ルムンバ暗殺から50年 コンゴ独立の苦難

1960年、コンゴは春を迎えたはずでした。豊かな天然資源にめぐまれ「アフリカの宝石」と呼ばれながらも、19世紀末以来、まずはベルギーのレオポルド王個人の領地として、その後はベルギーの植民地として、象牙やゴム、ダイヤモンドなどの莫大な富を吸い上げられ、残虐な扱いを受けていた人々が、ついに独立を勝ち得たのです。独立運動の若き指導者、パトリス・ルムンバが民主的な選挙で首相に選ばれ、コンゴは理想主義と希望にわきあふれるかに見栄ました。だが、政権は10日も続かず、クーデターで追われたルムンバは逮捕され、翌1961年1月17日に惨殺されます。35歳の若さでした。

ガンジーの非暴力とは~ガンジーの言葉を通して

ノーマン・フィンケルスタインは、イスラエル・ロビーに対する厳しい批判で知られるパレスチナ・イスラエル問題の論客です。ガンジーの時代のインドにパレスチナとの共通点をみつけ、ガンジー全集98巻の半分を読破したというフィンケルスタイン。そこでガンジーの非暴力が正しく知られていないことがわかったといいます。ガンジーにとって非暴力とはどういうものだったのでしょう。(17分)

『汚い戦争』―世界に広がるオバマの戦争

10周年を迎えたサンダンス映画祭ドキュメンタリー部門で初上映された映画『汚い戦争:世界は戦場だ』を制作した調査報道記者のジェレミー・スケイヒル氏と映画監督のリック・ローリー氏が、アフガニスタン、イエメン、ソマリアで拡大を続ける米国の秘密戦争について語りました。2期目を迎えたオバマ大統領は長期にわたる戦争を終結させると宣言したものの、国家機密特権や無人機爆撃を強化し、ブッシュ政権以上に戦争を拡大させた戦争政権だと語ります。

CIA 麻薬取引 中南米の反革命ゲリラのつながりを暴いて葬り去られた記者ゲイリー・ウェブ

新作劇映画<cite>Kill The Messenger</cite>(『使者を殺せ』)の主人公は、タブーを破ってCIAの犯罪を報道したために主流の企業メディアによって誹謗中傷されて職を失い、最後には自ら命を絶った報道記者ゲイリー・ウェブ氏です。1996年サンノゼ・マーキュリー・ニュース紙(San Jose Mercury News)に、Dark Alliance(「暗黒同盟」)と題する衝撃的な記事を発表し、1980年代に全米で大問題になったクラック・コカインの密売が、CIAによって組織されたニカラグアの反政府右翼武装組織コントラの資金源であることをスクープしました。(18分)

大学は行く価値があるのか? 新作映画が描く高等教育機関の持続不能の支出と学生ローン

米国の大学の学位取得のための費用は過去30年で1120%も高騰し、食品や医療、住宅など他の生活必需品の物価上昇率をはるかに上回っています。学生ローンの貸付総額は1兆2000億ドルにも達し、第二の住宅バブルとまで呼ばれて経済を脅かす要因になっており、それだけでなく国の教育制度そのものも脅かしています。( 9分)

7万人の断種につながりナチ科学者の弁護にも引用された米国史上最悪の最高裁判決

今回は、米国史上最悪と言われる最高裁判決が下された「バック対ベル訴訟」を取り上げます。1927年、米国の連邦最高裁は、精神病または知的障害と言われている人々に対し、州が不妊手術を強制することを可能とするバージニア州の法律を支持する判決を下しました。この訴訟の原告は、何の障害も持っていないにもかかわらず州の隔離施設に収容されていた、キャリー・バックと言う若い女性でした。判決は、バージニア州はバックに不妊手術を施す権利があるとするもので、判決文を書いたオリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア判事は、「知的障害が3代も続いたなら、もう十分だろう」と締めくくっています。この判決により、子孫を残すには「不適格」とされた6~7万人の米国人に強制的に不妊手術が行われました。この裁判について本を書いたアダム・コーエンに話を聞きます。(20分)

気候変動で世界の寄生虫の3分の1に絶滅のおそれ 影響は甚大と米科学者

気候変動
「現在進行中の気候変動によって、2070年までに地球上の寄生生物の約3分の1が絶滅する」との可能性を指摘した論文、"Parasite biodiversity faces extinction and redistribution in a changing climate"(気候変動により絶滅と分布の変化を迫られる寄生生物の多様性)が、査読付きの科学論文集Science Advancesに掲載されました。この論文の筆頭著者で、カリフォルニア大学バークレー校環境科学・政策・マネジメント学部の博士号候補生のコリン・カールソン氏、そして、ピュリッツァー賞を受賞した『6度目の大絶滅』の著者でジャーナリストのエリザベス・コルバート氏が今回のゲストです。カールソン氏は、12歳で大学に入学し、16歳までに生態学や生物学の学士号だけでなく修士号まで取得しています。2011年には、「人類史上最も聡明な16人の子ども」にモーツァルトやピカソらと共に名を連ねました。このインタビューが行われた当時は21歳です。(

バーバラ・リー下院議員:終わりなき戦争を可能にしている9.11武力行使権限を撤回せよ

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題4:「武力行使の白紙委任状」の受賞作です。 9.11同時多発テロ事件から15年の節目に、米国の戦争拡大と恒久化の端緒となった武力行使権限(AUMF)を振り返ります。9月11日の攻撃から3日のうちに米国議会がほぼ全会一致で採択したAUMFは、この攻撃の責任者と協力者に対する武力行使の権限を大統領に与えるものです。これにより米国はアフガニスタンを攻撃し、米国史上で最長の戦争の端緒を開くことになりました。 しかし、この決議はその後に拡大解釈され、9.11事件とはなんの関係もない国々への軍事攻撃を議会に諮ることなしに行う根拠とされることになりました。シリア、ソマリア、イエメンと米国の戦闘領域は拡大し、多くの国民はその事実さえ知りません。おまけに、国際テロ防止を口実に自国民の通信内容まで盗聴することが可能になっています。(10分)

ペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム機密文書)を世に出した3人の男たち 2:マイク・グラベル

「ペンタゴン・ペーパーズ」とは、ベトナム戦争に関してアメリカ政府がどのように政策決定を行ってきたかを第二次大戦直後からの歴史をたどって分析した国防総省の7000ページにわたるベトナム機密文書の俗称です。そこには米国政府が不拡大を約束しながら、じつはトンキン湾事件をでっちあげて直接介入を始め、北ベトナムだけでなくラオスやカンボジアも爆撃して故意に戦線を拡大したことなど、歴代の政権が国民を欺いて"泥沼"の戦争に引きずり込んでいった経緯が如実に記されています。この最高機密文書の一部を、1971年6月13日ニューヨーク・タイムズ紙がスクープしました。 (19分)

ソマリア沖のもう一つの海賊行為

ソマリア沖では長い間、国際社会が話題にしないもう一つの海賊行為が横行していたとケニア在住のソマリア人アナリスト、モハメド・アブシール・ワルドは言います。ソマリアで内戦と無政府状態がつづいているのをよいことに、ヨーロッパやアラブ諸国をはじめ世界中の漁船がソマリアの海で不法操業し、乱獲によって水産資源を枯らしてしまいました。おまけに、これらの漁船は置き土産として自国の産業廃棄物をソマリア領海に不法投棄して行きました。(16分)

ベトナム戦争の総指揮者ロバート・マクナマラ

2009年7月6日、ロバート・マクナマラが93歳で死去しました。1960年代にケネディとジョンソンの民主党政権で国防長官をつとめ、ベトナム戦争の遂行に中心的な役割を果たしました。フォード社の社長に就任したばかりのところを引き抜かれて政権入りしたマクナマラは、「ベスト&ブライテスト」と呼ばれたケネディ政権のエリート集団、超優秀で自信に満ちた高官の典型でした。後年に発表したメモワールの中で、ベトナム戦争を拡大し泥沼化させたことは誤りであったと述べ、自らの責任を率直に認めたとして話題になりました。しかし、それは本当に十分な反省だったと言えるのでしょうか?(23分)

"アメリカでいちばん危険な男"ダニエル・エルズバーグとペンタゴン文書

ベトナム反戦運動のハイライトとなった歴史的事件を二つ特集しました。ペンタゴン・ペーパーズの暴露については、すでに一度紹介しましたが、今回はその中心人物ダニエル・エルズバーグを取り上げます。ランド研究所のトップアナリストが、政府に背き終身刑を覚悟で内部告発をした動機はなんだったのでしょうか?(29分)

「貧困の終焉?」グローバル経済の収奪構造をえぐるドキュメンタリー

オバマ大統領は2009年秋の国連総会で「極貧の撲滅をめざす」と宣言しました。しかし国際通貨基金(IMF)や世界銀行の予測では、世界金融危機の影響で途上国では貧困に分類される人の数が5300万人も増加します。国連調査では人類の3分の1以上が1日2ドル未満で暮らしています。こんな状態で、どうやって貧困をなくせるのか?経済版「不都合な真実」と呼ばれる映画『貧困の終焉?』(The End of Povertty?)は、世界には十分な資源があるのに何十億人が飢えているのは、途上国から先進国に富が流れ続ける不正な収奪システムがあるためだと説明します(20分)

「ナイロビの蜂」原作者ジョン・ル・カレ特別インタビュー: グローバリゼーション、イラク戦争、情報操作

本日の番組では、世界的に著名な英国出身の小説家、ジョン・ル・カレ(本名:デビッド・コーンウェル)に長時間のインタビューを行いました。ル・カレの作家キャリアは50年に及び、スパイ小説の大家としての地位を築きました。今週刊行予定で、彼の22冊目の著作となる最新小説の題名は、Our Kind of Traitor(「こっちに寝返るやつ」)です。デビッド・コーンウェルは1950年代後半から60年代初頭まで英国の情報機関に勤めていました。冷戦のまっただ中の時代でした。3作目の小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は国際的なベストセラーとなりました。冷戦終結後もル・カレは意欲的に執筆活動を行い、さらにグローバリゼーションの不公平さや、歯止めの効かない多国籍企業の力、さらに企業の利益を保護するために国家のスパイ機関が果たす役割などに関心を向けるようになりました。「株主の名のもとに行われていることは、私にとっては、神の名のもとに行われる事と同じように恐ろしい」と、ル・カレは述べます。おそらく冷戦以後の時代の作品で最も知られているのは、何も知らされていないケニア人たちを危険で時には死に至る薬物試験に搾取する製薬会社を描いた「ナイロビの蜂」でしょう。米国で行われた貴重なインタビューの中で、ル・カレは、イラク戦争に対する英国のトニー・ブレア元首相の果たした役割、米政府の対イラン政策、国際的なマネーロンダリングについても語りました。

巨大種子企業に立ち向かうカナダの一農民 農民の権利と種子の未来とは?

ドイツのボンに集まった約80人のライトライブリフッド賞受賞者たち中に、カナダの農民パーシー・シュマイザーの姿がありました。受賞理由は、生物多様性と農民の権利を守るための勇気ある行動、すなわち巨大バイオ企業モンサントに対して戦いを挑んだダヴィデのような行動です。その発端は、隣家が育てていたモンサントの遺伝子組替えナタネの花粉が風で飛ばされシュマイザーの畑に混入し、50年かけて改良を重ねた自家開発の品種品種を汚染した事件でした。取り返しのつかない損失に打ちひしがれるシュマイザーに追い打ちをかけるように、モンサントは自社のGM種子を無断で栽培したとしてシュマイザーを特許侵害で訴え賠償金を要求したのです。あまりの理不尽と傲慢なやり方が彼を奮い立たせ、農民の権利のための戦いが始まりました。シュマイザー夫妻の戦いの記録を通じて、モンサント社と遺伝子組換え産業の危うさが浮き彫りになります。

ラルフ・ネーダー:日本の事故で「原発ルネサンス」は終わった

気候変動対策に前向きなオバマ政権が切り札の一つとして進めてきたのが、クリーンなエネルギーとしての原子力発電の再評価です。1979年のスリーマイル島の事故以来、米国では新規の原発の建設はほとんどありませんでしたが、オバマ政権のもとで「原発ルネサンス」と呼ばれる建設ラッシュが始まりました。日本の事故は、この「原発ルネサンス」も吹き飛ばしたようですが、米国の消費者運動の旗手ラルフ・ネーダーに言わせれば、ここからが私たちのがんばりどころです。原発利権はそう簡単には退散しません。確実に息の根をとめるように、黙ってみているのではなく行動せよと、ネイダーは呼びかけます。

グアテマラの元独裁者リオス・モントに歴史的判決下る

5月10日グアテマラの裁判所は元軍事独裁者エフライン・リオス・モントに対し、ジェノサイドと人道に対する罪で有罪、80年の刑を宣告しました。 中南米はもちろん世界中を見渡しても、元国家元首が自国の裁判所でジェノサイドの罪で裁かれるなんて初めて。しかも有罪判決が出たのは驚くべきことです。 (31分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル~(2) 彼は超優秀なサイバー・スパイだった

特別長編インタビュー第一日目の後半部分では、これまで語られてこなかったエドワード・スノーデンの人物像が詳細に語られます。スノーデンが育った家庭環境や政治信念、そして米国の安全保障機構の中での急速な昇進と、そこで果たしていた役割など、従来のマスコミ報道とはまったく違った人物像が浮かび上がります。これらは内部告発に至った動機や、彼の告発の重大性を理解するのに決定的に重要な事実といえるでしょう。(22分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル ~(3)まるでスパイ映画のようだった

今夜はクリスマス・イブ。NSA(国家安全保障局)の巨大な監視体制を暴く一連のスクープを掲載したグレン・グリーンウォルドへの長編インタビューの第2部をお届けします。ガーディアン紙はこの報道でピュリツァー賞を受賞しましたが、その最大の功績者はグリーンウォルドです。友人の映像作家ローラ・ポイトラスと共に2013年6月に香港に飛び、エドワード・スノーデンと落ち合いました。(34分)

メキシコの失踪学生たちは 米国が支援する「麻薬戦争」の犠牲者?

2012年メキシコ大統領に就任したエンリケ・ペニャニエト大統領は、ハンサムで華麗なイメージで欧米マスコミの寵児です。「メキシコを救う」政治家としてタイム誌の表紙を飾り、教育改革やエネルギー政策が絶賛されています。要するに新自由主義の性格であり、オバマ大統領とがっちり組んで多国籍企業の対外投資を保護する政策をメキシコで推進していることがマスコミ人気の秘訣のようです。しかし、ここへきて豪邸をめぐるスキャンダルが浮上し、学生失踪事件をめうる全国的な抗議行動が吹き荒れ、改革者のメッキも剥がれてきました。ローラ・カールセンによれば、メキシコ社会における暴力の拡大とまん延は、ペニャニエトが推進する新自由主義政策と表裏一体なのです。
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