長編インタビューに字幕を:番組内容の紹介 提案 4

長編インタビューに字幕を:番組内容の紹介 提案 4

DNJクラウドファンディング第2弾企画(詳細はこちら)それぞれの放送について順次、紹介しています。これは今年4月9日に放送された、アルンダティ・ロイと共にインドの政治の現状を考える長編インタビューです。

インドは全体主義への道を歩むのか? アルンダンティ・ロイと新著

つい先ごろ選挙が実施されたインドでは、ナレンドラ・モディ率いるインド人民党(BJP)が10年ぶりに政権に返り咲きました。大企業の支持を取り付けて地すべり的な勝利を果たしたBJPですが、党首ナレンドラ・モディはヒンドゥー至上主義の右翼政治家です。ファシスト組織の出身で、グジャラート州の首長だった時代にムスリム憎悪を煽り、2002年の暴動では多数のムスリムの虐殺を黙認したと非難されています。政権をめざすにあたり大企業にも受け入れやすいようにイメージチェンジを図っていますが、宗教対立を煽り立てるような政治手法には懸念の声もあがっています。

 

動画プレビュー

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インドの市場開放から20年余、その結果は極端な貧富の差でした。トップ100人がGDPの25%を占め、8割の国民が一日50セントで生活、25万人の農民が土地を失って自殺しました。その中か ら生まれた3億人の中流層は、その購買力から国際社会ではインドの巨大市場としてもてはやされますが、その背後には彼らの誕生と引き換えに破壊されていった農地や河川や山々、膨大な資本主義の犠牲者たちの屍が腐臭を放っています。

その代表的な例として挙げられるのが2009年に始まったグリーンハント作戦です。インド政府は総人口の75%を都市生活者にするため5億人の人々を移住させるという壮大な計画を立て、鉱物資源の開発や巨大ダム・道路建設などの巨大インフラ・プロジェクトを国際資本と2004年に締結しました。もちろん、これには激しい住民の抵抗運動が起こり、特にインド中部から北東部にかけてはマオイスト(毛沢東派)のゲリラが徹底抗戦しました。これに対し中央政府は軍隊を差し向けて大規模なゲリラ討伐作戦「グリーンハント」を遂行しています。その実態は、開発の邪魔になる森林地帯の農村集落から人々を追い出すためにマオイスト・ゲリラのレッテルを貼り、強制的に移住させ収容所に押し込めるというひどいものです。

グリーンハント作戦を遂行してきたのはインド国民会議派のマンモハン・シン政権ですが、政権交代はこの方針にどのような影響を与えるのでしょうか? 単独過半数を占める勢いのBJPのもとで、大資本による暴力的な資源開発が加速する恐れは十分にあります。

インドの開発の影で犠牲にされる膨大な貧困層の存在に目をむけてきた作家アルンダディ・ロイが、新著Capitalism: A Ghost Story (『資本主義:ゴースト・スーリー』)の紹介を兼ねてインドの政治の現状を分析します(ちょっとだけ本人による朗読もあります)。グローバル資本主義に市場を開放した結果、インドには民族主義と開発至上主義を両輪とする全体主義がはびこるようになったとロイは語ります。


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 参考リンク:デモクラシー・ナウ!の番組は、こちらから (ページ内の記事のタイトルをクリックすると英語の動画が見られます) 

 

 

マーティン・チエ
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