コンゴ内戦の性暴力とアフリカの「資源の呪い」 前編

8月にアフリカを訪問したヒラリー・クリントン国務長官は、コンゴ民主共和国の東部のゴマ市に立ち寄り、内戦による性暴力の被害者たちと面会しました。コンゴではレイプが戦争の手段として使われ、おびただしい数の犠牲者が出ています。(10分)

「貧困は最大の人権問題」アムネスティ・インターナショナル事務総長

10月17日は国際貧困撲滅デーです。米国での貧困率はいまやこの11年間で最悪の13.2%にまで上昇しています。世界を見渡せば、人類の1/3にあたる20億人もが1日2ドル未満で暮らす貧困状態にあり、その半分の10億人は1日1ドル未満の極貧です。国連の発表によれば、世界では毎日10億人以上が飢えに瀕しています。でもアムネスティ・インターナショナルのアイリーン・カーン事務総長は、こうした数字だけでは、貧困の全体像は見えないと言います。経済支援だけでは解決しない、屈辱や差別、不安、抑圧が絡んでおり、貧困は世界が直面する最大の人権問題だと。(19分)

ブラックウォーターのパキスタン秘密戦争 民間会社の暗殺・拉致計画への参与

民間軍事請負会社Xe(旧称ブラックウォーター)が、タリバンやアルカイダと疑われる人物の暗殺や拉致など、パキスタン領内で米軍やCIAの秘密作戦の一端を担っていると、ジェレミー・スケイヒル記者がスクープしました。パキスタン国内で多数の死者を出している米軍無人機による爆撃にも、ブラックウォーターが関与している模様です。この計画は独立性が極めて高く、オバマ政権のトップや軍当局者さえも存在に気付いていない可能性があるといいます。ネイション誌に記事が発表された後、初のテレビ・インタビューをご覧下さい。(19分)

コチャバンバ「水戦争」から10年 民営化阻止の民衆闘争をふり返る

ボリビアのコチャバンバでは10年前、最も大切な天然資源である水をめぐり、壮絶な「水戦争」が起こりました。その数カ月前にはシアトルで、WTOへの抗議行動で総会が中止になっており、時を同じくして米大陸の南北で企業中心のクローバリゼーションに対する民衆の抵抗を象徴する事件が置きました。コチャバンバ市では政府が米国企業ベクテルに水道管理権を売り渡したことに危機感を抱いた民衆が一斉に立ち上がり、契約取り消しをもとめて広場を占拠しました。政府は軍を投入し、戒厳令を発令して弾圧しましたが、「水の権利」を守ろうとする民衆の反乱には勝てず、結局は民衆の要求に屈しました。2月と4月の二度にわたる壮絶な街頭闘争の結果、ボリビアの民衆はベクテル社を追い出しました。水戦争の当時、住民側の組織で重要な役割を担当したはたしたマルセラ・オリベラに当時の話を聞きます。(20分)

「ナイロビの蜂」原作者ジョン・ル・カレ特別インタビュー: グローバリゼーション、イラク戦争、情報操作

本日の番組では、世界的に著名な英国出身の小説家、ジョン・ル・カレ(本名:デビッド・コーンウェル)に長時間のインタビューを行いました。ル・カレの作家キャリアは50年に及び、スパイ小説の大家としての地位を築きました。今週刊行予定で、彼の22冊目の著作となる最新小説の題名は、Our Kind of Traitor(「こっちに寝返るやつ」)です。デビッド・コーンウェルは1950年代後半から60年代初頭まで英国の情報機関に勤めていました。冷戦のまっただ中の時代でした。3作目の小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は国際的なベストセラーとなりました。冷戦終結後もル・カレは意欲的に執筆活動を行い、さらにグローバリゼーションの不公平さや、歯止めの効かない多国籍企業の力、さらに企業の利益を保護するために国家のスパイ機関が果たす役割などに関心を向けるようになりました。「株主の名のもとに行われていることは、私にとっては、神の名のもとに行われる事と同じように恐ろしい」と、ル・カレは述べます。おそらく冷戦以後の時代の作品で最も知られているのは、何も知らされていないケニア人たちを危険で時には死に至る薬物試験に搾取する製薬会社を描いた「ナイロビの蜂」でしょう。米国で行われた貴重なインタビューの中で、ル・カレは、イラク戦争に対する英国のトニー・ブレア元首相の果たした役割、米政府の対イラン政策、国際的なマネーロンダリングについても語りました。

もう1つの9/11:1973年9月11日 米支援のピノチェトがチリの実権を握った日

チリで9.11と言えば、1973年の軍事クーデターを指します。米国の支援を受けたピノチェト将軍が、民主的に選挙で選ばれたアジェンデ政権を倒した日です。それ以降、チリでは独裁政権が反対派の誘拐や虐殺を繰り返して国民を恐怖に陥れ、その一方でシカゴ学派の主張に沿った新自由主義経済政策が徹底的に推進されました。このショックドクトリンの最初の「実験」は、その後、IMFの手動でバブル崩壊後の中南米全体に広がり、大多数の国民を困窮させて、現在の中南米のアメリカ離れの種を撒くことになりました。今ではそれが全世界に拡大していますが、今日の私たちが直面する問題の先駆けとなった事件として、チリ・クーデターの意義は一段と大きくなっています。(17分)

公共テレビの巨星ビル・モイヤーズ

アメリカの伝説的ジャーナリスト、ビル・モイヤーズが、民主主義擁護に賭けた気骨の生涯を語る特別番組です。モイヤーズはジョンソン大統領の若き報道官として1967年に公共放送法の成立を目撃し、公共放送の誕生に立ち会いました。ベトナム戦争が拡大していく中、ジョンソン政権内のハト派だったモイヤーズは「予算も労力も時間もすべてが戦争努力に吸い取られ」、公民権運動などジョンソンの国内でのせっかくの成果がいかされないことに失望。政権を離れ、ジャーナリストとしての活動を始めました。新聞を皮切りにテレビの世界にはいった彼は、放送ジャーナリズムの「第2世代のパイオニア」として、メジャーネットワーク局NBC、CBSのニュース解説者として活躍した後、公共放送局PBSでTV放送史に残る数々の名番組をプロデュースし、不動の地位を獲得しました。(30分)

「ウォール街を占拠せよ」 抗議運動のはじまり

 ニューヨークの金融中心地ウォール街に17日から数千人の抗議者が集まって始まった「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」と呼ばれる運動は、3日目を迎えた今日、デモ参加者が行進を行います。カイロのタハリール広場やマドリードのプエルタデルソル広場で行われた大規模な抗議運動に触発されて、数百人の参加者がこの2日間ウォール街の周辺で夜を過ごしました。デモラシー・ナウ!のサム・アルコフが撮影した抗議行動のビデオレポートを放送し、さらにブログ「非暴力闘争の遂行」(Waging Nonviolence)の編集者ネイサン・シュナイダーに、抗議行動の最新情報を現場から報告してもらいます。また一連の抗議運動に参加した人類学者のデイビッド・グレイバーにも話を聞きました。「(エジプトとスペインでの)デモ参加者の多くは若者で、大半はそれぞれの国の教育制度をまっとうし、多額の債務を抱えて卒業してみれば、就職するのは絶望的に難しいことが分かったのです。既存体制は彼らを完全に裏切った。もし生きる価値のある社会ができるとするなら、私たちはそれを自分たちの手で生み出す必要があります」とグレイバーは語りました。

ガンジーの非暴力とは~ガンジーの言葉を通して

ノーマン・フィンケルスタインは、イスラエル・ロビーに対する厳しい批判で知られるパレスチナ・イスラエル問題の論客です。ガンジーの時代のインドにパレスチナとの共通点をみつけ、ガンジー全集98巻の半分を読破したというフィンケルスタイン。そこでガンジーの非暴力が正しく知られていないことがわかったといいます。ガンジーにとって非暴力とはどういうものだったのでしょう。(17分)

『汚い戦争』―世界に広がるオバマの戦争

10周年を迎えたサンダンス映画祭ドキュメンタリー部門で初上映された映画『汚い戦争:世界は戦場だ』を制作した調査報道記者のジェレミー・スケイヒル氏と映画監督のリック・ローリー氏が、アフガニスタン、イエメン、ソマリアで拡大を続ける米国の秘密戦争について語りました。2期目を迎えたオバマ大統領は長期にわたる戦争を終結させると宣言したものの、国家機密特権や無人機爆撃を強化し、ブッシュ政権以上に戦争を拡大させた戦争政権だと語ります。

カトリック教会に巣食うファシスト 信徒虐待と解放の神学弾圧の関係

近年のカトリック教会はスキャンダルまみれで、同性愛者や女性の司祭を認めない偽善性に加え、幼児性愛嗜好の神父たちによって多数の被害者が出ていることがドイツやアイルランドや米国で暴露されました。ベネディクト16世は早いうちから事態を知りながら、犯罪者をかばって組織的なもみ消しを図り、それが被害の拡大につながったようです。イタリア人のあいだでも教会不信は頂点に達し、教皇の退位を求めるデモも起きました。長い歴史を誇る組織が、ボルジア以来といわれる途方もない頽廃に陥ったことには、なにがしかの説明がほしいものです。元カトリック司教マシュー・フォックスによれば、今日の惨状の原因は、がちがちの教条主義者ベネディクト16世が、ラッツインガー枢機卿と呼ばれていた時代に異端審問を復活させ、教会内部の異論を摘発し、排除したことにあります。

現代の戦争の姿を決定づけた自動小銃の発明者ミハイル・カラシニコフ 94歳で死去

元ソ連軍の技術者ミハイル・カラシニコフが設計したカラシニコフ自動小銃、別名AK-47は、世界で最も多く使用されている銃器の一つで、現在およそ1億丁が出回っているとみられます。人気の秘密は簡単な構造で、安価で信頼性が高く、手入れも簡単なことです。かつては反植民地、反帝国主義の解放闘争で大活躍した「革命」を象徴するような武器でした。冷戦時代にソ連が植民地の独立運動など西側に対抗する勢力に無償でどんどん配り、世界中に広まったためです。欧米のポップカルチャーでは今もゲリラ、というか「敵」を示すアイコンです。しかし、ソ連体制が崩壊した後は、状況が一変します。膨大なカラシニコフの在庫は国家の管理をはなれ、利益だけを求める闇商人の手に落ちて、紛争地で大量に売りさばかれるようになりました。特にアフリカの独裁者たちに銃を与えて天然資源を獲得する戦争ビジネスは、コンゴ シエラレオネ、アンゴラなどの紛争を長引かせ、子ども兵士が利用されるという問題も生み出しました。国際政策センターで武器と安全保障問題を担当するウィリアム・ハートゥングは、カラシニコフ銃こそが戦争を可能にしている20世紀最大の大量殺人兵器だと言い切ります。

悪魔のチェスボード:アレン・ダレス、CIA、米国の秘密政府の台頭 (2)ケネディ暗殺の陰謀

デイビッド・タルボットに新著『悪魔のチェスボード:アレン・ダレス、CIAとアメリカの隠された政府の隆盛』について聞きます。後半のインタビューでは、アメリカ近代史最大の謎、ケネディ大統領暗殺にも踏み込んで触れています。アイゼンハワー大統領時代にCIA長官に任命されたアレン・ダレスは、ケネディ政権の下でもその地位にとどまり、若い大統領をないがしろにして暗殺や破壊工作を続け、次第に疎まれるようになりました。(17分)

我々が支払う代償:オフショア資産隠しが国内の人々の金を盗むことになる理由

ドキュメンタリー映画The Price We Pay(『我々が払う代償』)を基にタックスヘイブンの問題を取り上げます。監督のハロルド・クルックス氏と、映画にも登場するエコノミストでタックス・ジャスティス・ネットワーク上級顧問のジェイムズ・ヘンリー氏をゲストに迎え、映画制作の動機や経緯、またタックスヘイブンの歴史的背景、納税を回避する手口と隠れ資産の実態、そしてその弊害について映画のシーンを交えて検証していきます。(15分)

バーバラ・リー下院議員:終わりなき戦争を可能にしている9.11武力行使権限を撤回せよ

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題4:「武力行使の白紙委任状」の受賞作です。 9.11同時多発テロ事件から15年の節目に、米国の戦争拡大と恒久化の端緒となった武力行使権限(AUMF)を振り返ります。9月11日の攻撃から3日のうちに米国議会がほぼ全会一致で採択したAUMFは、この攻撃の責任者と協力者に対する武力行使の権限を大統領に与えるものです。これにより米国はアフガニスタンを攻撃し、米国史上で最長の戦争の端緒を開くことになりました。 しかし、この決議はその後に拡大解釈され、9.11事件とはなんの関係もない国々への軍事攻撃を議会に諮ることなしに行う根拠とされることになりました。シリア、ソマリア、イエメンと米国の戦闘領域は拡大し、多くの国民はその事実さえ知りません。おまけに、国際テロ防止を口実に自国民の通信内容まで盗聴することが可能になっています。(10分)

ペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム機密文書)を世に出した3人の男たち 2:マイク・グラベル

「ペンタゴン・ペーパーズ」とは、ベトナム戦争に関してアメリカ政府がどのように政策決定を行ってきたかを第二次大戦直後からの歴史をたどって分析した国防総省の7000ページにわたるベトナム機密文書の俗称です。そこには米国政府が不拡大を約束しながら、じつはトンキン湾事件をでっちあげて直接介入を始め、北ベトナムだけでなくラオスやカンボジアも爆撃して故意に戦線を拡大したことなど、歴代の政権が国民を欺いて"泥沼"の戦争に引きずり込んでいった経緯が如実に記されています。この最高機密文書の一部を、1971年6月13日ニューヨーク・タイムズ紙がスクープしました。 (19分)

グレッグ・パラストが語るハゲタカ・ファンドを終わらせるための戦い

 2005年、G8先進国会議はアフリカ14カ国を含む貧困途上国18カ国に対する債務免除に合意し、それを受けた世界銀行や国際通貨基金(IMF)などの国際金融機関は総額約570ドルの債務放棄を決定しました。2007年6月のG8会議でも、貧困国の債務免除についての合意が再度確認されました。ところが実際には、欧米に拠点を置く国際民間企業が起こす巨額の債務返済訴訟によって、債務免除によって生まれたせっかくの社会開発の資金が、貧困国から吸い上げられるという現象が起きています。「ハゲタカ・ファンド」と総称される複数の民間企業が法の抜け道をうまく利用して、貧困国の債権で儲けようとしているのです。 英BBCの記者グレッグ・パラストはこのハゲタカ・ファンドの実態を暴露するレポートを作成。そこで紹介されたハゲタカ達の手口は次のようなものでした(14分)

「私に請求してくるスパイ」 -諜報活動の民営化

国家機密機構関連のリサーチャーであるR.J. ヒルハウスによると、アメリカの諜報活動予算の七○%がアブラクサス、ブーズ・アレン・ハミルトン、ロッキード・マーティン、レイセオンなどの大企業に対するアウトソースに割り当てられているという。彼女がワシントン・ポスト紙上で八月初旬に明らかにした調査結果だ。さらに、彼女の調査によると、これら企業の影響力が直接大統領執務室にまで及び、アメリカという国の意思決定を左右している。(19分)

「味方がないのに真実を訴えるのは、学者として途方もない勇気がいる」 ホロコースト産業を批判するフィンケルスタイン教授に圧力

 政治学者ノーマン・フィンケルスタインは、イスラエルの政策に対する強烈な批判で米国では異彩をはなっています。2000年に出版した『ホロコースト産業』では、米国のユダヤ系支配層やイスラエルが、ホロコーストという民族の迫害の記憶を利用して、自分たちの利益を増進し、ユダヤ文化の伝統を損なってきたと論じ、痛快な批判を繰り広げました。第二次世界大戦中にスイスの銀行がユダヤ人の資産を着服したとして、ユダヤ系の団体が一斉に騒ぎ立て補償を求めた事件について、あれは何の根拠もないゆすりだったと暴き、アメリカの外では大ベストセラーになりました。デモクラシー・ナウ!にもしばしば登場し、イスラエル支持の論客と鋭い論争を見せていました。 (19分)

メディア系列化容認に動くFCC クロスオーナーシップ 前編

米国ではメディア集中排除の見地から、一つの企業が新聞社とテレビ・ラジオ放送局を同じ都市において所有することが禁じられてきました。このメディア系列化規制の緩和に向けた動きがここへきて再び活発化し、激しい攻防が繰り広げられています。もともとメディア系列化(クロスオーナーシップ)が規制されていない日本では、この問題はあまり重要なものと捕らえられていないようです。なぜ米国では大勢の市民が反対の声を上げているのかを考えることは、メディアの系列化に鈍感になってしまった私たち自身を振り返る、よい機会でしょう。 昨年10月にケビン・マーティンFCC委員長がメディア所有規制容認の提案を出した時点のものと、12月18日のFCCの決議直前に放送されたもの、2本をご覧下さい。(10分)
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