NATOは存在すべきか? 同盟の目的とアフガニスタン戦争の将来を討論

5月にシカゴで開催された北大西洋条約機構(NATO)サミットは、加盟28カ国の他にアフガニスタンやパキスタンなども含めた50カ国の首脳クラスが集まる過去最大の会合となりました。会議ではアフガニスタンからの撤退計画が承認され、2013年中頃までに戦闘行動の中核を現地軍に移管し、2014年末には軍事訓練要員を残してISAF(NATOが率いる国際治安支援部隊)はすべて撤退します。これは本当に「責任ある形の終結」をもたらすのか、また戦後の再建に軍事同盟であるNATOがどこまで協力できるのか、そもそもNATOは何のために存在するのかについて考えます。東西冷戦もとうの昔に終わったのに、なぜいまだに大西洋軍事同盟が存在するのか?(18分)

「NATOに反対、戦争に反対」NATO首脳会議場に向けて帰還兵が従軍メダルを投げつける

2012年5月20、21日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が米国シカゴで開催されました。会場となったマコ―ミック・コンベンションセンターの外には、NATO、戦争に反対する数千人が集まり、抗議デモが行われました。NATO会場に向けて、従軍メダルを投げつけるセレモニーを主催したのは「反戦イラク帰還兵の会」と「平和を願うアフガニスタン人」(Afghan for Peace)のメンバーです。それぞれの短いメッセージに共通しているのは軍隊への不信・だまされたという憤り・イラク、アフガニスタンの人々への謝罪の気持です。アフガニスタンの人々に連帯し、本当の悪者は誰なのかを訴えます。

「私たちの歴史は抹消させない」アリゾナ州行き「密輸」キャラバン誕生

自称「本の密輸人」トニー・ディアスが、アリゾナ州の学校から追放された本を積んだキャラバンを組織しました。アリゾナ州が民族学教育を禁じたことを受けて、同市が評判の良かった メキシコ系アメリカ人研究のカリキュラムを一時停止したことに続く措置でした。「アリゾナ州が私たちの歴史を消そうとするなら、私たちは歴史を作ってやろうと思います」とディアスは言います。さてその効果のほどは?(5分)

アリゾナ州がエスニック教育をカリキュラムから排除 人種統合の歴史を巻き戻し

2010年5月米アリゾナ州では、外見などから無届の移民と疑うに足る理由があれば逮捕ができるとして波紋を呼んだ移民法に続いて、特定の民族を対象にした授業を禁ずる法律が成立しました 。「民族間の結束を強め、白人に対する敵意を助長させる」というのがアリゾナ州当局の禁止の理由でした。この法律は、メキシコ系・ラティーノ系の生徒が過半数を占めるツーソン学区で行われているメキシコ系米国人研究(MAS-TUSD)のカリキュラムを標的にしたものでした。公立学校の教職員や生徒が禁止に反発し、取り消しを求める訴訟を起こしました。(15分)

メキシコに追放される移民の子供たち

テキサスオブザーバー誌に掲載された調査報道記事"Children of the Exodus”(大量移送される子供たち)は、米国の現在の移民法によって引き起こされる二次的な被害に光をあてました。毎年数万人もの子供たちが親族から引き離され、同伴者もなしにメキシコ国境の向こうに追放されます。そうした子供たちの多くは米国との国境に近いメキシコの都市の街頭に置き去りにされ、麻薬と暴力が猛威を振るう荒廃した土地でシェルターに収容されることになります。 合衆国の家族に会いたくて密入国を繰り返す者も多いといいます。(7分)

MFグローバル社倒産で前NJ州知事に厳しい尋問 資金不正利用を知っていたとの証言で

 前ニュージャージー州知事でその前は連邦上院議員も務めたジョン・コーザインが13日、連邦議会で証言しました。商品先物及び金融派生商品を専門とする証券会社MFグローバル社の経営トップを短期間つとめていたからです。同社はこの10月に倒産し、2008年のリーマン・ブラザーズ倒産以降で最大規模の倒産となりました。MSグローバル倒産後、管財人は本来隔離されていなければならない顧客勘定の資金のうち12億ドルにおよぶお金が紛失していることを発見しました。コーザインはMFグローバルのだれにも資金の不正利用を命じたことはないと言いますが、証人の1人はコーザインは顧客資金流用の疑いのある融資を承知していたと証言しました。投資銀行員からジャーナリストに転じたノミ・プリンズに話を聞きます。(13分)

ポール・クルーグマン「さっさと不況を終わらせろ」 (2) ユーロ圏の危機ほか

金融大手JPモルガン・チェース銀行は、今年5月高リスクなデリバティブ取引で巨額の損失が発覚しました。その額は、5月の放送時で、20億―30億ドルと言われていましたが、今では40-60億ドルと言われています。ク ルーグマンは同行の最高経営責任ジェイミー・ダイモンを批判します。ダイモンは金融改革に対抗する知恵袋とされ、「我々のビジネスは我々が一番良く知っている。他の者が、私達にどうするか教える必要はない」と言って、どのような規制にも猛反対してきました。そ結果がこの巨額の損失です。米国政府機関によって預金が保証されている銀行が、このような高リスクの取引をすることは、彼らが納税者のお金で賭けをしているとのと同じです。「ボルカー・ルール」と呼ばれる規制が発効されれば (2012年7月から有効)、このような投機的な取引は出来ないはずですが、今年5月以前は、それがいつも通り行われていたことは明らかです。ひとつ間違えば国の経済をも破壊しかねない「大きすぎて潰せない銀行」は、甘い規制で銀行家に任せておくには重要すぎるとクルーグマンは言います。(20分)

ポール・クルーグマン「さっさと不況を終わらせろ」 (1)いまは赤字削減より財政支出を

大恐慌以来の不況と言われる現在の経済状況の中、米国やヨーロッパでは、財政赤字や政府債務の大きさばかりが大きく取り上げられ、財政赤字削減の大儀のもと、多くの国で緊縮政策が採られています。ノーベル賞受賞の経済学者ポール・クルーグマンは、新著『さっさと不況を終わらせろ』で、低迷する経済状況での、財政赤字に対する過剰な反応は経済回復を妨げると論じています。(17分)

誰がチェを殺した? CIAの完全犯罪

1962年2月7日、ケネディが全面的なキューバ制裁に踏み切って以来、共和党と民主党の一貫した支持のもとで「世界史上最長の経済封鎖」は強化され続け、50年もの長期にわたってキューバ国民に極度の物質的な困窮を強いてきましたが、カストロ政権は盤石の体制を維持したまま今日に至っています。制裁解除を勧告する決議は、1992年以来、国連総会で20年連続採択され、当初は非同盟諸国が賛同の中心だったものの、次第に支持を広げて西欧諸国も一致して賛成に回り、ついに反対するのは米国とイスラエルのみという、米国外交の国際的孤立を対イスラエル政策以上に象徴するものとなりました。憲法上の権利センターのマイケル・ラトナー名誉会長に制裁の歴史と背景を聞きます。ラトナーは、上院議員時代には制裁解除を主張しておきながら大統領就任後は制裁維持を正当化し続けるオバマ大統領の二枚舌を批判します。(40分)

TPPは貿易協定の衣を着た企業による世界支配の道具

日本では昨年から危険な秘密貿易協定として大騒ぎになっているTPP。環太平洋パートナーシップとか環太平洋戦略的経済連携協定とかいろいろに呼ばれていますが、中身が分からないのに一旦参加したら抜けられないと言われる馬鹿げた国際協定です。米国でも一般には知られておらず、通商代表部が企業側と連携しながら進めているので国会議員でさえ内容を知ることができないのです。交渉の草案がリークされて、ようやく議論に上るようになりました。2011年3月に「知財関連の条項」がリークされたのに加え、今回(2012年6月)には「投資条項」の草案がリークされました。リーク文書を掲載している市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラック氏は、「これは貿易協定ではない、企業による世界支配の道具です」「1%の富裕層が私たちの生存権を破壊する道具です」と断罪します。(19分)

アノニマス参上:世界に広がるハクティビズム

アノニマスのように政治・社会的な主張を掲げてハッカー攻撃をしかけるオンラインのアクティビズムを「ハクティビズム」と呼びます。アノニマス関連の事件として有名なのは2010年12月、ウィキリークスの口座を凍結して支援金の送金を妨害したマスターカードとVISAにハッカー攻撃を仕掛け、サイトを一時的にダウンさせたことです。その他にも、ソニー、PayPal、アマゾン、バンク・オブ・アメリカ、サイエントロジー(宗教団体)、エジプト政府、チュニジア政府、シリア政府などが攻撃対象になりました。なんだかオソロシげな集団に聞こえますが、アノニマスの源流にあったのは日本の2チャンネル文化です。こんなふうに進化したのも、祭りのノリが嵩じたのかも。

アノニマス参上: ハクティビストの「名無しさん」がOpBARTを説明

デモを牽制するために地下鉄駅構内の通信網を遮断したBIRT(湾岸高速鉄道公社)の暴挙に対し、活動家ハッカー集団「アノニマス」が報復を呼びかけました。「BART作戦」(OpBart)と称する抗議行動の一環として、アノニマス活動家がBARTのウェブサイトに不正侵入し、顧客の名前と電話番号、パスワードなどを流出させました。正義感にかられた行動とはいえ、無関係の人たちの個人情報を勝手に公開することは正当化できるのでしょうか?BART作戦に参加した、ハンドルネーム“X”を名乗るアノニマスの一人にインタビューします。

アノニマス参上: ベイエリア高速鉄道(BART)のムバラク化に非難集中

「ウォール街占拠」でとっても目についたガイフォークスの仮面。占拠運動の拡散とともに全米各地にアノニマスが増殖中です。最近は日本のデモでもちらほらと・・  2010年後半にウィキリークスとのからみで急速にマスコミの注目を集め出したアノニマスですが、そこで語られるイメージは、なにやら怪しげなハッカー集団が、企業や公共機関のサイトを攻撃し、個人情報をさらし出すという危険なものです。でも、彼らの攻撃がどのような動機に基づいているのか、その背景は語られません。相手が「名無しさん」だから、彼らのメッセージには耳を傾ける必要はないのでしょうか。アノニマスって何者なの?2011年夏の事件をもとに、米国での発祥を紹介しましょう。

生まれ変わるメーデー: オキュパイ運動が労働者や移民運動と共闘

ウォール街占拠運動がメーデーに復活しました。全米各地で抗議行動が行われます。しかも、これまでメーデー抗議行動の推進力だった移民運動や労働組合としっかり協力関係を築き、メーデーそのものに新しい息を吹き込みました。今年のメーデーの意義とオキュパイ運動の最前線を4人のゲストが語ります。(30分)

国会事故調査委員会 福島原発事故は「人災」

国会の福島原発事故調査委員会は最終報告書で今回の事故は「自然災害ではなく明らかに人災だった」そして「日本的文化が招いたものだった」と結論しました。原子力技術者アーニー・ガンダーセンさんは報告書に同意しつつも、他国がこれを口実に対策を怠るのは危険だと警告します。

イエメンの政権交代は「中途半端な革命」 サーレハ大統領の訪米の意図とは?

イエメンはアラビア半島の南端に位置し、サウジアラビアと接する共和国です。イエメンで民主化を求めるデモが発生したのは2011年1月、チュニジアのベン・アリ大統領の亡命直後でした。首都サヌアにある広場にはすぐに数万人規模のデモが行われるようになり、6月には大統領宮殿で爆発事件が起こりました。サーレハ大統領は重傷を負い、 サウジアラビアで手術を受けたと報じられています。湾岸諸国協力会議(GCC)はたびたび、サーレハ大統領に辞任をふくむ調停案を示していましたが難航 し、ようやく2011年11月に訴追免責とひきかえにサーレハ大統領は辞任に応じました。

映画『グラニート』が描くグアテマラ集団虐殺に裁きを求める闘い

オットー・ペレス・モリーナ大統領をはじめ現在のグアテマラ政界で表舞台に立つ人々と、この国の暗い過去を結びつける新作ドキュメンタリー映画が完成しました。Granito: How to Nail a Dictator(『グラニート 独裁者を追え』)は、グアテマラ軍が民兵組織を使って20万人以上の国民を拷問し殺害した1980年代の大量殺戮の責任を問うため、40年にわたって証拠を拾い集めている人々の姿を追います。集団虐殺に対する法の裁きを求めるマヤ先住民の運動を記録に収め、大統領選でペレス・モリーナの対抗馬だったグアテマラ先住民活動家でノーベル平和賞受賞者のリゴベルタ・メンチュウにスポットをあてています。(17分)

グアテマラ次期大統領オットー・ペレス・モリーナの過去

昨年11月の決選投票で当選した現グアテマラ大統領オットー・ペレス・モリーナは、1986年に軍事独裁が終了して以来始めての軍人出身の大統領です。グアテマラでは麻薬密輸組織がからむ暴力事件が横行して治安が悪化しており、これに対して「鉄拳」をふるうという公約を掲げた退役将校のペレス・モリーナが支持を広げ、対抗馬の一人だったマヤ先住民活動家でノーベル平和賞受賞者のリゴベルタ・メンチュウは緒戦で大敗しました。しかしペレス・モリーナには暗い過去があります。1980年代にグアテマラで猖獗を極めた軍政府による組織的な自国民の拉致、拷問と集団虐殺に直接関与した人物として人権団体から告発されているのです。(10分)

スペインで緊縮財政に抗議のゼネスト 

欧州南部ではユーロ危機が続いていますが、スペインでは、国民の四分の一近くが失業という深刻な不況の中で市民のみに犠牲を押し付けようとする右派国民党政権による緊縮政策に反対して、ゼネストが行われました。番組では以前にデモクラシーナウの制作者だったフリーの記者マリア・カリオンさんを招き、ゼネストに至る経緯や、ウォール街などでの占拠運動の先駆けともいえるスペインの「インディグナドス」(憤慨する人々)運動などについてお話を伺います。またチリのピノチェト元大統領を人道に対する罪で逮捕して一躍有名になったスペインのバルタサル・ガルソン判事が、フランコ軍政による犯罪を追及するうち、違法盗聴容疑で職務停止を受けた事件についても背景を語っていただきます。カリオンさんは、モロッコが占領を続ける西サハラからの難民を支援する活動の一環として開催されている西サハラ映画祭の広報も担当しており、大手メディアが黙殺する西サハラ問題に関心を持ってほしいと呼びかけています。(19分)

『鉄路の血痕』 ベトナム帰還兵ブライアン・ウィルソン氏が語る反戦運動

ゲストの反戦活動家ブライアン・ウィルソンさんは、これまでの生涯で二度も文字通り死線を彷徨いました。最初はベトナム戦争従軍時。大義などとは無関係な戦場の残酷な現実を目の当たりにして現役兵時代に反戦活動に身を投じたウィルソンさんは、退役後にエルサルバドルやニカラグアを訪問し、米国政府の代理戦争の被害者と交流して米国の外交政策の過ちに確信を強め、1987年9月1日、カリフォルニア州にある基地の近くで軍事物資の輸送を止めようと線路に座り込みました。恐るべきことに、軍用列車は停止するどころか却って速度を上げ、轢かれたウィルソンさんは奇跡的に九死に一生を得たものの、頭蓋骨を割られ両脚を切断しました。(52分)
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