欧州連合(EU)は5月11日、リビア周辺海域で活動する人身売買業者に対する武力行使の許可を国連安全保障理事会に求める予定です。国連の推計によると、今年に入りリビアから地中海を渡ってヨーロッパに入ろうとする移民はすでに6万人を超えました。渡航中の死者は1800人を超え、2014年同時期の20倍に達しています。いっぽう欧州委員会は、移民割当制度による難民受け入れを加盟国に提案することになっています。欧州委員会は移民政策の一環として、移民が人身売買業者に渡されることなくヨーロッパに来るための法的手段を提案する予定です。アムネスティ・インターナショナルは、移民が「恐ろしい虐待」から逃れるためにリビアから脱出せざるをえない状況について最新の報告をまとめました。報告はリビアからの難民および移民への取材を基に書かれ、彼らが「人身売買業者や密航業者による強姦、拷問、身代金目的の誘拐に直面するだけでなく、雇用主による組織的な搾取、武装勢力や犯罪組織による宗教迫害など多くの虐待にさらされている」としています。アムネスティ・インターナショナルのリビア研究者でこのレポートを執筆したマグダ・ムグラビに聞きます。