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2015年3月5日(木)

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  • 医療費負担適正化法(Affordable Care Act)、または通称「オバマケア」に対する新たな異議申し立てについて、米最高裁判所は議論聴取をおこないました。億万長者のデイビッドとチャールズのコーク兄弟が後ろ盾となっている、「企業競争研究所」(The Competitive Enterprise Institute)は、「オバマケア」法のなかの税金からの補助に関する1点を取り上げ政府を告訴しました。裁判の焦点は、医療負担適正化法で使われている4語の表現にあるとされる法的な問題です。その表現とは、「州により設立された(established by the state)」保険市場から保険を購入した人が補助金をうけることができる、というものです。原告側は、この表現は、自前の保険市場を設けなかった34の州の住人で連邦政府の保険市場から保険を購入した750万人あまりの人を含まない、と訴えています。もし政府がこの裁判に負けた場合、数百万人が民営の健康保険の保険料を払うのに必要な補助金を受けられなくなります。3月4日の審理では、最高裁判事らの意見はくっきりと分かれたようです。判決は6月後半に出る予定です。4日の裁判に出席したイアン・ミルハイザーに話を聞きます。ミルハイザーは「米国急進派行動基金センター」(Center for American Progress Action Fund)の上級研究員で、「シンクプログレス」(ThinkProgress)司法分野の記者を務め、もうすぐ出版されるInjustices: The Supreme Court’s History of Comforting the Comfortable and Afflicting the Afflicted(『不正義――満ち足りるものを楽にさせ、苦しむものを苦しませてきた米最高裁の歴史』)の著者でもあります。

  • ジェームズ・フォーリーとスティーブン・ソトロフの斬首ビデオに出演した、「ジハーディ・ジョン」とあだ名される「イスラム国」(Islamic State)戦闘員の数奇な経歴を見ていきましょう。3月第1週、マスコミは、この人物をクエート出身でロンドンに住んでいたモハメド・エムワジであると特定しました。エムワジは、子どもの頃英国に移住し、ウエストミンスター大学でコンピュータ・サイエンスを学びました。エムワジの物語は英国で、潜在的な脅威に対する取り締まりと監視に関する議論を引き起こしています。英国で大学生をしていたエムワジが、どうして「イスラム国」の顔になったのか? イギリス保安局は、彼の過激化することの一翼を担ったのでしょうか? 英国の、拘束や尋問を受けた人々の支援団体「ケージ」(CAGE)のアシム・クレシに話を聞きます。クレシは、エムワジがイギリスを去った2012年まで、彼と知り合いでした。

  • 悪名高いアッティカ刑務所暴動から40年以上が経ちましたが、2011年に看守3人が囚人1人を殺す寸前まで殴った、ニューヨーク州の同施設内の現在の荒れ果てた状態を見ていきます。看守の3人はこの暴行で訴追されましたが、裁判開始前に全員が軽犯罪を犯したことを認め、禁固刑は逃れる見込みです。ニューヨーク州の刑務所看守が、囚人に対する性暴力でない暴行で刑事責任を問われるのはこれがはじめてで、また、勤務中に囚人に対し許可なく暴力行為を行った罪を看守が認めたのも、同州史上初です。アッティカ刑務所には2200人以上が収容されており、看守による武力行使の報告は過去4年間に25パーセント増加しています。最高度の警戒が取られる同刑務所には、監視カメラが数機しか設置されておらず、今回の裁判の検察官によれば、そのために看守および囚人による暴力が見過ごされてきたと言います。アッティカ刑務所の閉鎖を求める批判者たちもいます。「マーシャル・プロジェクト」(The Marshall Project)の記者で、この事件の取材の結果をニューヨークタイムズ紙と協力して発表した、トム・ロッビンスに話を聞きましょう。アッティカ刑務所に服役経験のあるアントニオ・ヤーボローにも話を聞きます。ヤーボローは、3人を殺害した罪で20年刑を務めましたが、2014年に無罪が認められました。

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