米国の元労働長官ロバート・ライシュは、オバマ大統領の経済危機への対応と、クリントン政権によるグラス・スティーガル法の廃止を批判しています。同法の廃止は、商業銀行と投資銀行の境界をなくすという、画期的な規制緩和であり、金融崩壊を導くきっかけになったと広く認識されています。クリントン政権はさらに、米国の福祉法を大きく変えて、数百万人から活保護を取り上げました。「ホワイトハウスの外に出て、何か兆候が見られるだろうと期待しながらコンスティチューション・アベニューに沿って自分のオフィスまで歩いて戻ってきました。しかし、あの問題について多くの人々が懸念していたのに、通りには誰もいませんでした。耳が痛いほどの静けさで、しーんとした空気が流れていました」と、クリントンが福祉法改革に署名した日のことをライシュは振り返ります。このとき彼は「この国の富と権力の集中化が高まることについて懸念する人々が何もせず、その存在が目に見えないなら、進歩的なことは何も起こらないだろう」ということがわかったと言います。ライシュは現在、カリフォルニア大学バークレー校の公共政策の教授です。彼は、『余震(アフターショック)そして中間層がいなくなる』を含む13冊の本を執筆しました。