メタデータによる処刑 NSAの暗殺関与

ガーディアン誌を去ったグリーンウォルド記者が、DN出身のジェレミー・スケイヒルらと立ち上げた新メディア事業ファースト・ルック・メディアのデジタル・マガジン「ジ・インターセプト」。お披露目の記事は2人の共著で、国家安全保障局(NSA)の諜報活動に関する新たな発見です。エドワード・スノーデンの告発以来、NSAが世界中で行っている通信傍受については次々と新事実が明かされていますが、今回のスクープはそうした監視活動の枠を超えた、実戦におけるNSAの関与です。(32分)

緩慢なジェノサイド ウラン採掘の健康被害を先住民族が訴える

2013年、連邦政府はグランド・キャニオンから約10キロの地点でのウラン採掘を許可しました。既にナバホ(別称ディネ)民族の土地では1944年から1986年までの期間に390万トンのウラン鉱が掘り出され、現在では千カ所を超えるウラン廃坑と4つの閉鎖されたウラン製錬所がありますが、放射性廃棄物は適切に処理されず、多くが住民の生活圏に放置されています。ウラン採掘のために強制移住させられたナバホ民族は2万人を超えています。(17分)

奴隷とアイビーリーグ: 奴隷制度が支えた米名門大学の発展

今でこそアメリカの知と良識の府として尊敬を集めているアイビーリーグの名門大学ですが、創立期から19世紀半ばにいたるまで、アメリカの負の歴史にどっぷりと関わっていました。MITの米国史教授のクレイグ・スティーブン・ワイルダーの上梓までに10年をかけた労作、Ebony & Ivy: Race, Slavery, and the Troubled History of America’s Universities. (『エボニーとアイビー:人種、奴隷制、そしてアメリカの大学の問題ある歴史』)は、ハーバード、イェール、プリンストンを初めとする東部名門校が、奴隷貿易で財をなした実業家たちの富を財源とし、北米大陸はもちろん、西印度諸島のプランテーションで大もうけした人々の子供たちを学生としてリクルートし、大学としての基盤を築いていった歴史を跡づけます。

【EXPRESS】イラン・パペ:イスラエルは2014年にアパルトヘイト国家の道を選んだ

停戦交渉が停滞する中、イスラエルのガザ攻撃は激しさを増しています。すでにパレスチナ人の死者は1100人を超え、イスラエル兵も53人が死亡しています。意図的に一般市民を攻撃するイスラエルの戦争犯罪については、2008年末から2009年はじめにかけてオバマ就任直前に行われた前回のガザ侵攻のときと同じですから、とくに新しい字幕はつけていません。今回の侵攻に関しては、いまなぜ攻撃が繰り返されているのか、停戦のためには何が必要かという点にしぼって、簡潔にとりあげました。イスラエルのハイファから、歴史学者のイラン・パペへの短いインタビューをご覧ください。(8分)

マイケル・パウエルの置き土産とネット中立性を守るバトルの再開

この夏、米国ではインターネットの未来を決定する重大な決定が下されようとしています。コムキャスト、タイムワーナー・ケーブル、AT&T、ベライゾンなどの巨大ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)が一致団結してFCC(連邦通信委員会)に圧力をかけ、「ネットワーク中立性」を葬り去ろうとしているからです。この闘いを率いるのは、全米有線テレビ事業者連盟(NCTA)の会長で元FCC委員長のマイケル・パウエルです。彼はジョージ・W・ブッシュ大統領の国務長官を務めたコリン・パウエル将軍の息子です。パウエル長官といえば、2003年2月5日に国連安保理事会でイラクが大量破壊兵器を保有しているという誤まった報告を行いイラク侵攻への道を開いたことで歴史に記憶される人物ですが、本人はこれを生涯の汚点として後に悔やんでいます。息子のマイケルは当時FCCの委員長を務めていましたが、メディアの所有規制の緩和を企てたものの国民的な反対運動を招いて失敗し、2005年1月に退職した後はケーブル業界最大のロビー団体に天下りしました。今度は「ネット中立性」をつぶすための闘いでリベンジを狙っているようです。(22分)

アニマルライツ運動はテロリズム? 国家安全保障を隠れ蓑にする産業界

神戸女学院大学翻訳チームのみなさんが、デモクラシー・ナウ!の動画に字幕をつけてくださいました。彼女たちが取り上げてくれたのは、オバマ政権の秘密主義に敢然と立ち向かう情報公開法(FIOA)のスーパーヒーロー、ライアン・シャピロのインタビューです。MITで準備中のシャピロの学位論文は、国家安全保障関連の機構や表現技法が動物保護活動家を社会的に無力化するために利用されるというパターンが、19世紀末からずっと続いてきたことを追究しています。彼の研究手法は公文書を多様するもので、FBIに対し700件近い情報開示請求によりおよそ35万通の文書を請求して、司法省から「情報請求数ナンバーワン」のお墨付きをもらいました。FBIはシャピロが執筆中の博士論文の一部を国家安全保障上の脅威であるとみなしているそうです。(16分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル~(1)国民監視のウラとオモテ

世界24カ国同時出版で話題を呼んでいるグレン・グリーンウォルドの新著『暴露 スノーデンが私に託したファイル』。エドワード・スノーデンの勇気ある内部告発に協力し、最大限の効果を引き出すことに大きな役割を果たしたジャーナリストが、事件の当事者として証言している決定的な書籍です。事件の重要性を理解するには欠かせません。一時帰国した折にDNスタジオを訪れ、長時間におよぶインタビューで新著の内容を話しました。2日にわたる放送の最初の部分は、若干テクニカル。Collect It All(すべて収集せよ)という標語に象徴されるように、人間が交わすあらゆる電子通信を収集しようというNSA(国家安全保障局)の欲望と、グローバルな巨大通信傍受システムの広がりとその意味合いについて語ります。 。(25分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル~(2) 彼は超優秀なサイバー・スパイだった

特別長編インタビュー第一日目の後半部分では、これまで語られてこなかったエドワード・スノーデンの人物像が詳細に語られます。スノーデンが育った家庭環境や政治信念、そして米国の安全保障機構の中での急速な昇進と、そこで果たしていた役割など、従来のマスコミ報道とはまったく違った人物像が浮かび上がります。これらは内部告発に至った動機や、彼の告発の重大性を理解するのに決定的に重要な事実といえるでしょう。(22分)

USAIDは新たなCIA? 反カストロを煽動するSMSサービスを密かに構築

AP通信の特ダネ記事によって、キューバ「民主化」支援を隠れ蓑にした米国国際開発庁(USAID)による偽ツイッター作戦が暴露されました。キューバの俗語でハチドリの囀り声を指す「スンスネオ」(Zunzuneo)と名付けられた隠密作戦は、銀行の偽装口座やダミー会社など、国際諜報活動の古典的手法を駆使し、当初は当たり障りのない生活情報などを提供しつつ個人情報を違法に収集して若年層のネットワークを構築し、時が熟せば「キューバの春」を演出して社会不安を招き、革命体制転覆へ導くことを究極の目的として始められたものの、2012年半ばには極秘裏に活動を終えたとされています。米大統領府は「議会の承認を得た正規の人道支援だ」と強弁していますが、中央情報局(CIA)や国家安全保障会議などお馴染みの謀略・国防組織ではなく、表向き人道目的を掲げた中央官庁が主体となった工作活動は、米国社会に衝撃をもたらしました。ジョージ・ワシントン大学にある公益研究機関、国家安全保障関連資料館の「キューバ記録事業」責任者ピーター・コーンブルーに取材します(13分)

イスラム主義民兵団が各地で争うリビアの混沌 NATOの軍事介入はなにを招いたか?

リビアでは2011年にカダフィ政権が倒れて以来、暫定政府はできたものの国家再建は進まず、各地で民兵組織が乱立し再び内乱状態に戻っています。国の西部では首都トリポリの支配をめぐってジンタンやミスラタの民兵組織が闘い、議会を開くこともままなりません。また、ベンガジなど東部の諸都市ではイスラム主義の民兵組織が勢力を伸ばし、米国から帰国したハリーファ・ハフテル将軍の軍と激しく戦っています。トリニティ・カレッジで国際学を教えるヴィジャイ・プラシャド教授は、現在のリビアの混沌を招いたのは、2011年のNATOによる爆撃だと批判します(19分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル ~(4)既存メディアには現状を変えられない

グレン・グリーンウォルドへの長時間インタビューの締めくくりとして、ピュリツァー賞の受賞についての感想や米国の既成ジャーナリズムについての考えを聞きます。スノーデンの内部告発を徹底して報道したことに対しては、当時のNSA長官キース・アレグザンダーが「人命を危険にさらした」と厳しく非難しましたが、グレンにとっては権力者の怒りを買うことは「ジャーナリストとしての勲章」です。ところが暴露記事が続々と発表されるにつれ、同業者であるジャーナリストたちまで敵対的な態度を取るようになりました。「これはもはやジャーナリズムではない」と言うのです。彼らのジャーナリズムとは、どんなものなのでしょう?(11分)

イスラム国に処刑された米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリーの本当の声

日本人2人が処刑されたことで「イスラム国」(ISIS,ISIL)に対する関心は一気に高まりましたが、人質解放に失敗した日本政府の対応についての検証はまだこれからです。トルコやフランスの人質は解放されているのに、中東への軍事干渉には直接関与していない日本の民間人が殺されてしまったことには、おおいに疑問が残ります。脅迫ビデオでイスラム国の処刑人ジハーディ・ジョンから「安倍晋三、お前の責任だ」と名指しで非難された日本の総理は、そんなことは知らんぷりで、ここぞとばかりにイスラム国と戦うことの必要性を熱弁し、「政府に協力しない者はテロリストの味方」というロジックで、大手メディアを使って政権批判の声を封じています。これはジョージ・W・ブッシュの対テロ戦争ドクトリンをそっくりいただいたものですが、オバマの民主党政権になっても米国は「テロには屈しない」という念仏を唱えて交渉を避ける「拒絶主義」に変わりはありません。最初に処刑された外国人ジャーナリストであるジェームズ・フォーリーへのオバマ政権の対応を見れば、日本政府の行動との共通点が読み取れます。(20分)

マッチョな男像が横行する米国のゲーム界 女性蔑視への批判は命がけ

グローバル市場で年間百億ドル近い収益をあげるビデオゲーム業界。ヒット商品として脚光を浴びるのはバイオレンスあふれるゲームの数々です。実際には米国でゲームを楽しむ人々の4割以上が女性であるにもかかわらず、ゲーム業界は男の世界と位置づけられ、女性のゲームデベロッパーは3割に達しません。メディア批評家アニタ・サーキージアンは、米国の人気ゲームに登場する女性像を分析し、その多くがゲームの本筋に無関係な端役というだけでなく、ゲーマーの興奮をあおるためにレイプや殺しの対象として使われているという実態を指摘しました。(10分)

TPP 新たなリーク文書で国民の健康と医療への企業支配強化が鮮明になり 米国内の反発が高まる

世界的規模で巻き起こる反対運動にもかかわらず、大筋合意に向け最終段階に入ったと言われる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉。厳しい守秘義務が課され、議員でさえその膨大な内容と全体像が見えないとされ、その全容はいまだ闇の中です。ウィキリークスがこじ開けた穴からのぞくしかありません。そのわずかなリーク内容が発表されるたびに、あまりの不公平な内容になぜこのような条約が締結されようとしているのかと、各方面から強い反対の声が上がっています。この協定が成立すると、参加12カ国で世界GDPの約40%を占める自由貿易圏が形成されると言われます。今回取り上げた番組では、パブリックシチズンのピーター・メイバードゥクと、ヒューマンライツウォッチのジョン・シフトンをゲストに迎え、ウィキリークスが最近公表したリーク草案、「法的・制度的事項」の透明性に関する章の付属文書を基に、TPPの医療・医薬品問題や人権問題への影響について語っていただきます。(21分)

我々が支払う代償:オフショア資産隠しが国内の人々の金を盗むことになる理由

ドキュメンタリー映画The Price We Pay(『我々が払う代償』)を基にタックスヘイブンの問題を取り上げます。監督のハロルド・クルックス氏と、映画にも登場するエコノミストでタックス・ジャスティス・ネットワーク上級顧問のジェイムズ・ヘンリー氏をゲストに迎え、映画制作の動機や経緯、またタックスヘイブンの歴史的背景、納税を回避する手口と隠れ資産の実態、そしてその弊害について映画のシーンを交えて検証していきます。(15分)

ミシェル・アレグザンダー:現在の黒人大量収監のルーツは奴隷制度やジム・クロウ法に

☆ この動画は、「学生字幕翻訳コンテスト2015」の特別審査員賞の受賞者の作品です。 ミシェル・アレグザンダー教授へのインタビューの続きです。このセグメントでは、米国における黒人の異常な収監率の実態と、その裏にある歴史的な黒人労働力の搾取の問題に焦点を当てています。ファーガソンの住民の集団訴訟では、黒人を標的とした刑事司法システムを「現代版の債務者監獄」と呼んでいます。借金が返済できないと投獄され、働くか金を工面するかするまで収監されるという19世紀以前の制度が、現在の米国の刑事司法によって再現されているというのです。ほんの些細な違反をもとに黒人を検挙し、罰金→未納を理由に逮捕→実刑判決という流れでどんどん犯罪者をつくり出し、前科者の烙印を押して普通の生活ができにくくし、結局は刑務所を出たり入ったりの人生に陥れるという、いわば刑事司法による再奴隷化のシステムです。(16分)

ベルタ・カセレス追悼 ホンジュラスで暗殺された先住民&環境運動の指導者

2016学生字幕翻訳コンテスト 課題4:「軍事独裁は資源開発企業の天国」の受賞作です。 ホンジュラスの環境保護活動家ベルタ・カセレスが2016年3月に自宅で暗殺されました。彼女はホンジュラス先住民の土地への権利の運動を組織した中心的な人物でした。1993年に「ホンジュラス民衆と先住民の国民協議会(COPINH)」を仲間と共に設立しました。COPINHは何年も前から弾圧や殺害予告で脅されてきました。自分たちの生活を破壊する資源採鉱やダム建設に抗議して立ち上がったためです。カセレスは前年に、ゴールドマン環境賞という、草の根活動家を称え、環境分野では世界で最も栄誉ある賞を受賞したばかりでした。(15分)

映画 『トランプランドのマイケル・ムーア』(1)トランプ 白人男性 断末魔の恐竜の叫び

トランプ政権発足から1年余りが経ちました。大統領選時から「トランプ」の名前がメディアに登場しない日はほぼないと言っても過言ではなく、最近ではアフリカやハイチ、エルサルバドルといった国々に対する「肥溜め」発言など一国のトップとしては信じられない言動は、むしろ拍車がかかっているようにも見えます。しかし実のところ、私たちはトランプ大統領の発言の品位のなさや主張がころころ変わることなどにもはや耐性がついてきて、ひどいニュースにも「またか」と驚かなくなってきているのではないでしょうか。そういった意味でも、大統領選直前に作成されたマイケル・ムーア監督の映画『トランプランド』を取りあげた動画を見て、当時を振り返ることには意義があると思われます。(11分)

一国家それとも二国家? パレスチナ=イスラエルの未来に向けた新しい展望 前編

 2006年の秋、カーターはイスラエルの占領政策を「アパルトヘイト」という言葉を用いて批判する本を発表し、大きな論争を巻き起こしました。CNNテレ ビの「ラリー・キング・ライブ」にも出演して、占領の現状を率直に批判するとともに、この問題がいっさい報じられず、議論もされないことが、アメリカの大 きな問題だと指摘しました。(前半:12分)

理不尽な男 ラルフ・ネーダー 前編

 民主党と共和党という二つ利権集団が、さほど違わない政策を掲げながら二大政党として君臨し、それ以外の選択肢を有権者から奪っているアメリカ。この状況に業を煮やして、第三の道を選択する機会を提供すべく、1996年に「緑の党」から立候補したラルフ・ネーダーは、アメリカの市民運動を基盤とする政治家として以来ずっと大統領選挙に出馬し続けています。(15分)
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