レジームチェンジによる植民地支配の継続 1953年のイラン政変の意味

レジームチェンジによる植民地支配の継続 1953年のイラン政変の意味

最近のニュースで興味深いものを選んで紹介しています。

「いつだって、石油のためさ」CIAとMI6が70年前に仕掛けたクーデターがイランの民主政治を破壊した

1953年に起きたイランのクーデターは英国(MI6)と米国(CIA)の画策によるものでした。イランに初めて誕生した民主政権を、大英帝国時代の石油利権を守るために潰したのです。それを証拠づける公文書や関係者の証言などをもとに、イラン人の監督が長年にわたる取材の成果として2019年に世に出した決定的なドキュメンタリー映画が「Coup 53」です。

イランにおける政権すげ替え工作の成功は、その後にCIAが世界中で繰り返してきたレジームチェンジ(他国で都合の悪い政権ができればクーデターを煽って親米政権に変える)工作の引き金になったといえます。翌年にはグアテマラの革新派ハコボ・アルベンス大統領が追放され、インドネシアやカンボジアでも動乱が起きました。

共産主義から守ってやると言いながら、欧米が守ってきたのは自国企業が天然資源や労働力を搾取する権利でした。21世紀に入ってからも、イラクやリビア、シリア、パキスタンなどで政権を転覆させています。ソ連の崩壊後は、テロとの戦いに名前が変わっただけです。

モサデグ政権転覆から70周年を記念して放送された監督へのインタビューは、ちょうどいまBRICSサミットでグローバルサウスが独立後も継続している欧米による支配(ネオコロニアリズム)からの脱却に動く意思を明確に示したことと重ねると、たいへん感慨深いものがあります。

 

 

 

demozo
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