エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史  ―経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相 前編

 アメリカでは超ベストセラーなのに、なぜか日本では紹介されない本。どうみても日本人の興味を引きそうなのに、いまだに翻訳が出ないのが不思議なのが、ジョン・パーキンスのConfessions of an Economic Hit Man(『エコノミック・ヒットマンの告白』)です。グローバリゼーションの原動力となってきた、企業利益中心(コーポレートクラシー)の合衆国の世界支配戦略を、経済面で推進する勢力の深部で働いてきたと称する人物が、いかにこのシステムが第三世界の貧国を欺いて巨万の富をまきあげてきたかを内部告発。かつて英仏がしたような直接の軍事占領や植民地支配を伴わないアメリカ帝国の搾取構造が、ある意味、非常にわかりやすく説明されています。(30分)

農業関連大手モンサント社の恐怖の収穫

「世界的な食糧危機の今、買いだめするなら米よりモンサント株がお勧め」――何百万人もが飢餓に追い込まれる中、一部のアグリ企業は過去最高益をあげています。その筆頭がモンサント社、世界最大の種苗企業です。同社の遺伝子組み換え作物は、米国の食品チェーンにあふれており、次は乳製品を狙っています。あれ、モンサントって化学企業じゃなかったの? いえいえ、いつのまにかアグリビジネスに変身しているのです。しかし他人の迷惑をかえりみない強引で攻撃的な企業体質は、ダイオキシンやPCBを作り出した頃から変わっていないようです。バニティー・フェア誌の寄稿編集者ジェームズ・スティールに話を聞きます。(18分)

ハワード・ジン講演「戦争と社会正義」

ハワード・ジンは、米国で最も高名な歴史家の1人です。彼の古典的名著『民衆のアメリカ史』は、米国人の歴史観を大きく変えました。初版が出たのは四半世紀前のことですが、その後の総販売部数は百万部を超え、しかも毎年、販売部数が前年を上回るという、業界でも驚異の記録を打ち立てています。ハワード・ジンは第2次世界大戦で空軍に入隊し、爆撃手をつとめましたが、その体験から生涯にわたる反体制活動家、平和活動家になりました。40年以上にわたり、公民権運動や社会正義を求めるさまざまな市民運動に積極的に参加してきました。2008年11月4日の大統領選挙の数日後、ハワード・ジンがビンガムトン大学で行った「戦争と社会正義」という講演をお届けします。(58分)

「貧困の終焉?」グローバル経済の収奪構造をえぐるドキュメンタリー

オバマ大統領は2009年秋の国連総会で「極貧の撲滅をめざす」と宣言しました。しかし国際通貨基金(IMF)や世界銀行の予測では、世界金融危機の影響で途上国では貧困に分類される人の数が5300万人も増加します。国連調査では人類の3分の1以上が1日2ドル未満で暮らしています。こんな状態で、どうやって貧困をなくせるのか?経済版「不都合な真実」と呼ばれる映画『貧困の終焉?』(The End of Povertty?)は、世界には十分な資源があるのに何十億人が飢えているのは、途上国から先進国に富が流れ続ける不正な収奪システムがあるためだと説明します(20分)

「フォードランディア」失われたジャングル都市の盛衰

最近、本になった風変わりな実話です。1920年代に当時世界一の大富豪だった自動車王ヘンリー・フォードが、ブラジルのアマゾン奥地にゴム園を開き、アメリカ中西部の企業城下町を再現しようとした物語を通じて、この伝説の資本家の人生と人となり、理念と野望と傲慢について語ります(15分)

企業に無制限の選挙献金を許すシチズンズ・ユナイテッド判決に異議あり!

2010年の米中間選挙では、記録破りの選挙費用が使われました。その理由のひとつは、最高裁判所が1月に出したシチズンズ・ユナイテッド判決です。 この判決は、会社法人には、合衆国憲法修正第1条に基づく権利(信教、言論、出版、集会の自由、請願権)が保障されているとみなし、政府が企業の政治的な言論に制限をくわえることはできないとしています。この判決によって、企業や特殊利益団体が政治的な影響力を振るうために、公職選挙に特定候補を支持して無制限の金を使う道が開けました。 まさしく、金で買える民主主義の到来です。(17)

ブラックパンサー党の日系人幹部リチャード・アオキはFBIの情報屋だったのか?

リチャード・アオキは日系アメリカ人でありながらブラックパンサー党の初代メンバー。パンサーの武装化を手助けした人物として伝説的な存在です。また1969年にはアジア系アメリカ人の活動家としてカリフォルニア州立大学バークレー校でストライキを指導しアジア系アフリカ人研究学部の設立に大きな貢献をしました。その彼がFBIの情報屋だったという疑惑が浮上し、アオキを高く評価する人々を驚愕させました。(34分)

「ゴリアテ」─イスラエルで加速するレイシズム

ネタニヤフ政権下のイスラエル社会の変化について詳しく紹介するマックス・ブルーメンソールの新著Goliath: Life and Loathing in Greater Israel (『ゴリアテ-憎しみの国 大イスラエルでの生活』)が刊行されました。ブルーメンソールはネタニヤフ政権下のイスラエル社会について、「占領がイスラエル内に戻ってきた」と表現しています。西岸地区の過激な入植者たちがイスラエル内に戻ってデモや占拠を行い、イスラエル内に居住するアラブ系住民やアフリカからの移民とのあいだに大きな摩擦が生じているのです。イスラエルの新聞ハアレツ紙も アフリカ系移民に対する差別が加速していると伝えています。(12分)

クライン&ルイスの映画「これがすべてを変える」 気候変動の最前線で闘う人々が切り開く未来

ベストセラー『ショック・ドクトリン』で知られるナオミ・クラインとアルジャジーラの番組フォールトラインの元司会者アビ・ルイスが気候変動の課題に取り組む新作ドキュメンタリー映画『これがすべてを変える』を制作しました。クラインの同名著作の執筆と同時進行で制作された本作品はルイスが監督し、4年の歳月を掛けて5大陸9カ国を巡り、世界中に広がる気候正義運動を伝えています。映画の中で、「気候変動は危機ではなく、よりよい世界を作るチャンスだとしたら?」と問いかけるクラインとルイスに話を聞きます。(30分)

悪魔のチェスボード:アレン・ダレス、CIA、米国の秘密政府の台頭 (2)ケネディ暗殺の陰謀

デイビッド・タルボットに新著『悪魔のチェスボード:アレン・ダレス、CIAとアメリカの隠された政府の隆盛』について聞きます。後半のインタビューでは、アメリカ近代史最大の謎、ケネディ大統領暗殺にも踏み込んで触れています。アイゼンハワー大統領時代にCIA長官に任命されたアレン・ダレスは、ケネディ政権の下でもその地位にとどまり、若い大統領をないがしろにして暗殺や破壊工作を続け、次第に疎まれるようになりました。(17分)

「気づいていないから問題になっていない」 子ども向けメディアにおけるジェンダー格差

 映画『テルマ&ルイーズ』の主演女優ジーナ・デイビスは、子供向け番組におけるジェンダー格差に気づき、それをなくすのをめざして「シージェーン」というグループをつくりました。基金を集めて、子供向け映画・TV番組の中の男女別登場人物(動物を含む)を徹底分析した結果、一般映画の登場人物の75%が男性で、1990年から2005年に公開された上位100映画において、女性はわずか17%だったということがわかりました。女性登場人物の割合は、ここ15年間で進歩がほとんど見られなかったそうです。しかも、唯一出てくる女性キャラクターは、男性で成り立っている世界を滅ぼすための登場人物だったり、いなくなって初めてストーリーが始まるという設定だったり…。そんな例を面白おかしく混ぜながら、女優ジーナ・デイビスが、「シージェーン」結成の背景と目標を語ります。(メンフィスで行なわれたメディア改革会議での講演の収録です)(10分)

チョコレートのほろ苦い経済 児童労働廃止はかけ声倒れ

7年前、カカオ農園での過酷な児童労働廃止への努力を誓ったカカオ/チョコレート業界。けれども世界のカカオの4割を産する最大の生産国コートジボワールでは子供たちがいまも農園で働き、危険な作業に従事しています。児童労働を余儀なくする大きな原因は、貧困。圧倒的なパワーを裏づけに農民を支配し、カカオの積出港で買取り価格を抑えに抑えて巨利を得る穀物メジャー。この構造的問題を解決する取り組みが不足しています。前半のゲストはコートジボワールで現地取材しフォーチュン誌に「チョコレートのほろ苦い経済」という記事を寄稿したジャーナリストのクリスチャン・パレンティと「世界カカオ基金」のウィリアム・ガイトン理事長。後半では、フェアトレード・チョコレート「スィオ・チョコレート」の創立者兼CEOのジョー・ウィニーが、第三世界での体験をもとにチョコレート・ビジネスのもうひとつのあり方を話します。(24分)

コロンビア大学紛争から40年 当時の学生リーダー4人が振り返る

ジェームズ・クネン原作の映画『いちご白書』にも描かれ、一連の学園紛争の中でもとみに有名なコロンビア大学の学生ストを振り返ります。地元ニューヨークの大学であり、番組共同司会のフアン・ゴンザレスが当時の学生リーダーのひとりだったこともあって、同窓会的な雰囲気のなかで内輪の話がたっぷりと聞けます。(45分)

資本主義の問題に真っ向から挑むマイケル・ムーアの新作 『キャピタリズム~マネーは踊る』 前編

2009年9月末に米国で封切られたマイケル・ムーアの新作『キャピタリズム~マネーは踊る』(原題Capitalism: A Love Story 『資本主義─ある愛の物語』)の標的は、世界を隅々まで支配する資本主義そのもの。資本主義は悪の制度で、その本質はネズミ講だと喝破するムーア監督はこの映画で、民主主義を形骸化させ政治と社会を牛耳る金融資本と、それに寄生する議会と行政に正面から切り込み、返す刀で、問題の本質から目を背け弱者に責任を転嫁することで権力に擦り寄る大手報道機関を切り捨てます。2008年、リーマンブラザーズ証券の破綻とAIG保険の経営危機に端を発した世界同時不況、それに続く巨額の公的資金による金融業界救済。「デリバティブ」や「クレジット・デフォルト・スワップ」など、専門用語の煙幕に隠れて行われた「略奪」を誰にでも分るように説明するという野心的な作品を通じて、21世紀のための新しい経済秩序が必要だと提言する、マイケル・ムーア監督に独占インタビューしました。(30分)

"アメリカでいちばん危険な男"ダニエル・エルズバーグとペンタゴン文書

ベトナム反戦運動のハイライトとなった歴史的事件を二つ特集しました。ペンタゴン・ペーパーズの暴露については、すでに一度紹介しましたが、今回はその中心人物ダニエル・エルズバーグを取り上げます。ランド研究所のトップアナリストが、政府に背き終身刑を覚悟で内部告発をした動機はなんだったのでしょうか?(29分)

映画『グラニート』が描くグアテマラ集団虐殺に裁きを求める闘い

オットー・ペレス・モリーナ大統領をはじめ現在のグアテマラ政界で表舞台に立つ人々と、この国の暗い過去を結びつける新作ドキュメンタリー映画が完成しました。Granito: How to Nail a Dictator(『グラニート 独裁者を追え』)は、グアテマラ軍が民兵組織を使って20万人以上の国民を拷問し殺害した1980年代の大量殺戮の責任を問うため、40年にわたって証拠を拾い集めている人々の姿を追います。集団虐殺に対する法の裁きを求めるマヤ先住民の運動を記録に収め、大統領選でペレス・モリーナの対抗馬だったグアテマラ先住民活動家でノーベル平和賞受賞者のリゴベルタ・メンチュウにスポットをあてています。(17分)

罰せられる島ビエケス 米軍撤退後も続く被害

ビエケス島は米領プエルトリコの本島の東側に位置する、プエルトリコ全体の面積の20分の1にも満たない小島です。1940年代以来、米国海軍は爆撃演習場としてビエケス島の4分の3を使用し続け、そのため島は不発弾や様々な廃棄物によって高度に汚染されました。島民による粘り強い反演習闘争は1999年の誤爆による民間警備員の死で転換点を迎え、2003年 ついに海軍は演習場を放棄しました。しかし爆発物の処理や環境除染は殆ど進んでおらず、住民多数に重金属その他の有害物質の体内蓄積が報告され、癌発生率 も異常な高率のままです。(13分)

チリ・クーデターから40年 ビクトル・ハラの遺族が米国で容疑者を提訴

2013年9月11日はもうひとつの9.11の40年目の記念日です。40年前のこの日、米政府が支援を受けた軍事クーデターにより、民主的に選ばれたチリ人民戦線政権のサルバドール・アジェンデ大統領は命を落とし、首謀者のアウグスト・ピノチェト(本来の発音は「ピノシェ」または「ピノチェ」)将軍による17年間の恐怖政治が始まりました。ピノチェトは左翼や労働運動、人権運動の活動家を徹底的に弾圧する一方、特にサッチャー英首相とニクソン・レーガン両米大統領の忠実な同盟者として極端な新自由主義「改革」を行い冷戦体制にあった西側諸国では「優等生」として称賛を得ました。クーデター直後に暗殺されたチリの伝説的な歌手ビクトル・ハラの妻でゲストのジョアン・ハラは、40年前にハラを殺害したとされる元軍人ペドロ・パブロ・バリエントスを米国で訴えています。バリエントスは在米歴約20年で米国籍を持っているため、ハラの遺族は国外で起きた人権侵害を米国の裁判所で審理することを認める連邦法に基づいて提訴しました。(24分)

米国が対エジプト軍事援助を一時停止 その実態は

米政府は2013年10月9日、エジプトへの軍事援助の一部を一時停止すると発表しました。1979年のイスラエル・エジプトの平和条約以降、イスラエルに次いで多額の軍事援助をエジプトへ供与してきた米国が実際に援助停止を決定したことは大きなニュースとして報じられました。しかし、アルジャジーラ英語放送でエジプトを取材したアンジャリ・カマトは、援助停止は暫定措置で象徴的行為にすぎないと指摘します。(13分)

アニマルライツ運動はテロリズム? 国家安全保障を隠れ蓑にする産業界

神戸女学院大学翻訳チームのみなさんが、デモクラシー・ナウ!の動画に字幕をつけてくださいました。彼女たちが取り上げてくれたのは、オバマ政権の秘密主義に敢然と立ち向かう情報公開法(FIOA)のスーパーヒーロー、ライアン・シャピロのインタビューです。MITで準備中のシャピロの学位論文は、国家安全保障関連の機構や表現技法が動物保護活動家を社会的に無力化するために利用されるというパターンが、19世紀末からずっと続いてきたことを追究しています。彼の研究手法は公文書を多様するもので、FBIに対し700件近い情報開示請求によりおよそ35万通の文書を請求して、司法省から「情報請求数ナンバーワン」のお墨付きをもらいました。FBIはシャピロが執筆中の博士論文の一部を国家安全保障上の脅威であるとみなしているそうです。(16分)
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