ハイチ地震現地報告 「治安上の危険」が救援物資や配給を妨げる

2010/1/22(Fri)
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ハイチではM7の地震で200万人が家を失い20万人の死者が出ました。地震から一週間後の首都ポルトープランスでは、生存者が避難の準備を進めていました。食糧や医療品の深刻な不足の中、伝染病の発生も心配され、約40万人が首都脱出を待っています。そんな中、米国から数千人の重装備の兵士が首都に到着しました。掠奪や暴動を防ぐためと称して、まるで軍事占領の様相です。しかし、肝心の救援物資は人々に行き渡ってないようです。いったい、なにが問題なのでしょうか?

現地のNGO職員の証言では、問題は現地の住民との信頼関係にあったようです。各国からの日用品や医療品などの救援物資はかなり早い段階で到着しており、港には水も食糧も港に積み上げられていたそうです。でもそれを人々に配給することができませんでした。米国の国務省が首都や周辺の多くの地域を治安上の危険地帯とみなしたため、国際支援団体の活動が大きく制限されてしまいました。地域の指導者との接触も制限され、信頼関係を築くこともできず、効果的な支援ができないのです。(中野)

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字幕翻訳:玉川千絵子/校正:永井愛弓
全体監修:中野真紀子・高田絵里