「食物テロリスト」の出現?公園の炊き出しを取り締まるオーランド市

2011/6/24(Fri)
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フロリダ州のオーランド市は、ディズニーワールドのお膝元です。この町は最近、「食物テロリスト」が出没するそうで、数週間で20名以上が逮捕されました。お腹を空かせた人々に公園で無料の食事を配ったというのが逮捕の理由です。炊き出しを行った団体「フード・ノット・ボム」を、市長が「テロリスト」と呼んだことが広く報道されました。

「フード・ノット・ボム」(爆弾より食べ物)は国際的な反戦市民団体で、戦争や貧困や環境破壊に抗議するため、世界の千以上の都市で食事を無料で提供しています。「毎日10億以上の人々が飢えているのに、戦争に使うお金がどこにあるのか」 と彼らは言います。オーランド支部はイオラ湖公園で毎週2回の炊き出しを行なっていました。

ところがオーランド市は新たな条令を定め、25人以上の集団への食事の提供を許可制にし、一団体につき年2回までを上限にしました。すでに2回の許可を使いきってしまった「フード・ノット・ボム」の活動家は、条例を無視して炊き出しをしたため逮捕されたのです。

この弾圧は、オーランド市のダウンタウン再開発計画と結びついているといわれます。再開発で上品になった街には、炊き出しを受けるような住民は目障りだということでしょう。でも皮肉なことにフロリダ州中部は不況の影響が大きく、個人破産と住宅の差し押さえが米国でももっとも多発しています。この再開発計画そのものが、現実と大きくずれてしまっているのです。 (中野真紀子)

*ベンジャミン・マークソン(Benjamin Markeson)「爆弾より食べ物」オーランド支部の活動家
*シャヤン・エラヒ(Shayan Elahi)「爆弾より食べ物」オーランド支部の弁護士

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字幕翻訳:川上奈緒子/校正:中野真紀子/サイト作成:丸山紀一朗