米国大統領選:討論会で裏取引?

2012年後半、米国では大統領選、日本では政権交代となった衆院選と大きな選挙が続きました。2回目の大統領討論会の直前、オバマ・ロムニー陣営の間で討論に関する覚書が交わされているという暴露記事がタイム誌に載りました。「大統領討論委員会が主催する討論会以外の討論会には出席しない」「お互いに追加質問はしない」など、覚書には事細かにルールが決めてありました。(15分)

チャベスの遺産とベネズエラの未来 追悼座談会 前篇

14年間にわたってベネズエラ大統領を務め、「反米」左翼政権の代表として国際的な注目を浴びると同時に、国内世論を二分し続けたウゴ・ラファエル・チャベス・フリアス氏は、2年間の癌闘病の末、2013年3月5日に58年の短い生涯を終えました。地方の庶民家庭に生れたチャベス氏は、青年期からフィデル・カストロやシモン・ボリバルの中南米独立思想に強い影響を受け、長じては職業軍人として軍内に革命運動組織を創設。1992年には当時のカルロス・アンドレス・ペレス政権による国民抑圧に反抗し、クーデターを起して未遂に終るものの、投降時の記者会見では多くの国民の共感を呼び、若き政治指導者として急速に支持を得ました。(25分)

チャベスの遺産とベネズエラの未来 追悼座談会 後篇

ウゴ・チャベスは高騰する原油価格による潤沢な資金を武器に周辺諸国への経済協力を実施し、2000年代から中南米およびカリブ海域で躍進した様々な左派政権を代表する存在となり、地域の急進派を糾合した政治同盟である米州ボリバル同盟(ALBA)、欧米メジャーに対抗して地域に安価な石油を供給することを目指したPetrocaribeやPetrosur、地域共通のメディアとしてのTeleSURなどの創設の中心となった他、メルコスール(南米共同市場Mercosur)の活性化や米州機構(OAS)内での米加両国の影響力の抑制などに邁進しました。歯に衣着せぬが故に時に粗野にも映る発言と民衆に直接語りかける政治手法は、国内外の貧困層の喝采を浴びる一方で、多くの西側メディアや寡頭支配層に牛耳られる国内メディアからは激しい批難の的となりました。チャベス政権の期間を通して、国内の貧困は大幅に削減され、非識字の根絶や一般民衆の政治参加は大きな飛躍を遂げましたが、「彼ら」と「我々」を対比する政治的レトリックは国論を完全に二分しました。(13分)

USAIDは新たなCIA? 反カストロを煽動するSMSサービスを密かに構築

AP通信の特ダネ記事によって、キューバ「民主化」支援を隠れ蓑にした米国国際開発庁(USAID)による偽ツイッター作戦が暴露されました。キューバの俗語でハチドリの囀り声を指す「スンスネオ」(Zunzuneo)と名付けられた隠密作戦は、銀行の偽装口座やダミー会社など、国際諜報活動の古典的手法を駆使し、当初は当たり障りのない生活情報などを提供しつつ個人情報を違法に収集して若年層のネットワークを構築し、時が熟せば「キューバの春」を演出して社会不安を招き、革命体制転覆へ導くことを究極の目的として始められたものの、2012年半ばには極秘裏に活動を終えたとされています。米大統領府は「議会の承認を得た正規の人道支援だ」と強弁していますが、中央情報局(CIA)や国家安全保障会議などお馴染みの謀略・国防組織ではなく、表向き人道目的を掲げた中央官庁が主体となった工作活動は、米国社会に衝撃をもたらしました。ジョージ・ワシントン大学にある公益研究機関、国家安全保障関連資料館の「キューバ記録事業」責任者ピーター・コーンブルーに取材します(13分)

「偽善のサーカス」 ジェレミー・スケイヒル がパリのデモに参加した世界首脳の報道弾圧を批判

2015年1月7日、フランスの風刺週刊新聞「シャルリー・エブド」の発行元を複数犯が襲撃し、風刺漫画家らを含む12人を殺害して逃亡、アルジェリア系フランス人の容疑者兄弟2人は2日後に籠城先の印刷工場で射殺されました。これと並行して、8日に警官を殺害したとされるアフリカ系フランス人の別の容疑者が、翌日パリのユダヤ食品スーパーに人質を取って立てこもる事件が発生。警察の強行突入の際に犯人が射殺されただけでなく人質4人が死亡しました。いずれの容疑者もイスラム系の過激思想の影響を受けていたと考えられ、「アラビア半島のアルカイダ」との関連も取り沙汰されています。(12分)

メキシコの失踪学生たちは 米国が支援する「麻薬戦争」の犠牲者?

2012年メキシコ大統領に就任したエンリケ・ペニャニエト大統領は、ハンサムで華麗なイメージで欧米マスコミの寵児です。「メキシコを救う」政治家としてタイム誌の表紙を飾り、教育改革やエネルギー政策が絶賛されています。要するに新自由主義の性格であり、オバマ大統領とがっちり組んで多国籍企業の対外投資を保護する政策をメキシコで推進していることがマスコミ人気の秘訣のようです。しかし、ここへきて豪邸をめぐるスキャンダルが浮上し、学生失踪事件をめうる全国的な抗議行動が吹き荒れ、改革者のメッキも剥がれてきました。ローラ・カールセンによれば、メキシコ社会における暴力の拡大とまん延は、ペニャニエトが推進する新自由主義政策と表裏一体なのです。

バーニー・サンダース上院議員 ギリシャからプエルトリコまで金融ルールは1%のための八百長

メディアがなぜサンダース候補を取り上げたがらないかは、彼の主張を聞けばわかります。金融業界の大幅な規制強化と、1%が独占する巨大な富の再分配を訴えるバーニー候補の面目躍如というようなスピーチをお届けします。今年7月にワシントンの上院議員会館に経済専門家を集めて行われたフォーラムのもので、主要なテーマはギリシャの債務危機です。ギリシャの話が中心ですが、問題はギリシャにとどまるものではなく、世界の多くの国々が共有するものです。重過ぎる債務と極端な格差に苦しむ国が、債権者の強要する緊縮政策のために所得も経済もますます低迷し、社会的弱者が追い詰められ、民主主義も人権も踏みにじられていきます。ギリシャで起きていることは、この現代の病の構造をこの上なく鮮明にみせてくれるのです。

TPPの本当の危険:トランスカナダ社がパイプライン却下で米国に損害賠償を請求 WTO敗訴で精肉の産地表示も撤回

カナダに本社を置くエネルギー企業大手トランスカナダ社が、カナダ・米国間の石油パイプライン建設を認めない決定は不当であるとして、米国政府を提訴しました。この米国政府の決定は、気候変動対策を求める数十年にもわたる草の根運動に後押しされたオバマ大統領が大統領権限で実行したものでした。もし今回の決定が覆されると、米国の気候変動対策は大きく後退することとなります。一方、トランスカナダ社は、パイプラインの建設が認可されない場合、パイプラインの建設費用のみならず、投資によって将来得られたであろう利益も含めた150億ドルの賠償を要求しています。なぜ外国の一企業や投資家が、主権国家による公衆衛生や環境保護など公共の利益のための政策に対し、異議を申し立てられるのでしょうか?米国NGOパブリック・シチズンのロリ・ウォラック氏にうかがいます。(15分)

ケリー国務長官の広島訪問の陰で 米国は1兆ドルかけて保有核兵器をひっそりと刷新

オバマ大統領は5月26、27日に三重県で開催されるG7首脳会議(伊勢志摩サミット)に出席の後、被爆地の広島を現職の米国大統領として初めて訪問する予定です。今回の訪問は、日米が歴史問題を乗り越えて強固な同盟関係を築き、「核なき世界」の実現に向けた国際的機運を盛りあげる歴史的な一歩とうたわれています。しかし実際の政策を見ると、両国の首脳にそんなアピールをする資格があるのかどうかは疑問です。国民の反対をねじ伏せて原発を推進する日本政府には核兵器保有への下心が透けて見えますが、米国だって膨大な核兵器庫の刷新をひっそりと進めているのです。(9分)

スタンディングロック特集(2) 警察の過剰な取り締まりとアメリカ先住民へのシステマティックな差別の歴史

スタンディングロック特集の後半では、スー族でリーダーの一人、サラ・ジャンピングイーグル医師他への現地インタビューで、非常に多くの抗議者を微罪で連行・勾留し、全裸にして身体検査が行われていることが明らかに。このやり口は、法よりも尊厳の問題であり罪は深い。そのような屈辱的仕打ちは、少数民族に対する差別やヘイトが根底にあると指摘します。かつて受けた祖先の受難、虐殺と収奪の歴史におのずと思いが至ると言います。そのような過去の記憶と今もなお差別を受け続ける現実は、長く厳しい弾圧に耐える原動力となり、人権や環境正義の旗のもと「勝つまで戦う」というしぶとい抵抗となって人々の間に連帯と共感を生み、国際的ムーブメントを巻き起こしています。続いてアメリカ先住民の活動家であり、元米大統領候補にもなったウィノナ・ラデュークさんとタラ・ホウスカさんに話を聞きます。(20分)

フリント市民は汚染水に高額水道料 ネスレは地下水を無料で汲み上げ

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題2:「ミシガンの水戦争」の受賞作です。 2016年2月、水道水の鉛汚染で非常事態のフリント市を現地取材しました。市庁舎の裏では住民たちにペットボトル入りの飲料水が配られています。そこで配られていたネスレの「アイスマウンテン」は、フリントから車でほんの数時間のところにあるメコスタ郡の工場で製造されています。ネスレは毎分218ガロンもの地下水を毎日ミシガン湖に注ぐ帯水層から汲み上げていますが、その水に対しては一銭も払っていません。ネスレは無料で汲み上げた水をボトルにつめて世界中に販売していますが、その一方でフリントの住民は有毒物で汚染された水に米国で一番高い水道料金(おおよそ月に1万円以上!)を支払わされています。緊急措置として住民にネスレのボトル水が配られる光景は、新自由主義経済の矛盾の縮図のようです。(16分)

バーバラ・リー下院議員:終わりなき戦争を可能にしている9.11武力行使権限を撤回せよ

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題4:「武力行使の白紙委任状」の受賞作です。 9.11同時多発テロ事件から15年の節目に、米国の戦争拡大と恒久化の端緒となった武力行使権限(AUMF)を振り返ります。9月11日の攻撃から3日のうちに米国議会がほぼ全会一致で採択したAUMFは、この攻撃の責任者と協力者に対する武力行使の権限を大統領に与えるものです。これにより米国はアフガニスタンを攻撃し、米国史上で最長の戦争の端緒を開くことになりました。 しかし、この決議はその後に拡大解釈され、9.11事件とはなんの関係もない国々への軍事攻撃を議会に諮ることなしに行う根拠とされることになりました。シリア、ソマリア、イエメンと米国の戦闘領域は拡大し、多くの国民はその事実さえ知りません。おまけに、国際テロ防止を口実に自国民の通信内容まで盗聴することが可能になっています。(10分)

世界的な学校スト運動を触発した15歳の活動家グレタ・トゥーンベリに聞く―後半

2018年12月、第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)に参加するため、世界中からの政府代表がポーランドのカトビツェに集まっています。番組では、大人たちが二酸化炭素排出削減のために何もしないことを非難している15歳の気候活動家グレタ・トゥーンベリさんにじっくりと話を聞きます。彼女はスウェーデン議会前で気候変動に対する学校ストライキを行っていることで、国際的な注目を集めています。「私たちは私たち自身を今変える必要があります。なぜなら明日では遅すぎるかもしれないからです」とグレタさんは言います。彼女がたった一人で始めた学校ストは、今や世界規模の広がりを見せています。 (15分)

オカシオコルテス議員 「グリーン・ニューディールはエリート主義じゃない」

2019学生字幕翻訳コンテスト  課題2:「グリーン・ニューディール」の受賞作です ニューヨーク州選出の民主党下院議員アレクサンドリア・オカシオコルテスは、ミレニアル世代を代弁する注目の新人です。彼女の目玉政策の一つが「グリーン・ニューディール」という、大規模な再エネ投資で雇用をつくり出し、温暖化対策と貧困問題を一挙に解決する大胆な提案です。(7分)

ブラックウォーター 世界最強の傭兵軍の勃興 後編

 イラクでは現在10万人以上の「民間軍事会社」従業員が活動をしています。そのうちの多くの部分が、ひらたくいえば「傭兵」。頼まれればどこにでも傭兵を派遣する民間軍事産業は、9/11以降の政治情勢を背景にして大きく成長を遂げています。ブラックウォーターUSAは、そういった民間軍事会社の最大手、まさに「世界最強の傭兵軍」という呼び名がふさわしい存在といえます。ブラックウォーターが登場してきた背景と、戦争の民営化が巻き起こしている問題を、気鋭の調査ジャーナリスト、ジェレミー・スケイヒルが追いました。(18分)

マイケル・ムーア『シッコ Sicko』 続編 911救援隊員を連れてキューバのグアンタナモへ 前編

 東京での公開が始まった映画『シッコ Sicko』。アメリカの医療保険制度の病理を描いていますが、ここで扱われているのは、健康保険に入れない4000万人ではなく、健康保険に入って保険料を何十年も支払ったあげくに制度に裏切られる2億2000万人のアメリカ市民です。このセグメントでは、デモクラシー・ナウ!のアンカーウーマンであるエイミー・グッドマンが、マイケル・ムーア監督に50分間の単独インタビューをし、『シッコ』着想の背景、撮影をめぐるエピソード、アメリカ社会について考察などを聞いています。(30分)

マイケル・ムーア『シッコ Sicko』 続編 911救援隊員を連れてキューバのグアンタナモへ 後編

 東京での公開が始まった映画『シッコ Sicko』。アメリカの医療保険制度の病理を描いていますが、ここで扱われているのは、健康保険に入れない4000万人ではなく、健康保険に入って保険料を何十年も支払ったあげくに制度に裏切られる2億2000万人のアメリカ市民です。このセグメントでは、デモクラシー・ナウ!のアンカーウーマンであるエイミー・グッドマンが、マイケル・ムーア監督に50分間の単独インタビューをし、『シッコ』着想の背景、撮影をめぐるエピソード、アメリカ社会について考察などを聞いています。(後半20分)

「地球温暖化に取り組まないのは、何億もの貧しい人々に死刑を宣告するようなもの」:英国の環境活動家が訴える環境問題の倫理的側面

 イギリス「ガーディアン」紙のコラムニスト、ジョージ・モンビオ氏は最近『ヒート:燃える地球をどう救うか』という本を出版しました。彼は世界の科学者が主張する基準、2030年までに温室効果ガスを60%削減すること、を実現できれば、まだ地球を救う可能性は残っていると言っています。そのためには一部の人たちが心配しているように、自家用車の使用をあきらめたり、産業化社会を放棄することはなく、今人類が到達している技術を駆使することで十分に健全な地球を取り戻すことが出来るというのです。問題は技術ではなくむしろ人間の倫理なのだと彼は指摘します。各国政府の政治的な思惑が、技術的には可能な温暖化対策を妨げているのです。(25分)

グレッグ・パラストが語るハゲタカ・ファンドを終わらせるための戦い

 2005年、G8先進国会議はアフリカ14カ国を含む貧困途上国18カ国に対する債務免除に合意し、それを受けた世界銀行や国際通貨基金(IMF)などの国際金融機関は総額約570ドルの債務放棄を決定しました。2007年6月のG8会議でも、貧困国の債務免除についての合意が再度確認されました。ところが実際には、欧米に拠点を置く国際民間企業が起こす巨額の債務返済訴訟によって、債務免除によって生まれたせっかくの社会開発の資金が、貧困国から吸い上げられるという現象が起きています。「ハゲタカ・ファンド」と総称される複数の民間企業が法の抜け道をうまく利用して、貧困国の債権で儲けようとしているのです。 英BBCの記者グレッグ・パラストはこのハゲタカ・ファンドの実態を暴露するレポートを作成。そこで紹介されたハゲタカ達の手口は次のようなものでした(14分)

ヒップホップと政治、差別用語と差別発言  マイケル・エリック・ダイソン教授が語る 前編

 戦争、暴力、公民権運動、そしてヒップホップ、ハリケーン・カトリーナから人種差別政策まで、マイケル・エリック・ダイソン教授は一手に引き受けます。この14年間に14冊の著作を出し、いずれもベストセラー。黒人向け月刊誌の米『エボニー』誌は、「最も影響力のあるアフリカ系アメリカ人100人」のひとりに彼を選出しています。ダイソン教授はつい最近、ジョージタウン大学の最高位の教授職に就任しました。バプテスト派の牧師の資格も持ち、アフリカン・アメリカン研究と並んで神学も教えています。最新、ヒップホップ論を出版しました。 番組前半では、ラジオトークショー・ホストのドン・アイムスによる差別発言事件、ジーナ高校の黒人生徒訴追事件、ハリケーン・カトリーナ後の人災など、最近の社会問題についてコメント。後半ではヒップホップという芸術様式における政治性、そのレトリックがいかに鋭く社会状況を反映しているかを、具体例を挙げて語ります。(26分)
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