気候変動を無視し北米先住民族を疎んだ右派のスティーブン・ハーパー首相をカナダの有権者が退場させる
2015/10/20(Tue)
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カナダでは有権者の投票により、10年近く政権の座にあった右派のスティーブン・ハーパー首相の退任が決まりました。近年の歴史の中でも稀に見る接戦となった選挙は予想外の結果をもたらし、中道派の自由党が第3党から大躍進し過半数の議席を獲得しました。これにより、自由党の党首ジャスティン・トルドーがカナダの次期首相になります。今回の敗北を受けて退任するハーパー首相は、これまで3回の選挙を戦いましたが、いずれにおいても与党保守党の得票が4割を超えたことはありませんでした。ガーディアン紙は、ハーパーの環境問題に対する敵対的姿勢と、その他の特徴的な右派の政策から、彼のことを最近の見出しで「北米最後のジョージ・W・ブッシュの遺物」と呼んでいました。10月19日の投票結果は、伝統的左派の新民主党(NDP)にとっても大きな敗北で、野党第1党から第3党に転落してしまいました。NDPは8月の時点では支持率首位でしたが、指導層が中道寄りになびいたため、勢いを失いました。トルドーは、ハーパーの主要な政策のいくつかを覆すと約束する一方で、「カナダの愛国者法」として知られる「C-51監視法」(C-51 surveillance law)とキーストーンXLパイプラインなどの政策は支持しています。先住民系の弁護士で法律学教授であるパメラ・パルメーターと、カナダの主要な独立系ニュースサイトの1つ「ラブル・ドット・カナダ」(Rabble.ca)の設立者であるジュディ・レビックの2人にカナダの総選挙について話を聞きます。
