オリバー・ストーンが中南米の政治変動に取り組んだ新作『国境の南』 後編

10月27日アルゼンチンのネストル・キルチネル前大統領が心臓発作で亡くなりました。90年代に極端な新自由主義路線を突っ走って経済破綻したアルゼンチンを、財政再建を迫るIMFの干渉をふり払った経済重視の政策で見事に立ち直らせた英雄です。訃報を受けて中南米諸国に大きな衝撃が走り、ブラジルのルーラ、ベネズエラのウーゴ・チャベス、ボリビアのエボ・モラレス、エクアドルのラファエル・コレア、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大など、南米諸国の大統領たちが、3日間の喪に服すと発表したそうです。中南米の指導者の間には今、1820年代の独立革命以来といわれる強い結束が生まれています。でも、この中南米の大きなうねりは、米国のメディアに無視されたり、歪曲して伝えられています。オリバー・ストーン監督の新作ドキュメンタリー『国境の南』は、南米6カ国の7人の大統領に直撃取材を行い、南米大陸を席巻する革命のほんとうの姿を伝えようとするものです。(15分)

アフリカの独立運動を支援したフィデル・カストロとキューバの知られざる歴史

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題6:「知られざる歴史」の受賞作です。 キューバのフィデル・カストロが2016年11月25日に亡くなりました。90歳で亡くなるまでに、CIAなどが仕組んだ暗殺計画を600回以上も潜り抜けてきましたが、2006年以降は健康がすぐれず、2008年に弟のラウル・カストロに正式に最高指導者の地位を譲りました。1959年に米国が担ぐキューバの独裁者フルヘンシオ・バティスタ政権を倒した革命の成功は世界中の革命運動に大きな刺激を与え、米国からは仇敵とみなされるようになりました。デモクラシー・ナウ!の一時間の追悼番組から、あまり知られていないアンゴラ紛争への直接介入についての部分を取り上げます。(13分)

グリーン・ニューディール 上院で否決 広がる運動を阻止する悪あがき

民主党のオカシオコルテス下院委員とマーキー上院議員が提出したグリーン・ニューディール(GND)決議案が3月26日、上院で否決されました。グリーン・ニューディールはオバマ以来の民主党の目玉政策の一つで、政府が再生可能エネルギーに大胆な投資をすることで多数の緑の雇用(グリーン・ジョブ)を作り出し、米国経済を2030年までにCO2排出ゼロに変えることを目指します。しかし、共和党が強引に採決に持ち込んだ結果、民主党議員はほとんどが棄権(賛否を示さない「出席」投票)、4名は共和党議員と共に反対票を投じました。グリーン・ニューディールは挫折したのでしょうか?(14分)

安全保障の幻想 国際的な監視と9/11後の民主主義

 警察がすべての住民の身上調書をひそかに作成し、秘密の基準に従って各個人に「危険度」をつける。この「危険度」に対し当人が異議を申し立てるすべはなく、たとえ誤った情報や、不完全な情報が自分について記録されていたとしても、それを訂正することはできない。そもそも自分についてどんな情報が記録され、どのように使われているのかも判らないし、なにを基準に国家への危険を測られているのかさえも知ることができない。9/11以降アメリカが他国の警察組織との協力で進めている国際的なテロ対策ネットワークは、データマイニングや統計的予測による「危険度」の割り出し、収集した個人情報の国際的な共有などによって、まさにジョージ・オーウェル的な世界をつくりあげているようです。(23分)

ブラッド・ウィルに捧ぐ インディメディア、スクウォッター、コミュニティガーデン、デヴィッド・ロヴィックス

2006年10月オアハカで死んだNYのインディメディア活動家ブラッド・ウィルを取り上げた一時間の後半部分です。ここでは、彼がニューヨークで番組を担当したマイクロラジオ放送局、90年代のニューヨークのスクウォットやコミュニティ・ガーデン保護運動の理念がさらに深く語られ、そこで実践されていた戦術こそが後に反WTO、反グローバリズムの運動の特徴として広まっていったものだと指摘されます。またオアハカの抵抗運動とサパティスタ蜂起の連続性や、今日の世界の抵抗運動にオアハカの運動は「多様性の歓迎」という1つの新しい要素を付け加えていることも指摘されます。(18分)

マイケル・ムーア『シッコ Sicko』 続編 911救援隊員を連れてキューバのグアンタナモへ 前編

 東京での公開が始まった映画『シッコ Sicko』。アメリカの医療保険制度の病理を描いていますが、ここで扱われているのは、健康保険に入れない4000万人ではなく、健康保険に入って保険料を何十年も支払ったあげくに制度に裏切られる2億2000万人のアメリカ市民です。このセグメントでは、デモクラシー・ナウ!のアンカーウーマンであるエイミー・グッドマンが、マイケル・ムーア監督に50分間の単独インタビューをし、『シッコ』着想の背景、撮影をめぐるエピソード、アメリカ社会について考察などを聞いています。(30分)

ハイチの苦難の歴史 黒人奴隷革命から大統領拉致まで ランダル・ロビンソン 前編

 民主的に選ばれた大統領が、未明に官邸を襲った他国政府の要員によって拉致され、国外に追放される。こんな無法な事件が4年前ハイチで起こりましたが、その事実は大手メディアでは報道されていません。カリブ世界の最貧国、政情不安のつづく破綻国家で、またもや軍事クーデターが起こったと片付けられているようです。ハイチはフランス革命時代に黒人奴隷が蜂起しフランスから独立した世界最初の黒人共和国です。その輝かしい歴史のために、この国は大きな代償を支払わされてきました。独立以来たえまなく続く欧米の敵意と干渉について、2004年のクーデターの詳細と、その後の現地情勢を調査したランダル・ロビンソンが語ります。 (33分)

コロンビア大学紛争から40年 当時の学生リーダー4人が振り返る

ジェームズ・クネン原作の映画『いちご白書』にも描かれ、一連の学園紛争の中でもとみに有名なコロンビア大学の学生ストを振り返ります。地元ニューヨークの大学であり、番組共同司会のフアン・ゴンザレスが当時の学生リーダーのひとりだったこともあって、同窓会的な雰囲気のなかで内輪の話がたっぷりと聞けます。(45分)

気候変動の第一人者ジェイムズ・ハンセン博士に政府の弾圧

ジェイムズ・ハンセン博士は、地球規模の気候変動に関する米国きっての専門家として広く知られています。25年にわたり、NASA(米航空宇宙局)のゴダード宇宙研究所の所長をつとめてきた彼は、1988年の議会証言で地球温暖化について警告し、この問題に初めて世界の注意を促しました。2006年1月ハンセン博士は、気候変動に早急に取り組む必要があるという研究結果の発表をブッシュ政権から妨害されたとニューヨークタイムズ紙に伝え、世界のメディアに大きく取り上げられました。ハンセン博士その人をスタジオにお招きして、お話を聞きます。(38分)

ブラックパンサー党シアトル支部設立から40年

40年前、米カリフォルニア州オークランドに本部を置くブラックパンサー党は、初の支部をワシントン州シアトルに結成しました。当時まだ19歳だったアーロン・ディクソンは、支部結成から4年にわたり支部長を務めました。現在はコミュニティ活動家、人権活動家として著名なディクソンに、人種的平等のための取り組みの過去と現在について聞きました。(9分)

先住民作家ルイーズ・アードリックの独立系書店

第一作『ラブ・メディシン』で全米書評家連盟賞を受賞して以来、数多くの作品を葉表してきたアメリカの先住民系作家ルイーズ・アードリックに聞きます。彼女が家族と経営するミネアポリスの独立地方書店バーチバーク・ブックスは、先住民コミュニティを活性化する知的活動の場を提供し、集会場や展示場、サロンの役割もそなえたユニークな書店です。母方は先住民、父方は白人という異文化混合の家庭で育ったアードリックは、さまざまな文化の混合こそが現在の米国の姿なのだと言います。(9分)

「ファミリー」米国権力の中枢にひそむキリスト教原理主義

ムスリム撲滅の使命に燃えるエリック・プリンスのような狂信者とは異なり、米国のキリスト教右派の中にはもっと実利的で、力と支配を追求する勢力もいるようです。世間には知られない最強のキリスト教原理主義運動といわれるのが、「ファミリー」と呼ばれる政治秘密結社です。有力メンバーには、米国の連邦議員や財界人、軍幹部、また外国の国家元首などが名を連ね、共和党も、民主党もなく、すべての党派に勢力を分散させ、「聖書資本主義」と呼ばれる徹底した自由競争を追求します。まさに市場の「見えざる手」への信仰なのです。『ファミリー』の著者ジェフ・シャーレットが、この秘密集団について驚くべき発見を語ります(19分)

フレッド・ハンプトンの死 FBIとシカゴ市警によるブラックパンサー暗殺

1960 年代末、社会正義を求める米国の市民運動は疾風怒濤の時期を迎えていました。リベラルな白人たちをもまきこんだ人種差別撤廃運動は1964年の公民権法制定で輝かしい勝利をおさめましたが、1968年のマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の暗殺やベトナム戦争など米国社会が抱える暴力は若者の怒りと不満を掻き立てました。中でも都市部のゲットーでは差別され職も希望も奪われたまま貧困にあえぐ黒人の若者たちが暴動を起こし、警察の暴力に直面していました。自分たちが手にしてもいない米国の「民主主義」を海外にもたらすためベトナム戦争のもっとも危険な前線に真っ先に送られるという理不尽な矛盾も彼らの怒りをあおりたてました。(24分)

パキスタンの米軍と前代未聞の洪水被害

2009年8月に発生した大洪水によって、パキスタンは国土の5分の1が浸水、約2千万人が被災したと言われています。発生1カ月たっても水は引かず、被災者は寸断された道路やシェルターに取り残されたままでした。未曾有の災害となった洪水の救援活動から戻ったばかりのフェリヤ・アリ・ガハルさんに聞きました。パキスタン出身の俳優、映画監督、作家、人権運動家のガハルさんは、米国の無人機攻撃と洪水との間に具体的な関係があると言います。

米大統領の判断で米国市民の無期限勾留が可能に?

米国の国防権限法(NDAA)は国防プログラムと年次予算の大枠を定める法律で毎年改訂されます。かつては「国防授権法」と訳されていましたが、全権委任するものではありません。2012年度の米国防権限法は、日本では在沖縄米海兵隊のグアム移転費が全額削除されたことで大きく報道されましたが、この法案には米国国民にとって大きな問題となる条項 が入っていました。2001年、9.11の犯人を捕獲する目的で可決された「テロリストに対する軍事行使権限付与決議」(Authorization for Use of Military Force Against Terrorists) を拡大解釈して、大統領はテロ組織に関与していると判断した人物を、裁判手続きなしで無期限に拘束できる権限があると書かれていたからです。(12分)

オリバー・ストーンの「語られざる米国史」前篇

アカデミー賞受賞監督オリバー・ストーンが、歴史家でアメリカン大学教授のピーター・カズニックと共同で、10回シリーズのテレビ番組Oliver Stone's Untold History of the United States(『オリバー・ストーンの 語られざる米国史』)を撮り、大部の書籍『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)を刊行しました。記録資料からの新発見や最近になって公開された公文書に依拠しながら、日本への原爆投下から冷戦、共産主義の凋落、そしてオバマ政権へとつながる米国史の全ての道程を批判的に検証しています。いわゆる「秘史」というよりも、顧みられず忘れられた米国政治の歴史を、政府や企業メディアが提示する公式見解とは違う視点で語り直すことに主眼を置いています。(23分)

ミシェル・アレグザンダー:現在の黒人大量収監のルーツは奴隷制度やジム・クロウ法に

☆ この動画は、「学生字幕翻訳コンテスト2015」の特別審査員賞の受賞者の作品です。 ミシェル・アレグザンダー教授へのインタビューの続きです。このセグメントでは、米国における黒人の異常な収監率の実態と、その裏にある歴史的な黒人労働力の搾取の問題に焦点を当てています。ファーガソンの住民の集団訴訟では、黒人を標的とした刑事司法システムを「現代版の債務者監獄」と呼んでいます。借金が返済できないと投獄され、働くか金を工面するかするまで収監されるという19世紀以前の制度が、現在の米国の刑事司法によって再現されているというのです。ほんの些細な違反をもとに黒人を検挙し、罰金→未納を理由に逮捕→実刑判決という流れでどんどん犯罪者をつくり出し、前科者の烙印を押して普通の生活ができにくくし、結局は刑務所を出たり入ったりの人生に陥れるという、いわば刑事司法による再奴隷化のシステムです。(16分)

「異様に暖かい」冬の北極 科学者たちは気候変動の最悪シナリオ見直しへ

2018学生字幕翻訳コンテスト  課題4:「悪化する温暖化シナリオ」の受賞作です 北極圏で異様に温暖な気温が続き、科学者たちに衝撃が広がっています。北極では10月から3月下旬まで太陽がまったく昇らない極夜にもかかわらず、グリーンランド北端の気象観測点で、2018年に入ってから氷点越えが61時間に達する前代未聞の事態になっています。国連の専門家会議による報告書の草稿によれば、科学者たちは1.5から2度の気温上昇で「夏季に北極圏から氷が消滅する危険性は50パーセント以上」としています。(7分)

デブ・ハーランドの内務長官指名は先住民系米国人にとって「重要な一歩」

2021学生字幕翻訳コンテスト  課題4:「マイノリティの政治進出」の受賞作です。<br><br> 2020年12月、ジョー・バイデン次期大統領が、ニューメキシコ州の下院議員デブ・ハーランドを内務長官に指名しました。議会が承認した場合、ハーランド議員は先住民系米国人としては初めて閣僚の地位に就くことになります。ハーランドの指名は進歩派や120人以上の部族指導者たちが後押ししているもので、彼らは前の月にバイデン議員に手紙を送り、彼女を内務長官に選ぶよう促していました。「これは次期バイデン政権にとって非常に重要な一歩でした」と、オナー・ジ・アース(Honor the Earth)の事務局長ウィノナ・ラデュークは言います。彼女は農村地帯開発経済学者で、ネイティブ・アメリカン活動家です。「インディアンの人々こそが、この土地を管理する方法を知っています」。(7分)

チャベスと希望の枢軸 タリク・アリの新著『カリブの海賊』

1998年の初当選以来、中南米の台風の目となってきたチャベス大統領は、従来の対米従属に代わる新しい世界観を打ち出し、キューバやボリビアを巻き込んで希望の枢軸を形成していると、タリク・アリは述べます。「イラクの状況は、あまりにも絶望的です。いま必要なのは、世界は変えられるという希望を与える本だと思いました。アラブ世界の絶えまない流血は心を暗くしますが、中南米に目をやれば、かつては米国の支援する独裁者が民衆の運動を力で抑えていたのに、いまやチャベスやモラレスが民主的に選出され、選挙で公約したとおりの政策を実行しています。新自由主義の深い眠りから、この世界をゆり起こすのは可能なのです」。 (17分)
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