2月28日、ローマ教皇ベネディクト16世が退位しますが、80年代に当時まだラッツィンガー枢機卿だった頃の法王から、口封じをされ教会を追われた元カトリック司祭に話を聞きます。マシュー・フォックスはThe Pope’s War: Why Ratzinger’s Secret Crusade Has Imperiled the Church and How It Can Be Saved(『教皇の戦い:カトリック教会を危機に晒したラッツィンガーの秘密の聖戦とその救済手建て』)で、自身の体験を語っています。ベネディクト教皇は在任中に数々のスキャンダルに見舞われました。その中でも最も注目されたのは、教皇が、枢機卿時代に少なくとも1つの虐待事件を無視したといわれるなど、教会内で広まりつつある性的虐待スキャンダルへの法王の対応の問題でした。記録には、1985年、ラッツィンガー枢機卿が、子ども相手にみだらな行為をしたとして有罪となった司祭の聖位剥奪を遅延させたとあります。「教皇は『疲れた』と発言していますが、その言葉は真実だろうと思います。過去にあれほど蹂躙の跡を残してきたのが自分だったら、やはり疲れを感じただろうと思いますので」とフォックスは言います。「私たちが思っているカトリック教会、ヴァチカンという組織は過去のものとなりました。時代はその先を行っています。