イルカを殺すな! オスカー受賞映画「ザ・コーヴ」

映画が作られるきっかけとなったのは、イルカを捕獲して人工の水槽に囲い、人間の楽しみのために芸をさせることは、間違った愛情の注ぎ方だという、元イルカ調教師リック・オバリーの訴えです。60年代にはテレビ番組「わんぱくフリッパー」の調教師として活躍し、何頭ものイルカを飼育していましたが、キャシーと名付けられたイルカが囚われの環境に耐え切れなくなって"自殺"したのを契機に、イルカ解放活動家になったと語ります。イルカを友として愛し、人工飼育をやめさせるために世界を駆けめぐって活動してきたオバリーにとって、日本のイルカ漁は驚愕の「大量虐殺」以外のなにものでもなかったようです。

「ナイロビの蜂」原作者ジョン・ル・カレ特別インタビュー: グローバリゼーション、イラク戦争、情報操作

本日の番組では、世界的に著名な英国出身の小説家、ジョン・ル・カレ(本名:デビッド・コーンウェル)に長時間のインタビューを行いました。ル・カレの作家キャリアは50年に及び、スパイ小説の大家としての地位を築きました。今週刊行予定で、彼の22冊目の著作となる最新小説の題名は、Our Kind of Traitor(「こっちに寝返るやつ」)です。デビッド・コーンウェルは1950年代後半から60年代初頭まで英国の情報機関に勤めていました。冷戦のまっただ中の時代でした。3作目の小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は国際的なベストセラーとなりました。冷戦終結後もル・カレは意欲的に執筆活動を行い、さらにグローバリゼーションの不公平さや、歯止めの効かない多国籍企業の力、さらに企業の利益を保護するために国家のスパイ機関が果たす役割などに関心を向けるようになりました。「株主の名のもとに行われていることは、私にとっては、神の名のもとに行われる事と同じように恐ろしい」と、ル・カレは述べます。おそらく冷戦以後の時代の作品で最も知られているのは、何も知らされていないケニア人たちを危険で時には死に至る薬物試験に搾取する製薬会社を描いた「ナイロビの蜂」でしょう。米国で行われた貴重なインタビューの中で、ル・カレは、イラク戦争に対する英国のトニー・ブレア元首相の果たした役割、米政府の対イラン政策、国際的なマネーロンダリングについても語りました。

食への権利: 企業、外国政府による 土地の収奪で第3世界に飢餓

貧しい国々で5億人を超える小農が飢餓に苦しんでいます。食の権利に関する国連特別報告者オリビエ・ド・スキュテールによれば、その一因は外国の政府や企業が土地を大量に買いあさっているからです。ただでさえ世界中で年間3千万ヘクタールの農地が、工業化や環境破壊によって失われていくのに、今や猛烈な勢いで土地の争奪が進んでおり、アフリカや南アジアでは不透明な土地取引によって住民が追い立てられ、暮らしが脅かされ、地域社会が蝕まれています。

フランスはハイチの「独立債務」を返還せよ

奴隷 ハイチ
ハイチは2011年5月現在も、死傷者約22万人、被災者370万人といわれた2010年1月の地震からほとんど復興していません。地震から半年後の2010年8月、著名な知識人らが「フランスはハイチに課した賠償金400億ドルをハイチに返済すべし」という公開書簡をガーディアン紙に掲載しましたが、サルコジ大統領は取り合いませんでした。ハイチの窮状が続く背景は何なのでしょうか。

キャンベル教授 リビア介入をめぐる欧米の偏見、アラブの偏見

西側の軍事介入の危機が高まるリビアの現状について、シラキュー ス大学のホレス・キャンベル教授に話を聞きました。民主化要求運動への弾圧をめぐる西側の報道や介入の是非をめぐる議論の中から、アフリカとアラブの2つの世界にまたがるリビアにまつわる様々な認識上の問題が浮かび上がります。(14分)

財政の戒厳令?ミシガン州住人 非常事態法に訴訟 

財政危機を利用して、町をまるごと民営化?そんな可能性もはらむミシガン州の新しい非常事態法に反対し、住民が訴訟をおこしました。「財政の戒厳令」と呼ぶ人もいるこの新法では、財政難の市町村に、知事が非常事態管理者(emergency manager)と呼ばれる職員あるいは企業を任命し、管理に当たらせます。非常事態管理者は、公共財の売却や、労使契約の破棄、行政の民営化を行えますし、公選された人を解雇できます。決定に際し、民意を問う必要はなく、説明責任も負いません。

米国が隠したヒロシマとナガサキ

3.11の福島原発事故は、核エネルギーを安全に使いこなせるという原子力「安全神話」をくつがえしました。原子力の平和利用という謳い文句の下、放射能への恐怖を軽んじたのは日本も米国も同じでした。あまりにも残虐な武器の使用を正当化するために、被爆者の惨状を隠そうとする動きは、終戦直後から始まりましたが、さらに冷戦下の核軍拡競争と原子力発電推進の中で、米国は原爆の全貌を国民の目から隠しました。ウソで固めた核の時代が始まったのです。(26分)

内部告発した米軍兵士ブラッドリー・マニングの人生は「アメリカそのもの」

米軍によるイラク民間人爆撃ビデオや米国国務省の外交公電など大量の機密情報をウィキリークスに渡したとされ、起訴されたマニング上等兵は、拘束されて2年以上がたちますが軍事裁判は遅々として進んでいません。2012年9月に予定されていた軍事法廷は2013年2月に延期となりました。クワンティコ海兵隊基地では拷問に匹敵する処遇を受けていたことが指摘され、カンザス州フォートレブンワース陸軍刑務所に移されました。待遇は改善されたと言われていますが、罪状には「敵に利する行為」が含まれており、死刑になる可能性もあります。(21分)

大統領候補者が公開討論に参加しようとして逮捕

米国の大統領選の直前に行われる恒例のテレビ討論会は、全世界の注目を集める大イベントと言っても過言ではないでしょう。しかし出てくるのはいつも2大政党の候補者のみ。この討論会の主催者が少数政党の候補者たちを除外しているからです。緑の党の候補者たちは、自分たちが排除された討論会場に出掛けて行き、逮捕されてしまいました。ジル・スタインが逮捕の様子を語ります。(6分)

コーネル・ウェスト オバマの偽善を批判―トレイボン・マーティン射殺裁判への発言で

マーティン・ルーサー・キング師の有名な演説『私には夢がある』を生んだワシントン大行進から50年。人種差別はなくなったのでしょうか?そんな問いに大きな疑問符をつきつけたのが、トレイボン・マーティン射殺事件でした。ご近所を歩いていた見かけないティーンエイジャーに目をつけた「自警団」の男ジョージ・ジマーマンが後をつけ、もみあいの末、射殺し正当防衛を主張したこの事件。ジマーマンがトレイボンをターゲットにしたのは、黒人だったから?裁判で出された判決は、無罪でした。これが正義と言えるのか?全米各地で抗議のデモが繰り広げられました。(25分)

サウジのバンダル王子がシリア反政府勢力を支援 1980年代の再現か

シリア騒乱が2011年に始まってから、もうすぐ3年になろうとしています。騒乱が長引くにつれて国際社会からの非難は高まり、最近では他国の軍事介入の是非をめぐって、国連内でも激しく意見が対立しています。シリア関連の記事が新聞のトップニュースに見られる日も少なくありませんが、騒乱への国際社会の関与について、今回また新たな側面が暴露されました。(12分)

ウィキリークスがTPP知財条項の草案を暴露

ウィキリークスが公開したTPP交渉の知財関連の章の草案をめぐるディベートです。TPP交渉の一番の問題は、なによりもまず秘密主義です。各国政府の交渉担当官の他には利権を持つ業界や企業の代表しか詳細を知ることができません。ウィキリークスによってようやく内容を知った、ということ自体が問題です。米国ではこれまでTPP交渉はほとんど注目されてこなかったのですが、これでようやくその危険性に対する関心が高まり そうです。ウィキリークスが取り上げたことで、その怪しさがいっそう強調されました。とくにアサンジの指摘によって、昨年春に大規模な市民運動の力で一気 に廃案に追い込まれたSOPA(オンライン海賊行為防止法案)やACTAからの継続性が強調されたので、ネット市民の警戒の目も一段と厳しくなるでしょ う。(21分)

ノーム・チョムスキー講演「中心の崩壊~ラディカルな想像力の再考」

もうじき来日するノーム・チョムスキー教授。3月5日と6日の二日間にわたって上智大学で行われる講演会は早々と予約締め切りになったようで、期待の大きさがうかがわれます。今の日本では、チョムスキー氏の講演もこれまでになく切実な響きを持って聞こえることでしょう。さて、そういうわけですから、デモクラシー・ナウ!でも、これを記念してとっておきの動画を配信します。(54分)

奴隷とアイビーリーグ: 奴隷制度が支えた米名門大学の発展

今でこそアメリカの知と良識の府として尊敬を集めているアイビーリーグの名門大学ですが、創立期から19世紀半ばにいたるまで、アメリカの負の歴史にどっぷりと関わっていました。MITの米国史教授のクレイグ・スティーブン・ワイルダーの上梓までに10年をかけた労作、Ebony & Ivy: Race, Slavery, and the Troubled History of America’s Universities. (『エボニーとアイビー:人種、奴隷制、そしてアメリカの大学の問題ある歴史』)は、ハーバード、イェール、プリンストンを初めとする東部名門校が、奴隷貿易で財をなした実業家たちの富を財源とし、北米大陸はもちろん、西印度諸島のプランテーションで大もうけした人々の子供たちを学生としてリクルートし、大学としての基盤を築いていった歴史を跡づけます。

第一次世界大戦の平和主義者たちから学ぶ反戦運動のレッスン

今週は反戦運動についての話題をお届けします。少し前のインタビューですが、第一次世界大戦をふり返るという、今日にぴったりのトピックです。ちょうど百年前の世界は、空前の大戦争に向かって突き進もうとしていました。1914年6月28日のサラエボ事件(オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子の暗殺)がおきてから、たった6週間の間に、それまではそこそこに良好な国際関係を維持し繁栄を極めていたヨーロッパが一転して全土を巻き込む戦争に引き込まれていきました。この戦争の歴史には学ぶことが沢山あります。(20分)

【EXPRESS】イラン・パペ:イスラエルは2014年にアパルトヘイト国家の道を選んだ

停戦交渉が停滞する中、イスラエルのガザ攻撃は激しさを増しています。すでにパレスチナ人の死者は1100人を超え、イスラエル兵も53人が死亡しています。意図的に一般市民を攻撃するイスラエルの戦争犯罪については、2008年末から2009年はじめにかけてオバマ就任直前に行われた前回のガザ侵攻のときと同じですから、とくに新しい字幕はつけていません。今回の侵攻に関しては、いまなぜ攻撃が繰り返されているのか、停戦のためには何が必要かという点にしぼって、簡潔にとりあげました。イスラエルのハイファから、歴史学者のイラン・パペへの短いインタビューをご覧ください。(8分)

CIA 麻薬取引 中南米の反革命ゲリラのつながりを暴いて葬り去られた記者ゲイリー・ウェブ

新作劇映画<cite>Kill The Messenger</cite>(『使者を殺せ』)の主人公は、タブーを破ってCIAの犯罪を報道したために主流の企業メディアによって誹謗中傷されて職を失い、最後には自ら命を絶った報道記者ゲイリー・ウェブ氏です。1996年サンノゼ・マーキュリー・ニュース紙(San Jose Mercury News)に、Dark Alliance(「暗黒同盟」)と題する衝撃的な記事を発表し、1980年代に全米で大問題になったクラック・コカインの密売が、CIAによって組織されたニカラグアの反政府右翼武装組織コントラの資金源であることをスクープしました。(18分)

CIAの拷問 ドイツで刑事告発へ ブッシュ政権の高官たちを訴追できるか?

米上院情報特別委員会は2014年12月、CIAがブッシュ政権下で行っていた「拘禁尋問プログラム」に関する報告書を公表しました。CIAによって秘密収容所に拘禁された119名のうち39名が、水責め、睡眠剥奪、ストレス・ポジションなどの拷問を受けていたことが詳細に記されています。これを受けて米国の「憲法上の権利センター」は、ベルリンの「欧州憲法人権センター」と協力し、ラムズフェルド元国防長官、ジョージ・テネット元CIA長官などブッシュ政権の政府高官をドイツで刑事告発しました。(12分)

FCC ネット中立性の保護に転換 ケーブル業界の支配から「開かれたネット」を守る市民の勝利

2015年学生字幕翻訳コンテストで取り上げた課題の(1) 市民が守る「ネットの中立」の字幕動画です。 インターネットが企業利益の追求のために二層化してしまうところだったのを、それに反対する膨大な市民の声が止めました。「ネットの中立」という抽象的な言葉ではぴんとこないのですが、ことの重大性を普通の人々に周知させる努力がいかに重要かがよくわかります。 (12分)

我々が支払う代償:オフショア資産隠しが国内の人々の金を盗むことになる理由

ドキュメンタリー映画The Price We Pay(『我々が払う代償』)を基にタックスヘイブンの問題を取り上げます。監督のハロルド・クルックス氏と、映画にも登場するエコノミストでタックス・ジャスティス・ネットワーク上級顧問のジェイムズ・ヘンリー氏をゲストに迎え、映画制作の動機や経緯、またタックスヘイブンの歴史的背景、納税を回避する手口と隠れ資産の実態、そしてその弊害について映画のシーンを交えて検証していきます。(15分)
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