追悼:マニング・マラブル、その生涯と遺作『マルコムX:創られた人生』

2011年4月1日、遺作Malcolm X: A Life of Reinvention(『マルコムX:創られた人生』)の発売数日前に亡くなったマニング・マラブル氏の功績と人となりを、学問と活動の分野で後輩にあたる知人2人が回想します。ジョージタウン大学の社会学者で、Making Malcolm: The Myth and Meaning ofMalcolm X(『マルコムXの誕生  マルコムXの神話とその意味』)の作者でもあるマイケル・エリック・ダイソンとマラブルの友人であり長年、労働・人種問題のアクティビストとして活動しているビル・フレッチャー・ジュニアが故人について語ります。(17分)

スティグリッツ 1%による 1%のための

 米国では富の格差がますます拡大し、上位1%の金持ちが国民総所得の25%を懐に入れます。過去10年の経済成長は上位2%が独り占めにしています。有り余る資金で金融ギャンブルをやり世界経済を危機に陥れたのも彼らですが、失業者が街にあふれるなか金融業界は空前のボーナスを配っています。しかも税金は払いません。政界に効率のよい投資をして、税制も規制も自分たちに都合のよいものに変えていきました。しかし、そんなことを続けては国全体が傾いてしまいます。(21分)

「緑の雇用」のバン・ジョーンズ、パワーシフトを訴える

なんとも、パワフル。ワシントンDCで2011年4月に開かれた「パワーシフト2011」会議の基調演説をお届けします。檄をとばしているのは、「環境のヒーロー」バン・ジョーンズ。「現代文明は死が燃料だ。化石燃料とは数億年前に死んだ生物。大地から死を掘り出してエンジンで燃やしている。葬儀もしないで発電所で死を燃やす。死はいまや空から降ってくる。それが、地球温暖化。死体をくべる社会はやめて、太陽など生きたエネルギーを使いましょう」。想像力をかきたてる鮮烈な論法です。(8分)

ルムンバ暗殺から50年 コンゴ独立の苦難

1960年、コンゴは春を迎えたはずでした。豊かな天然資源にめぐまれ「アフリカの宝石」と呼ばれながらも、19世紀末以来、まずはベルギーのレオポルド王個人の領地として、その後はベルギーの植民地として、象牙やゴム、ダイヤモンドなどの莫大な富を吸い上げられ、残虐な扱いを受けていた人々が、ついに独立を勝ち得たのです。独立運動の若き指導者、パトリス・ルムンバが民主的な選挙で首相に選ばれ、コンゴは理想主義と希望にわきあふれるかに見栄ました。だが、政権は10日も続かず、クーデターで追われたルムンバは逮捕され、翌1961年1月17日に惨殺されます。35歳の若さでした。

ノルウェーの大量殺人事件報道に見る「テロ」報道の色眼鏡

まず、おさらいから。2011年7月22日にノルウェーで起きた大量殺人事件。首都オスロでの爆破とウトヤ島のノルウェー労働党青年本部のキャンプ地での銃撃により計77人が殺害されました。事件が初めて報道されたときの衝撃にもかかわらず、多くの人々にとってこの事件はあっという間に色あせ、忘れさられました。なぜか?主流メディアが興味を失い、報道が消えたからです。憲法専門の弁護士で、政治と法律問題のブロガーでもあるグレン・グリーンウォルドが、イスラム過激派の「テロ」襲撃ではないとわかった途端に報道を放り出したメディア報道の歪みを分析します。(13分)

ゴールドマン・サックス VS ウォール街占拠 グレッグ・パラストが調査

ウォール街きっての有力銀行ゴールドマン・サックスが、ニューヨークの零細信用組合の募金イベントに脅しをかけたという事件。その裏には、受け取った公的救済資金を悪用して零細金融機関に圧力をかけようとするゴールドマンの悪巧みが・・・(13分)

ホウラ虐殺で高まる軍事介入の要請に警鐘 シリア内乱の危機

5月25日シリア中部ホムス近郊のホウラで100人以上の住民が虐殺された事件を受け、米国や英国の11カ国がシリアから外交官を退去させました。被害者には子供も多く含まれ、国連・アラブ連盟合同特使としてシリアの停戦調停交渉にあたっているコフィ・アナン前国連事務総長は、「シリアは転換点を迎えた」と発言しました。この事件が報道されると、さらなる虐殺を防げと軍事介入を求める声に勢いがつきましたが、最近現地から戻った中東ジャーナリストのチャールズ・グラスは、現地の人々は大半が武力介入に反対していると、慎重な対応を求めています。(12分)

スペインで緊縮財政に抗議のゼネスト 

欧州南部ではユーロ危機が続いていますが、スペインでは、国民の四分の一近くが失業という深刻な不況の中で市民のみに犠牲を押し付けようとする右派国民党政権による緊縮政策に反対して、ゼネストが行われました。番組では以前にデモクラシーナウの制作者だったフリーの記者マリア・カリオンさんを招き、ゼネストに至る経緯や、ウォール街などでの占拠運動の先駆けともいえるスペインの「インディグナドス」(憤慨する人々)運動などについてお話を伺います。またチリのピノチェト元大統領を人道に対する罪で逮捕して一躍有名になったスペインのバルタサル・ガルソン判事が、フランコ軍政による犯罪を追及するうち、違法盗聴容疑で職務停止を受けた事件についても背景を語っていただきます。カリオンさんは、モロッコが占領を続ける西サハラからの難民を支援する活動の一環として開催されている西サハラ映画祭の広報も担当しており、大手メディアが黙殺する西サハラ問題に関心を持ってほしいと呼びかけています。(19分)

NATOは存在すべきか? 同盟の目的とアフガニスタン戦争の将来を討論

5月にシカゴで開催された北大西洋条約機構(NATO)サミットは、加盟28カ国の他にアフガニスタンやパキスタンなども含めた50カ国の首脳クラスが集まる過去最大の会合となりました。会議ではアフガニスタンからの撤退計画が承認され、2013年中頃までに戦闘行動の中核を現地軍に移管し、2014年末には軍事訓練要員を残してISAF(NATOが率いる国際治安支援部隊)はすべて撤退します。これは本当に「責任ある形の終結」をもたらすのか、また戦後の再建に軍事同盟であるNATOがどこまで協力できるのか、そもそもNATOは何のために存在するのかについて考えます。東西冷戦もとうの昔に終わったのに、なぜいまだに大西洋軍事同盟が存在するのか?(18分)

NSAの内部告発者トーマス・ドレイクとオバマ政権による迫害 (2)

国家安全保障局(NSA)の内部告発者、トーマス・ドレイクに話を聞きます。彼はNSAの浪費や不適切な管理、憲法違反の疑いのある活動を報道機関に告発したため、当局の迫害を受けました。スパイ防止法に違反したとして起訴され、最長で35年の投獄という危機に直面しました。でも実際の起訴状にはスパイ行為の具体的な指摘はなく、政府の機密文書を自宅地下室に保管していたという微罪しかありませんでした。結局、この微罪をドレイクが認めるかわりに他の容疑はすべて取り下げるという司法取引が成立し、昨年2011年に裁判は結審しました。当時司法省の首席報道官だったマシュー・ミラーは今ごろになって、「起訴したのは勇み足だった」などと話していますが、明らかに司法を使った内部告発者への嫌がらせです。(12分)

米国公民権運動を20代の信念で支えたジョン・ルイス 投票権獲得の闘いを語る

フリーダムライドの運動に加わった時、ジョン・ルイスは20歳そこそこの大学生。ガンジーの流れをくむ非暴力直接行動を信奉し、頭を割られても激しい暴力と憎悪にさらされ40回も逮捕されながらも人々の良心の力を信じました。キング師が「私には夢がある」という有名な演説をした1963年のワシントン大行進では、SNCC(学生非暴力調整委員会)の議長として若者を代表して演説を行ない、南部での投票権獲得運動でも武装した警察の隊列に向かって停まることなく行進を続けました。その彼の徹底インタビューです。(50分)

『リデンプション』 大都市の片隅で空き缶回収で暮らす人々

多くの受賞歴を持つ映像作家コンビが、空き缶拾いで暮らす人々をカメラで追いました。長引く経済の低迷で、かつてはミドルクラスの収入を得ていた人たちが職を失い、空き缶回収で日々をしのぐ人がニューヨークで目立って増えてきたことがこの映画を作る背景だと言います。(8分)

元NSA職員ウィリアム・ビニーが国民監視体制の拡大を警告

国家安全保障局(NSA)が密かに進める大規模な通信監視プログラムの危険性について、元職員ウィリアム・ビニーが警告します。前回、この番組に登場したウィリアム・バンフォード記者の主要な情報源となった人物です。ビニーは長年NSAに努め、ネット時代に対応した情報収集システムの開発に深くかかわってきましたが、2001年9.11同時多発テロ事件が起きる直前にNSAを辞職しました。その段階でNSAがすでに違法で危険な大規模監視プログラムの開発に舵を切っていたからです。以後はマスコミを通じて計画の危険性を訴えてきましたが、そのためにFBIの家宅捜索を受けるなどの当局による威嚇も受けてきました。(18分)

米国の監視体制をあばいたNSA内部告発者エドワード・スノーデンが名乗り出る  インタビュー

米国政府が密かに行っている大規模な通信監視を暴露する内部資料が流出し、波紋を広げています。6月6日にはグーグル、マイクロソフト、アップルなど大手ネット企業9社の中央サーバーにNSAが直接アクセスして利用者の個人情報を入手する秘密プログラムPRISMの存在が明らかになりました。NSAの監視体制についてはこれまでも告発されてきましたが、動かぬ証拠となる内部資料がリークされたのは初めてです。マスコミも初めて大きく騒ぎ出し、ペンタゴン文書を超える破壊力を持つ米国史上最大のリーク事件です。6月9日、これらの内部資料を提供した人物が自ら名乗り出て、滞在先の香港のホテルでガーディアン紙のインタビューに応じました。エドワード・スノーデン氏は元CIA職員で現在はNSAのシステム管理者を務めるブーズアレン・ハミルトンの社員です。好条件の仕事と安楽な生活に恵まれた29歳の米国青年が、全てを投げ打って内部告発に踏み切った理由、そして名乗り出た理由をカメラの前で語りました。(15分)

「人殺しには手を貸さない」市民的不服従としての納税拒否

エド・ヒードマン氏が所属する「戦争抵抗者連盟」によると、米国在住者が収める連邦税の約半分が何らかの形で戦争に使われているそうです。元良心的兵役拒否者でもあるヒードマン氏は、自分が連邦政府に収める税金が戦争に使われることへの抵抗として40年間納税拒否を続けています。(12分)

ブラックパンサー党の日系人幹部リチャード・アオキはFBIの情報屋だったのか?

リチャード・アオキは日系アメリカ人でありながらブラックパンサー党の初代メンバー。パンサーの武装化を手助けした人物として伝説的な存在です。また1969年にはアジア系アメリカ人の活動家としてカリフォルニア州立大学バークレー校でストライキを指導しアジア系アフリカ人研究学部の設立に大きな貢献をしました。その彼がFBIの情報屋だったという疑惑が浮上し、アオキを高く評価する人々を驚愕させました。(34分)

コーネル・ウェスト オバマの偽善を批判―トレイボン・マーティン射殺裁判への発言で

マーティン・ルーサー・キング師の有名な演説『私には夢がある』を生んだワシントン大行進から50年。人種差別はなくなったのでしょうか?そんな問いに大きな疑問符をつきつけたのが、トレイボン・マーティン射殺事件でした。ご近所を歩いていた見かけないティーンエイジャーに目をつけた「自警団」の男ジョージ・ジマーマンが後をつけ、もみあいの末、射殺し正当防衛を主張したこの事件。ジマーマンがトレイボンをターゲットにしたのは、黒人だったから?裁判で出された判決は、無罪でした。これが正義と言えるのか?全米各地で抗議のデモが繰り広げられました。(25分)

米国が対エジプト軍事援助を一時停止 その実態は

米政府は2013年10月9日、エジプトへの軍事援助の一部を一時停止すると発表しました。1979年のイスラエル・エジプトの平和条約以降、イスラエルに次いで多額の軍事援助をエジプトへ供与してきた米国が実際に援助停止を決定したことは大きなニュースとして報じられました。しかし、アルジャジーラ英語放送でエジプトを取材したアンジャリ・カマトは、援助停止は暫定措置で象徴的行為にすぎないと指摘します。(13分)

「アパルトヘイトへのロードマップ」 バンツースタン化するパレスチナ国家

ネルソン・マンデラ氏の逝去でアパルトヘイト体制の打破について多くのことが語られています。良い機会ですので、パレスチナ自治政府とアパルトヘイトの相似性を検証した一年前の動画を掲載します。1012年11月29日、国連総会でパレスチナを主権国家として認める決議が圧倒的多数で採択されました。主権を認められたことの意義は大きく、歴史的な一歩だったのかもしれません。でも、現実に目をやれば、もろ手を挙げて歓迎というわけにはいきません。決議案を提出したマフムード・アッバース大統領の自治政府には、主権国家の実体がないからです。(19分)

ワシントンポストを買ったベゾスのアマゾン・ドット・コムはグローバル企業の象徴

ワシントンポスト紙がアマゾン・ドット・コムCEOのジェフ・ベゾス氏に売却されたことは、凋落が続く米国の新聞産業の転換点となるのかもしれません。2億5千万ドルという買収金額も、大富豪のベゾス氏にとっては資産の1%にもとどきません。米国を代表する有力新聞がポケットマネーで買えちゃう時代、言論もお安 くなったものです。文化も畑もまったく異なる国際ネット通販の創業者が、ワシントンポスト紙なんか買って何をするつもりか、いろいろ憶測を呼んでいます。 新聞事業の赤字体質は解消できるのか、大胆なオンライン化が突破口となるのか、などと。でも、もしかしたらベゾスさんは赤字のままでぜんぜん平気なんじゃ ないかしら。なにせ、ご本尊のアマゾン・ドット・コムが利益を出さない企業なのですから。(33分)
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