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2015年3月2日(月)

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  • イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イラクとの核交渉を阻止するべく、3日に賛否両論のある米議会演説を行うため、米国に到着しました。多くの民主党議員は、共和党のジョン・ベイナー下院議長がホワイトハウスに相談せずに予定を組んだこの演説をボイコットする恐れがあります。ネタニヤフの訪米は、イランと欧米6か国が3月31日までの合意を目指して交渉をまさに再開しようとする中での出来事となりました。「ネタニヤフ首相、そして共和党議員がその大半であるタカ派議員の両者にとって、イランと合意する可能性のあるあらゆる交渉を台無しにすることが主な目的です。彼らは、中東地域における主な暴力であるイスラエルと米国の暴力を、どのような形であれ妨害するような役割を果たすことが可能な域内勢力を存在させないようにする、という共通の利害を持っています」とマサチューセッツ工科大学名誉教授のノーム・チョムスキーは語ります。またチョムスキーは、ネタニヤフによるイランの核兵器生産能力に対する強い警告とは逆に、イスラエル諜報機関のモサドが「(イランは)兵器生産に必要な活動を行っていない」と2012年に結論づけていたことを明らかにした最近の報告ついても言及しています。

  • イスラエルによるガザ地区の壊滅的な攻撃が終わってから6ヶ月後、何万戸もの家や学校、病院の再建はひどく遅れており、10万人のパレスチナ人が難民生活を送っているガザ地区の再建は、進展不足と救済機関が非難しました。本日のゲスト、ノーム・チョムスキーは、大規模な破壊に使われた武器の大半は、米国防総省によって提供されたものだったと指摘します。「武器は、米国がイスラエルに保管している武器から用いられました。これらの武器は最終的に米軍によって使われるためにイスラエルに事前配備されていたものです。実質的に、イスラエルは海外軍事基地とみなされているのです」とチョムスキーは語ります。

  • 当初は波乱含みだったウクライナの停戦が続く中、ジョン・ケリー国務長官は、親ロシア分離派への軍事支援について嘘をついたとロシア高官を非難しました。国連によると、この1年の紛争で死者数は6000人に達しました。一方モスクワでは、ロシア大統領ウラジミール・プーチンの独裁政治を批判して殺害された野党リーダーのボリス・ネムツォフを追悼するため、数万人がデモに参加しました。「米国や英国では、プーチンをある種歪んだ心の持ち主として責めることが風潮となっています」とチョムスキーは話します。しかし、いかなるロシア指導者であっても、現状のウクライナによるNATO加入の動きを認めることはできないと、チョムスキーは指摘します。チョムスキーは、ウクライナの中立維持を強く宣言することで、和平的解決の道が開かれると主張します。

  • イラク政府が自称イスラム国からティクリートを奪還する新たな軍事作戦を開始する中、数千人規模のイラク治安部隊と民兵が、近くのイスラム国の拠点を攻撃するためサマラに集結しました。米政府は現在継続中の空爆作戦の一環として、航空支援を行う予定です。一方イラク軍は、イスラム国から数週間以内にモスルを奪還することを目指し、米国の支援を受けた大規模な軍事作戦を準備しています。「(イスラム国は)極めてぜい弱な社会を米国が強烈に叩いた結果の一つであり、今までになかった宗派間の争いを引き起こしました。こうなってしまうと、イラクが今後団結できることがあるのか、その道のりを見通すことは困難です。イラクは米国による制裁、戦争、その後の残虐行為によって打撃を受けました。現在の政策は、応急手当すら不可能な可能性が高く、ガンに絆創膏を貼るようなものです」とノーム・チョムスキーは語ります。

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