数年前にデモクラシー・ナウ!で紹介した映画『グラニート』が、日本語字幕つきで上映されることになりました。直前ですが、あらためて簡単な紹介です。
中央アメリカの国グアテマラは1950年代前半の民主化が米国の干渉で阻止されて以来、軍の親米派と反米派や左派の対立が続き、1960年に始まった内戦が96年の和平合意まで36年間も続きました。親米軍事政権は反体制派のゲリラ戦に対抗するため、ゲリラや左派が潜入していると見られるマヤ系先住民の村を襲撃して焼き払い、住民を大量虐殺しました。
1961年1月にアイゼンハワー米国大統領がキューバとの国交を断絶してから54年、今年5月29日にキューバは米国のテロ支援国家指定を解除されました。グアンタナモ基地の返還、対キューバ禁輸措置の全面解除など、いまだ多くの課題を抱えつつ両国間の正常化交渉は続き、7月20日にはキューバとアメリカは正式な国交回復に漕ぎつけました。
そうした中で、キューバでは新たな可能性への期待や、ビジネス機運が高まっています。隣国の巨人アメリカに扉を開くことで、キューバ社会はどう変わるのでしょう。世界に先駆けて先進的な有機農法システムへの大転換を達成したキューバ人は、米国資本の市場参入に対抗できるのでしょうか。メキシコと日本で歌手として活動されている八木啓代さんをお迎えし、今まさに大きな転換期にあるキューバの歴史、社会背景、そして今後を探るトークイベントを開催します。
2014年夏の盛りにミシガン州セントルイス郡の小さな町で起きた事件が全米をゆるがすことになりました。ファーガソンで起きた18歳のマイケル・ブラウン射殺事件です。白人警官との路上での遭遇からわずか90秒後に武器をもたない黒人少年が射殺されたのです。警官による射殺自体は、よくある出来事にすぎません。2014年には12月後半までに全米で少なくとも32人が亡くなったとされます。マイケル・ブラウンの事件も遺族にゆきどころのない怒りを残したまま、忘れ去られて不思議はなかったのです。
水色の服を着て、集合!そして、米国と世界の金融と政治を牛耳るウォールストリートを気候温暖化に反対する人の波であふれさせよう―これが、フラッド・ウォールストリート(Flood Wall Street :ウォールストリートをあふれさせよう)の呼びかけでした。ウォールストリートでシットイン(すわりこみ)をし温暖化促進に励む石炭・石油産業に巨額を注ぎ政治を牛耳っている体制に「ノー」をつきつけるのが目的です。前日9月21日の40万人近くが参加した「民衆の気候マーチ」とは違い、市の許可を得ていませんし、道路にすわりこんで交通を止め、ウォールストリートのビジネスを攪乱しようというのですから、逮捕者が出ないはずはありません。言い方を変えれば、逮捕で終わらなければサマにならないイベントでした。
2014年9月21日、ニューヨーク市で開催された「民衆の気候マーチ」。1500団体、40万人近くが参加し、先頭から最後尾まで、行列の長さは4マイル(約6.4km)に達しました。行進は午前11時30分にセントラル・パーク・ウェストを出発し、12時58分から午後1時にかけて2分間、炭素燃料による環境破壊で亡くなった犠牲者のための黙祷が献げられました。
「明日のマーチについては、議論が百出しています。パーフェクトではありません」―「民衆の気候マーチ(People’s Climate March)」を翌朝にひかえた2014年9月21日、気候正義を求める団体 Climate Convergence(「気候で集合」)のイベントにメインスピーカーとして登場したナオミ・クラインは、率直に語りかけました。ふたを開けてみれば史上空前の40 万もの人が参加し予想をはるかに超えた大成功に終わったマーチですが、実現前には、大量参加で数の威力を見せるのを良しとするか、数を絞ってでも先鋭な切り口を突きつけ根源的なビジョンを打ち出すのが得策か、その目的と意義についてさまざまな意見の戦いがあったのです。
1600マイルというから2600キロメートル弱。稚内から那覇まで日本を縦断する直線距離にあたる。ホンジュラスの首都テグシガルバから、グアテマラとメキシコを抜け、アメリカ合衆国の国境にいたる距離でもある。
2013年10月はじめから9ヵ月たらずの6月半ばまでに、親や成人の同伴者なしにメキシコとの国境を越えてアメリカに密入国した子供が5万7000人に達した。うち4万人近くは13歳から17歳のティーンエイジャー。6歳から12歳の子も6000人を超え、5歳以下の子すら786人を数える(ピュー・リサーチ・センター調べ)。その4分の3はホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラの中米3国から来たという。
それぞれの放送について順次、紹介しています。これは1月3日に放送された「NAFTA締結から20年」を中心に、自由貿易協定とグローバリズムの影響を振り返る番組です
今年5月末に、「マルコス副司令官が引退」という小さなニュースがありました。20年前にメキシコでNAFTA(北米自由貿易協定)に反対して蜂起したサパティスタ民族解放軍のリーダー(の具現化)です。マルコスは役割を終え、次世代に道を譲って消滅しました。
DNJクラウドファンディング第2弾企画(詳細はこちら)それぞれの放送について順次、紹介しています。これは昨年12月に放送された、チョムスキーについての新作映画の紹介のインタビューから。