チョムスキー「米国にも民主化デモが必要だ」

ウィスコンシン州の反労働組合法制定をめぐって大規模な抗議運動がおきるなか、デモクラシー・ナウ!のスタジオを訪れた反体制知識人ノーム・チョムスキーが、最近のできごとを長期的な視点から論じます。第二次大戦直後から始まった米国の労働組合つぶしの動きの現在に至るまでの流れ、最近の米国で起きている故ロナルド・レーガン大統領の神格化、反テロ法とFBIによる強制捜査を使った政治活動家の弾圧など、さまざまな話題が取り上げられます。ウェブExclusiveからも、一部採用しました。

米国のイエメンでの秘密戦争 J・スケイヒル 

 イエメンでは、米国が支持するアリ・アブドラ・サレハ大統領政権から閣僚らが離反し、危機が高まっています。2ヶ月にわたる全国的な抗議運動の中、3月18日に首都サヌアでイエメン軍がデモ隊に発砲し45人が死亡、350人が負傷したことを受け、10人以上の軍の高級将校らが3月21日デモ参加者を守ることを宣言しました。ここ数年、米国はイエメンに数億ドルの軍事保障支援を提供してきました。「オバマ政権はイエメン国内での秘密戦争を拡大させ、イエメン軍、中でも特に米国の特殊作戦部隊によって訓練された精鋭の反テロ部隊への財政支援を激増させました」と、デモクラシー・ナウ!の通信員で独立系ジャーナリストのジェレミー・スケイヒルは言います。「もしアリ・アブドラ・サレハが米国が訓練した反テロ部隊を自分の国民に向けて放つことにしたら、事態はさらに悪化するでしょう。

オフショア金融とタックスヘイブンはグローバル経済の心臓部

ウォール街を占拠した米国の99%の怒りは、金持ちが税金で救済されてさんざん国の世話になっておきながら、ちっともフェアな税負担をしていないことです。日本の総理大臣も増税にひた走っていますが、増税の前に抜け穴を塞いでもらわなくちゃ。租税回避の代名詞が「オフショア」ですが、英国ジャーナリストのニコラス・シャクソンによれば、オフショア金融制度は単に租税回避の手段というだけでなく、秘密の保持によって法規制の抜け道を提供し、不透明なハイリスク取引を可能にする魔法のトンネル、ウォール街の資金力にあかせた政治への介入を陰で支える聖域なのです。(25分)

アノニマス参上:世界に広がるハクティビズム

アノニマスのように政治・社会的な主張を掲げてハッカー攻撃をしかけるオンラインのアクティビズムを「ハクティビズム」と呼びます。アノニマス関連の事件として有名なのは2010年12月、ウィキリークスの口座を凍結して支援金の送金を妨害したマスターカードとVISAにハッカー攻撃を仕掛け、サイトを一時的にダウンさせたことです。その他にも、ソニー、PayPal、アマゾン、バンク・オブ・アメリカ、サイエントロジー(宗教団体)、エジプト政府、チュニジア政府、シリア政府などが攻撃対象になりました。なんだかオソロシげな集団に聞こえますが、アノニマスの源流にあったのは日本の2チャンネル文化です。こんなふうに進化したのも、祭りのノリが嵩じたのかも。

労働組合や学生たちが合流 「新しい運動」の始まりか?

 「ウォール街を占拠せよ」(Occupy Wall Street)抗議デモは20日目に突入。ニューヨーク最強の労働組合のいくつかが今日、同市庁舎からこの抗議デモが陣取る金融街地区に向けてデモ行進を 行う予定です。また数千人とも予想されるニューヨーク市内の主要公立大学の学生たちも、授業料高騰に抗議する授業ボイコットを行うことで、側面支援をする ようです。一方、同様の「占拠」運動が米国中の都市に広がっています。4日には154組合9万人の労働者を代表する大ボストン圏労働協議会 (Greater Boston Labor Council)が「ボストンを占拠せよ」陣営への支持を表明しました。「我が国の権力の不均衡と我々の経済を台無しにしたウォール街の役割に光をあてた」というのが理由です。この「ウォール街を占拠せよ」運動が経済変革のための多様な草の根運動を誘発するのかどうか、今日は2人のゲストが議論します。ネイション誌の寄稿者でColorLines.comの編集主幹カイ・ライトは、同サイトで "Here’s to Occupying Wall Street! (If Only That Were Actually Happening)"(「ウォールストリートを占拠せよ」に乾杯!(それが実際に起きていればね))と題する記事を書いています。もう1人のアルン・グ プタはインディーペンデント(Indypendent)紙の編集者で、またThe Occupied Wall Street Journal (『ウォールストリートを占拠せよジャーナル』) という、同運動に連動した新聞の編集も行っています。同紙で彼は、”The Revolution Begins at Home” (アメリカで革命が始まった)と題する記事も執筆しました。

【EXPRESS】伝説的バンドCSN&Yのクロスビー&ナッシュがウォール街占拠ライブを語る

クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングのデヴィッド・クロスビーとグラハム・ナッシュが、ウォール街占拠運動の応援にかけつけました。政治的メッセージを発信しつづけてきた2人が、スタジオでウォール街占拠や原子力発電に反対する理由を語ります。ウッドストックの懐かしい映像やWhat Are Their Names? のアカペラ演奏もお楽しみください。

「企業人格化」を否定するため憲法修正を推進する人々

米国では企業が個人と同等の権利を有するという「企業人格化」の概念が極端に解釈され、企業にも合衆国憲法第一条(表現、出版、集会結社の自由)が適用されるので政治キャンペーンにどれほどお金をつかっても制限できないとする最高裁判所の判決(シチズンズ・ユナイテッド判決)が2010年に下されました。これによって米国の選挙では企業の資金が絶大な力をふるうことになります。これに反対する活動家たちが、憲法修正を求める運動を始めました。新たな修正条項をつくり、「企業は人権をもたない。主権を持つのは人間であり、議会や政府には企業を規制する権限はある」と明記するよう求めるものです。(3.5分)

ガンジーの非暴力とは~ガンジーの言葉を通して

ノーマン・フィンケルスタインは、イスラエル・ロビーに対する厳しい批判で知られるパレスチナ・イスラエル問題の論客です。ガンジーの時代のインドにパレスチナとの共通点をみつけ、ガンジー全集98巻の半分を読破したというフィンケルスタイン。そこでガンジーの非暴力が正しく知られていないことがわかったといいます。ガンジーにとって非暴力とはどういうものだったのでしょう。(17分)

ユタ州に巨大監視センターを建設するNSA

国家安全保障局 (NSA)がユタ州の山間の町ブラフデールに巨大な情報監視センターを密かに建設中であることが、長年NSAの動きを追い続けてきたジェイムズ・バンフォード記者のスクープで判明しました。(11分)

オリバー・ストーンの「語られざる米国史」前篇

アカデミー賞受賞監督オリバー・ストーンが、歴史家でアメリカン大学教授のピーター・カズニックと共同で、10回シリーズのテレビ番組Oliver Stone's Untold History of the United States(『オリバー・ストーンの 語られざる米国史』)を撮り、大部の書籍『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)を刊行しました。記録資料からの新発見や最近になって公開された公文書に依拠しながら、日本への原爆投下から冷戦、共産主義の凋落、そしてオバマ政権へとつながる米国史の全ての道程を批判的に検証しています。いわゆる「秘史」というよりも、顧みられず忘れられた米国政治の歴史を、政府や企業メディアが提示する公式見解とは違う視点で語り直すことに主眼を置いています。(23分)

元NSA職員ウィリアム・ビニーが国民監視体制の拡大を警告

国家安全保障局(NSA)が密かに進める大規模な通信監視プログラムの危険性について、元職員ウィリアム・ビニーが警告します。前回、この番組に登場したウィリアム・バンフォード記者の主要な情報源となった人物です。ビニーは長年NSAに努め、ネット時代に対応した情報収集システムの開発に深くかかわってきましたが、2001年9.11同時多発テロ事件が起きる直前にNSAを辞職しました。その段階でNSAがすでに違法で危険な大規模監視プログラムの開発に舵を切っていたからです。以後はマスコミを通じて計画の危険性を訴えてきましたが、そのためにFBIの家宅捜索を受けるなどの当局による威嚇も受けてきました。(18分)

TORプロジェクトのジェイコブ・アッペルボーム 歯止めのない捜査手法に懸念 

ジェイコブ・アッペルボームはTORプロジェクトの中心メンバー。すべての人が制約を受けずにインターネットを閲覧できる権利、自由に発言できる権利を保証するための匿名化ツール「TOR」の開発と推進にかかわってきたハクティビストです。彼は2010年のHope(Hackers on the Planet Earth)大会でウィキリークスのジュリアン・アサンジに代わって基調講演を行って以来、米捜査当局にマークされて度重なる取り調べを受けたり通信情報を監視されたりしています。「炭坑のカナリア」の役を買って出たというアッペルバームのgmailアカウントに関しては、全メールのメタ情報を引き渡すようFBIがグーグルに対してNational Security Letter (国家安全保障書簡)を出したらしいと言われています。(10分)

米国が対エジプト軍事援助を一時停止 その実態は

米政府は2013年10月9日、エジプトへの軍事援助の一部を一時停止すると発表しました。1979年のイスラエル・エジプトの平和条約以降、イスラエルに次いで多額の軍事援助をエジプトへ供与してきた米国が実際に援助停止を決定したことは大きなニュースとして報じられました。しかし、アルジャジーラ英語放送でエジプトを取材したアンジャリ・カマトは、援助停止は暫定措置で象徴的行為にすぎないと指摘します。(13分)

「ゴリアテ」─イスラエルで加速するレイシズム

ネタニヤフ政権下のイスラエル社会の変化について詳しく紹介するマックス・ブルーメンソールの新著Goliath: Life and Loathing in Greater Israel (『ゴリアテ-憎しみの国 大イスラエルでの生活』)が刊行されました。ブルーメンソールはネタニヤフ政権下のイスラエル社会について、「占領がイスラエル内に戻ってきた」と表現しています。西岸地区の過激な入植者たちがイスラエル内に戻ってデモや占拠を行い、イスラエル内に居住するアラブ系住民やアフリカからの移民とのあいだに大きな摩擦が生じているのです。イスラエルの新聞ハアレツ紙も アフリカ系移民に対する差別が加速していると伝えています。(12分)

ノーム・チョムスキー講演「中心の崩壊~ラディカルな想像力の再考」

もうじき来日するノーム・チョムスキー教授。3月5日と6日の二日間にわたって上智大学で行われる講演会は早々と予約締め切りになったようで、期待の大きさがうかがわれます。今の日本では、チョムスキー氏の講演もこれまでになく切実な響きを持って聞こえることでしょう。さて、そういうわけですから、デモクラシー・ナウ!でも、これを記念してとっておきの動画を配信します。(54分)

『戦争の身体』~(1) イラク傷痍軍人トーマス・ヤングの反戦運動を描く映画 

トーマス・ヤングが、退役軍人の日の前日、妻に看取られてひっそりと亡くなりました。イラクで負傷し、半身付随になりながらも薬物中毒から立ち直り帰還兵の反戦運動に身を投じた活動家です。彼を描いた2008年のドキュメンタリー映画Body Of War (『戦争の身体』)は大きな話題になり、他の帰還兵たちよりも脚光を浴びましたが、背後には同じような悲劇が無数に存在します。日々の生活の格闘から遂に力尽きるまでの彼の人生の軌跡は、9.11事件後の世界で戦争に突き進んだ米国の悲劇をきれいになぞっています。(31分)

サパティスタ蜂起から20年 NAFTAに立ち向かったメキシコ先住民が築いたオルタナティブ社会

NAFTAは米国、カナダ、メキシコの北米3カ国のあいだで結ばれた、TPPの元祖みたいな地域間自由貿易協定です。締結当時のうたい文句とは裏腹に、この20年で米国の雇用は失われ、メキシコではトウモロコシの生産が壊滅的な打撃を受けて農村地帯が困窮し、仕事を求めて米国に流入する無資格移民が百万人を超えています。自由貿易協定が引き起こすこのような悲惨な結果を当初から予測し、反対の声をあげて立ち上がったのが、メキシコの奥地の貧しい先住民たちだったことは、記憶に刻んでおきたいものです。NAFTAが発効した1994年1月1日、チアパス州の先住民が「NAFTAは自分たちへの死刑宣告だ」と訴え、自由貿易協定を推進するメキシコ政府に宣戦を布告しました。武装蜂起した農民中心のサパティスタ民族解放軍は、瞬く間にチアパス州の5つの主要な町を制圧しました。巧妙なメディア戦略も奏功して、この蜂起は世界に大きな衝撃を与えました。 あれから20年、サパティスタはチアパス州のおよそ3分の1を掌握し、サパティスモ(サパタ主義)と呼ばれる独自の方法論に基づいた自治を確立しています。(12分)

ノーム・チョムスキーが告白 本当は大学教育を受けていない 自分の映画も見ていない

アニメ手法を使った斬新な映画『背の高い男は幸せ?』(Is the Man Who Is Tall Happy?)のお披露目の上映で、主人公(?)のノーム・チョムスキーがミシェル・ゴンドリー監督の対談が行われました。チョムスキーは自分が受けた教育について「じつは私は研究者としての専門資格を持っていません」と、最初から聴衆をびっくりさせます。じっさい、言語学の世界に革命を起こした大学者も、若い頃には先行きが見えず、「このまま大学からドロップアウトしてキブツで暮らそうか」などと考える不安定な時期もあったようです。(8分)

怯えるフランスのムスリム 『シャルリエブド』襲撃後に高まるイスラム憎悪

年明け間もなく飛び込んできたフランスのシャルリエブド社襲撃のニュースは、「イスラム国」(ISIS,ISIL)の台頭が関心を集めていた時期でもあり、世界を震撼させました。「ホームグロウン・テロ」(自国民によるテロ行為)であったこと、メディアが標的になったことも衝撃的でした。日本では単に、フランス社会に溶け込めない移民の若者が、鬱屈を晴らすため過激思想に傾倒した上での犯行、という表層的な報道しかされなかった襲撃事件。一般のモスリムの声として紹介されるのは「テロは許されない、イスラムの教えに反する」というお定まりのパターンばかりでしたが、こちらのインタビューでは、フランスのモスリム社会内部からの視点で歴史的背景など重要なポイントを踏まえ、より深い内容となっています。(14分)

近代オリンピック秘史と祭りをダシにする惨事便乗型資本主義

いよいよリオ五輪の開幕です。『悪魔と踊るブラジル』の著者デイブ・サイリンと『パワー・ゲーム オリンピックの政治史』の著者ジュールズ・ボイコフ氏をゲストに迎え、オリンピックの歴史にまつわる興味深い事実や変質について話します。近代オリンピックの父クーベルタンは「愛と平和と環境保護」という理念を掲げましたが、その一方で巧妙に仕組まれたショーであり、排除のゲームであるという側面も浮かび上がります。
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