デイリーニュース

  • 豪州のグリーンスライド 気候災害の嵐が緑の党&労働党を押し上げ石炭推進政権を倒す

    オーストラリアでは、5月21日の総選挙で与党自由党が破れ、10年近く続いた保守政権に終止符が打たれました。この結果は「グリーンスライド」と呼ばれます。選挙の主な争点が気候変動だったからです。

    新首相に選ばれたのは、中道左派の労働党アンソニー・アルバニージー党首です。2018年から首相を務め石炭産業を推進してきた右派のスコット・モリソン自由党党首は敗退しました。有権者の支持は、気候対策強化を訴える候補者に圧倒的に集まり、労働党が議会の最大勢力となりました。

    「前回の選挙以降、オーストラリアの人々は壊滅的な気候災害を経験しました」と、オーストラリアの気候科学者で活動家のティム・フラナリー氏は言います。右翼で石炭を推進するモリソン政権の下で、気候変動に起因する山火事、洪水、干ばつが次々と発生し、「気候危機が、この選挙の最大の焦点となりました。前回の選挙の後のわずか3年の間に、私たちは壊滅的な影響を目の当たりにしたのですから」

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    2022/5/23(Mon)
    記事番号: 
    1
  • 経済学者ジョセフ・スティグリッツ「戦争、コロナ禍、気候変動が世界中で経済危機を引き起こしている」

    富裕層は自分たちの利益のために世界経済を操っていると、国連総長が非難しました。経済学者ジョセフ・スティグリッツをゲストに招き、現在の世界経済について聞きます。スティグリッツ教授は、戦争やパンデミックや気候変動がいかに世界中で経済危機を引き起こしているかを語り、それに加えて米国のFRB(連邦準備制度理事会)の高金利政策がグローバルサウスの状況をさらに悪化させていることを指摘します。すでに債務を抱えて苦しんでいる国々が、新たな借り入れのコスト上昇に直面しているからです。

    コロンビア大学教授のスティグリッツ氏はノーベル賞経済学賞の受賞者で、大統領経済諮問委員会の議長も務めた経験があります。現在は、ルーズベルト研究所のチーフエコノミストも務めています。最新の著作は『スティグリッツ Progressive Capitalism プログレッシブ・キャピタリズム:利益はみんなのために』(People, Power, and Profits: Progressive Capitalism for an Age of Discontent)です。

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    2023/3/7(Tue)
    記事番号: 
    1
  • 「カリフォルニアと資本主義と世界の歴史」 著者マルコム・ハリスが新刊『パロアルト』を語る

    新刊『パロアルト~カリフォルニアと資本主義と世界の歴史』について、著者のマルコム・ハリスを招いて話を聞きました。 ハリスはこの本で、自分の故郷パロアルトについて語ります。シリコンバレーの中心に位置し、多数のテック系億万長者が本拠地を構えるこの町が、その独自の資本主義ブランドを米国内の他の地域や世界中に送り出したことによって、いかに資本主義経済を次の段階に導いたかを描いています。 シリコンバレーの歴史は輝かしい部分ばかりにスポットがあたり、影の部分は置き去りにされがちです。ハリスは多岐にわたるインタビューの中で、「インターネットとその歴史を、このような資本と政府の関係として捉えることが重要です」と語っています。

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    2023/2/27(Mon)
    記事番号: 
    2
  • 言論の自由を審判:インターネットの未来が変容しかねない最高裁審問

    最高裁で係争中の2つの裁判が、インターネットの未来を大きく変えてしまうかもしれません。両裁判とも、争点は1996年制定の通信品位法第230条です。この条項により、ウエブ・サービスを提供する企業は、ユーザーが投稿したコンテンツの内容に起因する法的な責任から免責されています。肯定的に評価する人々は、この規定がオンライン上の言論の自由を育んできたと主張します。しかし一方では、この免責によって、オンライン・プラットフォームを提供するテック企業が有害なコンテンツの拡散に関する説明責任を免れているという批判もあります。

    先週の火曜日(2月22日)最高裁判所で、2015年パリで起きたテロ事件により死亡したノヘミ・ゴンザレスの遺族がGoogle社を訴えた「ゴンザレス対Google」裁判の口頭弁論が開かれました。パリのテロ襲撃を実行した過激派組織「イスラム国」(ISIS)の宣伝動画をYouTube(Google傘下)が違法に推奨したと、遺族は主張しています。翌23日水曜日には、「Twitter対タムネ(Taamneh)」裁判の口頭弁論が行われました。2017年にトルコのナイトクラブで起きたテロ事件で、39人が犠牲になりましたが、犠牲者の一人ナウラス・アラサフ(Nawras Alassaf)の遺族がTwitter社を相手取って起こした訴訟です。

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    2023/2/27(Mon)
    記事番号: 
    1
    https://www.democracynow.org/2023/2/27/supreme_court_internet
  • ジェフリー・サックス:米国の「危険な」政策と「西側の偽りの説明」がロシアや中国との緊張を煽る

    コロンビア大学の経済学者ジェフリー・サックス氏と、欧米の覇権主義ならびに米国のロシア、ウクライナ、中国における政策について聞きます。サックス教授は最近発表した、"The West's False Narrative About Russia and China (ロシアと中国についての西側の虚偽の説明"という記事で、米国の超党派的な外交政策のアプローチは「説明のつかぬほど危険で、誤った判断」であり、おまけに東アジアでも「またもや新たな戦争のレシピ」を作り出していると警告しています。

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    2022/8/30(Tue)
    記事番号: 
    1
  • 「ロー対ウェイド」判決が50周年を目前に覆された後 中絶の権利の現在地

    【2023/01/18/1】今週末は、妊娠中絶の権利を憲法で保障した1973年3月5日の「ロー対ウェイド裁判」の判決から50周年にあたります。しかし、この画期的な判決は半年あまり前、超保守的な最高裁が、女性の健康めぐる「ドブス対ジャクソン」裁判に下した判決によって覆されてしまいました。安全で合法的な中絶の権利を最高裁判所が削除したことを受け、12の州で中絶医療が全面的に禁止されることになりました。一方、中絶医療へのアクセスを確保しようとする動きから、新たな裁判の提訴が急増し、また中絶薬ミフェプリストンへの依存度が高まっています。内服薬による中絶は、今や米国の中絶件数の半分以上を占めています。

    『ネイション』誌で中絶医療へのアクセス問題を報道しているエイミー・リトルフィールド記者に最新の状況を聞きます。彼女の直近の記事は、「ドブズ対ジャクソン」判決が引き起こす打撃を緩和するために、州政府や自治体がどのような行動をとっているかを探求しています。「活動家たちは最大の努力を払っていますが、それでもなお数知れぬ女性たちが自分の意に反して妊娠を継続させられています」と、リトルフィールドは言います。

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    2023/1/18(Wed)
    記事番号: 
    1
  • クリス・ヘッジズ獄中のWikiLeaks創設者ジュリアン・アサンジの結婚式を語る 「ロンドンの独房で彼は壊れていく」

    【2022/04/01/3】先週、ロンドンのベルマーシュ刑務所で行なわれたウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジと長年の伴侶ステラ・モリスとの結婚式に出席したジャーナリストのクリス・ヘッジズが、アサンジは獄中で肉体的にも心理的にも「壊れつつある」と語っています。ジュリアン・アサンジは、米国がイラク侵攻とアフガニスタン侵攻で犯した戦争犯罪を暴露する文書を公開したため、米国からスパイ容疑で身柄引き渡しを要求され、英国で3年近く収監されています。アサンジは、NSAの内部告発者エドワード・スノーデンと並んで、この時代における「最も重要な情報」を暴いた人物だと、ヘッジスは述べています。
    ☆リンク先の動画は、なぜか58分の番組全体に飛んでしまいますが、このセグメントは48分ごろから始まります。下欄のバーで開始時間をずらしてご覧ください。

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    2022/4/1(Fri)
    記事番号: 
    3
  • メキシコはイスラエルの民間スパイウェア「ペガサス」を使って大統領の家族や殺害されたジャーナリストを監視していた

    【2021/07/20/2】イスラエルのサイバー監視会社NSOグループを調査する報道機関などの国際協力プロジェクト(ペガサス・プロジェクト)によれば、メキシコは同社に監視を依頼する国の中で最も多くの電話番号を提出しています。2017年にゲレロで暗殺されたメキシコ人ジャーナリスト、セシリオ・ピネダ・ビルト(Cecilio Pineda Birto)の携帯番号が、暗殺の数週間前にNSOグループのメキシコの顧客によって監視対象の候補に選ばれていたことがわかったとガーディアン紙が報じています。同紙の上級記者ニナ・ラクハニによると、メキシコはNSOグループの最初のクライアントであり、同国の政府当局には「惨憺たる人権侵害」の綿々とした履歴があります。メキシコの「ペガサス」利用は、この技術が犯罪の追跡だけに使われているのではないことを証明しているとラクハニは指摘します。「メキシコでは善と悪の境界線が曖昧なのです」と彼女は言います。

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    2021/7/20(Tue)
    記事番号: 
    2
  • 「アメリカの叛乱」 1.06議会襲撃事件を経て過激な右翼運動は少数派から主流派へ

    【2022/01/05/1】2021年1月6日、トランプ支持の極右白人至上主義者が数千人の暴徒となって連邦議事堂に押し寄せ、大統領選挙の結果の議会承認を妨害して5人の死者と数百人の負傷者を出しました。事件から一年が経ち、この運動は今どのような状況にあるのでしょうか。PBSのドキュメンタリー番組『フロントライン』(Frontline)が、非営利報道機関『プロパブリカ』(ProPublica)やカリフォルニア大学バークレー校の調査報道プログラムとの共同調査をもとに制作した調査報道ドキュメンタリーAmerican Insurrection(『アメリカの叛乱』)の最新版を見て検証します。リック・ローリー監督は、あの暴動事件以来、極右の社会運動がどのように拡大したかを説明し、「組織化が行われる場が国政の舞台から地域政治へと移行しており、その結果、彼らの活動を追跡するのがずっと難しくなっており、局所的あるいは地域的な暴力事件が各地で起こる可能性が増大している」と語ります。ローリー監督と『フロントライン』通信員のA.C.トンプソン記者は、連邦議会に設けられた「1月6日特別委員会」委員長のベニー・トンプソン議員にインタビューし、この事件が何をもって「極右の動乱」とされるのかを聞きました。

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    2022/1/5(Wed)
    記事番号: 
    1
  • ニコル・ハンナ=ジョーンズが語る 「1619プロジェクト」  批判的人種理論の教育 裁かれる白人至上主義

    【2021/11/23/1】批判的人種理論の教育に右派の攻撃がしかけられる中で、ピュリッツアー賞受賞ジャーナリストのニコル・ハンナ=ジョーンズにロングインタビューを行いました。彼女は、奴隷とされたアフリカ人が最初にバージニア州に到着した年を建国の起点として米国史を再構築する「1619プロジェクト」の生みの親です。このニューヨーク・タイムズ誌のプロジェクトは2019年にスタートし、18本の論考を詩や短編小説とともに収録したアンソロジーへと発展しました。それに対して、いくつもの州が学校カリキュラムから追放しようとしてきました。「私たちは皆、米国人として、このような歴史を敵視する法律について深く懸念すべきです。なぜなら、彼らがやろうとしていることの本質は、私たちの記憶を支配し、自分の国についての理解を支配することだからです」と、ハンナ=ジョーンズは言います。彼女が共同編集した新刊本The 1619 Project:A New Origin Story(『1619プロジェクト~新たな建国物語』)が今月刊行されました。 それと同時に、1619 プロジェクトを子供向けに脚色した Born on the Water(『海で生まれて』)も出版されています。ハンナ=ジョーンズは、自分の目を開かせてくれた恩師たちの役割についても語ります。

    dailynews date: 
    2021/11/23(Tue)
    記事番号: 
    1

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