70億ドルの核備蓄追加予算

オバマ政権が議会に提出した2011年度予算案は史上最大規模の3兆8000億ドルですが、増えたのは軍事予算ばかりで、国内支出は軒並み削減です。そんな中で目を引くのが、核兵器関連予算の5年間で70億ドル超の引き上げです。 米国の核兵器を削減し「核なき世界」をめざすという2009年4月のプラハ宣言から大きく後退したように見えますが、数量の削減に伴う安全管理徹底と補修の費用のためだと説明しています。ニューメキシコ州ロスアラモス研究所の新たなプルトニウム生産施設の新設もその一貫です。サンタフェの州議事堂から話すニューメキシコ核監視団のジェイ・カグラン事務局長は、オバマ政権は条約の批准をたてに上院共和党議員に食い物にされているのだと言います。(10分)

ジョン・ピルジャー「大メディアの役割は人々の目をふさぐことだ」

アフガニスタン駐留軍を率いるスタンリー・マクリスタル司令官が、ローリング・ストーン誌に掲載された記事がもとでオバマ大統領に解任されました。側近たちと一緒になって大統領や政府要人らを笑いものにしたことが暴露されたからです。マスコミは現地司令官たちをかばい、記事を書いたマイケル・へイスティングス記者に激しい批判を浴びせました。「お国に尽くす軍人」が酒の席で口走った失言を暴き立てて、ジャーナリズムの"基本"を破り信頼関係をぶちこわしたと、袋叩きの様相です。しかしジョン・ピルジャーは、ヘイスティングス記者は本来ジャーナリストがやるべき仕事をしただけだと言います。(20分)

マイケル・ヘイスティングス記者 マクリスタル失脚の背景を明かす

スタンレー・マクリスタル将軍解任の引き金となった記事をローリングストーン誌に書いたマイケル・ヘイスティングスに貴重な長時間インタビューをおこないました。ヘイスティングスの記事は、マクリスタル将軍とその補佐官による政府トップの高官たちへの中傷的な発言を引用し、戦争のやりかたをめぐって文官と軍人との間に長く存在してきた対立を明らかにしました。マクリスタル将軍が29日、34年間にわたる軍人生活からの引退を発表した翌日、上院はマクリスタルの後任にデビッド・ペトレアス将軍を承認しました。 (25分)

声なき人々の声、異なる見方を伝え、対話の架け橋をめざす独立報道機関アルジャジーラ

米国の主導でアフガニスタンに駐留するNATO(北大西洋条約機構)軍がカンダハルからタリバン勢力を一掃するための大攻勢を準備する中、中東カタールの衛星テレビ放送局アルジャジーラ放送局のワダーフ・ハンファル社長に話を聞きました。話題は、イラクやアフガニスタンの戦争情勢に始まり、米国の中東政策とアルジャジーラへの攻撃、多様な人々の声を映し出す独立メディアとしてのアルジャジーラの意義などに及びます。

ティーパーティ運動と極右武装集団や人種差別団体のつながり

中間選挙の2週間前、NAACP(黒人地位向上協会)が保守派の市民運動ティーパーティに関する報告書「ティーパーティ・ナショナリズム」を発表し、全国各地の人種的な憎悪にもとづく団体とのかかわりを指摘しました。ティーパーティ運動の主張は「小さな政府」の実現であり、財政赤字の削減と減税が一番の目標のはずです。でも、実際に彼らが関心を注ぐのは人種や移民といった社会問題です。ティーパーティの集会には、排外主義や人種偏見に満ちたスローガンが目立ち、白人至上主義グループのオルガナイザーたちが跋扈し、新人勧誘にいそしんでいるといわれます。

国連宣言 水は基本的人権

国連総会は、水と公衆衛生は基本的人権であるという史上初の宣言を行いました。7月28日におこなわれた歴史的な投票で、122カ国の支持を得て決議が成立しました。米国とカナダ、一部のヨーロッパの国々、その他の先進工業国など40カ国以上は棄権しましたが、さすがに決議に反対した国はありませんでした。長年にわたる水の権利活動家、モード・バーロウに、この画期的な決議について聞きます。

数百万人を飢えさせ責任を取らないウォール街の食糧バブル

2005年から2008年にかけて世界の穀物市場が高騰し、貧しい国々では食糧が不足して2008年には各地で飢餓暴動が起こりました。世界の飢餓人口は2億5千万人増加して10億人に達したと推測されています。価格の高騰は自然災害の多発だとかバイオ燃料ブームのためとか、当時さまざまな説明がなされましたが、どうやら決定的だったのは先物市場への巨額の金融投機だったようです。膨大な現金を抱えて運用先をあさっていた投資銀行が、穀物の商品先物市場をマネーゲームの対象として撹乱し、市場メカニズムをめちゃくちゃにしてしまったのです。

ダニエル・エルズバーグ:内部告発者のテロリスト扱いに抗議

デモクラシー・ナウ!の2010年6月のインタビュー(「米軍内部告発者の逮捕、ウィキリークスは地下に潜る」)で、ダニエル・エルズバーグが、ジュリアン・アサンジは「逮捕以上の危険」「誘拐、特例拘置引き渡し、拷問、暗殺の危険にさらされている」と語った時には、まさか暗殺までは(?)とも思われたのですが、2010年秋以降のスエーデン司法当局を前面に立ててのアサンジ追撃には米国の陰も見え隠れし、1971 年、ベトナム戦争に関する国防総省の機密文書をリークした米国一有名な内部告発者ダニエル・エルズバーグの体験から出た警告の重みがずっしり感じられるようになってきました。

【Express】ムバラク後:民主化のゆくえは

ムバラク大統領辞任後、エジプトは軍部の暫定統治に入りました。エジプト軍は国民の要求に応える形で憲法の停止、議会の解散などを国営テレビで発表しました。ムバラク後の民主化運動をどう進めるべきなのか、デモ参加者の間でも意見が分かれています。 デモクラシー・ナウ!やアルジャジーラが放送しつづけたタハリール広場の人々は、独裁下でこれまでなかなか顔の見えてこなかった一般市民です。米国に支援されたアラブ諸国の独裁体制が崩れれば、中東和平にも大きく影響するでしょう。一般民衆の力でムバラク政権は崩壊しましたが、憲法がどう改正されるのか、民主的な選挙が行なわれるのか、軍部から国民へ本当に権力が移るのかが注目されます。

フランスはハイチの「独立債務」を返還せよ

奴隷 ハイチ
ハイチは2011年5月現在も、死傷者約22万人、被災者370万人といわれた2010年1月の地震からほとんど復興していません。地震から半年後の2010年8月、著名な知識人らが「フランスはハイチに課した賠償金400億ドルをハイチに返済すべし」という公開書簡をガーディアン紙に掲載しましたが、サルコジ大統領は取り合いませんでした。ハイチの窮状が続く背景は何なのでしょうか。

マニング・マラブルが遺した マルコムXの実像・虚像

デモクラシー・ナウ!のゲストとしてもおなじみだったコロンビア大学教授で歴史家のマニング・マラブル氏が2011年4月4日、亡くなりました。20年をかけた待望の大著Malcolm X: A Life of Reinvention (『マルコムX:創られた人生』)の出版数日前の、急逝でした。追悼番組となったこのセグメントでは、2005年にデモクラシー・ナウ!が行ったマニング・マラブル氏のインタビューがあらためて紹介され、当時執筆中で遺作となった伝記について語っています。実はこの伝記、出版後、大きな波紋を呼び、マルコムXの実像と虚像、その生涯の今日的意味をめぐり、激論をまきおこしました。(12)

オフショア金融とタックスヘイブンはグローバル経済の心臓部

ウォール街を占拠した米国の99%の怒りは、金持ちが税金で救済されてさんざん国の世話になっておきながら、ちっともフェアな税負担をしていないことです。日本の総理大臣も増税にひた走っていますが、増税の前に抜け穴を塞いでもらわなくちゃ。租税回避の代名詞が「オフショア」ですが、英国ジャーナリストのニコラス・シャクソンによれば、オフショア金融制度は単に租税回避の手段というだけでなく、秘密の保持によって法規制の抜け道を提供し、不透明なハイリスク取引を可能にする魔法のトンネル、ウォール街の資金力にあかせた政治への介入を陰で支える聖域なのです。(25分)

アラブの春で米国のイスラエル=パレスチナ政策は変わったのか?

Jストリートという団体を耳にしたことはあるでしょうか。このセグメントに登場するジェレミ・ベン=アミが共同代表をつとめる、米国の親イスラエルロビー団体です。米国のイスラエルロビー団体として有名なものとしては、AIPAC(アメリカ・イスラエル広報[公共問題]委員会)やADL(名誉棄損防止同盟)などがありますが、近年とみに会員を増やし、発言力を増してきたのがJストリートです。Jストリートの主張とはどんなものでしょう。

「セラヤ追放クーデターの黒幕は米国」ホンジュラス元閣僚が証言

2009年6月28日、ホンジュラスのマヌエル・セラヤ大統領が自宅から拉致され、米軍基地経由でコスタリカに追放されました。これをうけてミチェレティ国会議長が暫定政府大統領に就任。セラヤ大統領は内外の支援を得て帰還を試みますが失敗に終わり、09年11月の大統領選でロボ国民党候補が大統領に就任しました。セラヤはドミニカ共和国に亡命、2011年ベネズエラなどの仲介を経てロボ政権と「カルタヘナ合意」を結び帰国しました。ホンジュラスの2009年クーデターの背景を当時の文化相ロドルフォ・パストル・ファスケレが話します。(18分)

新生リビアを取り巻く環境と課題

2011年8月23日、リビア反政府勢力は、カダフィ側の施設に攻撃を加え、制圧に成功しました。カダフィ氏の所在は不明でしたが、首都トリポリの制圧によって、事実上カダフィ政権は崩壊しました。これを受けて、番組特派員のアンジャリ・カマトがリビア取材の報告をします。加えて、コロンビア大学マフムード・マムダニ教授が辛口のコメントをします。(19分)

アノニマス参上: ベイエリア高速鉄道(BART)のムバラク化に非難集中

「ウォール街占拠」でとっても目についたガイフォークスの仮面。占拠運動の拡散とともに全米各地にアノニマスが増殖中です。最近は日本のデモでもちらほらと・・  2010年後半にウィキリークスとのからみで急速にマスコミの注目を集め出したアノニマスですが、そこで語られるイメージは、なにやら怪しげなハッカー集団が、企業や公共機関のサイトを攻撃し、個人情報をさらし出すという危険なものです。でも、彼らの攻撃がどのような動機に基づいているのか、その背景は語られません。相手が「名無しさん」だから、彼らのメッセージには耳を傾ける必要はないのでしょうか。アノニマスって何者なの?2011年夏の事件をもとに、米国での発祥を紹介しましょう。

アノニマス参上:世界に広がるハクティビズム

アノニマスのように政治・社会的な主張を掲げてハッカー攻撃をしかけるオンラインのアクティビズムを「ハクティビズム」と呼びます。アノニマス関連の事件として有名なのは2010年12月、ウィキリークスの口座を凍結して支援金の送金を妨害したマスターカードとVISAにハッカー攻撃を仕掛け、サイトを一時的にダウンさせたことです。その他にも、ソニー、PayPal、アマゾン、バンク・オブ・アメリカ、サイエントロジー(宗教団体)、エジプト政府、チュニジア政府、シリア政府などが攻撃対象になりました。なんだかオソロシげな集団に聞こえますが、アノニマスの源流にあったのは日本の2チャンネル文化です。こんなふうに進化したのも、祭りのノリが嵩じたのかも。

「銀行口座移動の日」 さあ皆で大銀行から信用組合へ大移動

11月5日は「銀行口座移動の日」。大銀行の横暴に抗議して、みんなで一斉に地元の信用協同組合やコミュニティ銀行にお金を預け変えよう。そんな呼びかけがネットで広まり、全米で7万5千人以上が参加を表明し、信用組合には4万口以上の新規口座が開設され、総額8000万ドルが大銀行から移動しました。11月5日といえばガイ・フォークス・デイ、英国人が反逆者の精神を思い出す日です。この日を選んだのは、もちろんアノニマスやウォール街占拠運動に触発されたから。呼びかけ人はクリステン・クリスチャンという、ごく普通の若者。彼女にキャンペーンを思い立った経緯について話を聞きます。

ギリシャ国民投票を妨害するEUの背後にはデフォルト回避に必死なウォール街が

2011年11月初旬カンヌで開催されたG20サミットの議題はギリシャ救済とヨーロッパ債務危機への対応でした。この直前にEUの救済措置を受け入れるかどうか国民投票で決めると発表したギリシャのパパンドレウ首相は、集中砲火を浴びました。国民投票で救済提案が否決しされればギリシャはデフォルトに追い込まれ、金融市場は大きなリスクに直面するからです。でも救済案を受け入れれば、ギリシャは今後長期にわたり緊縮財政と不景気が続き、公共財も天然資源も借金のかたにとられてしまいます。国の主権にもかかわるような大問題を国民投票で決めることの、どこが間違っているというのでしょう。国民の頭越しに政府間の話し合いで決めてしまいたいというEUのほうがよっぽど変です。(12分)

『帝国の収穫』 フアン・ゴンザレスが詳細に描く米国ラティーノの歴史

フアン・ゴンザレスが著書Harvest of Empire: A History of Latinos in America(『帝国の収穫:米国のラティーノの歴史』)の全面改訂を記念し、米国のラティーノ系移民の歴史を語ります。ゴンザレスによると、2050年には米国に住む人の3人に1人がラティーノ系になると予想されています。1960年から2008年まで合法非合法合わせて4千万人を超える移民が米国に流入、その半数がラティーノ系だと言います。(15分)
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