サパティスタ蜂起から20年 NAFTAに立ち向かったメキシコ先住民が築いたオルタナティブ社会

NAFTAは米国、カナダ、メキシコの北米3カ国のあいだで結ばれた、TPPの元祖みたいな地域間自由貿易協定です。締結当時のうたい文句とは裏腹に、この20年で米国の雇用は失われ、メキシコではトウモロコシの生産が壊滅的な打撃を受けて農村地帯が困窮し、仕事を求めて米国に流入する無資格移民が百万人を超えています。自由貿易協定が引き起こすこのような悲惨な結果を当初から予測し、反対の声をあげて立ち上がったのが、メキシコの奥地の貧しい先住民たちだったことは、記憶に刻んでおきたいものです。NAFTAが発効した1994年1月1日、チアパス州の先住民が「NAFTAは自分たちへの死刑宣告だ」と訴え、自由貿易協定を推進するメキシコ政府に宣戦を布告しました。武装蜂起した農民中心のサパティスタ民族解放軍は、瞬く間にチアパス州の5つの主要な町を制圧しました。巧妙なメディア戦略も奏功して、この蜂起は世界に大きな衝撃を与えました。 あれから20年、サパティスタはチアパス州のおよそ3分の1を掌握し、サパティスモ(サパタ主義)と呼ばれる独自の方法論に基づいた自治を確立しています。(12分)

新たな黒人隔離:カラーブラインド時代の大量投獄

人種差別が無くなったはずの米国。2人の活動家兼著述家、ランダル・ロビンソンとミシェル・アレグザンダーが、黒人のアメリカを語ります。(26分)

オリバー・ストーンの「語られざる米国史」後篇

アカデミー賞受賞監督オリバー・ストーンが、歴史家でアメリカン大学教授のピーター・カズニックと共同で、10回シリーズのテレビ番組『オリバー・ストーンの 語られざる米国史』を撮り、大部の書籍『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)を刊行しました。記録資料からの新発見や最近になって公開された公文書に依拠しながら、日本への原爆投下から冷戦、共産主義の凋落、そしてオバマ政権へとつながる米国史の全ての道程を批判的に検証しています。いわゆる「秘史」というよりも、顧みられず忘れられた米国政治の歴史を、政府や企業メディアが提示する公式見解とは違う視点で語り直すことに主眼を置いています。(16分)

チリ・クーデターから40年 ビクトル・ハラの遺族が米国で容疑者を提訴

2013年9月11日はもうひとつの9.11の40年目の記念日です。40年前のこの日、米政府が支援を受けた軍事クーデターにより、民主的に選ばれたチリ人民戦線政権のサルバドール・アジェンデ大統領は命を落とし、首謀者のアウグスト・ピノチェト(本来の発音は「ピノシェ」または「ピノチェ」)将軍による17年間の恐怖政治が始まりました。ピノチェトは左翼や労働運動、人権運動の活動家を徹底的に弾圧する一方、特にサッチャー英首相とニクソン・レーガン両米大統領の忠実な同盟者として極端な新自由主義「改革」を行い冷戦体制にあった西側諸国では「優等生」として称賛を得ました。クーデター直後に暗殺されたチリの伝説的な歌手ビクトル・ハラの妻でゲストのジョアン・ハラは、40年前にハラを殺害したとされる元軍人ペドロ・パブロ・バリエントスを米国で訴えています。バリエントスは在米歴約20年で米国籍を持っているため、ハラの遺族は国外で起きた人権侵害を米国の裁判所で審理することを認める連邦法に基づいて提訴しました。(24分)

大学は行く価値があるのか? 新作映画が描く高等教育機関の持続不能の支出と学生ローン

米国の大学の学位取得のための費用は過去30年で1120%も高騰し、食品や医療、住宅など他の生活必需品の物価上昇率をはるかに上回っています。学生ローンの貸付総額は1兆2000億ドルにも達し、第二の住宅バブルとまで呼ばれて経済を脅かす要因になっており、それだけでなく国の教育制度そのものも脅かしています。( 9分)

ウィキリークスのイラク民間人爆撃ビデオ 米兵の行動は訓練どおり

ウィキリークスに漏洩された米軍所蔵のビデオには、2007年バグダッド郊外で米軍ヘリが民間人を襲撃し12人を殺害した現場が映っています。犠牲者の中にはロイター社の職員もいましたが、肩からカメラ機材を下げていただけで武装していると疑われ、明らかに丸腰だった周囲の人々とともに爆撃を受けました。たまたま現場を通りかかり、道に倒れている負傷者を救出しようとしたトラックも爆撃され、運転手は死亡、乗っていた彼の子供2人も大ケガをしました。ヘリコプターの兵士たちと地上部隊との交信も記録されていますが、そこにはイラク民間人を人間とみなしていない冷酷な会話が聞き取れます。この衝撃的な映像がネットに流れると、兵士たちの行為を犯罪だと非難する声があがりましたが、その一方で、軍事的な見地からすれば兵士たちの行為はごくあたりまえの戦闘行為であるとするシニカルな評価もあります(22分)

ウディ・ガスリー:秘蔵映像とリバイバル・ソングで綴るラディカルな人生 パート1

2012年、米国が生んだ最も偉大なソングライターの1人、ウディ・ ガスリーの生誕100年記念イベントが全米で開かれました。ウディ・ガスリーという名は知らなくても「我が祖国」(This land is your land)という歌は知っているという人は多いでしょう。1970年代のフォーク・ブームになじみのある世代には、ボブ・ディランやピート・シーガーに多大な影響を与えたシンガーソングライターとして知る人も多いと思われます。「我が祖国」がしばしば「米国の第二の国歌」といわれ、ガスリー自身も切手に登場するなど国民的栄誉を与えられるなか、ウディ・ガスリーの活動家としての面に焦点を当て、その波乱に富んだ人生を振り返ります。(45分)

先住民活動家デニス・バンクス「同化政策は失敗」

アメリカ先住民の活動を第一線で支えて来たデニス・バンクスは、4歳で家族と引き離されて寄宿学校に入れられ、先祖の言語や文化を忘れさせる教育を受けました。この事業を主に担ったのはキリスト教の教会でした。言葉の喪失は文化の喪失、アイデンティティの喪失です。「新大陸発見」を「コロンブスの日」として祝い、町や村に先住民との戦争で手柄を立てた軍人の名をつけ、先住民の子供たちを家族から隔離して同化政策を施すー侵略者の言葉でしか語ることを許さない政策は米国に限った事ではありません。(15分)

ブラックパンサー党の日系人幹部リチャード・アオキはFBIの情報屋だったのか?

リチャード・アオキは日系アメリカ人でありながらブラックパンサー党の初代メンバー。パンサーの武装化を手助けした人物として伝説的な存在です。また1969年にはアジア系アメリカ人の活動家としてカリフォルニア州立大学バークレー校でストライキを指導しアジア系アフリカ人研究学部の設立に大きな貢献をしました。その彼がFBIの情報屋だったという疑惑が浮上し、アオキを高く評価する人々を驚愕させました。(34分)

チョムスキー講演:トランプ政権の登場で人類の存続に危険信号

ちょうど一年前に放送されたお正月特番です。2016年にデモクラシー・ナウ!は20周年を向かえ、12月5日に盛大な記念行事を行いました。ノーム・チョムスキーとハリー・ベラフォンテという超大物アクティビストが初めて同じ舞台にのぼって対談し、パティ・スミスが歌で盛り上げるという豪華な催しでした。その中からチョムスキーの講演部分に字幕をつけました。最後の部分にパティ・スミスのパフォーマンスもちょっぴりあります。(25分)

カトリック教会に巣食うファシスト 信徒虐待と解放の神学弾圧の関係

近年のカトリック教会はスキャンダルまみれで、同性愛者や女性の司祭を認めない偽善性に加え、幼児性愛嗜好の神父たちによって多数の被害者が出ていることがドイツやアイルランドや米国で暴露されました。ベネディクト16世は早いうちから事態を知りながら、犯罪者をかばって組織的なもみ消しを図り、それが被害の拡大につながったようです。イタリア人のあいだでも教会不信は頂点に達し、教皇の退位を求めるデモも起きました。長い歴史を誇る組織が、ボルジア以来といわれる途方もない頽廃に陥ったことには、なにがしかの説明がほしいものです。元カトリック司教マシュー・フォックスによれば、今日の惨状の原因は、がちがちの教条主義者ベネディクト16世が、ラッツインガー枢機卿と呼ばれていた時代に異端審問を復活させ、教会内部の異論を摘発し、排除したことにあります。

ソ連崩壊から20年 共産党が大躍進 ~ロシアの民主化とショックドクトリン

プーチンは米国にとって本当に手ごわい相手ですが、これまでの経緯をみてくると、プーチンは必ずしも欧米に敵対的ではなかったのに、米国の愚かな行動が追い詰めたことが見えてきます。今回はさらに遡って、プーチン登場の背景となるソ連後のロシアと米国の関係を確認してみましょう。ソ連が消滅した後の無秩序で略奪的な自由主義経済への移行についてはナオミ・クラインの『ショックドクトリン』でも詳しく述べられていますが、ここではロシア問題の大家スティーブン・コーエン教授に聞きます。少し前のインタビューですが、現在の米ロ対立がどのようにして起きてきたのかを理解するには欠かせません。(

グアムで米軍駐留への抵抗が拡大 米朝間の挑発と瀬戸際外交でミサイル着弾の危機

米朝関係は非難と威嚇の応酬を繰り返し、ますます緊張が高まっています。8月、トランプ大統領は核戦争を示唆する威嚇をツイッターに投稿し、北朝鮮は中距離弾道ミサイル「火星12」をグアム近海に発射する計画があることを明らかにしました。これを受けてグアムでは現地紙がミサイルの到達時間を示す「14分!」という見出しをトップに掲げ、一気に緊張が高まりました。グアムには朝鮮半島有事の際に戦略爆撃機が出撃する米軍の基地があります。グアム大教授でグアム平和正義連合会長、脱植民地化委員会メンバーのリサリンダ・ナティビダド氏とアメリカン大学文化j人類学准教授で『 米軍基地がやってきたこと』の著者ディビッド・バイン氏を迎え、現地グアムの状況、基地に対する住民感情、在外米軍基地が抱える弊害について話を聞きます。(26分)

チョムスキー「ダーショウィッツはフィンケルスタインへの“聖戦”を始めた」

 米国を代表する反体制派知識人チョムスキーとハワード・ジンへのインタビュー第2弾。テーマは大学における言論統制です。 ノーム・チョムスキーは、政治学者ノーマン・フィンケルスタインの終身在職権(テニュア)をめぐるデポール大学の騒動の背後には、ハーバード大学法学部教授アラン・ダーショウィッツの働きかけがあったと指摘します。 フィンケルスタインを目の敵にするダーショウィッツは、ドポール大学の教員に手紙を書き、フィンケルスタインのテニュア獲得に反対するよう中傷キャンペーンを張ったそうです。他大学の人事に口を出すという常軌を逸した彼の行動の背後には、フィンケルスタインが新著『イスラエル擁護論批判』で、ダーショウィッツの著作は歴史の捏造であるとして、徹底的に反証したことへの恨みがあったようです。 (21分)

エクアドルの先住民と米大手石油企業のシェブロンとの戦い

 エクアドルの先住民が、石油採掘に伴うアマゾン森林の汚染を理由に、120億ドルの損害賠償を求めてシェブロンを告訴している件に関して、調査ジャーナリストのグレッグ・パラスト氏がリポートします。エクアドルの熱帯雨林の奥に住むコファン族は、何千年も前から手工芸や狩猟で生計を立てる、平和な生活を送っていました。ところが、1972年にやってきたテキサコ社(現シェブロン社)は、「石油を肌に塗ると痛みに効く」と嘘を言って、コファン族には理解できないスペイン語で書かれた石油採掘の許可契約書を締結し、開発を進めたのです。以来、周辺に住むコファン族には、血を吐いて死ぬ人など、病人が絶えなくなりました。 (22分)

コロンビア大学紛争から40年 当時の学生リーダー4人が振り返る

ジェームズ・クネン原作の映画『いちご白書』にも描かれ、一連の学園紛争の中でもとみに有名なコロンビア大学の学生ストを振り返ります。地元ニューヨークの大学であり、番組共同司会のフアン・ゴンザレスが当時の学生リーダーのひとりだったこともあって、同窓会的な雰囲気のなかで内輪の話がたっぷりと聞けます。(45分)

伝説の労働活動家シーザー・チャベスの日

伝説的な労働活動家で公民権運動の指導者シーザー(セサル)・エストラーダ・チャベスは、米国の農場労働者たちの組合を初めて結成し、軌道に乗せた人物です。米国の農場労働者はメキシコをはじめとするラテンアメリカ諸国からの出稼ぎが多く、劣悪な労働条件で働く季節労働者です。米国で大きなグループを形成しているラテンアメリカ系移民(ラティーノ)にとって、農場労働者は米国における自分達の歴史を象徴するものであり、彼らの人間としての尊厳の回復は、ラティーノ全体の地位向上と結びついています。(18分)

資本主義の問題に真っ向から挑むマイケル・ムーアの新作 『キャピタリズム~マネーは踊る』 前編

2009年9月末に米国で封切られたマイケル・ムーアの新作『キャピタリズム~マネーは踊る』(原題Capitalism: A Love Story 『資本主義─ある愛の物語』)の標的は、世界を隅々まで支配する資本主義そのもの。資本主義は悪の制度で、その本質はネズミ講だと喝破するムーア監督はこの映画で、民主主義を形骸化させ政治と社会を牛耳る金融資本と、それに寄生する議会と行政に正面から切り込み、返す刀で、問題の本質から目を背け弱者に責任を転嫁することで権力に擦り寄る大手報道機関を切り捨てます。2008年、リーマンブラザーズ証券の破綻とAIG保険の経営危機に端を発した世界同時不況、それに続く巨額の公的資金による金融業界救済。「デリバティブ」や「クレジット・デフォルト・スワップ」など、専門用語の煙幕に隠れて行われた「略奪」を誰にでも分るように説明するという野心的な作品を通じて、21世紀のための新しい経済秩序が必要だと提言する、マイケル・ムーア監督に独占インタビューしました。(30分)

タビス・スマイリーがオバマ大統領とキング牧師を徹底比較

黒人初の米国大統領バラク・オバマ政権が誕生してから1年あまり、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺された4月4日を目前にした2010年3月29日にオンエアされたこのセグメント。米国の公共放送PBSでオバマ大統領とキング牧師を徹底的に比較した番組を制作したテレビ司会者で作家のタビス・スマイリーがゲストです(26分)

「資本主義と気候の対決」ナオミ・クライン

ベストセラー『ショックドクトリン』から7年、ナオミ・クラインの待望の新著は気候変動の問題を支配イデオロギーの側面からとらえます。地球温暖化の真偽をめぐる論争は、純粋に科学的な関心に基づくものと思ってはいけません。少なくとも米国では、懐疑派は共和党、肯定派は民主党と支持政党によってきれいに分かれており、本質はきわめて政治的かつ思想的な対立です。
Syndicate content