息子は戦死、家は競売に 貸し手より借り手の救済を

2008/10/17(Fri)
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オバマ新政権は2009年2月18日、ようやく住宅ローン破綻問題で借り手に対する支援措置のための対策を発表しました。2750億ドルを投入して支払い能力に見合ったローンの組み替えを促進し、差押さえに直面する900万世帯を救済するのが目標です。どの程度の効果を挙げるかは、まだこれからですが、前政権が何の対策も打たなかったことに比べれば重要な一歩を踏み出したことになります。

ニューヨーク市のクイーンズに住むジョスリン・ボルテールは、45年前にハイチから移民し、働きながら大学を出て、こつこつ貯めた5万5千ドルを頭金に1987年に家を買いました。自分の家で子どもを育てるという、アメリカンドリームの実現でした。しかし20年以上も住んできたその家も、じきに競売にかけられる運命です。悪徳金融業者にひっかかり、抵当として差し押さえられるのです。

失意の彼女に追い討ちをかけるように、長男がイラクで戦死したという知らせがとどきました。

☆アメリカン・ニュース・プロジェクトが制作したルポの紹介です。これが公開されてから2日のうちに、ボルテールさんを救おうという市民運動が起こり、団体「コードピンク」などが中心となった募金活動で、いったんは競売を免れました。(中野)

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字幕翻訳:阿野貴史/校正・全体監修中野真紀子