女性の権利とエジプトの民主化を求め続けるナワル・エル・サーダウィ

中東の大国エジプトは、合衆国から年間20億ドルに上る多額の援助を受けていますが、現ムバラク政権は民主主義に逆行する政策をとっています。著名なエジプト人フェミニスト、心理学者、脚本家のナワル・エル・サーダウィをファイヤー・ハウス・スタジオに向かえ、2007年3月のエジプトの憲法修正の動きをはじめとするエジプトの政治、宗教、フェミニズム運動などについて聞きました。(12分)

数百万人を飢えさせ責任を取らないウォール街の食糧バブル

2005年から2008年にかけて世界の穀物市場が高騰し、貧しい国々では食糧が不足して2008年には各地で飢餓暴動が起こりました。世界の飢餓人口は2億5千万人増加して10億人に達したと推測されています。価格の高騰は自然災害の多発だとかバイオ燃料ブームのためとか、当時さまざまな説明がなされましたが、どうやら決定的だったのは先物市場への巨額の金融投機だったようです。膨大な現金を抱えて運用先をあさっていた投資銀行が、穀物の商品先物市場をマネーゲームの対象として撹乱し、市場メカニズムをめちゃくちゃにしてしまったのです。

メルトダウンの危機

福島第一原子力発電所の事故に関しては、被害の範囲をできるだけ小さく見せようとする報道がめだち、海外メディアの報道とは大きなずれを生じています。いちばん情報を持っているはずの政府と東京電力が発表することが信用されなくなれば、パニックがますます拡大します。責任問題は後日かならず追及されるべきですが、今はとにかく情報を隠さないでほしい。

ナオミ・クライン:究極の危機「気候変動」を利用して軍国主義が台頭?

民主主義の否定に利用されかねない最大の危機としてクラインが恐れるのが気候変動です。ここ数年で気候変動を信じる人の割合は急激に減少しましたが、その現象は英語圏に偏っています。その理由は、気候変動を信じるかどうかはもはや科学ではなく政治信条の問題になっているからだと、クラインはオーストラリアの政治学者クリーブ・ハミルトンの論考(かつて相対性理論をめぐる論争が政治論争化したこととの興味深い比較)を紹介します。気候変動を信じないことは、いまや右派にとって右派であることの証明です。彼らが信じない理由は、気候変動論は「富の再分配を狙った社会主義者による陰謀」だからです。こんな言いがかりつけて忌み嫌うのは、気候変動に有効な対策をとろうとすると、ことごとく右派の主張を否定しなければならないからです。エネルギー効率を考えれば、輸送によるロスを抑える地産地消が必須になりますが、それは「自由貿易」の終わりを意味します。そして先進国は自分たちが引き起こした問題の被害者である途上国に、つけを支払わなければなりません。自由貿易とグローバル化という右派の2枚看板を下ろし、富の再分配によって南北格差を是正するように迫られます。(16分)

新たな黒人隔離:カラーブラインド時代の大量投獄

人種差別が無くなったはずの米国。2人の活動家兼著述家、ランダル・ロビンソンとミシェル・アレグザンダーが、黒人のアメリカを語ります。(26分)

チリ・クーデターから40年 ビクトル・ハラの遺族が米国で容疑者を提訴

2013年9月11日はもうひとつの9.11の40年目の記念日です。40年前のこの日、米政府が支援を受けた軍事クーデターにより、民主的に選ばれたチリ人民戦線政権のサルバドール・アジェンデ大統領は命を落とし、首謀者のアウグスト・ピノチェト(本来の発音は「ピノシェ」または「ピノチェ」)将軍による17年間の恐怖政治が始まりました。ピノチェトは左翼や労働運動、人権運動の活動家を徹底的に弾圧する一方、特にサッチャー英首相とニクソン・レーガン両米大統領の忠実な同盟者として極端な新自由主義「改革」を行い冷戦体制にあった西側諸国では「優等生」として称賛を得ました。クーデター直後に暗殺されたチリの伝説的な歌手ビクトル・ハラの妻でゲストのジョアン・ハラは、40年前にハラを殺害したとされる元軍人ペドロ・パブロ・バリエントスを米国で訴えています。バリエントスは在米歴約20年で米国籍を持っているため、ハラの遺族は国外で起きた人権侵害を米国の裁判所で審理することを認める連邦法に基づいて提訴しました。(24分)

クライン&ルイスの映画「これがすべてを変える」 気候変動の最前線で闘う人々が切り開く未来

ベストセラー『ショック・ドクトリン』で知られるナオミ・クラインとアルジャジーラの番組フォールトラインの元司会者アビ・ルイスが気候変動の課題に取り組む新作ドキュメンタリー映画『これがすべてを変える』を制作しました。クラインの同名著作の執筆と同時進行で制作された本作品はルイスが監督し、4年の歳月を掛けて5大陸9カ国を巡り、世界中に広がる気候正義運動を伝えています。映画の中で、「気候変動は危機ではなく、よりよい世界を作るチャンスだとしたら?」と問いかけるクラインとルイスに話を聞きます。(30分)

我々が支払う代償:オフショア資産隠しが国内の人々の金を盗むことになる理由

ドキュメンタリー映画The Price We Pay(『我々が払う代償』)を基にタックスヘイブンの問題を取り上げます。監督のハロルド・クルックス氏と、映画にも登場するエコノミストでタックス・ジャスティス・ネットワーク上級顧問のジェイムズ・ヘンリー氏をゲストに迎え、映画制作の動機や経緯、またタックスヘイブンの歴史的背景、納税を回避する手口と隠れ資産の実態、そしてその弊害について映画のシーンを交えて検証していきます。(15分)

7万人の断種につながりナチ科学者の弁護にも引用された米国史上最悪の最高裁判決

今回は、米国史上最悪と言われる最高裁判決が下された「バック対ベル訴訟」を取り上げます。1927年、米国の連邦最高裁は、精神病または知的障害と言われている人々に対し、州が不妊手術を強制することを可能とするバージニア州の法律を支持する判決を下しました。この訴訟の原告は、何の障害も持っていないにもかかわらず州の隔離施設に収容されていた、キャリー・バックと言う若い女性でした。判決は、バージニア州はバックに不妊手術を施す権利があるとするもので、判決文を書いたオリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア判事は、「知的障害が3代も続いたなら、もう十分だろう」と締めくくっています。この判決により、子孫を残すには「不適格」とされた6~7万人の米国人に強制的に不妊手術が行われました。この裁判について本を書いたアダム・コーエンに話を聞きます。(20分)

合衆国メディアの現状と問題点:メンフィスで開催されたメディア改革全国大会に数千人が参加

 今年1月に、テネシー州メンフィスで行われた「メディア改革全国大会」では、全米50州から数千人が駆けつけ、合衆国のマスメディアが直面する問題点と、変革のための提案を話し合いました。大会の発表者には、ビル・モイヤーズ、ジェシー・ジャクソン、ジェーン・フォンダ、ヘレン・トーマスなどが顔を連ねました。番組でも現地ロケを行い、何回かにわけてその様子を報道していますが、これはその第一弾です。(22分)

理不尽な男 ラルフ・ネーダー 後編

 民主党と共和党という二つ利権集団が、さほど違わない政策を掲げながら二大政党として君臨し、それ以外の選択肢を有権者から奪っているアメリカ。この状況に業を煮やして、第三の道を選択する機会を提供すべく、1996年に「緑の党」から立候補したラルフ・ネーダーは、アメリカの市民運動を基盤とする政治家として以来ずっと大統領選挙に出馬し続けています。(15分)

米国の通商政策とNAFTAが移民の大量流入をもたらす

 2006年のメーデーに大きな盛り上がりを見せた移民の権利要求運動ですが、150万人もの参加者が要求したのは、1986年の移民法改正時に行ったような「恩赦」による、無届の移民の即時合法化でした。でも議員たちの多くは、二大政党のいずれも「恩赦」には冷淡です。それに代わるものとして超党派で提案されているのがゲストワーカー制度ですが、どうやらこれは「外国人一時労働者」という底辺労働層を固定化するものです。その背後には、NAFTAに代表される米州自由貿易体制による構造的な貧困と移民流出、そのような人の流れに目をつけた大資本による、人の移動そのものの搾取という思惑が働いているようです。(10分)

『明日の思い出』 オルタナティブの思想家マイケル・アルバートの回想録

 資本主義に代わるものは何か?-「パレコン」(ParEcon:参加型経済)を提唱する米国の社会活動家、マイケル・アルバートの登場です。今年発表された回顧録にあわせ、ベトナム反戦を契機に目覚めた学生時代と教授だったノーム・チョムスキーとの出会い、共同創刊した言論誌『Zマガジン』やウェブ版『Zネット』などでの活動と理想の模索、「公平性・連帯・多様性・自主決定」の4つを価値観の柱とする「参加型経済」の提言に至るまで、根底に一貫するアルバートの思想と、実践の中でそれに形を与えようと奮闘してきた自らの歴史について語ります。(23分)

ブラッド・ウィルに捧ぐ インディメディア、スクウォッター、コミュニティガーデン、デヴィッド・ロヴィックス

2006年10月オアハカで死んだNYのインディメディア活動家ブラッド・ウィルを取り上げた一時間の後半部分です。ここでは、彼がニューヨークで番組を担当したマイクロラジオ放送局、90年代のニューヨークのスクウォットやコミュニティ・ガーデン保護運動の理念がさらに深く語られ、そこで実践されていた戦術こそが後に反WTO、反グローバリズムの運動の特徴として広まっていったものだと指摘されます。またオアハカの抵抗運動とサパティスタ蜂起の連続性や、今日の世界の抵抗運動にオアハカの運動は「多様性の歓迎」という1つの新しい要素を付け加えていることも指摘されます。(18分)

チャルマーズ・ジョンソン:復讐の女神ネメシス-アメリカ共和国の終焉 後編

 ギリシャ神話に出てくる復讐の女神「ネメシス」。おごり高ぶるナルシスに魔法をかけて自分自身に恋をさせ、湖に映った自分の姿を追って溺死させた話はあまりに有名です。元CIA顧問のチャルマーズ・ジョンソン氏は、そのネメシスに「アメリカ帝国」が狙われていて、このままでは立憲共和制が崩壊すると警告します。(17分)

スターバックスがエチオピア・コーヒーの商標登録に合意 ―― エチオピアのコーヒー農家に朗報

 エチオピア産のスペシャルティコーヒー豆は、アメリカでは1ポンド当たり25ドルで小売りされていますが、その同じ豆をエチオピアの貧しい農家は1ポンド当たり1ドル以下で売っています。エチオピア政府は、流通市場を管理し価格を引き上げるため、地元のコーヒー豆をアメリカでも商標登録しようとしていましたが、米コーヒーチェーン大手スターバックスがそれに反対。しかし、長い「紛争」の末、ついにスターバックスも商標権使用料支払い契約を締結することに合意しました。商標登録によるエチオピア農家の増収は、年間8800万ドルにのぼると推定されています。 (13分)

ヒップホップと政治、差別用語と差別発言  マイケル・エリック・ダイソン教授が語る 後編

 戦争、暴力、公民権運動、そしてヒップホップ、ハリケーン・カトリーナから人種差別政策まで、マイケル・エリック・ダイソン教授は一手に引き受けます。この14年間に14冊の著作を出し、いずれもベストセラー。黒人向け月刊誌の米『エボニー』誌は、「最も影響力のあるアフリカ系アメリカ人100人」のひとりに彼を選出しています。ダイソン教授はつい最近、ジョージタウン大学の最高位の教授職に就任しました。バプテスト派の牧師の資格も持ち、アフリカン・アメリカン研究と並んで神学も教えています。最新、ヒップホップ論を出版しました。 番組前半では、ラジオトークショー・ホストのドン・アイムスによる差別発言事件、ジーナ高校の黒人生徒訴追事件、ハリケーン・カトリーナ後の人災など、最近の社会問題についてコメント。後半ではヒップホップという芸術様式における政治性、そのレトリックがいかに鋭く社会状況を反映しているかを、具体例を挙げて語ります。(14分)

帰還兵が語るイラク市民への攻撃 「自分が同じことをされたら反乱軍に参加するに違いない」 前編

 イラク戦争の最前線で戦っているアメリカ兵たちは、この戦争をどう思っているのでしょうか?アメリカの進歩的週刊誌『ネイション』誌が、ほぼ雑誌全体を使って兵士50名の証言を掲載し、話題を呼びました。DN!ではそのうち数名に直接インタビューして、兵士たちの生の声をお届けします。(30分)

ハイチの苦難の歴史 黒人奴隷革命から大統領拉致まで ランダル・ロビンソン 前編

 民主的に選ばれた大統領が、未明に官邸を襲った他国政府の要員によって拉致され、国外に追放される。こんな無法な事件が4年前ハイチで起こりましたが、その事実は大手メディアでは報道されていません。カリブ世界の最貧国、政情不安のつづく破綻国家で、またもや軍事クーデターが起こったと片付けられているようです。ハイチはフランス革命時代に黒人奴隷が蜂起しフランスから独立した世界最初の黒人共和国です。その輝かしい歴史のために、この国は大きな代償を支払わされてきました。独立以来たえまなく続く欧米の敵意と干渉について、2004年のクーデターの詳細と、その後の現地情勢を調査したランダル・ロビンソンが語ります。 (33分)

「20世紀のメディア王」ルパート・マードック

2007年8月、ルパート・マードック率いるニューズ・コープ社が、米国でもっとも信頼されてきた大手新聞の一つ、ウォールストリート・ジャーナル紙を所有するダウジョーンズ社の買収に成功しました。この時点でニューズ・コープ社は世界中で176の新聞を所有したことになります。米国ではここ数年、マードックのような“メディア王”による報道機関の占有が進んでいます。報道の公正さと質の低下を危惧するジャーナリストたちは、利益追求を優先させる企業家によってメディアが売買される状況を深刻な危機であると声を上げています。(24分)
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