と、ル・カレは述べます。おそらく冷戦以後の時代の作品で最も知られているのは、何も知らされていないケニア人たちを危険で時には死に至る薬物試験に搾取する製薬会社を描いた「ナイロビの蜂」でしょう。米国で行われた貴重なインタビューの中で、ル・カレは、イラク戦争に対する英国のトニー・ブレア元首相の果たした役割、米政府の対イラン政策、国際的なマネーロンダリングについても語りました。

コンゴの性暴力被害者の傷を癒す「喜びの町」

ボスニア紛争以来、民族紛争における戦争手段一つとして集団レイプが急増しています。コンゴ東部の戦乱では数十万人の女性が性暴力の被害にあっています。国連のPKO部隊が駐留しているにもかかわらず、レイプ被害を本気で防ごうという姿勢が感じられません。この戦争の背後にはコルタンなどの天然資源をめぐる利害がからんでいるため、国際社会も積極的に紛争解決に動くことはないのです。集団レイプにも見て見ぬふりです。性暴力を容認する国際的な風潮が、戦術としての集団レイプのさらなる拡大につながるとエンスラーは警告します。

ジュリアン・アサンジが語る『ウィキリークス』

デモクラシー・ナウ!にとって、2010年は、ウィキリークスの年でした。デモクラシー・ナウ!では、米軍のヘリコプターの狙撃兵がイラクの民間人をまるでビデオゲームを楽しむかのように銃撃し、計12人を殺害したときに録画された2007年の生々しいビデオをウィキリークスが公開し世界を震撼させた2010年4月、当時ワシントンDCにいたウィキリークスの共同創設者で編集長のジュリアン・アサンジを中継で番組に登場させたのを皮切りに、6月の9万点以上に及ぶアフガニスタン戦争の米軍機密文書公開、10月の39万点余のイラク戦争に関する機密文書公開に際しても、主要メディアに先駆けて、ジュリアンをマークし本人や関係協力者の声を大きく取り上げ続けました。

WikiLeaks: ファイザー ナイジェリアで子供への実験薬投与による医療被害のもみ消しをはかる

巨大製薬会社ファイザーが調査員を雇ってナイジェリアの法務長官の汚職の証拠を見つけ出そうとしていたことが、ウィキリークスが公開した外交公電でわかりました。法務長官の弱みを握って、ナイジェリアの子供たちを死なせた不正な未承認薬投与試験をめぐる60億ドルの訴訟を取り下げるよう圧力をかけるためです。この実験で試験員たちは投与試験の署名同意書を得ず、また医療関係者によると、ファイザーは子供たちの親に実験薬を投与することを伝えていなかったといいます。(16分)

死の薬:米食品医薬品局 急速成長の海外治験産業の規制できず

米国の製薬会社が新薬の治験を米国の外で実施するケースが、近年になって急速に増加しています。海外での治験は20年前にはわずか271件でした。それが2008年には6500件近くになっています。海外の治験場に選ばれるのは、規制が緩く、治験費用が非常に安あがりな国々です。しかも多くは貧乏で文字も読めない被験者を使って実施されているのです。そのことが、しばしば人命に関わるような重大な事故につながっています。この問題について調査報道記事を掲載したジム・スティール記者に話を聞きました。(15分)

フランスはハイチの「独立債務」を返還せよ

奴隷 ハイチ
ハイチは2011年5月現在も、死傷者約22万人、被災者370万人といわれた2010年1月の地震からほとんど復興していません。地震から半年後の2010年8月、著名な知識人らが「フランスはハイチに課した賠償金400億ドルをハイチに返済すべし」という公開書簡をガーディアン紙に掲載しましたが、サルコジ大統領は取り合いませんでした。ハイチの窮状が続く背景は何なのでしょうか。

ショック・ドクトリンにご用心!組合つぶし法案と米国の火事場泥棒

日本では未曾有の自然災害と原発事故という最大の国難のさなかに、無策を糾弾された総理が退陣を表明し、大連立が叫ばれています。党利党略を捨てて協力して国難にあたるそうですが、いったいなにをするのかは定かではありません。消費税引き上げ、TPP参加、コンピューター監視法案(共謀罪の一部切り離しです)など、およそ災害対策とは無関係な政策がごり押しされる気配もあります。社会的な危機の中では、強力なリーダーシップによる決然とした対応が必要です。しかし、ひとつ間違えば危機に乗じた権力の集中につながります。そんな時間はないといって民主的な幅広い議論を退け、これしか方法はないのだと騙して国民に犠牲を強いることを許しかねません。(21分)

日本の放射能漏れが続く中、バーモントヤンキー原発は運転継続を認めよと州政府を提訴

 2012年に操業40年となるバーモント・ヤンキー原発の期限延長をめぐって、米国で議論となっています。バーモント州議会は同原発の運転延長を認めない決定をしましたが、原子力規制委員会は今年3月21日、20年間の操業延長を許可しました。しかも、同原発を所有するエンタジー社は4月18日、州の決定権に異議を唱えて訴訟を起こしました。原子力技術者として長い経験をもつアーニー・ガンダーセンさんは、バーモント・ヤンキーの原子炉が福島と同じマークI型(関連情報2参照)である点を懸念しています。

スティグリッツ 1%による 1%のための

 米国では富の格差がますます拡大し、上位1%の金持ちが国民総所得の25%を懐に入れます。過去10年の経済成長は上位2%が独り占めにしています。有り余る資金で金融ギャンブルをやり世界経済を危機に陥れたのも彼らですが、失業者が街にあふれるなか金融業界は空前のボーナスを配っています。しかも税金は払いません。政界に効率のよい投資をして、税制も規制も自分たちに都合のよいものに変えていきました。しかし、そんなことを続けては国全体が傾いてしまいます。(21分)

【Express】 福島原発事故の深刻化に立ちあがる市民 米仏はそれでも推進?

福島原子力発電所の事故は3カ月目を過ぎてようやく東京電力が原子炉3基で完全なメルトダウンがおきていたことを認め、最初の一週間で大気中に放出された放射性物質の推定量もいっきに2倍に訂正しました。政府や東電の情報隠しは犯罪的で、住民たちはやむなく自ら放射能の測定を始めています。事故は収束どころか悪化の一途で、現在は大量の使用済み燃料を抱える4号機の崩壊が心配されています。日本市民の反応、使用済み核燃料プールの危険性、原発推進をめぐる世界各国の思惑などについて、環境活動家アイリーン・スミス氏と米国の元エネルギー庁高官のロバート・アルバレス氏に聞きます。(29分)

アノニマス参上:世界に広がるハクティビズム

アノニマスのように政治・社会的な主張を掲げてハッカー攻撃をしかけるオンラインのアクティビズムを「ハクティビズム」と呼びます。アノニマス関連の事件として有名なのは2010年12月、ウィキリークスの口座を凍結して支援金の送金を妨害したマスターカードとVISAにハッカー攻撃を仕掛け、サイトを一時的にダウンさせたことです。その他にも、ソニー、PayPal、アマゾン、バンク・オブ・アメリカ、サイエントロジー(宗教団体)、エジプト政府、チュニジア政府、シリア政府などが攻撃対象になりました。なんだかオソロシげな集団に聞こえますが、アノニマスの源流にあったのは日本の2チャンネル文化です。こんなふうに進化したのも、祭りのノリが嵩じたのかも。
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