デイリーニュース

  • 米国とイランは協力して追い詰められたイラクのシーア派政権後押しに乗り出すのか?

    イラク政府がスンニ派軍事勢力に対する空爆を米国に要請し、危機が深まる中で、イランの役割をみていきます。6月18日イラク政府は、先週より同国の広範囲な一帯を手中に収めた軍事勢力に対する空爆を、米国に対し正式に要請しました。英インディペンデント紙は、オバマ政権がイラク政府高官に対し、米国の軍事介入はマリキ首相の退陣が条件であると回答したと報じています。マリキ首相はシーア派で、イラクの宗派間対立を悪化させたと、多方面から批判されています。イラクおよびシリアの危機は、サウジアラビアがスンニ派軍事勢力を支援しているとマリキ政権が批判し始めイランとサウジアラビアの代理戦争に発展していると、多数のアナリストが指摘しています。同紛争に外国は関わるべきではないという6月18日のサウジアラビアの発言は、イランに向けられた警告と見られています。これはイランのハサン・ロウハニ大統領が、イラク内でスンニ派軍事勢力がイラク内のシーア派の聖地を脅かすなら、イランはその保護に「躊躇しない」と発言したことを受けたものです。オバマ政権は、軍事勢力の侵攻を止めるためにイランとの協力も視野に入れるとの立場を堅持しています。この問題についてはウィーンで開かれた核開発をめぐる協議でも、二国間で短い話し合いがもたれました。

    dailynews date: 
    2014/6/19(Thu)
    記事番号: 
    3
  • 「ネオリベのトロイの木馬」  ワールドカップによる立ち退きに大規模な抗議が起こるブラジル

    6月18日、ブラジルでは2014年ワールドカップ期間中の最大規模の抗議行動があり、数千人がデモ行進を行いました。「ホームレス労働者運動」のメンバーが、サンパウロの主要高速道路を封鎖し、ワールドカップのための巨大な支出に抗議し、手ごろな価格の住宅を増やすよう求めました。やはりワールドカップ開催中の都市ポルトアレグレでは、警察が催涙ガスとスタン擲弾を、国際サッカー連盟FIFAへの抗議活動を行うデモ参加者に対し使用しました。平和的抗議活動に対し、軍事装備に身を固めた警察機動隊の人数は大幅に上回っていました。今週、米国のジョー・バイデン副大統領がブラジルを訪問し、ワールドカップの米国・ガーナ戦(2-1で米国が勝利)を観戦すると同時に、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領との関係修復も図りました。米国家安全保障局(NSA)によるブラジルでの盗聴活動が暴露され、ルセフ大統領の私用の携帯電話の盗聴も明らかになって、関係がぎくしゃくしていました。ブラジルでは2016年にリオデジャネイロでオリンピックの開催も予定されており、ふたたび大勢の人々が立ち退きを迫られています。

    dailynews date: 
    2014/6/19(Thu)
    記事番号: 
    2
  • NFL「レッドスキンズ」の商標取り消しを勝ち取った ナバホの活動家アマンダ・ブラックホース

    米プロフットボールリーグ(NFL)ワシントン・レッドスキンズのチーム名変更を求める運動が広まりを見せていますが、このほど予想外の勝利を収めました。米特許庁は、同チーム名とロゴは米先住民への蔑称にあたるとし、レッドスキンズの商標を取り消しました。この決定は、レッドスキンズにチーム名変更を強制するものではありませんが、第三者によるチーム名とロゴの使用を法的に保護するのは、今よりも難しくなる可能性があります。同チームが不服申し立てを行っている期間は、商標は維持されると報道されています。しかし米先住民や「レッドスキンズ」ブランドを批判する人々は、チーム・オーナーのダン・シュナイダーが最終的にチーム名変更に追いやられることになる兆しだと、この行政判断に大喜びしています。2人のゲストをお招きしました。ナバホ族活動家で、同訴訟の原告でもあるアマンダ・ブラックホースと、スポーツライターのデイブ・ザイリンです。

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    2014/6/19(Thu)
    記事番号: 
    1
  • 「植民地主義は非人道的だ」:外交官ラクダル・ブラヒミ アルジェリア独立闘争の教訓を語る

    国連・アラブ連盟シリア担当合同特別代表を退職してから数週間、元自由戦士であり、長年外交官として活躍したラクダル・ブラヒミが母国アルジェリアと同国のフランスからの独立闘争について語ります。今では古典となった反植民地映画『アルジェの戦い』の中で、1950から1960年代初頭のフランス占領に対するアルジェリアの闘いが鮮明に描かれています。フランスの占拠について「フランスは我が国を奪い取りました」とブラヒミは言います。 「植民地政策は非常に非人間的な行為なのです」

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    2014/6/18(Wed)
    記事番号: 
    2
  • イラクやシリアは生き残れるか?ラクダル・ブラヒミ元国連特使が語る 宗派間戦争と2003年の破滅的侵攻

    スンニ過激派がイラクの大きな地域を支配する中、前国連・アラブ連盟特使ラクダル・ブラヒミにエスカレートしていくイラク紛争と2003年の米国侵略の長期にわたる影響、そして隣国シリアの危機について話を伺います。ブラヒミは元アルジェリアの自由戦士で、その後アルジェリア外務大臣となった人物です。何十年間にもわたり中東の外交関係に携わり、アフガニスタンからイラク、南アフリカまで多くの主要紛争の問題に取り組んできました。彼の長期にわたる努力にもかかわらず、シリア政府と反政府グループ間での和平交渉は実らず、ブラヒミは先月、国連・アラブ連盟シリア担当合同特別代表を辞任しました。米国のイラク侵略とそれに続く占領の遺産について、ブラヒミは「最大の間違いはイラクを侵略したことでした。米国に正しい選択と正しくない選択があるとき、米国は大抵の場合正しくない方を選んでしまうと、言いたくなります」と語ります。シリアの紛争については「膿んだ傷であり、正しく手当されないと、傷は広がります。そして今、傷が広がりつつあります」と話します。

    dailynews date: 
    2014/6/18(Wed)
    記事番号: 
    1
  • 『ザ・ラスト・マガジン』:死後1年、マイケル・ヘイステイングスが遺した小説が企業メディアを風刺

    2014 年6月17日で、調査ジャーナリストのマイケル・ヘイスティングスの死後1年がたちました。ヘイスティングは、全米で最も勇敢な若きレポーターの一人とみ なされていましたが、33歳の若さで自動車事故で死亡しました。イラクとアフガニスタンからの彼の記事は、戦争の隠された真実を明らかにしました。駐アフ ガニスタン米軍司令官だったスタンリー・マクリスタル大将に関するローリング・ストーン誌に掲載された2010年の記事は、マクリスタルと彼の側近が政府高官 について軽蔑的な発言をしたことを伝え、政治論争を巻き起こしました。記事は、アフガ二スタンでの戦争の方向性をめぐる長きにわたる政府の不協和音を明らかにし、マク リスタルは更迭されました。ヘイスティングスの死から1年経って、彼のレポートは再び脚光を浴びています。ヘイスティングスは2012年、米国人戦争捕虜 のボウ・バーグダール陸軍軍曹についてローリング・ストーン誌に大規模な調査記事を執筆しました。ヘイスティングスは当時、この記事は彼のキャリアの中で 最も重要な記事になると思っていました。しかし、この記事は、5人のタリバンメンバーと引き換えにバーグダールが解放されたことが政治論争を巻き起こした 最近になるまで、広く注目されることはありませんでした。

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    2014/6/17(Tue)
    記事番号: 
    3
  • フリーダム・サマーから50年、新たなフリーダム・サマーは選挙権を剥奪された南部の非白人種をいかに動員できるか

    2014 年6月で「フリーダム・サマー」(Freedom Summer)は50周年を迎えます。1964年6月、1000人以上の州外のボランティアたちがミシシッピ州に向かい、アフリカ系米国人の有権者登録 を支援し、フリーダム・スクールを設立しました。アクティビストたちは命を懸けて、米国の民主主義の誓約である、すべての人が投票する権利実現を支援しました。「フリー ダム・サマー」から生まれ育った「ミシシッピ州自由民主党」(Mississippi Freedom Democratic Party)は、1964年の民主党全国大会で、白人のみをメンバーとする同州の民主党組織の正当性に異議を申し立てました。「フリーダム・サマー」から半世紀経ちましたが、新たな報告書から、なすべき課題が数多く残されていることがわかります。この報告書によると、非白人種は米国全州の政治から相変わらず締め出されており、非白人種の候補者が州レベルの議会に選出されることは稀です。報告書の州ごとのグラフは、非白人種にターゲットをあてた有権者登録活動を繰り広げることで、南部主要州での力の均衡がどのように変わる可能性があるかを示しています。

    dailynews date: 
    2014/6/17(Tue)
    記事番号: 
    2
  • フアン・コール:大規模なスンニ派蜂起でイラクは2003年の米国侵攻当時の宗派間反撃に直面

    イラク危機をめぐり、米国とイランが短期の協議を行う中、オバマ大統領はバグダッドの米国職員と施設を守るために275人の米兵を派遣すると発表し ました。オバマ政権は、無人機攻撃やイラク軍を訓練するための特殊部隊の配備など、イラクでの他の選択肢も検討中だと報じられています。この報道は、 スンニ派武装勢力がバグダッドから40マイル弱(約64キロ)の都市バクーバへの新たな攻勢を受けて行われました。ミシガン大学教授で、近刊予定の>The New Arabs: How the Millennial Generation is Changing the Middle East(『新しいアラブ:新世紀世代は中東をどう変えるのか』)はじめ数冊の著者であるフアン・コールから話を聞きます。

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    2014/6/17(Tue)
    記事番号: 
    1
  • デイブ・ザイリンが語るテレビには映らないW杯:デモ、催涙ガス、ファベラ住民の強制退去

    2014ワールドカップ・ブラジル大会は大会5日目に突入。アメリカは今日、初戦となるガーナ戦を行います。その一方で、ブラジルの街路では抗議行動が続いています。ブラジルの病院、学校が深刻な資金不足で苦しんでいる中で、政府が約110億ドルをW杯開催に投じたことに多くのブラジル国民が怒りをあらわにしています。15日、AP通信が撮影した動画には、リオデジャネイロのマラカナ・スタジアム付近でW杯に抗議するデモ参加者に対し、警官が実弾とみられるものを発砲している様子が映っていました。警官は、デモ隊を解散させるため、催涙ガスやゴム弾、音弾も使用したとの報告があります。15日にデモを取材していて催涙ガスを浴びたスポーツ記者デイブ・ザイリンに、リオから話を聞きます。彼の新著は>Brazil’s Dance with the Devil: The World Cup, the Olympics and the Fight for Democracy(『悪魔と踊ったブラジル:ワールドカップ、オリンピック、民主主義への戦い』)

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    2014/6/16(Mon)
    記事番号: 
    2
  • オバマ大統領がイラクでの無人機攻撃を検討 米軍の行動は宗派間紛争を悪化させる?

    週末にかけ、「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」の戦闘員が激戦の末、北部の都市タルアファルを制圧しました。ISISがさらに複数の都市を制圧したことで、イラクが崩壊するかもしれないと大勢が懸念しています。シーア派武装勢力は現在、スンニ派武装勢力の支配下にある都市を奪還するため、イラク軍とともに戦っています。米国務長官ジョン・ケリーは16日、イラク政府を支援するため、米政府がイラク国内で無人機攻撃を行うことを検討中だと認めました。またケリーは、イラクを助けるために、米政府とイラン政府がどのような協力ができるのか、イランと対談する考えに前向きな姿勢があることも言及しました。どうやら米国は空爆に向けて準備を進めているようです。先日、米空母「H.W.ブッシュ」が、イラク本土に到達可能なトマホーク・ミサイルを搭載したミサイル巡洋艦フィリピン・シーとミサイル駆逐艦トラクスタン同行のもとペルシャ湾に到着しました。また米国は、バグダッド市内の巨大な米大使館から一部職員の退避を既に開始しています。一方、英国では、現在の危機が2003年の米英によるイラク侵攻とは関係がないと発言したことに対し、元首相のトニー・ブレアが多くの批判を受けています。「我々は、『我々』がこれを起こしたとの考えから、自由にならないといけない。(起こしたのは)我々ではない」とブレアは話しました。

    dailynews date: 
    2014/6/16(Mon)
    記事番号: 
    1

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