世界で最も長い歴史と権威を誇る国際美術展「ヴェネチア・ビエンナーレ」の会場で、著名なパレスチナ人アーティスト、エミリー・ジャーシルに話を聞きます。ジャーシルは2007年にMaterial for a Film(『映画のための素材』) と題した作品でヴェネチア・ビエンナーレの金獅子賞を受賞しています。この作品は、1972年にイスラエルの諜報機関モサドにより、イタリアのローマの自宅付近で暗殺されたパレスチナ人の文筆家ワエル・ズワイテルの人生を基にした大規模なインスタレーションです。ジャーシルは何年にも渡って、パレスチナ人の体験や問題を捉えた革新的な芸術作品を生み出してきました。2001年には、Memorial to 418 Palestinian Villages Destroyed, Depopulated, and Occupied by Israel in 1948(『1948年にイスラエルが破壊し、住民を追放し、占領したパレスチナの418の村の記念碑』)を発表しました。この作品はパレスチナの418の村の名前を刺繍した大きな難民テントで構成されています。