70億ドルの核備蓄追加予算

オバマ政権が議会に提出した2011年度予算案は史上最大規模の3兆8000億ドルですが、増えたのは軍事予算ばかりで、国内支出は軒並み削減です。そんな中で目を引くのが、核兵器関連予算の5年間で70億ドル超の引き上げです。 米国の核兵器を削減し「核なき世界」をめざすという2009年4月のプラハ宣言から大きく後退したように見えますが、数量の削減に伴う安全管理徹底と補修の費用のためだと説明しています。ニューメキシコ州ロスアラモス研究所の新たなプルトニウム生産施設の新設もその一貫です。サンタフェの州議事堂から話すニューメキシコ核監視団のジェイ・カグラン事務局長は、オバマ政権は条約の批准をたてに上院共和党議員に食い物にされているのだと言います。(10分)

米露核軍縮条約の調印は、ほんとうに画期的?

4月7日オバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領は、すでに失効した1991年の第一次戦略兵器削減条約を継承する画期的な核軍縮条約START(新戦略兵器削減条約)に調印しました。双方の核兵器保有量上限を、それぞれ3分の1ずつ削減すると発表されましたが、専門家は算定方式の違いなどを指摘し、この数字は額面通りに受け取るべきではないと言い、実質的な削減率は13%程度という説もあります。「ここ20年で最も包括的な軍縮協定」とオバマ大統領は自負しますが、ほんとうのところはどうなのでしょうか?長年にわたり核廃絶を唱えてきた核軍縮問題の第一人者ジョナサン・シェルに聞きます。(13分)

マッセイ炭坑爆発事故 遺族が連邦裁判所に情報公開を求める

BPのディープウォーターホライゾン掘削施設爆発が起きたのは4月20日でした。その数週間前、ウエストバージニア州のマッセイ・エナジー社が所有するアッパービッグブランチ炭坑で爆発があり29人の労働者が死亡しました。鉱山安全保健管理局がこの災害の捜査を開始しましたが、公開調査でずさんな危機管理が明るみに出たBP原油流出事故とは異なり、マッセイ炭鉱の事故ではすべてが密室で勧められています。非公開の調査では事実が明かされないと、米鉱山労組と事故の遺族たちが捜査の公開を求めて連邦裁判所に提訴しました。アパラチア地方の鉱山事業の歴史に詳しいジャーナリストのジェフ・ビガーズに話を聞きます。そこから浮かび上がるのも、規制当局が企業を追求することを極端に恐れ、責任逃れに走る、米国の政治の構造的な問題です。(14分)

地球工学は温暖化回避の切り札か、自然をあなどる愚策か?

気温上昇が自然の暴走にスイッチを入れる前に、地球を改造して温室効果ガス排出のレベルを低減しようとするもので、人工火山を作って大気を硫黄粒子で汚染する案や、海洋の肥沃化案、太陽光線を偏光させるアルミ箔を空に配備する案など、さまざまなアイディアがあります。しかし、地球工学への反対も高まっています。インド人環境保護主義者、科学者、哲学者、環境フェミニストのバンダナ・シバと、グウィン・ダイアーの熱のこもった討論をお届けします。

マイケル・ムーア自らを語る 映画づくりと政治活動(前半)

「ブッシュ大統領、恥を知れ」。罵りと同時にマイクがさがり始め、それまでの満場の拍手がブーイングの嵐にかわる。極めて異例のアカデミー賞受賞スピーチ映像がテレビを通じて世界中を駆け巡ってから、もう7年。1989年の劇場用長編ドキュメンタリー映画『ロジャー&ミー』による衝撃的デビュー以来、多国籍企業の専横と暴力信仰に代表される米国の政治文化と、強欲が支配する現代社会の在り方を一貫して批判し、次々と問題作を発表し続けている映画作家のマイケル・ムーアが、20年にわたる映画人生を振り返る特別インタビュー。

国連報告草案 コンゴで大量虐殺をしたとしてルワンダ軍を非難

コンゴと並んでベルギーの植民地支配を経験したのがルワンダです。ここでは1994年に、数カ月の間に80~100万人ものツチ人が殺された「ルワンダ虐殺」が起こりましたが、そもそもフツ人とツチ人という反目する2民族をつくり出しジェノサイドの遠因を作ったのは欧州の宗主国です。聖書を背景にした独特の人種思想を植民地支配の道具として押し付けたのです。この大虐殺を収束させたのは、ツチ人保護を名目にルワンダ全土を制圧したルワンダ愛国戦線の指導者ポール・カガメです。彼は米国の陸軍学校で教育を受けた軍人で、米英の支持を受けて2003年にルワンダ大統領となり現在に至っています。ルワンダを見事に復興させたと米国では評価の高いカガメ大統領ですが、ここに来てまったく違う見方が出てきました。(11分)

ケニア人作家グギ・ワ・ジオンゴとの対話

アフリカ
1938年生まれ。グギ・ワ・ジオンゴは「エンクルマ、ケニヤッタ、マンデラが政治で行ったことを文学でなしとげた3人の作家」のひとりといわれています。デモクラシー・ナウ!には、歴史の激動に身を投じ、あるいはまきこまれて生きた自らの体験を感性豊かなことばで紡ぎ出す詩人や小説家が時折、登場し、みずみずしいことばの力で ある日、ある瞬間をまるでいまここであるかのように感じさせてくれる「すごい」体験ができ、それがこの番組の決定的にすばらしい魅力のひとつなのですが、これもまさに、そう。

ラジ・パテル:モザンビークの食糧暴動に見える地球温暖化の真の姿

アフリカのモザンビークでは、パン価格の3割引き上げに住民の怒りが爆発し3日間にわたる抗議行動で13人が死亡、数百人が負傷する事態になりました。値上げは小麦の国際価格が60%以上も高騰したためでした。2年前にも基礎食品の価格高騰で世界各地に怒りの抗議デモが広がりました。ド・スキュテール国連特別報告官は2008年の世界食糧危機の経験に学ばず、食料安全保障を怠ってきた各国の対応に警告を発しています。国連食糧農業機関(FAO)は、原因は食糧危機ではなく市場の混乱だと発表しています。『肥満と飢餓』の著者、ラジ・パテル氏は、自然災害が農業生産に及ぼす悪影響を、人間が作ったシステムが何十倍にも増幅し、社会的に与える被害を大きくしているのだと言います。

ネバダの空軍基地で無人機攻撃に抗議

2009年4月、米国ネバダ州にあるクリーチ空軍基地に14人の反戦活動家が集まりました。同基地はパキスタンとアフガニスタンでの米空軍の無人機プログラムの本拠地の一つです。米軍がアフガニスタンやパキスタンで行なっている無人偵察機による爆撃は米国内の基地から操作されており、ロボット化される戦争の象徴と言ってもいいでしょう。

パキスタンの米軍と前代未聞の洪水被害

2009年8月に発生した大洪水によって、パキスタンは国土の5分の1が浸水、約2千万人が被災したと言われています。発生1カ月たっても水は引かず、被災者は寸断された道路やシェルターに取り残されたままでした。未曾有の災害となった洪水の救援活動から戻ったばかりのフェリヤ・アリ・ガハルさんに聞きました。パキスタン出身の俳優、映画監督、作家、人権運動家のガハルさんは、米国の無人機攻撃と洪水との間に具体的な関係があると言います。

【Express】ロバート・フィスク 「差しのべた手を握りこぶしに変えたオバマ」

著名な中東ジャーナリストが、カイロの現場から歴史的なエジプトの民衆蜂起を語ります。

【Express】エジプト蜂起の火付け役アスマ・マフフーズのYouTubeビデオ

26歳のエジプト人活動家、アスマ・マフフーズは2011年1月18日、1月25日にタハリール広場に集まって、ホスニ・ムバラクの“腐敗した政府”に抗議するよう人々に求めるビデオをインターネット上に投稿しました。彼女の感動的な呼びかけは、最終的にエジプトの蜂起を奮い立たせることになりました。

オバマ大統領がインドに売りにいったもの

2010年11月、オバマ米大統領は3日間をかけてインド訪問。目的は、「セールス」。折しも中間選挙で民主党が歴史的な大敗を期した直後。次期大統領選での勝利をあやぶむ声も聞こえるなか、経済成長著しいインドに対して米製品の輸出契約をどっさり結び、米国内の雇用を大規模に創出する。オバマは起死回生のそんなシナリオをぜひとも実現したかったに違いない。10日間にわたるオバマのアジア4カ国歴訪の皮切りとなったインド訪問には、ゼネラル・エレクトリックやボーイングなど米企業幹部が250人ばかりも同行し、米業界のインドへの熱い期待を裏付けた。米印「民主主義国」同士で連携し、もうひとつの新興大国中国の脅威を牽制する、そんな計算ももちろんあり、オバマは両国の「共通の利害と価値観」を強調し、最大限の愛想をふりまいた。 (26分)

ご近所の敵、中絶の権利をめぐる街角の闘い

2009年5月のギャラップ調査では、米国で妊娠中絶に反対する人(pro-life)の数が妊娠中絶を選ぶ権利を支持する人(pro-choice)の数を1995年以来、初めてうわまわりました(51%対42%)。レイチェル・グレイディとハイディ・エウィングのドキュメンタリー映画『12th and Delaware(デラウェア通り12丁目)』は、日常生活の中で正面切って論じられることが少ないけれど米国を2分する、静かだけれども凄絶なこの闘いを描きます。

ティム・ショロック:朝鮮戦争終結には北朝鮮との直接対話しかない

2010年11月23日、北朝鮮が行なった韓国の延坪(ヨンピョン)島への砲撃は日本でも大きく取りあげられました。この砲撃に対し韓国のイ・ミョンバク(李明博)大統領は「断固とした措置」をとると述べ、オバマ大統領も「北朝鮮の行動は言語道断だ」と非難しました。朝鮮半島を30年に渡って取材してきたティム・ショロック氏はこうした報道とは違う見方をしています。

【Express】神保哲生レポート:原発事故に追われ津波被災者の救助がおろそかに

ビデオ・ジャーナリストの神保哲生記者が東日本大震災による大津波で壊滅的打撃を受けた気仙沼・陸前高田市の被災者の様子をリポートします

【Express】「夢が実現した」ムバラク辞任を祝うエジプト国民

デモクラシー・ナウ!の特派員アンジャリ・カマトが、ムバラク大統領辞任のニュースを聞いた後のエジプト・タハリール広場の人々にインタビューしました。市民たちの喜びが生き生きと伝わってきます。ムバラク大統領は辞任したものの、民政移行にはまだ多くの課題が残っています。デモ参加者たちは、30年間続いている非常事態法の解除や憲法改正あるいは新憲法の制定も求めています。軍最高評議会が暫定統治するなか、エジプト国民の要求はどこまで実現するでしょうか。

ジョージア州の刑務所で大ストライキ

携帯電話を使って連帯し、権力者の人権抑圧に対し非暴力の闘いを挑む。しかも、指導者はいない―エジプト革命? いえいえ、2010年12月ジョージア州で起きた米国史上最大の刑務所ストライキの話です。 ジョージア州では刑務所で課される労働には、支払いがなされません。全国的にみても囚人の労働はほとんどが無給。1時間の労働にせいぜい50セントが支払われればよいというのが、水準のようです。そのため無事刑期を終えても釈放される時、ほとんど無一文で社会に戻るケースが大半を占めます。しかも、ジョージア州の場合、教育の機会も運動の機会も無く栄養状態は悪く獄房は超満員。しかも、看守はヒマにまかせて気まぐれに暴力をふるい、囚人はひっきりなしの暴力におびえなければなりません。刑務所は受刑者を更正し社会に貢献できる人物に育てるための施設ではなく、強制労働を求めるだけの施設になりさがっているのです。

タハリールの攻防

2011年1月25日からエジプトで続いた民主化デモの正念場の1つに、2月2日、タハリール広場で繰り広げられた大統領支持派と市民の攻防戦があります。一夜明けたタハリール広場で、シャリフ・アブドゥル・クドゥースが市民にインタビューしました。市民が一様に口にしたのは、ムバラク派の暴徒が馬やラクダで突っ込み、銃、火炎ビン、ナイフやパイプなどの武器を使って襲ってきたことでした。橋の上など高所からの狙い撃ちもありました。

ナオミ・クライン:支払う気のない入札で活動家が有罪に― ならば環境汚染企業は?

環境活動家ティム・デクリストファーはユタ大学の学生だった2008年末に、公有地での石油・天然ガスの採掘のための入札を阻止しようと、会場に入って入札に参加し10万エーカー(約400平方km)の土地を競り落としました。ユタの自然を守る快挙でしたが、デクリストファーは入札妨害で起訴され、2つの重罪で有罪判決を受けました。彼が罪に問われたのは、「支払いの意思がないのに入札に参加した」ことです。でもそれならば入札に参加した他の企業には、自分たちの生産する石油やガスが引き起こす環境汚染のコストや事故が起きたときの損害賠償を支払うつもりはあるのでしょうか、とナオミ・クラインはダブルスタンダードを指摘します。(9分)
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