ニューヨーク市警察(NYPD)は9.11以降、国家安全保障局(NSA)よりもある意味ではさらに攻撃性のある諜報活動を行ってきました。その中核にあるのが、アラブ系とイスラム教徒の米国人たちを標的にした、彼らの生活、仕事、信仰の場でのスパイ活動です。2010年までNYPDの「人口統計部」として知られていた部署は、極秘にイスラム教徒の学生グループに潜入し、モスクに情報提供者を送り込み、レストランや理髪店やジムで盗聴し、巨大な情報データベースを構築しました。このプログラムは、国内スパイ活動をすることを禁じられている米中央情報局(CIA)の協力の下に確立されました。1ヶ月前の8月には、NYPDが、十数のモスクを含む少なくとも50のイスラム系組織をテロリスト集団と見なしたことが明らかになりました。これによって彼らは、モスクに諜報員を送り込み、礼拝者らを偵察し、極秘の録音をするといった「テロ計画調査」(Terrorism Enterprise Investigations)と呼ばれる活動を実施することができます。NYPDのスパイ・プログラムを明らかにし、ピュリッツァー賞を受賞したAP通信の二人の記者、マット・アプッゾとアダム・ゴールドマンから話を聞きます。