デイリーニュース

  • ロバート・カロ:政治的権力が弱者に与える影響について書くということ

    ロバート・カロはまだ仕事を続けています。2度にわたってピュリッツァー賞を受賞したカロは45年前、最初の著書The Power Broker: Robert Moses and the Fall of New York(『パワー・ブローカー:ロバート・モーゼスとニューヨークの衰退』)でニューヨークの都市計画を進めたロバート・モーゼスを取り上げ、それから何十年にもわたってリンドン・B・ジョンソンの生涯と時代を細かくつづってきました。その成果は合計3000ページ以上ある4巻本として結実し、米国で最も影響力のあった大統領の一人であるジョンソンの内的世界をのぞくためのかつてない窓を提供しています。カロの仕事はまだ終わってはいません。コレクションの最後を飾る第5巻を執筆しています。「現代の最も偉大な政治系伝記作家」と呼ばれてきたカロですが、その仕事を偉人の伝記だけと考えるのは間違いです。カロは、モーゼスとジョンソンの両方を例に、政治的権力がいかに働くかを描きます。カロが出版したばかりの新著は、シリーズ中で最も薄く、「仕事」との題がつけられています。作家の周到な調査と執筆のプロセスを垣間見ることができます。ニューヨークのスタジオでカロと話します。

    dailynews date: 
    2019/4/29(Mon)
    記事番号: 
    1
  • フィリピン人ジャーナリスト マリア・レッサ 大量の死者を出したドゥテルテの麻薬戦争を明るみに出し投獄の危機に

    受賞歴のあるフィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサは、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が批判者やメディアを厳重に取り締まる中で、ここ数カ月の間に2度逮捕されています。彼女は2月にサイバー上の名誉棄損の容疑で拘束されましたが、これは政治的な動機によるものであると広く認識されています。彼女は3月後半に再び逮捕されました。外国人によるメディア所有規制に違反した容疑です。ドゥテルテ大統領は長い間、ソーシャルニュースサイトRapplerの閉鎖を目論んできました。Rapplerは数千人が命を落としたドゥテルテの麻薬取締についての画期的な調査報道を掲載したサイトです。ドゥテルテは、このサイトをフェイクニュース報道機関と表現したと報じられています。独立ニュースサイトRapplerの創始者であり、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領を声高に批判しているマリア・レッサ氏に話を聞きます。

    dailynews date: 
    2019/4/26(Fri)
    記事番号: 
    4
  • ロー対ウェイド判決の危機:米国家族計画連盟会長が連邦法による中絶禁止の危険に声を上げる

    中絶の権利は全米で脅威に晒されており、現在28の州が様々な方法で中絶を禁止または制限する法案を検討しています。さまざまな戦略の中には禁止の引き金となるものがあり、ロー対ウェイド判決が覆された暁には州内での中絶を完全に違法化するものや、6週目から中絶を禁止するものなどがあります。今月初め、オハイオ州のマイク・ディワイン知事は、6週目から中絶を禁止する州法に署名しましたが、これは胎児の心拍が検出された後は中絶を禁止するというものですが、それは多くの女性が妊娠に気付く前(6週目から可能)に起こることです。この法案には、レイプ被害者や近親相姦を例外とする条項は含まれていません。7月に同様の法律がミシシッピ州で施行されますが、ケンタッキー州とアイオワ州では施行が阻止されています。ジョージア州のブリアン・ケンプ知事は、数週間のうちにジョージア州の中絶法に署名する予定です。米国人の3分の2以上が妊娠中絶の合法性を支持(プロチョイス)していますが、州政府に対しては妊娠中絶反対(アンティチョイス)の活動家の方が力を持っています。共和党員が州議会の約3分の2、50人の州知事のうち27人を占めているからです。米家族計画連盟の会長を務めるリアナ・ウェン博士に話を聞きます。

    dailynews date: 
    2019/4/26(Fri)
    記事番号: 
    3
  • 家族計画会長:トランプの「中絶反対」アジェンダが米国のみならず世界中で何千人も死なせている

    患者に選択肢の一つとして中絶を提案する米国家族計画連盟のような診療所から「タイトルX」として知られる連邦政府の補助金をはく奪することになる事実上の中絶に関する緘口令が、2月にトランプ大統領により発表され、5月3日に発効する予定でしたが、これに待ったをかける二人目の連邦裁判所判事が登場しました。ワシントン州連邦裁判所のスタンレー・バスティアン判事は26日(木)、「タイトルX」補助金の運用規則変更を認めない判決を下し、その理由として、この変更は診療所に「選択の余地を与えず、患者だけでなく医療提供者にも有害な決定」を要求することになると指摘しました。この2日前にオレゴン州の連邦裁判所判事が中絶かん口令の発効を阻止する仮差止めの命令を出し、この政策を「公衆衛生政策への不器用なアプローチ」と呼びました。「タイトルX」補助金は性病感染予防、がん検診、避妊などの中絶以外の家族計画サービスをカバーしており、年間400万人の重荷低所得層の女性に対し2億8千万ドル以上の資金を提供しています。家族計画連盟の会長を務めるリアナ・ウェン博士に話を聞きます。彼女は、かん口令は医師に「患者に尽くすというヒポクラテスの宣誓を譲歩することを強いる」と言います。

    dailynews date: 
    2019/4/26(Fri)
    記事番号: 
    2
  • 「米国の恥ずべき一週間」戦争手段としての性暴力の撲滅をめざす国連決議をトランプ政権が骨抜きに

    戦時下で性暴力を武器にすることの撲滅をめざす国連安保理事会の決議が23日火曜日に採択されましたが、決議文から「性と生殖に関わる健康」の文言が消されたことに関しトランプ政権が非難を浴びています。「生殖に関わる健康」(reproductive health)という言葉は妊娠中絶を示す記号であると考えるトランプ政権が、この文言を削除しない限り、決議案をまるごと拒否する姿勢を示したため、決議文からこの文言が削除されたからです。決議文が骨抜きにされたことは、国際刑事裁判所の裁定権も弱める結果になり、女性や女児が戦時性暴力に関する裁判を求めることがより難しくなりました。ハンターカレッジの政策研究所ルーズベルトハウスの人権プログラム責任者で、SIGI(Sisterhood Is Global Institute)所長のジェシカ・ニューワースに話を聞きます。彼女はマイク・ポンペオ国務長官あての書簡で、今回の安全保障理事会決議における米国の立場に抗議を表明しました。米国家族計画連盟の会長を務めるリアナ・ウェン博士にも話を聞きます。

    dailynews date: 
    2019/4/26(Fri)
    記事番号: 
    1
  • 米海軍特殊部隊員 戦争犯罪の告発を何カ月も試みるも「あきらめろ」と命令される

    イラクで海軍の小隊長が戦争犯罪を犯したのを目撃した米海軍特殊部隊員(Navy SEAL)達は、2018年の秘密のミーティングで上官から、告発すれば職を失うから止めるよう脅されたと、ニューヨークタイムズ紙が報じています。同紙が入手した海軍の機密文書によれば、彼らの部隊長であるエドワード・ギャラガーが武器を持たない十代の捕虜を刺殺、女の子と年老いた男性を射殺し、民間人の集団に向け銃を乱射したのを部隊員達は目撃しました。しかし部隊員達が私的なミーティングで軍指揮官に捜査を要求すると、指揮官から口外を止められ、この件は放置されました。7人の特殊部隊員は最終的には調査を勝ち取り、エドワード・ギャラガーは計画的殺人および殺人未遂を含む10以上の容疑で9月に逮捕されました。裁判所に提出された証拠では、医療兵の治療を受けていた丸腰の10代のISメンバーの刺殺容疑が中心となっています。裁判は5月28日に始まる予定です。有罪となればギャラガーは終身刑になる可能性があります。ピュリッツァー賞に輝くニューヨークタイムズ紙の国内担当記者デイブ・フィリップスに話を聞きます。フィリップスの最新記事は”Navy SEALs Were Warned Against Reporting Their Chief for War Crimes”(「海軍特殊部隊員は隊長の戦争犯罪を告発しないよう警告された」)です。

    dailynews date: 
    2019/4/25(Thu)
    記事番号: 
    3
  • 犯罪法からイラク戦争への賛同まで 大統領選出馬で精査されるバイデンの議会での実績

    ジョー・バイデン元副大統領が正式に2020年の大統領選への出馬を表明したことで、民主党の大統領候補指名を目指す候補者は20人となり、最も多数で多様な予備選となっています。議員としてもベテランのバイデンは、今後、彼の議会での長期に渡る数奇な実績を精査されることになります。バイデンは、1994年暴力犯罪抑制および法執行法(Violent Crime Control and Law Enforcement Act)の発案者で、この法律は犯罪者を長期に収監しておくことが営利目的の刑務所の利益となるため大量投獄の原因となりました。また、1991年、最高裁判事に指名されたクラレンス・トーマスに対しセクハラされたことを主張したアニタ・ヒルに対する扱いも問題となりました。バイデンは金融業界とも親密な関係にあることが知られており、2003年には米国のイラク侵攻に賛成票を投じました。大統領選出馬発表の数週間前には、少なくとも7人の女性がバイデンに不適切に触れられたと名乗り出ています。ハーパーズ・マガジン、ワシントンの編集者アンドリュー・コーバーンに、バイデンの実績について話を聞きます。コーバーンの最新記事は”No Joe! Joe Biden’s disastrous legislative legacy”(「ダメだよ、ジョー!ジョー・バイデンの悲惨な議員レガシー」)というタイトルです。

    dailynews date: 
    2019/4/25(Thu)
    記事番号: 
    2
  • ラッカは「死の落とし穴」:米主導の連合軍がシリア市民1600人以上を殺害とアムネスティ

    アムネスティ・インターナショナルと「エアウォーズ」(Airwars-空爆による軍事活動の民間人への危害をモニタリングし査定する組織)が実施した大型調査によれば、米主導の連合軍は2017年、シリアの都市ラッカから自称イスラム国(IS)過激派を追い出すための作戦で民間人1600人以上を殺害しました。連合軍は数千回の空爆と数万回の砲撃をラッカに向けて行いました。この砲撃の数はベトナム戦争以来最も多いものとなっています。当時、米国はこれを「史上最も正確な攻撃」だと主張していました。アムネスティ・インターナショナルの主任捜査員ドナテラ・ロベラに話を聞きます。彼女は米国および連合国が、市民に大量の犠牲者が出たことをきちんと調査するよう求めています。ロベラはアムネスティ・インターナショナルの上級危機対応アドバイザーです。新たな調査報告書はRhetoric versus Reality: How the 'most precise air campaign in history' left Raqqa the most destroyed city in modern times(『建前と現実――「史上最も正確な空爆」は、なぜラッカを現代で最も破壊された都市にしたのか』)というタイトルです。(画像クレジット:アムネスティ・インターナショナル)

    dailynews date: 
    2019/4/25(Thu)
    記事番号: 
    1
  • ジョセフ・スティグリッツ:エリザベス・ウォレンとバーニー・サンダースはすべてのアメリカ人のために機能する経済を求めている

    2020年の大統領選挙に向け20人近い民主党候補がしのぎを削っていますが、進歩派の選候補者であるエリザベス・ウォレンとバーニー・サンダースの政策綱領についてノーベル経済学賞受賞者であるジョセフ・スティグリッツと話します。ウォレンの政策であるハイテク大企業の分割と学生の負債の免責、サンダースの民主的社会主義への取り組みについても触れます。スティグリッツは、サンダースの社会主義を「ヨーロッパで、社会民主主義、また時には福祉国家と呼ばれるもの」と比較し論じます。今週刊行の彼の新著は、『民衆、権力、利潤:不満の時代に進歩的な資本主義を』(People, Power, and Profits: Progressive Capitalism for an Age of Discontent.)です。

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    2019/4/24(Wed)
    記事番号: 
    4
  • 経済学者のジョセフ・スティグリッツが語る 資本主義は過去40年間ほとんどの人々のために役立っていない

    ノーベル経済学賞受賞者であり、クリントン政権の大統領経済諮問委員会委員長をつとめたジョセフ・スティグリッツとともに、慢性化する不平等と米国経済の現状について見ていきます。スティグリッツはコロンビア大学の教授で、シンクタンク「ルーズベルト・インスティチュート」の主席経済学者です。今週刊行の新著のタイトルは、『民衆、権力、利潤:不満の時代に進歩的な資本主義を』(People, Power, and Profits: Progressive Capitalism for an Age of Discontent.)です。

    dailynews date: 
    2019/4/24(Wed)
    記事番号: 
    3

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