「イラクはもはや存在しない」 ニル・ローゼン記者が語る 米軍のイラク侵略がもたらした民族浄化、難民危機、中東の政情不安 前編

 アメリカのイラク戦争は5年目に入り、イラクでは膨大な数の人々が家を捨てて他所に逃れています。イラクの人口の1割を超える500万人々が難民となっていると推定され、その数は毎月5万人のペースで増え続けています。イラク難民が周辺諸国に押し寄せ、各国が抱える複雑な宗派・民族対立を揺さぶり、地域全体に危機的状況を引き起こしています。彼らの祖国では、各地の武装勢力が独立性を強めて群雄割拠の状態となり、もはや帰還すべきイラクという国など存在しないとまで言われる状態です。イラクの現場から詳細な報告を送り続けている独立系ジャーナリスト、ニル・ローゼンに、中東の難民危機の現状と、これによる潜在的な影響について聞きます。(11分)

アルゼンチンで初の女性大統領が当選 IMFとネオリベラル政策への明確な拒否

 ここ数年、中南米では次々と左派政権が誕生しています。共産主義を象徴する色が赤であることにちなみ、それが少し薄まったイメージの現在の左派勢力の勢いは「ピンクの潮流(Pink Tide)」と呼ばれています。今回は、昨年末に見られた「ピンクの潮流」を2つ紹介いたします。2007年10月に、ネストル・キルチネル前大統領の夫人であるクリスティナ・フェルナンデス氏が、大統領に選ばれました。2006年3月年にチリ大統領に就任したミシェル・バチェレ氏に続き、ラテン・アメリカではここ2年足らずの間に2人の女性大統領が誕生したことになります。 (8分)

ブルックリンからバクダッドに架かる平和の橋 米国人とイラク人学校教師が立ち上げた平和プロジェクト

反戦 イラク
ブルックリンの学校教師ブルース・ウォレスは、「平和な明日のための9.11遺族の会」のメンバー。甥のミッチェルは、世界貿易センターに1機めの飛行機が衝突したのを目撃して救援に駆けつけたところ、ビルが崩れて死亡しました。呆然とした日々を送っていたある日、「平和な明日のための9.11遺族の会」を見つけ、怒りと悲しみのエネルギーを平和をもたらす力に変えようとしている遺族たちに感銘を受け、会のメンバーになったのです。(17分)

「アフガニスタンで最も勇気ある女性」マラライ・ジョヤ 軍閥支配のアフガニスタン政府と米軍駐留を非難する

 2001年9月11日の同時多発テロ事件の報復として、2001年10月から空爆されたアフガニスタン。米国率いる連合軍は、タリバン政権を崩壊させてハーミド・カルザイを大統領に据え、民主主義と女性の人権尊重を進めている、とされています。 しかし、アフガニスタンで最もはっきりと意見を表明する女性議員マラライ・ジョヤは、大きな声で異論を唱えます。このセグメントでは、政府を堂々と批判して、国会議員の資格を任期満了時まで剥奪されてしまった彼女の主張を紹介しています。(11分)

メディアは地球温暖化をどう伝えているか?

2007年9月に、環境ジャーナリスト協会がスタンフォード大学で第17回年次総会を開催しました。このセグメントでは、総会に参加した2名の著名な環境ジャーナリストに話を伺います。(9分)

グアンタナモ米軍基地 テロ容疑者収容開始から6周年

米国がキューバのグアンタナモ基地に、「テロとの戦い」と称するもので捕らえた人々を違法に拘束し始めたのは、2002年1月11日のことです。この6年間に「敵性戦闘員」とされる800人以上の男性(未成年者も含む)たちが、訴追手続きなしで収監されています。グアンタナモ収容所には米国の法律もキューバの法律も適用されず、収容者は戦争捕虜としても扱われません。おまけに法による保護を奪われた収容者たちには、情報を引き出す手段として心理学や医療の力を借りた拷問が加えられています。グアンタナモ収監者の惨状について「憲法上の権利センター」代表のマイケル・ラトナーに話を聞きます。(20分)

ニューヨーク初のアラビア語公立学校にバッシング

アラビア語とアラブ文化の教育に力を注ぎ、ニューヨーク市初の公立アラビア語学校の設立に努めてきた教育者デビ・アルモンタザーが、開校を前に校長辞任に追い込まれました。ハリール・ジブラーン国際学園の設立計画には、右翼メディアや親イスラエル勢力から組織的な妨害運動が続いていました。今回の事件は、アルモンタザー校長がニューヨーク・ポスト紙の質問に答えて「インティファーダ」のアラビア語の原義は「払いのけること」だと述べたことに端を発し、校長はテロリズム支持者だとマスコミの集中非難を浴びせられたことが原因でした。事件の真相と、イスラム文化へのいわれのない中傷をめぐって2人のゲストに話を聞きます。(18分)

「冬の兵士」集会:イラク・アフガニスタンの帰還兵が戦争の残虐さを証言 3

2008年3月半ば、米国の首都ワシントンDC郊外にあるシルバースプリング市で、米国史上2度目の「冬の兵士」(Winter Soldier) 証言集会が開かれました。主流メディアのほとんどが無視したこの集会の様子は、もっぱらデモクラシー・ナウ!や他の独立系公共メディアで報道されました。最初の「冬の兵士」集会は1971年にベトナム帰還兵によっておこなわれ、ベトナムにおける米軍の戦争犯罪を告発する証言を行いました。この伝統を受け継ぎ、今回はイラクとアフガニスタンからの帰還兵数百人が、米軍による戦争犯罪の実態を告発しました。「冬の兵士」の名前は、米国独立運動の思想家トーマス・ペインが、過酷な軍務を嫌って脱走した兵士たちを「夏の兵士」と呼んだのにちなみます。(16分)

レバノン 米国が支援する政府側武装勢力とヒズボラが衝突

レバノンでは5月にヒズボラ率いる反政府軍と米国が支援する政府支持派が衝突し、内戦終結以来最大の国内危機を迎えました。一時は反政府軍がベイルートの大半を制圧する事態に発展し、80人以上が死亡し、多数の負傷者が出ました。カリフォルニア大学のアスアド・アブハリール教授に背景を聞きます。「スーダンやパレスチナ、イラク、アフガニスタン、ソマリアなどで起こっていることと非常によく似ています。米国が内戦をけしかけ、資金を提供しているのです」と教授は述べます。(8分)

フードスタンプ受給者が、かつてなく増加

米国にはフードスタンプと呼ばれる、低所得者向けの食品配給券の制度があります。これをもってスーパーなどに行くと普通のお金と同じように食品などの生活必需品を購入することができます。米政府当局は今年末までに、このフードスタンプ受給者が2800万人に達するだろうと予想しています。昨年は40以上の州でこの受給者が増加しました。うちアリゾナ、フロリダ、メリーランド、ネバダ、ノースダコタ、ロードアイランドの6州では10%以上の増加でした。ウエストバージニアでは6人に1人がフードスタンプ受給者です。(7分)

下院司法委員会 異例の大統領弾劾についての公聴会を開く

クシニッチ議員の提出した弾劾決議法案を受けて、下院司法委員会は7月末に前例のない公聴会を開きました。ブッシュ政権が憲法によって与えられた行政府の権限を逸脱したかどうか、またそのような権限の乱用があった場合、ブッシュ大統領への弾劾が正当化されるかどうかに関して、弁護士の証言や議員の発言が行われました。「大統領権限に対する憲法の制約」に関する公聴会という名称には、「弾劾」という明確な文句は含まれていませんでしたが、この聴聞を機に、数名の民主党議員がブッシュ大統領とチェイニー副大統領に対する弾劾手続きを始めました。公聴会のハイライトをお送りします。(22分)

カーライル・グループ 民間軍事諜報企業ブーズ・アレン・ハミルトン買収へ

カーライル・グループは未上場企業投資を専門に行う世界でも最大級の投資ファンドです。 一方、最もなぞに満ちたファンドでもあり、数々の政治家との深い関係から「元大統領のクラブ」と呼ばれていました。近年同社の取引に厳しい目が向けられてから、軍事契約数や問題の多い政治家との関係を減らす傾向にありました。しかしそのコースは変更されたと見え、今年5月には諜報コンサルティング企業であるブーズ・アレン・ハミルトン(以下ブーズ・アレン社)がその政府関連部門をカーライル・グループに売却すると発表しました(その買収は事実上7月に完了しました)。ブーズ・アレン社は民間の軍事諜報企業の大手であり、現在米国で進行中の「政府の諜報活動の民営化」の一端を担う企業で、米国の諜報活動において戦略的に重要な役割を負っています。(30分)

ガザ解放船がキプロスを出航 イスラエルの封鎖を破れ!

漁船を改造した2隻の船が今日キプロスを出ました。目的地はガザです。イスラエルの封鎖に抗議し、ガザ解放を世界に訴えるため、17カ国から集まった40人以上の人々が乗り込んでいます。イスラエルは、ガザからは撤退したといいながら、国際赤十字や人道団体援助の立ち入りさえ許さない非人道的な封鎖をつづけているからです。イスラエルは彼等を海賊とよび、ガザに近づけば実力で阻止すると宣言しました。リバティ号とフリーガザ号の船上から3人の活動家の話を聞きました。(11分)

「プラン・メキシコ」麻薬撲滅に名を借りたNAFTAの軍事化

北米自由貿易協定(NAFTA)発効から15年、当初約束された経済繁栄とは裏腹にメキシコは米国に安価な労働力を供給する移民工場になっています。それに追い討ちをかけるように、ここへきてNAFTA軍事化の動きが顕在化してきました。ブッシュ政権が2008年6月に打ち出した麻薬撲滅政策「プラン・メキシコ」は、社会経済対策をおろそかにして軍事方面ばかりに力を入れています。初年度予算4億ドルの大半は、米政府と契約する傭兵会社とメキシコ軍の手にわたります。国境管理の強化は、麻薬と移民の流入を防ぎたい米国、武器流入を防ぎたいメキシコ側の共通の要求です。しかし、その裏には別の思惑もあるようです。(26分)

党大会の因習を打破せよ 2.エイミーたちが逮捕!

2008年8月末から9月にかけて2大政党の全国大会が開催され、両党の大統領、副大統領候補が正式に指名されました。デモクラシー・ナウ!では2週間にわたる現地取材を行ない、華やかな党大会と聴衆を酔わせる流麗なスピーチの陰で、黙殺された抗議の声や問題点に焦点を当てました。共和党大会では、警察の過剰警備と取材妨害が焦点でした。警察の行動を監視してきた市民団体アイウィットネスは、宿泊先に警察のものものしい手入れがあり、この過剰な予防措置におびえた家主から立ち退きを宣告されました。大会周辺で行われた抗議デモは重装備の警官に蹴散らされ、取材中のジャーナリストも多数逮捕されました。デモクラシー・ナウ!でもエイミーと2人のプロデューサーが逮捕されました。(20分)

バラク・オバマと米国の外交政策の今後

2008年11月4日の夜、歴史的勝利が判明すると、次期大統領バラク・オバマに世界中から続々と祝辞が寄せられました。米国民のみならず世界の多くの人々にも、オバマ選出は時代の画期ととらえられました。しかし実のところオバマの外交政策の姿勢とはどのようなものなのでしょうか?また米国の外交政策の戦略ポイントに位置づけられる国々の住民は、新政権に何を期待しているのでしょうか?(46分)

オバマの景気対策と金融再生計画を辛口採点

金融危機
2月13日オバマ新政権の7890億ドルの景気対策法案が上下両院で可決されました。最終的な景気対策の規模は経済学者の多くが必要だと言う額を大きく下回りますが、それでも米国では1933年にフランクリン・ルーズベルト大統領がニューディール政策を打ち出して以来の最大の景気対策です。同じ週にガイトナー財務長官が「金融再生計画」を発表し、不良債権の買取基金の設置により不良債権処理を促進する方針を明らかにしました。こちらの方は、問題を起こした当のシステムを蘇生させるものだと批判され、実体経済を放置して金融機関のみを救済し、そのつけを国民に回す詐欺的なものだという非難が上がっています。2人の代表的な反シカゴ学派の経済論客が、オバマ政権の景気対策と金融対策をきびしく採点します。(20分)

ラムズフェルド元長官は囚人虐待に直接の責任がある-米上院報告

米上院では、ドナルド・ラムズフェルド元国防長官や他のブッシュ政権高官が、グァンタナモを始めとする米軍の収容所での囚人虐待と拷問に直接の責任があったと非難する超党派の報告書が提出されました。ベルリンでラムズフェルドを告訴したドイツ人弁護士ウォルフガング・カレックに話を聞きます。(18分)

アフガニスタンにはオバマが主張する軍事解決などない

オバマ大統領は就任直後から、アフガニスタンとパキスタンにまたがるアルカイダの「隠れ家」を取り除くことの重要性を強調し、アフガニスタンへの増派の方針を打ち出していました。2004年にアフガニスタン・イスラム国の新憲法が発布され、初の大統領に選出されたハーミド・カルザイは、ずっと米国の指令に忠実にしたがってきましたが、平和は実現したものの経済発展はほとんどありませんでした。その結果、この5年間でアフガニスタン政府は求心力を失い、その支配は首都カブールに限定され、他の地域は群雄割拠の状態です。せっかく開かれた国家形成の機会を見逃してしまった米国の失敗は、どこに原因があったのでしょう?(18分)

日用品の毒性規制の遅れが米国製品の市場を狭める

調査ジャーナリストのマーク・シャピロを迎え、おもちゃや化粧品など日常的に使用する製品に含まれる化学物質の人体や環境へ安全性の基準が緩められていることが、米国製品の国際競争力を失わせると論じる最近の著作について語ってもらいます。 米国では化学薬品や工業製品の安全性を守る規制が、企業ロービーの圧力によってどんどん緩和され、有名無実化しています。企業側の主張は、規制を緩和しないと競争力が損なわれるという、おなじみのものです。しかし、本当にそうなのでしょうか?(31分)
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