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2014年12月2日(火)

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  • マイケル・ブラウン事件の大陪審による決定から1週間が経過し、オバマ大統領はファーガソンや他の地域での人種に基づいた個人識別と警察による暴力についての抗議行動に応える最初の重要政策を打ち出しました。オバマは、全米の活動家と役人らとの会合において、彼が言うところの「鬱積した不信感」に取り組むための過程を発表しました。オバマ政権によるこの対応は、元警察官のダレン・ウィルソンがブラウン殺害について不起訴となったことに対する抗議行動が全米で続くなかで、発表されました。12月1日、全米の約30の都市で、職場や学校を放棄した抗議者は、ブラウンの事件後彼の死の象徴として広がった両手を挙げる姿勢で行進しました。「両手を挙げよう行進」(Hands Up Walk Out)が行われた一方で、この抗議行動の主要指導者たちは街頭には出ず、ホワイトハウスの中にいました。オバマが会合に招いたなかには、ファーガソンおよび他の有色人種コミュニティでの抗議行動の組織を助けた7人の若い活動家たちが含まれていました。その中の一人で、「ミレニアル・アクティビスト・ユナイテッド」(Millennial Activists United)の共同設立者で、活動家、詩人、アーティストのアシュリー・イエイツから話を聞きます。「これは現実の問題を終わらせるための一つのステップではありますが、まだ取り組むべき根本的な問題が残っています。」と、オバマの改革についてイエイツは言います。「その本当の根源とは、アメリカにおける人種差別、すなわち今も存在する反黒人感情です。そのことに取り組み始めない限り、本当の変化は生まれません。今あるのは正義への小さなステップだけです。我々には飛躍が必要です」。

  • オバマ大統領はファーガソンおよび全米中の都市での抗議行動に応え、いくつかの新しい計画を発表しました。この中には、全米の警察部隊に対する「国民の信頼を築く」ための具体策を用意する新たな特別委員会、約5万人の警官に装着用カメラを配備する7500万ドルを含む2億6300万ドルの「地域社会防犯改革」(Community Policing Initiative)、そしてファーガソンの抗議行動の弾圧で使われたような軍仕様の備品や武器の地方警察部隊への配備に関する規則を厳しくする大統領令などが含まれます。しかし、オバマ大統領は活動家らの要求を拒否し、武器の支給そのものにはほとんど手をつけないと明言しました。オバマはまた、エリック・ホルダー司法長官を全米のコミュニティーの視察ツアーに送り出しました。ホルダーは間もなく、人種的分析を制限する新たな連邦指針を発表する予定ですが、この指針はファーガソンのような州や地域警察には適用されません。リーハイ大学のアフリカ研究の学部長で、The Hip-Hop Underground and African American Culture: Beneath the Surface(ヒップホップのアンダーグラウンドとアフリカ系アメリカ文化:表面から見えないもの)の著者であるジェームズ・ピーターソンから話を聞きます。

  • 精神疾患であると広く信じられているにも関わらず、12月3日に死刑執行が予定されているテキサス州のある囚人の事件を検証します。スコット・パネッチは統合失調症と初めて診断されてから10年以上経った1992年に彼の妻の両親を殺害し、有罪判決を受けました。その時点での彼の精神病歴には、海軍を除隊となる原因となった幻覚、統合失調症とうつ病による、しばしば裁判所命令の元で行われた14回の入院歴が含まれていました。彼の前妻は、彼が悪魔に取り付かれていると言って家具を埋めて、カーテンを釘で打ち付けて締めきったことを受け、離婚しました。パネッチの殺人事件裁判は、裁判所が指名した弁護士を彼が解雇し、彼が自分で自分の弁護を許可されたことで世間の注目を浴びました。彼は紫のスーツと帽子をかぶったカウボーイ姿で登場し、彼が自分の弁護のために召喚しようとした証人の中は、ジョン・F・ケネディ、ローマ法王、イエス・キリストなどが含まれていました。ある時点で彼は彼の別人格である「サージ」になり、第三者として殺人を犯したことを証言しました。その後、米最高裁判所は2007年、パネッチには自分が死刑に問われている理由の理解力がないと判断し、下級裁判所に対し、彼が死罪を宣告されるのに十分な思慮分別があるか見直すことを求めました。しかし複数の裁判所は、パネッチが病気を装っていたというテキサス州の弁護士らの主張を認め、死刑を再度命じました。パネッチの弁護士であるキャサリン・ケースと「精神疾患のための全米連合」(National Alliance on Mental Illness)の政策と法務長であるロン・ホンバーグから話を聞きます。

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