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課題動画のリスト
◇「学生字幕翻訳コンテスト2015」課題ラインアップ◇
☆これは2015年度の課題です。今年度のラインアップはこちらから
次の1)~7)が2015年度の第1回コンテストの課題動画です。複数の課題に取り組むこともできますが、エントリーと応募はひとつずつ行ってください。指定した参考動画以外にも、関連する字幕つきの動画がデモクラシー・ナウ!ジャパンのアーカイブにあります。各自で調べてみましょう。
課題1: 市民が守る「ネットの中立」

FCC ネット中立の保護に転換 「開かれたネット」を巨大ケーブル会社の支配から守る市民の勝利(12分)
http://democracynow.jp/dailynews/15/02/06/2
インターネットが企業利益追求のために二層化するところだったのを、反対する市民の声が止めました。「ネットの中立」という抽象的な言葉ではぴんとこないのですが、ことの重大性を普通の人々に周知させる努力がいかに重要かがよくわかる動画です。
参考動画:マイケル・パウエルの置き土産とネット中立性を守るバトルの再開
課題2: 欧州に広がる反緊縮、反格差運動

ブロキュパイ運動:ユーロ圏での「緊縮政策の実験室」廃止を求め フランクフルトで数千名がデモ(9分)
http://democracynow.jp/dailynews/15/03/19/1
欧州ではユーロが抱える矛盾から左派勢力が大きく勢力を伸ばし、大きな変化の兆しが見えています。日本と共通するところも多い欧州社会ですから、その市民の主張は伝えておきたいものです。
参考動画:左派シリザ党が歴史的勝利 ギリシャが最前線を行く欧州の反緊縮の闘い
課題3: 刑事司法による黒人差別

ミシェル・アレグザンダー: ファーガソンの抗議行動は刑事司法による人種的統制の撤廃を示唆している(14分)
http://democracynow.jp/dailynews/15/03/04/1
ミシェル・アレグザンダーは、刑事司法を通じた黒人支配が復活しているという画期的な視点の本を書き、米国で大きく注目されました。現在、米国各地で黒人に対する警察の差別的な暴行への抗議が起きていますが、それについての彼女の見解を聞きます。
参考動画: 新たなジムクロウ 大量投獄に見る隠された人種差別
課題4: 投資撤退運動 気候対策

ハーバード大学で化石燃料からの投資撤退を求める学生の事務局占拠が拡大( 9分)
http://democracynow.jp/dailynews/15/04/16/4
今年12月にパリで開催される国連気候サミットに向け、気候変動問題が世界的に大きなテーマになり、運動が盛り上がりそうです。ここに取り上げたのは大学生が進める運動なので、みなさんにも身近に感じられると思います。
参考動画1:石炭企業からの投資撤退 スタンフォード大学の決断
参考動画2:資本主義と気候の対決~ナオミ・クライン
課題5: 大学の企業化

大学は行く価値があるのか? 新ドキュメンタリー『象牙の塔』が描く高等教育の持続不可能な支出と学生ローン (9分)
http://democracynow.jp/dailynews/14/06/10/4
日本でも奨学金問題が大問題になってきていますが、問題の把握のためには米国の学生ローン問題と比較することが、参考になると思います。米国流の企業経営至上主義が日本の大学にも持ち込まれ、いまやどこの国でも大学の存在意義そのものが問われる事態になっています。
☆人気集中で、9月時点で15件以上のエントリーがあります。
参考動画1:学生ローン危機に対するオバマ大統領の取り組み 返済条件の大幅緩和も焼け石に水?
参考動画2:政府の学生ローンが若者を餌食に生み出す第二の住宅バブル
課題6: 政治とアート

潰された虫けらじゃない パキスタンの子どもの巨大写真で米無人機操縦士に立ち向かうアーティスト (3分)
http://democracynow.jp/dailynews/14/04/10/3
挑戦しやすい短めの動画です
課題7: 米国流アクティビズム

米国高官を装うイエスメンが 国土安全保障会議で再生可能エネルギー革命を発表(最初の5分)
http://democracynow.jp/dailynews/14/05/02/4
☆注意:リンク先は、ロングバージョンの動画です。動画は10分ありますが、課題は最初の5分ほどだけです。
参考動画1:地球温暖化を否定するエネルギー業界のPR作戦
参考動画2:資本主義と気候の対決~ナオミ・クライン
挑戦しやすい短めの動画です
推薦のことば
グローバル時代と言われますが、メディア界でも大国や企業の論理が優先し、普通の人びとの声はかき消されがちなのが現実です。そのなかで非営利・独立を貫く「デモクラシー・ナウ!」はアメリカのみならず世界で広く信頼を得ています。その生きた情報を日本に伝えるために重要なのが字幕翻訳ですが、実際にチャレンジすることを通じて、グローバルな問題について理解を深め、英語運用能力に磨きをかけてみませんか?
特別審査員:中野晃一 上智大学国際教養学部教授 |
デモクラシー・ナウ! 「グローバル化」と言われながら、何もしなければ限られた視点からの限られた情報しか入ってこない今、そして既存メディアの一部が「御用」メディアへと変容し、民主主義が危機にさらされている今、独立系メディアの役割はますます重要性を増しています。上質のコンテンツを対象とした字幕翻訳コンテストに参加し、グローバルなコミュニケーション力を磨きながら、新しいメディアのかたちを一緒に創りだしていきましょう。 特別審査員:影浦峡 東京大学大学院情報学環/教育学研究科教授 |
地球の裏側で何が起こっているか、ということは、一見、日本に住んでいる私たちには何の関係もないことのように思われます。しかし、歴史を丹念に見ていけば、けっしてそうではありません。世界はつながっていて、ある国での悲惨な出来事は、簡単に他の国でも起こりえるし、また、影響を及ぼしていくのです。例えば、いままで日本で軽視されてきた米国と第三世界とりわけラテンアメリカとの関係を注視することは、米国と日本の関係を理解するのにも役立ちます。そういう意味で、大手メディアでは取り上げられない、掘り下げられることのない視点からの報道と、それを翻訳して広く伝えることの意義を一緒に体感していきましょう。 特別審査員 長谷川ニナ:上智大学外国語学部イスパニア語学科教授,グローバル・コンサーン研究所員 |
独立メディアを理解するには、大手メディアが流していることも踏まえておかねばなりません。だから、「学生字幕翻訳コンテスト」で刺激されることは一石二鳥。字幕を考えることで英語表現に馴染めますし、日本語表現を工夫します。それも一石二鳥。字幕の出来映えを競う機会は他にあまりありませんが、ここでは国内外の学生とそれができます。これもまた一石二鳥。さて、全部で何鳥分楽しめるでしょうか?
船山仲他 神戸市外国語大学名誉教授/日本通訳翻訳学会前会長 |
「ニューヨークに赴任していた時、まだイラク戦争が続いていた。「誤爆」の一言で片づけられてしまうイラク市民の被害や、米軍と民間軍事会社との癒着ぶりなど、デモクラシー・ナウはシャープな切り口で迫っていて目が離せなかった。事実をきっちり報じることで「大きなウソ」を検証していく。この独立ジャーナリズムが、日本語でも紹介されていることは嬉しい。日本の若い世代が見て聴いて、メディアの力を実感してほしい。
水野孝昭 元朝日新聞NY支局長/神田外語大学教授 |